C09シーン別・暮らし
車内のにおい、敏感肌の子と暮らす人はどうしている?
夏の終わりに車のドアを開けると、閉じていた数時間ぶんのにおいが、いちどに顔まで来ます。後部座席に敷いた布も、その子が寝ていたあたりだけ手ざわりが違う。ここで多くの方が、消臭剤か芳香剤をひとつ買い足します。けれど敏感肌の子と暮らしていると、ペットと乗る車に何かを足すたびに、その子の鼻と皮膚が触れるものがひとつ増えます。車内は密閉されていて、置いたものが薄まる場所がありません。この記事では、においを足して隠す側ではなく、においの出どころそのものを減らす手順を書きます。動かすのは換気とシートの素材の2か所だけです。敏感肌の子に手数を増やさずに変えられるのが、そこだからです。
においを足すやり方が、敏感肌の子には別の負担になる|ペットと乗る車で先に決めること
車のにおいは、車そのものから出ているわけではありません。出どころは、その子の毛についた皮脂と、足の裏、口のまわり、そしてそれを受け止めた布です。皮脂は毛から布へ移り、布の繊維の奥に残ります。そこへ湿りが加わると、雑菌が増えやすい条件がそろいます。車内は密閉されていて、停めているあいだに温度が上がる。温度が上がると、繊維に残っていたものが空気の側へ戻ってきます。ドアを開けた瞬間のあのにおいは、そうやってできています。
だから多くの場合、最初に手に取るのは消臭剤や芳香剤です。吊るす、置く、吹きかける。においの上に別のにおいを重ねるか、においを閉じ込める成分を空気に足すか。車のにおいへの手として、これは一般的なやり方です。人だけが乗る車なら、それで足ります。
ただ、敏感肌の子と暮らしている人にとって、ここが分かれ道になります。敏感肌の子と暮らす条件は「手数を増やせない」ことです。触る回数、当たるもの、体に触れる面。それを1つ増やすたびに、確かめなければならないことが1つ増えます。ペットと乗る車は、この点でいちばん条件が厳しい場所です。部屋なら窓を開ければ薄まりますが、走っている車の中では逃げ場が作れません。置いたものが空気に留まったまま、その子の鼻と、伏せた姿勢で床や座面に触れている皮膚の側まで届きます。
実際に起きやすいのは、こういう順番です。においが気になって芳香剤を置く。数日後、車から降りたあとにその子が体をかいている。けれど原因が車にあるとは思わないので、そのまま乗り続ける。においの手当てと、皮膚の変化が、頭の中でつながらないまま並走します。敏感肌の子では、この見落としがいちばん惜しい形になります。
そこで、敏感肌の子と乗る車では、使える手をひとつ減らして考えます。足して隠す道を最初から外し、においの出どころを減らす道だけを残します。減らせる場所は多くありません。空気を入れ替えること。においを溜める布を減らすこと。この2つで、車のにおいの大半は動きます。ペットと乗る車で、飼い主が実際に手をかけられるのもここです。
- 毛についた皮脂:乗るたびに座面へ移ります。においの元をいちばん多く運んでいます
- 足の裏と口のまわり:外から持ち込んだ湿りが、狭い範囲に集中します
- 布の厚み:厚いほど奥まで入り、空気に触れず乾かない層ができます
- 停めているあいだの温度:残ったものを空気の側へ戻す引き金になります
- 閉じたままの時間:入れ替わらない空気が、においを一か所に濃くします
車のにおいと皮膚の変化は、原因と結果として並べたくなります。けれど実際には、雨が続いた週、車を何日も動かさなかった週、長距離を走った週など、条件がいくつも重なっています。まず「におった日」と「かいていた日」を、同じカレンダーに別の印で置いてください。敏感肌の子では、この2つが重なる日が偏っているかどうかが、あとで効いてきます。判断はそのあとで構いません。
換気とシートの素材から、車のにおいの出どころを減らす手順
ここからが具体的な手順です。順番には理由があります。先に空気の通り道を作り、そのあとで布を減らす。逆にすると、布を替えた日にいちばん強いにおいが車内へ出て、替えたことが失敗のように感じられます。ペットと乗る日に手数を増やさないため、5つのうち毎回やるのは最初の2つだけにしてあります。
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乗せる前に、対角の窓を2枚だけ開けて2分置く
4枚全部を開ける必要はありません。運転席側の前と、その反対側の後ろ。斜めに2枚開けると、車内に一方向の流れができます。4枚開けると空気が回るだけで抜けにくく、2分では入れ替わりません。この2分のあいだに、その子はまだ乗せないでください。換気は、乗る前にやるから意味があります。
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その子が乗る面の布を、1枚だけにする
座面カバー、上に敷いたマット、その上のクッション。気づくと3枚重なっていることがあります。においは布の枚数ぶん溜まり、乾く時間は枚数ぶん延びます。敏感肌の子では、洗って戻せる薄い1枚に絞るほうが、あとの管理がまるごと軽くなります。1枚にすると、車のにおいの出どころも1か所に集まります。
