C09シーン別・暮らし

賃貸でにおいが気になる人のための高齢の飼い主|5分で終わらせるケア

公開日 2022年7月9日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床に、クリーム色の犬が落ち着いて寝そべっている
においが濃く残るのは、その子が長く体をつけている場所です。家じゅうではなく、そこから手をつけます。写真:Leohoho/Pexels

フローリングワイパーを壁に立てかけて、粘着ローラーを取りに行く。賃貸のにおいが気になって道具を増やしたのに、増えたのは部屋の中を往復する回数のほうでした。高齢の飼い主から最初に聞くのは、においの話より先に、この持ち替えの話です。かがむ、立ち上がる、取りに行く。ペットと暮らす部屋の掃除は、道具の数だけこの3つがついてきます。1つの道具で床も布も片づけようとすると、床には毛が残り、布に当てた粘着面はすぐ埋まる。この記事で書くのは、道具を1つに絞って、そのかわり手を入れる場所を2か所に絞る、という組み立て方です。体力を増やす話は一つも出てきません。

道具を持ち替えるたびに、部屋の往復が1回ふえます|高齢の飼い主が賃貸のにおいを気にする背景

玄関に粘着ローラー、リビングにフローリングワイパー、寝室にハンディモップ。置き場所を分ければ取りに行かなくて済む、と考えて増やした道具が、気づくと3つになっています。賃貸でペットのにおいが気になりはじめると、たいていこの順番で物が増えます。ところが3つあると、今度は「今日はどれをどこまで使ったか」が分からなくなります。分からないので、念のためもう一度同じ場所をやる。往復が、もう1回ふえます。

高齢の飼い主から聞くのは、掃除の時間が長いという話ではなく、そのあいだに何回かがんで何回立ち上がったか、という話です。床の一点を拭くだけなら30秒で終わります。けれどその30秒の前後には、しゃがむ・体を支える・立ち上がるという動作が必ず1回ずつ入ります。道具を持ち替えるということは、この一往復をもう一度くり返すということです。においを気にして道具を増やすほど、体にかかる回数のほうが先に増えていきます。

賃貸で気になるのは、においが自分の持ち物ではなく部屋の側に残ることです。カーテン、押し入れの中、エアコンの風が通る道。手を伸ばせば届く範囲に生活のほとんどが収まっているので、ペットが長く過ごす場所と、人が寝る場所の距離が近くなります。距離が近いぶん、においは短い時間で移ります。だから「どこまでやれば終わりか」の線が決めにくい。終わりの決まらない掃除は、道具を増やす方向にしか進みません。

Noteできないことを数えないでください

高齢の飼い主に向けた掃除の話は、かがめないなら床はあきらめましょうという形になりがちです。ここではその立て方をしません。数えるのは、できない動作ではなく1回の掃除で部屋を何往復したかのほうです。往復が3回から1回になれば、同じ場所に同じだけ手が入っても、体にかかるものは3分の1になります。減らす対象は掃除の量ではなく、道具と場所を行き来する回数です。

床のにおいと、布のにおいは残り方が違います|ペットと賃貸で道具を1つに絞る考え方

床に落ちているものは、載っているだけです。抜けた毛、外から持ち帰った砂、その上に落ちた皮脂。フローリングでもクッションフロアでも、面はつるつるしているので、乾いた面をなでれば毛と砂は素直に動きます。床のにおいは、載っているものを動かせば一緒に動きます。時間もかかりません。1畳ぶんで20秒あれば足ります。

布はこれと作りが違います。ソファの座面、寝床の縁、カーテンの裾。繊維に毛が刺さっていて、上からなでても起き上がってきません。そこへ皮脂がしみ込み、皮脂を分解する雑菌が働いた結果として、においが出ます。においの出どころが繊維の奥にあるので、面をなでるための道具は最初から届きません。床と布では、においが残っている深さそのものが違います。

