C05犬種・猫種別ケア
ボロニーズのケア|涙やけを減らす3つの習慣
ボロニーズの目のまわりの毛を、指で軽く押し倒してから離してみてください。毛は数秒で起き上がり、また外へ向かって立ちます。綿のような手ざわりの白い毛が、何本かずつ房にまとまって、顔の面から立ち上がっています。イタリア・ボローニャの名を持つこの犬種の毛は、こういう向きを持っています。そしてボロニーズの涙やけは、この向きから始まります。毛が下へ垂れる子では、目のふちからあふれた涙は毛を伝って頬のほうへ運ばれます。毛が立つ子では、涙は運ばれる先を持たず、目のふちの際に留まります。同じ量の涙でも、垂れる毛と立つ毛では行き先が変わります。この記事は、その2つを並べて比べたうえで、ボロニーズの目のまわりで何を変えられるのかを書きます。
房になって立つ白い毛|ボロニーズの涙が目のふちに残る理由
ボロニーズは、イタリア北部の街ボローニャの名を持つ小型犬です。体を覆っているのは白一色の毛で、手ざわりは絹より綿に近く、指で押すとふわりと沈んで戻ります。この毛は1本ずつばらばらに伸びるのではなく、何本かずつ房にまとまって、体の面から外へ向かって立ちます。白い綿を体じゅうに貼り付けたような輪郭になるのは、この向きのためです。
顔まわりも同じ作りです。目のふちのすぐ外で、毛は下へ流れずに立ち上がります。つまりボロニーズの目のまわりには、涙が下へ向かうための坂道がありません。まぶたのふちからあふれた涙は、立った毛のあいだに入って、そこで止まります。房と房のすきま、目頭の際、下まぶたのすぐ外。涙が触れた場所と、涙が留まる場所が、ほとんど同じになります。
涙やけという言葉は色の話に聞こえますが、実際に変わっているのはその場所が濡れている時間の長さです。涙は水だけでできているわけではなく、脂やたんぱく質を含みます。濡れた場所が乾いて、また濡れて、を同じ狭い範囲でくり返すと、そこに残るものが重なっていきます。ボロニーズで色が濃く見えやすいのは、涙が広い範囲へ散らずに、狭い範囲へ集まって残るからです。
そこへ、白一色という毛の色が重なります。白い毛は、わずかな変色でもそのまま見えます。同じだけ涙が残っていても、色のある毛なら気づかれないまま過ぎることがあります。ボロニーズの飼い主が早い段階で涙やけに気づくのは、目が特別だからというより、変化が見える毛の色を持っているからです。見えることは不利ではありません。早く気づけるぶん、手を入れる場所を絞れます。
- 毛が房になって立つ:涙が下へ向かう道がなく、目のふちの際に留まります
- 綿のような手ざわり:毛と毛のあいだに含んだ水分が、外へ出にくくなります
- 白一色の被毛:狭い範囲の変色が、そのまま目に見えます
- 顔の毛を伸ばす姿が知られる犬種:目のまわりの毛の長さが、月ごとに変わります
- 目のふちと毛の距離が近い:拭き取りのとき、布が目に触れやすくなります
涙の量が変わったかどうかは、家庭では測れません。この記事で扱うのは、あふれた涙がどこへ向かい、どれだけの時間そこに留まるかという話です。量の側に理由があるときは、家庭のケアをどれだけ足しても行き先は変わりません。目をしょぼつかせる、まぶしそうにする、片側だけ涙が多いといった様子があるときは、拭き方を変える前に動物病院にご相談ください。
垂れる毛と立つ毛|ボロニーズの涙やけで行き先が変わるという違い
ここから、2つの毛を並べて比べます。比べるのはどちらが良いかではありません。目のふちからあふれた涙が、そのあとどこへ行くかという1点だけを比べます。同じ「涙やけ」という言葉を使っていても、この1点が違うと、色が出る場所も、布を当てる場所も、見落とす場所も入れ替わります。
毛が下へ垂れる子では、涙は毛を伝って移動します。目のふちを離れ、頬を通り、口の横まで届きます。移動しているあいだに少しずつ乾くので、色は広く、薄く出ます。目のふちはきれいなのに、そこから離れた場所だけが色づいて見えることも起こります。この場合、手を入れる場所は涙が向かった先、つまり下流の側です。
ボロニーズのように毛が立つ子では、涙は移動しません。目のふちの際で止まり、房と房のあいだに抱えられたまま、そこで乾くのを待ちます。移動しないぶん、色は狭い範囲に濃く出ます。そして濡れている時間が長くなります。手を入れる場所は下流ではなく、涙が止まっているその場所、房のあいだと根元の側です。
| 垂れる毛(下へ流れる) | 立つ毛(房になって外へ) | |
|---|---|---|
| 涙が毛に触れたあと | 毛を伝って頬のほうへ運ばれる | その場に留まり、動かない |