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布の素材を、厚いパイル地から薄手の平織りに替える
毛足の長い布やフリースは、毛と皮脂をよく抱えます。抱えたものは、風が当たっても表面しか動きません。薄手で目の詰まった綿や麻の平織りは、抱える量が少なく、風で乾く速さが違います。敏感肌の子は同じ面に長く伏せているので、乾いている時間が長いことが、そのままその子の側の条件になります。
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走っているあいだに、外の空気を入れる時間を10分だけ作る
車のエアコンを内気循環にしたままだと、車内の空気は同じところを回り続けます。信号待ちではなく、走行中に外気導入へ切り替えて10分。停まっているときに窓を開けるより、走行中に入れ替えるほうが速く進みます。においが濃くなる前に薄める、というだけの手ですが、ペットと乗る時間が1時間を超える日ほど差が出ます。
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降りるとき、布を1枚持って出る日を週に1回決める
車に置いたままにすると、湿ったまま温まる時間がそのぶん延びます。毎回持ち出すのは続かないので、曜日をひとつ決めて、その日は必ず持ち出して洗う。予定の側に固定してしまえば、においが気になったかどうかで判断しなくてよくなります。敏感肌の子の場合、判断の回数を減らすこと自体が手数を減らすことになります。
| 厚いパイル地・フリース | 薄手の綿・麻の平織り | |
|---|---|---|
| 抱える皮脂の量 | 多い。毛足の奥まで入る | 少ない。表面で止まりやすい |
| 乾くまでの時間 | 長い。風が表面しか通らない | 短い。裏まで空気が抜ける |
| においの残り方 | 繊維の奥に残り、温度で戻る | 残る量そのものが少ない |
| 洗って戻す手間 | 乾かす時間がかかり、枚数が要る | 同じ日に洗って戻せる |
| 敏感肌の子との相性 | 同じ面に長く伏せると湿りが続く | 接している面が乾いている時間が長い |
| 向いている場面 | 冬の短距離。降りたら毎回持ち出す前提 | 通年。車に置いたままにする面 |
この5つのうち、車のにおいにいちばん早く効いてくるのは2つ目です。布を3枚から1枚にした週は、においの出どころが3分の1になります。換気は毎回の積み重ねなので、変化が見えるまでに2週間ほどかかります。順番としては換気が先ですが、手ごたえの出方は逆になる、と知っておくと途中でやめずにすみます。
水の器を車に置いている場合は、それも数に入れてください。こぼれた水が座面に落ちて、そのまま温まる。においの出どころとしては布と同じです。食器は走っているあいだは片づけ、停めたときだけ出す。これも「足さない」側の手です。
毎日の側でつまずく3か所|敏感肌の子と乗る車のにおいが、また戻ってくるところ
手順どおりにやっても、2〜3週間で元に戻ることがあります。戻り方には決まった型があって、たいてい次の3つのどれかです。3つとも、車の中ではなくペットと暮らす毎日の側で起きています。ここを直さないと、車のほうだけ何度もやり直すことになります。
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つまずき1:布を替える日を、においで決めている
「におってきたら替える」にすると、においを感じた時点ではもう繊維の奥まで進んでいます。においは、気づくより前に溜まりはじめています。曜日で決めた日に、においがしなくても替えてください。敏感肌の子と暮らしていると、その子の様子で判断する場面がすでに多いので、車の布まで判断の対象にしないほうが続きます。
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つまずき2:車に持ち込むものが、家の側で決まっている
車のにおいの元は、家から運ばれます。寝床の布、ブラシ、いつも使っている食器。その日にその子が触れていたものが、そのまま車内へ移ります。毎日の家のケアで、毛の表面に皮脂が溜まりにくい状態を作れているかどうかが、車のにおいの上限を決めています。車内だけを何度掃除しても、上限は下がりません。
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つまずき3:気になって、拭き取りの回数を増やしてしまう
いちばん起きやすいのがこれです。においが気になる。だから乗るたびに体を拭く。敏感肌の子にとっては、拭き取りの回数そのものが刺激になります。回数を増やすのではなく、当てる場所を絞ってください。においの出どころは、背中全体ではなく、口のまわりと足の裏と、伏せたときに座面へ当たる面に偏っています。
3つ目について、もう少し具体的に書きます。敏感肌の子では、「何回やるか」より「1回でどこに当てるか」を先に決めるほうが、体への負担が増えません。車に乗る日は、降りてから口のまわりと足の裏だけ。乗らない日は何もしない。この線を引いておくと、においが気になった日にも手数が増えません。