同じ一部屋の中で、においの残り方が2つに分かれます
床の側布の側
においの正体載っている毛・砂・皮脂繊維の奥に入った皮脂と、それを分解する雑菌
手を当てる面つるつるした平らな面毛が刺さって、指が沈む面
向いている道具乾いた面をなでるもの繊維から引き出すもの、含ませて拭くもの
1か所にかかる時間20〜30秒2〜3分
そのときの姿勢立ったまま、柄を伸ばして届く座ったまま、手の高さで届く
においが戻る速さ1〜2日1〜2週間
床の側と布の側で、においの残り方が分かれる 床は載っているものを動かせばにおいも動きます。布は繊維の奥に皮脂が入るので、面をなでる道具では届きません。かかる時間も姿勢も違います。 賃貸の一部屋の中に、性質の違う2つの面があります 床の側 毛と砂が載っているだけ 立ったまま柄で届く 1か所20〜30秒 戻るのは1〜2日 布の側 繊維の奥に皮脂が入る 座ったまま手で届く 1か所2〜3分 戻るのは1〜2週間 かかる時間も姿勢も違うので、同じ日に両方やると片方が中途半端に終わります
1つの道具で両方をやろうとすると、床には毛が残り、布に当てた面はすぐ埋まります。

この2つを1本の道具でやろうとすると、どちらつかずになります。粘着ローラーで床を追いかければ、1枚が数歩ぶんで埋まって、はがす手間のほうが増えます。フローリングワイパーのシートでソファをなでても、刺さった毛は起き上がりません。道具の質が悪いのではなく、相手にしている面が2種類あるのに、持てる手が1つしかないという話です。それなら、持つ手のほうに合わせて組み直したほうが早くなります。

そこで、絞る対象を入れ替えます。1回の掃除で持つ道具は1つだけ。そのかわり、その道具で回る場所を2か所に決めます。床の日は床の2か所、布の日は布の2か所。持ち替えがなくなるので、部屋の往復も1回で終わります。高齢の飼い主が減らせるのは掃除の面積ではなく、道具のあいだを行き来する回数のほうです。面積を減らすと、においの出どころが手つかずのまま残ります。

Point2か所は、家じゅうの中から選びません

ペットのにおいが濃く出るのは、その子が長く体をつけている場所です。寝床、いつも座るソファの一角、食器を置いている足元。この3つのうち2つを選べば、賃貸の一部屋で出るにおいの大半はそこに集まっています。廊下や玄関のにおいは、2か所を続けているうちに薄くなります。先に手を入れるのは、面積の広い場所ではなく、体が接している時間の長い場所です。

今日は床、明日は布|道具を1つに決めた1週間で起きる、においの変化

決めることは2つだけです。その日に持つ道具を1つ選ぶ。その道具で回る場所を2か所決める。曜日で先に割り当ててしまうと、その日に何をするかを考えなくて済みます。考えなくて済むぶん、手が先に動きます。高齢の飼い主にとっていちばん重いのは、掃除そのものより「今日はどこをやるべきか」を毎回決め直すところです。

  1. 手順1:においが濃い2か所を、手のひらで決める

    寝床の縁に手のひらを30秒当てて、離してからその手をかいでみてください。同じことを、ソファのいつも座る一角と、食器を置いている足元でもやります。いちばん強く手に移った2か所が、その週の担当場所です。鼻を近づけて部屋を回る必要はありません。手に移るかどうかで足ります。

  2. 手順2:曜日で、持つ道具を割り当てる

    床側の道具を持つ日と、布側の道具を持つ日を、先に曜日で分けます。週のうち1日は、道具を持たない日にしてください。予定の入る日、通院の日、雨で洗濯物が室内にある日。休む日を先に置いておくと、その週の残りが崩れません。

  3. 手順3:その日は、決めた道具でしか部屋に触らない

    床の日にソファの毛が目についても、その日は触りません。気になった場所は、明日の担当です。ここを我慢できるかどうかで、往復の回数が変わります。忘れそうなら、冷蔵庫に貼った紙に一行書き足すだけにしてください。

  4. 手順4:換気は道具と切り離して、毎日やる

    換気は掃除の一部ではなく、別の作業として毎日置きます。道具を持たない日にも、これだけはやります。体を動かす必要がなく、姿勢も変わらないので、続けやすい部分です。掃除を休んだ日でも、部屋の空気は入れ替わります。

1週間の割り方の例。持つ道具は、その日1つだけ
曜日持つ道具回る場所
月・水・金床側の道具を1つ寝床の下と、食器の足元
火・木布側の道具を1つ寝床の布と、ソファの座る一角
土どちらか1つその週に、においの戻りが早かったほう
日持たない換気だけ。掃除をしない日として決めておく

