C08季節・行事

冷房の部屋で乾かした日、根元だけ湿ったままだった

公開日 2022年8月4日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床に体をあずけて休んでいる、白っぽい毛色の犬
乾いて見えるのは表面の毛で、根元に湿りが残っているかどうかは指を入れるまで分かりません。

ドライヤーを止めて30分たってから首の下に指を入れると、そこだけが冷たく湿っていました。冷房を28度で入れた部屋での話です。表面の毛はとうに乾いていて、背中もしっぽも指がすべります。それなのに根元は、手を止めた時点の湿り方のまま止まっていました。冷房の部屋で乾かすと、乾かす時間の後半が消えます。ドライヤーが水を飛ばす前半と、手を止めたあとに部屋が引き取る後半。この後半が、室温の低い部屋では短くなります。この記事では、ドライヤーを止めてから根元の湿りが消えるまでの分数を数えます。数えるものが分数になると、乾かす順番のどこを直せばいいかが場所ごとに決まります。

ドライヤーを止めて30分後、首の下だけが冷たい|冷房の部屋で乾かす夏の経験

手順はいつもと同じでした。洗ったあと、全身に10分かけてドライヤーを当てて、毛並みに沿って手を入れて確かめて、表面がさらさらになったところで止めます。冬にこれをやると、そのあと放っておいても問題が出ません。夏に同じことをして、30分後に首の下へ指を入れたら、そこだけが冷たく湿っていました。

気になって、ほかの場所も順に触っていきました。背中は乾いています。わき腹も乾いています。冷たかったのは、毛が重なっている場所と、風が回り込みにくい場所でした。そこで、ドライヤーを止めた時刻を書いておいて、指を入れて湿りが分からなくなるまでの分数を場所ごとに数えてみました。

ドライヤーを止めたあと、根元の湿りが指で分からなくなるまでの分数(室温28度・冷房を入れた部屋)
場所毛の重なり方止めてから消えるまで
背中上から下へ一方向止めた時点でほぼ乾いている
わき腹薄くて風が通る10分ほど
脇の内側前足と体でふさがれる40分以上
首の下あごと胸ではさまれる50分以上
内股体の下で風が届かない50分以上
しっぽの付け根下毛が密に残る60分を超える日もある

同じ10分の乾かす作業をして、場所によって50分の差がつきました。乾いているかどうかを表面で判断していたあいだ、この差はまったく見えていませんでした。毛の表面は指を入れる前に乾きます。根元は、そのあと何分か置かないと結果が出ません。

夏は換毛期の後ろ側にあたるので、抜けきらなかった下毛がしっぽの付け根や脇に残っている子がいます。下毛が残っている場所は、風が根元まで届かないぶん、後半にかかる分数が長くなります。同じ家の2頭でも、この分数はそろいません。だから、その子の体で1回だけ測っておく値打ちがあります。

乾かす時間の後半を、部屋のほうが受け持っている|冷房で根元が残る理由

乾かす作業は、ドライヤーだけで完結していません。手を動かしているあいだに落ちるのは、毛の表面と、風が届いた範囲の水です。重なった毛の奥に残った水は、手を止めたあとに空気のほうへ移っていきます。この後半は、こちらが何もしていないので気づかれませんが、冬や春にきちんと乾いていたのは、この後半が働いていたからです。

乾かす時間は、前半と後半でできている ドライヤーが受け持つのは前半だけです。重なった毛の奥に残った水は、手を止めたあとに部屋の側が引き取ります。冷房の部屋では、その後半の進みが遅くなります。 同じ手順でも、部屋の室温が変わると後半の長さが変わります 前半(ドライヤー) 風が水を吹き飛ばす 表面の毛から先に乾く 手を動かしている間だけ 10分で表面は終わる 重なりの奥までは届かない 後半(部屋) 残った水が空気へ移る 根元のほうから遅れて乾く 手を止めたあとも続く 室温が低いと進みが遅い 冷房の部屋で短くなる
止めた時点で終わるのは前半で、根元は後半のぶんだけ遅れて乾きます。

水が空気へ移るには熱が要ります。室温の高い部屋では、体と毛が周りから熱をもらえるので、後半が勝手に進みます。冷房を入れた部屋では、この熱の出どころが弱くなります。毛の奥は体温で温まっているように思えますが、地肌と毛の間に水が入っている場所は、その水が熱を持っていくぶん、まわりより温度が低くなります。首の下に指を入れて冷たく感じるのは、そのためです。

もうひとつ、見え方をややこしくしているものがあります。冷房を入れた部屋の空気は、乾いています。冷やす過程で空気中の水分が水になって外へ落ちるので、湿度の数字は下がります。湿度が低いのだから乾きやすいはずだ、という見当が立ちます。けれど根元の湿りは残ります。湿度が低いことと、室温が高いことは、乾かす後半に対して別々に働きます。冷房の部屋は、片方だけが乾く側に振れている部屋です。

この見え方のずれは、季節の変わり目にもう一度来ます。冷房を止めた9月の部屋は、室温が戻るので後半が復活します。同じ手順で乾かして、根元が残らなくなります。手順を変えていないのに結果が変わったとき、変わったのは部屋の側です。夏のあいだだけ乾かす時間を延ばしていた人が、秋に元へ戻せるのは、この理由を持っているからです。