| 色が出る場所 | 目から離れた頬や口の横まで | 目のふちの際、狭い範囲 |
| 色の見え方 | 薄く、広がって見える | 濃く、輪郭がはっきり見える |
| 濡れている時間 | 運ばれるあいだに乾いていく | 同じ場所が長く濡れたままになる |
| 布を当てる場所 | 涙が向かった下流の側 | 房を分けた内側と、根元の側 |
| 布の動かし方 | 上から下へ、毛の流れに沿って | 動かさずに、当てて水分を移す |
| 見落としやすいところ | 口の横まで手が届いていない | 房の内側が乾ききっていない |
この違いは、拭き取りの手ごたえにも出ます。垂れる毛の子では、布を下へ滑らせると色のついた場所が動くので、拭けている感覚があります。立つ毛の子では、同じように滑らせても、涙を含んだ房の内側には布が入りません。表面の毛だけが寝て、内側は濡れたまま残る。朝に拭いたのに夕方には同じだけ色が見える、という繰り返しが起きるのは、ここに理由があることがあります。
目頭と目尻で向きが違う|ボロニーズの毛がどちらかを決める選び方
ここまで2つに分けて書きましたが、ボロニーズだから全部が立つ毛、という決めつけはしないでください。1頭の中でも場所によって向きが違いますし、同じ場所でも時期によって変わります。目頭の上は立ちやすく、目尻の外側は毛が伸びると重みで流れはじめる子がいます。ケアの前に、今日どちらなのかを決めてください。次の順番で確かめられます。
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乾いているときに、目のふちの毛を指で押し倒して離す
涙で濡れていない時間に確かめます。人差し指の腹で、目のふちの外側の毛を顔の面に沿って軽く倒し、そのまま離してください。数秒で起き上がって外を向くなら、そこは立つ毛です。倒れたまま戻らない、あるいは下を向いたままなら、そこは垂れる毛として扱います。
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目頭・下まぶたの外・目尻の3か所で、別々にやる
1か所で決めないでください。ボロニーズでは、目頭は立ち、目尻は流れる、という組み合わせがよく出ます。3か所それぞれで押し倒して、どこが立ってどこが垂れているかを覚えます。左右でも違うことがあるので、片側だけで判断しないでください。
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涙で濡れているときに、もう一度同じことをやる
濡れた毛は水を含んで重くなります。乾いているときは立っていた房が、濡れると倒れて垂れる毛のようにふるまうことがあります。濡れた状態で倒れるなら、その場所は涙が下へ移動しています。乾いた状態と濡れた状態、両方を見てはじめて行き先が分かります。
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色が出ている場所と、立っている場所を重ねて見る
色が目のふちの際だけに濃く出ているなら、立つ毛の側の話です。色が頬や口の横まで薄く広がっているなら、どこかで垂れる毛に切り替わっています。色の位置と毛の向きが合っているかどうかが、選び方のいちばん確かな手がかりです。合っていないときは、次の見直しに進んでください。
| 確かめたこと | その場所で選ぶ手 |
|---|---|
| 乾いても濡れても立っている | 房を左右に分けて、布を当てて待つ |
| 乾くと立つが、濡れると倒れる | 当てて水分を移してから、下流も見る |
| 乾いていても倒れたまま | 上から下へ、毛の流れに沿って拭く |
| 色が毛の向きと合っていない | 毛の長さを見直す。伸びて重なっている |
毛の向きは毎日変わるものではありません。変わるのは、毛が伸びたときと、毛質が入れ替わる時期です。月に一度、爪を見るついでに目のまわりを押し倒してみる、と決めてしまうと忘れません。ボロニーズは顔の毛を伸ばす姿が知られる犬種なので、長さが変われば向きも変わります。前の月と同じ手を続けていないか、そこだけ見てください。
留めない・移さない・重ねない|ボロニーズの涙やけを減らす3つの習慣と使い分け
ここからが毎日の話です。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしていません。1回のケアの中で決めるものが1つ、1日の中で決めるものが1つ、1か月の中で決めるものが1つ。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。ボロニーズの目のまわりで動かせるのは、この3か所です。