車へにおいを持ち込んでいるのは、口のまわりと足の裏です。どちらも、その子が自分でなめて手入れしようとする場所で、なめたぶんだけ濡れて、そのまま座面に当たります。ここに手を入れるなら、車の中に新しいにおいを足さないものである必要があります。mofuwa スキンケアミストには香料が入っていません。電解水なので、ふたを開けた直後にわずかに塩素のようなにおいを感じることがありますが、乾いたあとには残りません。密閉された車では、においの強さより、残るか残らないかのほうが差になります。使うのは乗る前ではなく、降りたあとの玄関で。布に含ませてから、口のまわりと足の裏を、毛の流れに沿って一方向になでてください。敏感肌の子では、はじめは体の1か所だけで試して、翌日にその場所の様子を見てから広げます。
毎日乗る車より、週末だけ乗る車のほうがにおいます。閉じたまま温度が上がる時間が長いからです。次に乗る予定がない日でも、天気のいい日に2分だけドアを開ける。それだけで、次に乗る日のにおいの濃さが変わります。ペットを乗せない日にやることなので、その子への手数はゼロのままです。
家でできるのはここまで|敏感肌の子と車のにおいで、皮膚の側に線を引く
ここまでは、車のにおいを暮らしの条件として動かす話でした。ただし、車に乗ったあとの体の変化を、においの話として片づけないでください。敏感肌の子では、次のような変わり方が出たときに、まず動かすのは車ではなく相談の予定のほうです。
- 車から降りたあと、決まった場所をなめ続ける:座面に当たっていた面かどうかを確かめてください
- 皮膚が赤い、ぶつぶつしている、じくじくしている:においの手当てより先に見るところです
- 短い距離でも、乗ったあとに必ずかく:距離ではなく、当たっている面の側に条件があります
- においの質が変わった:酸っぱい、甘い、鉄のようなにおいは、皮脂のにおいとは別に置いてください
- 同じ場所の毛が薄くなってきた:こすれか、なめ続けたあとかを分けて見ます
- 乗ることそのものを嫌がるようになった:においではなく、体のどこかが痛いことがあります
皮膚が赤い、じくじくしている、同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなってきた、においの質が急に変わった、触ると痛がる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、車のにおいの手当てを増やす前に、動物病院にご相談ください。敏感肌の子は、条件がそろったときの変化が早く出ます。迷ったら早いほうを選んでください。
相談に行くときは、いつから、乗ったあとかどうか、その週に車で変えたものの3つをメモしてください。芳香剤を置いた、布を替えた、新しいカバーにした。ペットと乗る車で変えたことは、家で変えたことより思い出しにくいので、書いておくと役に立ちます。においの記録と体の記録を別の印で並べておくと、この場面で効いてきます。
最後に、この記事でやってきたことを一度まとめます。車のにおいには、足す手と減らす手の2つがあります。敏感肌の子と暮らしていると、足す手は最初から使えません。そのぶん、減らす手を2か所に絞れます。乗る前に対角の窓を2枚開けて2分。その子が乗る面の布を1枚にして、薄手の平織りに替える。手順としてはこれだけです。ペットと車に乗る回数が増えるほど、この2つの差は積み上がっていきます。においを隠すために何かを増やさないことが、そのままその子への手数を増やさないことになります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 芳香剤や消臭剤は、全部やめないといけませんか?
- やめなければいけない、という話ではありません。判断の基準は「その子が乗っているあいだ、その空気の中にいるかどうか」です。人だけが乗る日と分けられるなら、置いたままにしないで持ち出す形にすると、車内に留まる時間を短くできます。敏感肌の子では、まず1つ外して2週間だけ様子を見て、それから戻すかどうかを決めるほうが、原因の見当がつきやすくなります。
- その子がいないあいだに、車内へスプレーしておくのはどうですか?
- 吹きかけたものは、乗る日まで布と内装に残ります。空気の側は換気で入れ替わりますが、繊維に残ったぶんは、その子が伏せた面から皮膚に触れます。どうしても使う場合は、その子が触れない面だけにして、使った翌日は乗る前の換気を2分から5分に延ばしてください。においを足す手は、敏感肌の子と乗る車ではいちばん後ろに置いておくものです。
- レンタカーや、家族以外の車に乗せる日はどうすればいいですか?
- 自分の車と違って、換気も布も自由になりません。持っていくものを1つだけ決めてください。いつも家で使っている薄手の布を1枚。その子が乗る面にそれを敷いて、降りるときに持って帰ります。車の側のにおいは変えられなくても、その子が触れる面だけは同じ条件にできます。乗る前に窓を2分開けることは、どの車でもできます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
