C08季節・行事

実家で暮らす子の耳が、去年より黒ずんでいた

公開日 2022年9月1日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋の窓辺で、明るい色の木の床に伏せている淡い毛色の犬
年に2回しか会わない目には、240日ぶんの変化が、去年との差として一度に見えます。写真:Andrew Neel/Pexels

去年の正月に撮った写真と並べると、その子の耳の内側の黒ずみは、指の腹1つぶんだけ広がっていました。前に会ってから240日たっています。実家で暮らす犬や猫の変化は、毎日そばにいる家族の目には1日ぶんずつにしか映らず、年に2回か3回しか帰らない目にだけ、差として一度に現れます。9月の初めは、湿度の高い日がまだ残っていて、夏のあいだ耳のなかにこもっていたものがいちばん見えやすい時期でもあります。この記事は、その差を親の前でどう扱うかと、次に帰る日までの240日に何を渡すかの話です。

240日ぶんが一度に見える日|実家で暮らす子の耳の黒ずみ、その変化の見え方

実家に着いて15分、荷物も下ろさないうちに、その子の耳の内側に去年はなかった色が広がっているのが見えました。スマートフォンの写真を親指でさかのぼって、正月に炬燵のそばで撮った1枚を出して並べます。耳のつけ根から入り口にかけての地肌が、指の腹1つぶんだけ広く黒ずんで見えます。玄関で迎えてくれたその子は、去年と同じように尾を振っていて、歩き方も食べ方も変わっていません。変わっていたのは、耳をめくったときに見える面の色だけでした。

その場で見たのは、耳まわりの5つの場所です。黒ずみの濃さそのものより、去年の1枚と今年の1枚で、どこがどう動いたかを並べるほうが早く分かります。実家で過ごす時間は長くても2泊です。名前をつけて数えられる形にしておかないと、帰りの電車で思い出せるのは「なんとなく黒かった」だけになります。

去年の正月に撮った1枚と、今年の9月に見た耳(実家で暮らす12歳の犬の場合)
見た場所去年の正月今年の9月差の出かた
耳の内側の地肌うすい灰色が入り口だけ指の腹1つぶん奥まで黒い広さが変わった
耳のふちの毛寝ていて指に当たる立っていて地肌が透ける毛の量が減った
耳のうしろの毛指がそのまま通る根元で細かく絡む梳かれていない
耳をかくしぐさ見た覚えがない30分のあいだに2回数として数えられる
夜に頭を振る音覚えていない寝てから3回聞こえた音として残る

この表を作ってみると、黒ずみは5つのうちの1つでしかないことが分かります。耳の黒ずみは、いちばん目につくというだけで、いちばん先に起きた変化とは限りません。毛が減ったのが先か、かく回数が増えたのが先かは、年に2回しか会わない側には分かりません。分かるのは、去年と今年のあいだに、5つのうち4つが同じ向きに動いたということだけです。

同じものが、同居している親の目には映りません。240日を1日ずつに割ると、1日あたりの変化は写真にも写らない大きさになります。毎日見ている人は、その1日ぶんを240回続けて受け取っているので、気づかないというより、どこにも段差がないまま今日に着いています。実家の耳の黒ずみが見えるのは、飼い主の注意深さの差ではなく、会う間隔の差です。この見え方の違いを先に自分の中で整理しておくと、親に切り出すときの口調が変わります。

9月の初めは、この差がいちばん大きく出る時期でもあります。朝晩の気温が下がり始めても湿度の高い日が残り、耳のなかは夏のあいだの状態をそのまま持ち越しています。そこへ換毛期が重なって、耳のうしろや首すじの毛が入れ替わり始めます。季節の変わり目に手入れの量が追いつかなくなる場所として、耳は家のなかでいちばん奥にあります。

耳のうしろで止まっていた手|実家で耳の黒ずみが進む背景

実家で減っていたのは、シャンプーの回数ではありませんでした。台所の棚には、前に帰ったときに置いていったシャンプーがまだ半分残っていて、親は「月に1回は洗っている」と言います。減っていたのは、洗うことと洗うことのあいだにある、毎日の手のほうでした。ブラシは玄関の棚にあり、朝の散歩から帰ったあとに背中を数回なでるように梳いて、そこで終わります。

この3つは、手入れを怠ったという話ではありません。毎日くり返す動作から、片手がふさがるものと、姿勢を変えるものが先に落ちていくというだけです。背中をなでるように梳く手は残り、耳を起こして中をのぞく手が消える。その順番は、年齢が上がるほどはっきりします。落ちた場所がどこかを知っていれば、帰省したときに手を入れる場所も決まります。

地肌に何が起きているかも、この順番で説明がつきます。耳の内側は、被毛が薄くて地肌が直接出ている面です。ほかの場所なら毛が受け止めるものが、ここでは地肌に残ります。夏のあいだにたまった皮脂と、散歩で入る細かいほこりが、湿度の高い日が続くうちに残り続けます。ブラッシングのときに一緒に見ていれば週に1回は拭かれていた場所が、240日ぶん拭かれないまま過ぎた、というのがこの背景の中身です。