根元に指を入れてから、使う場所を決める|冷房の日に乾かす順番と地肌の背景

直すのは乾かす時間の長さではなく、順番です。全身に均等に10分をかけると、分数が足りない場所と、余っている場所が同時にできます。s1の表で50分以上かかった4か所に、前半のうちから時間を寄せます。

  1. 先に首の下と脇に入る

    体を起こした姿勢のまま、あごの下と前足の内側へ風を入れます。毛をかき分けて、風の出口を地肌に向けます。ここで3分使っても、あとで50分待つより短く済みます。

  2. 内股としっぽの付け根は姿勢を変えて

    立ったままだと風が回り込みません。伏せた姿勢か、抱えて体を少し傾けた姿勢で、下側から当てます。下毛が残っている子はここがいちばん長くかかります。

  3. 背中とわき腹は最後に短く

    この2か所は後半だけでも乾きます。前半の時間を寄せる相手ではありません。表面がさらさらになった時点で切り上げます。

  4. 止めたあと、10分おいて4か所に指を入れる

    止めた直後ではなく10分後に確かめます。まだ冷たい場所があれば、そこへだけもう一度風を入れます。乾いている背中まで巻き込んで、全身を最初からやり直さないでください。

この順番にすると、止めてから湿りが消えるまでの分数が、4か所とも15分前後に収まります。50分が15分になるので、根元が湿ったまま過ごす時間が、1回あたり35分ぶん減ります。週に2回洗う家なら、ひと月で4時間半ぶんの差になります。

分数を詰めたあとに残るのが、地肌の側の話です。湿りが長く残った4か所を思い出してください。首の下、脇の内側、内股、しっぽの付け根。この4つは、どれもその子の口が届く場所です。首の下は後ろ足でかけますし、内股としっぽの付け根は体をひねればそのままなめられます。乾かし終わった翌日に気にしはじめるのは、たいていこの範囲です。

だから、この4か所の地肌へ何かを足すなら、口に入ったときにどうなるかを先に決めておくことになります。湿りが長かった4か所に置く1本として選んだのが、mofuwaスキンケアミストです。中身は高機能性電解酸化水で、色も香りも油分も足していません。だから、内股やしっぽの付け根のように、その場でなめられる場所へ直接吹けます。清涼飲料水の規格基準を通した水なので、口のまわりまで使っても、あとで拭き取りに戻る必要がありません。

スキンケアミストを使うのは、4か所へ指を入れて湿りが消えたことを確かめたあとです。乾いた地肌に吹いて、そのまま指の腹で広げます。水なので毛の表面にとどまらず、根元まで落ちていきます。乾かす手を止めたあとに残っていた湿りとは、向きが逆です。あちらは地肌から抜けていくのを待つ水で、こちらは地肌へ入っていく水です。同じ4か所を、同じ順番で回れるので、乾かす日の手順の最後にそのまま足せます。

家で地肌に何かを塗ったことがある人ほど、口が届く場所の扱いには覚えがあるはずです。油分でできたものは、なめられた時点で地肌から減ります。朝つけたものが昼には残っていない、という形になります。水でできているものは、残っているかどうかで手順が決まりません。吹いた時点で地肌へ入るので、そのあとなめられても、こちらの手順はそこで終わっています。乾かす日の締めに置けるのは、この形だからです。

Caution分数を詰めても、同じ場所だけが戻ってくるとき

順番を直して4か所とも15分前後に収まったのに、首の下だけが2週間続けて40分を超える/湿りが消えた場所の地肌が赤く見える/乾かし終えた翌日に、その子が同じ1か所をなめ続けている。こうなると、数えている相手は乾き方から地肌の側の変化に移っています。分数を書いた行と、湿りが長かった場所を指で示せるようにして、動物病院の診察の枠を取ってください。何分かかっていたかを言えると、家でどこまでやったかが最初の1分で伝わります。

分数と場所を1行だけ残す|次の夏へ渡す、冷房と乾かす日の考え方

ひと夏かけて分かることは、そう多くありません。その子の体で、後半が長くかかる場所が4つあること。室温を28度にした部屋では、その4つに寄せる前半が3分ずつ要ること。これだけです。けれどこの2つは、来年の6月にそのまま使えます。

夏の終わりに、紙の端へ残しておくもの
残すもの書き方来年どこで使うか
長くかかる場所首の下・脇・内股・付け根前半の時間を寄せる相手を、最初から決められる
止めてからの分数直す前と直したあとの2つ手順が効いているかを、翌年もう一度測れる
そのときの室温28度、など数字で同じ室温の日に、同じ結果を期待できる
使った1本乾かしたあと4か所に順番の最後をどこで閉じるかが決まっている

秋が来て冷房を止めると、この分数はひとりでに縮みます。手順を元へ戻していいのは、部屋の側が後半を引き受けはじめたときです。季節の変わり目に指を入れて、10分後に4か所とも乾いていたら、そこが戻していい合図になります。乾燥する時期に入ったら、今度は湿りではなく地肌の側を見ることになりますが、それは別の日の話です。

今日やれることは、次に洗う日にドライヤーを止めた時刻を書いておくことだけです。10分後に4か所へ指を入れて、冷たい場所に印をつける。その1行があれば、来年の夏は測るところから始めなくて済みます。毎日続けるものではなく、ひと夏に一度あればいい記録です。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。