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習慣1:留めない|1回のケアの中で、こする動きをやめる
立つ毛の場所では、布を滑らせても房の内側に届きません。親指と人差し指で房を左右へ分け、あいだにできたすきまへ、湿らせた布の角を3秒だけ当ててください。動かさずに当てるだけです。3秒待つと、含まれていた水分が布の側へ移ります。移し終えたら、乾いた面でもう一度3秒当てて、水分を残さずに終えます。こする動きは毛を寝かせ、次に涙が留まる場所を増やします。
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習慣2:移さない|1日の中で、布の面を使い分ける
同じ面で何度も当てると、いま取った涙を隣へ置き直すことになります。1回当てるごとに布の面を変え、目に近い側から遠い側へ、一方向にだけ進んでください。朝と夜、時間を決めておくと回数が安定します。ボロニーズは白い毛なので、布に移った色を見れば、その日どれだけ残っていたかが分かります。布が汚れていない日は、当てる回数を増やさなくて足ります。
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習慣3:重ねない|1か月の中で、目のまわりの毛の長さを見る
房は伸びると先が重くなり、隣の房と重なります。重なった房のあいだは風が通らず、当てて取ったはずの水分がまた戻ります。月に一度、目頭から下まぶたの外にかけての毛が、隣と重なっていないかを見てください。重なりはじめていたら、サロンで長さをそろえてもらう時期です。自宅でハサミを目のそばへ持っていくことは避けてください。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 留めない | こすらずに当てて、水分を布へ移す | 1回のケアの中 |
| 習慣2 移さない | 布の面を変え、目から遠ざかる向きへ | 1日の中。朝と夜 |
| 習慣3 重ねない | 房が隣と重なっていないか、毛の長さ | 1か月の中 |
3つの使い分けは、s3で確かめた毛の向きで決めます。立っている場所には習慣1と3を、倒れている場所には習慣2の考え方を下流まで伸ばして使います。目頭が立って目尻が垂れている子なら、目頭は当てて待つ、目尻は下へ向かって拭く。同じ顔の中で手を変えることになりますが、行き先が違うのだから、当てる場所も変わります。全部を同じやり方でそろえようとすると、どちらかが必ず残ります。
習慣1で布に含ませるものを何にするか、という話が残っています。目のまわりは、ボロニーズが自分では届かない場所です。前足で顔をこすることはできても、立った房のあいだに入り込んだものは取り出せません。そのこする動きこそ、この記事がずっと外してきたものです。ここは人が代わるしかありませんし、当てたものは顔に残ります。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。顔を毛づくろいすれば舌が通る場所なので、口に入ることを気にせず当てられるかどうかが、そのまま使いどころになります。目に向けて直接吹きかけることはせず、布に含ませてから使ってください。房を左右へ分けたあとのすきまへ、湿らせた角を3秒。頬の側と口の横は、下流に向かってなでる。含ませた布は当てるたびに面を変える、という習慣2の考え方は、ここでも同じです。ボロニーズの涙やけで手が届きにくいのは、いつも房の内側の側です。
白い毛に出た色は目立つので、こすって落としたくなります。けれど色がついているのは毛そのもので、目のふちの皮膚は薄く、こする力がそのまま届きます。すでに変色した毛は、伸びて入れ替わるまで色を持ったままです。家でできるのは、これから濡れる時間を短くすることのほうです。落とす方向へ力を使わない、と決めておいてください。
毛が立ちそろう時期と、拭き取りでは変わらない変色
毛の向きが動く時期が、ボロニーズには2つあります。1つは、子犬の毛から成犬の毛へ入れ替わる時期です。生まれてしばらくの毛は短くやわらかく、まだ房になりきりません。成長にともなって綿のような手ざわりに変わり、房が立ちそろっていきます。この時期に、涙の行き先が垂れる側から立つ側へ移ることがあります。子犬のころは頬に色が出ていたのに、いつのまにか目のふちだけに変わった、という見え方をします。