換気は、開ける窓を1か所ではなく2か所にしてください。入口と出口がそろわないと、空気はその場で止まったままです。賃貸の一部屋なら、玄関に近い側の窓と、いちばん奥の窓。2か所の距離が離れているほど、通り道がペットの寝床の上を通ります。5分で足ります。夏場や冬場は、その5分だけエアコンを止めてください。

この曜日割りの外に、洗う日が月に何度か入ります。地肌に残った皮脂を落とせるのは洗う日だけで、その子は自分でそこに手が届きません。mofuwa モイストシャンプーは無香料です。ペットは自分のにおいを好むので、余分なにおいはそれだけで負担になる、という理由からそうしています。高齢の飼い主が賃貸で続けるやり方とも、ここが噛み合います。香りの残るもので洗うと、翌日に寝床の縁へ手のひらを当てたとき、手に移ってきたのがその週のにおいなのか、洗ったときの香りなのかが分からなくなります。手のひらで2か所を決める手順は、部屋に足したにおいがないことを前提にしています。洗い上がりがごわつかないのでトリートメントの工程も要らず、浴室でしゃがんでいる時間が、すすぎ1回ぶん短くなります。

1週間続けると、場所ごとににおいの戻る速さが違うことが見えてきます。床の2か所は、やった翌日にはもう少し戻っています。布の2か所は、4日たってもあまり変わりません。この差が、次の週にどちらへ手を厚くするかを決めてくれます。賃貸で暮らしていると、においが気になるたびに家じゅうを見回してしまいますが、戻りが早い場所は毎回だいたい同じです。高齢の飼い主にとって意味があるのは、家全体の状態を知ることではなく、手を入れる場所を2か所に固定できることのほうです。

Caution同じ日に、道具を2つ持たないでください

床をやったついでに布も、という日がいちばん崩れます。持ち替えた時点で、その日の往復は2回に戻ります。床の道具で布をなでても毛は起きませんし、布の道具で床を追えば数歩で使い切ります。どちらも中途半端に終わって、翌日にやり直すことになります。今日は調子がいいから両方やっておこうという日を、あえて作らないでください。続くのは、いつも同じ回数で終わる組み立てのほうです。

2か所だけ続けた経験が、次に手を入れる場所を決めます

2週間続けると、手元に残るのは掃除の記録ではなく、においが戻ってくる速さの記録です。寝床は4日もった、ソファの一角は2日で戻った、食器の足元は翌日にはもう気になった。この3つが並ぶと、次の週に手を厚くする場所が自動的に決まります。高齢の飼い主が使える時間と体の回数には限りがあるので、どこを今週は捨てるかを先に決められることのほうが、結果として長く続きます。

ここまでは、掃除の側で説明のつくにおいの話でした。場所も日数も変わっていないのに、においの質だけが変わったときは、部屋の側の話として片づけないでください。甘いにおい、すっぱいにおい、金属のようなにおい。ペットの体から出るにおいの質が変わるのは、掃除の頻度とは別のところで起きています。賃貸だから、道具が足りないから、と結びつけないほうが安全です。

Caution早めに動物病院へ相談してほしいサイン

においの質が急に変わった、口のまわりや耳から強くにおう、同じ場所をなめ続けている、抜け毛が増えて地肌が広く見える、水を飲む量やおしっこの回数が変わった、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、掃除の回数を増やす前に動物病院にご相談ください。においは、家の側の条件だけで決まるものではありません。迷ったときは、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いま書いた記録をそのまま持って行ってください。場所・日数・においの質の3つがそろっていると、その場で切り分けてもらえます。「最近なんとなくくさい」という言い方より、「寝床のにおいが4日もっていたのに、1日で戻るようになった」のほうが、渡せる情報がずっと多くなります。掃除のために書いていた紙が、そのまま相談の材料になります。書き足す手間は増えません。

高齢の飼い主が賃貸でペットと暮らすとき、動かせるのは掃除の量ではありません。道具を1つに絞って、場所を2か所に絞る。持ち替えがなくなれば部屋の往復が減り、同じ体の使い方のまま、同じ場所に手が入り続けます。においは、家じゅうを一度きれいにして終わらせるものではなく、いちばん濃い2か所に毎週手が入っているかどうかで決まります。増やすものを、道具から場所の記録に替える。この記事で書けることは、そこまでです。

Product

mofuwa モイストシャンプー

mofuwa モイストシャンプー

300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。