もう1つは、毛が伸びていく時期です。顔の毛を伸ばしていると、房は先の側から重くなり、立っていた場所が少しずつ倒れます。カットからの週数が同じでも、伸びる速さは季節や個体で違います。前のカットから何週たったかを覚えておくと、向きが変わる時期の見当がつきます。湿度の高い時期は、含んだ水分が抜けるまでの時間も長くなるので、当てて待つ回数を1日1回ぶんだけ増やしてください。
ここまでは、毛の向きで説明のつく涙やけの話でした。3つの習慣を続けていて、毛の長さも見直しているのに、色の出方が変わらない、あるいは急に変わったというときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、拭き取りのやり方を足して待つ対象から外れます。
- 片側だけ涙が多い、片側だけ色が濃い:左右で条件が違う理由を探すことになります
- 目やにが増えた、色や粘り気が変わった:涙とは別のものが出ています
- まぶしそうにする、目を細める、開けにくそう:目そのものの側の話です
- 目のまわりの皮膚が赤い、はれている、においがある:濡れた時間が長く続いた結果として起こることがあります
- その場所を前足でこすったり、床にこすりつけたりする:気になっているサインです
- 短い期間で急に色が濃くなった:毛が伸びる速さでは説明のつかない変わり方です
片側だけ涙が多い、目やにの色や粘り気が変わった、目を細める、まぶたがはれている、目のまわりの皮膚が赤い、においがある、しきりに顔をこすっている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ボロニーズは白い毛なので変化に早く気づけます。気づけた早さを、そのまま相談の早さに使ってください。
相談の前には、色が出ている場所(目のふちの際か、頬まで届いているか)、いつから変わったか、直前のカットからの週数の3つをメモしてください。この3つがあると、毛の向きで説明のつく涙やけなのか、それ以外の理由があるのかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭き取ってしまうと、もとの出方が分からなくなるので、いつもどおりで連れて行ってください。
ボロニーズと暮らすうえで、涙が出ること自体はなくなりません。目のふちからあふれた涙をゼロにする手も、家庭にはありません。動かせるのは、あふれた涙がその場所に留まっている時間のほうです。立つ毛は房のあいだへ当てて待つ、垂れる毛は下流まで追う。決める単位の違う3つの習慣を回して、月に一度だけ毛の向きを確かめ直す。ボロニーズの涙やけに対して家でできるのは、この範囲です。
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mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
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商品ページを見るよくある質問
- ボロニーズの顔の毛は、短くカットしたほうが涙やけは減りますか?
- 短くすると房が重なりにくくなり、含んだ水分が抜けるまでの時間は短くなります。ただし目のふちの際に涙が留まること自体は、毛の長さでは変わりません。短くしたあとも、房を分けて布を当てる手は続けてください。目のそばの毛を自宅のハサミでそろえることは避け、サロンにお願いしてください。
- 拭いても翌日には同じだけ色が見えます。回数を増やすべきですか?
- 回数より先に、当て方を見てください。立つ毛の場所では布を滑らせても房の内側に届かず、表面の毛だけが寝ます。房を左右へ分けて、すきまに布の角を3秒当てる。そのあと乾いた面で3秒。回数を倍にするより、1回の当て方を変えるほうが、濡れている時間は短くなります。
- 子犬のころは頬に色が出ていたのに、今は目のふちだけになりました。何か変わったのでしょうか?
- 毛が入れ替わる時期に、涙の行き先が移ったことが考えられます。子犬の短くやわらかい毛は垂れやすく、涙は頬まで運ばれます。成犬の綿のような毛になって房が立ちそろうと、涙は目のふちの際で止まります。出る場所が変わったのであって、量が増えたとは限りません。気になるときは動物病院で見てもらってください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