洗いすぎを心配して回数を落とす話はよく聞きますが、実家で起きていたのはその逆側です。月1回の洗いは残り、毎日の拭きだけが消えていました。洗う日と洗う日のあいだにある29日ぶんの手が抜けると、地肌のうるおいの話をする前に、そもそも面が触られていない状態になります。垂れ耳の子ならふたが閉じたまま、立ち耳の子なら開いたままで、どちらも同じだけ手が入っていません。

この背景が分かると、親に伝えることが1つに絞れます。洗う回数を増やしてもらう必要はありません。背中で止まっている手を、耳のうしろまで10秒だけ伸ばしてもらえればいい。伝えるのは回数ではなく、手の止まっている場所です。

置いて帰る1本を、場所で分けない|実家に耳の黒ずみのケアを残す理由

帰省で置いて帰るものには、ふつうの買い物とは違う条件がつきます。次に説明できるのは、早くて正月、遅ければ来年の9月です。その日まで、電話で聞かれたときにしか補足できません。だから、置いて帰る1本を選ぶ基準は、中身の良し悪しより先に、説明が何行で終わるかになります。耳にはこれ、口のまわりにはこれ、前足にはこれ、と3本置いて帰ると、親は3行を240日おぼえていることになります。3行おぼえてもらうより、1行で済ませるほうが、実際に使われます。

その1行で済ませられるものとして、実家に残したのが mofuwaスキンケアミストです。中身は高機能性電解酸化水だけで、ほかに何も足していません。だから耳の内側にも、口のまわりにも、前足の指のあいだにも、同じ1本が届きます。その子が舐める場所かどうかで持ち替える必要がありません。舐めても平気かどうかを後から確かめたのではなく、舐める動物に使うところから中身を決めた1本です。塗り薬が抱える「塗っても舐めて取れる」「口に入るものが心配」という2つが、この1本では条件から外れます。

だから、実家に残す説明は1行で足ります。「耳のうしろを梳いたら、見えている地肌にこれを置いて」だけです。使う場所を間違えようがないので、親が迷って使わずに棚へ戻す、という消え方をしません。240日のあいだ、どれをどこに使うかを思い出してもらう場面が一度も起きないことが、離れて暮らす側にとっていちばん大きい差です。

  1. 明かりのある場所へ移る

    耳のなかは影になります。台所や窓のそばに連れていき、耳を起こして内側の面を先に見ます。黒ずみの広さは、同じ場所で同じ明るさのときだけ比べられます

  2. 耳のうしろから梳く

    内側にいきなり触らず、耳のうしろの毛を根元から梳いて、絡んでいるところをほどきます。ここがほどけると、耳が自然に起きて内側が見えます

  3. こすらずに置く

    スキンケアミストを直接吹くとその子が顔を引くので、コットンか指先に取ってから、見えている地肌に置きます。汚れを削ろうとしてこすると、地肌のほうが先に赤くなります

  4. 週に2回、同じ曜日に

    毎日でなくてかまいません。親が覚えられる頻度に落とします。ゴミ出しの日と同じ曜日にしておくと、240日のあいだに回数が消えません

この水そのものにも、家庭より前の出どころがあります。もともと医療の現場で使われてきた電解水と同じ系統のもので、縫合した傷口の補修が通常より早いことに医師が気づいたことをきっかけに、創傷治癒の分野での検証が始まったという発表が2002年の創傷治癒世界会議で行われています。商品の効能の話ではなく、研究の対象になってきた水だ、という事実のほうです。実家の親に説明するときも、この一言があると「よく分からないもの」ではなくなります。

Caution黒ずみの色ではなく、頭を振った回数を持っていく

片側の耳だけを続けてかいている/寝てから頭を振る音が一晩に3回以上聞こえる/耳のふちに、去年の写真にはなかったかさぶたがある/近づかなくてもにおいが分かる。こうした変わり方は、家で数えた黒ずみの広さでは追いきれません。去年と今年の写真2枚と、30分のあいだにかいた回数、夜に頭を振った回数を書いた紙を持って、実家の近くの動物病院で診察の枠を取ってください。親が1人で連れて行くことになるなら、その紙を帰る前に渡しておくと、待合室で思い出す必要がなくなります。

来年の9月に同じ経験をしないために|実家の子の耳を240日ぶんの記録で渡す

今回の帰省で分かったのは、240日ぶんの変化が1回で届く仕組みそのものが不利だということです。次に同じ経験をしないためには、240日を1回で受け取らずに、途中で何回かに割って受け取る形にしておきます。難しいことは要りません。親のスマートフォンで、耳を起こした写真を月に1枚だけ撮って送ってもらいます。同じ側の耳、同じ明るさ、同じ距離。この3つだけ揃えておけば、12枚並べたときに広がった月が分かります。

帰る前に決めておく3つ(実家に残す紙1枚に書く)
決めること具体誰がやるか
写真月に1枚、同じ側の耳を起こして実家の親
梳く場所背中のあと、耳のうしろまで10秒実家の親
ミスト週2回、ゴミ出しの日に地肌へ実家の親
数える日電話の日に、かいた回数を聞く離れて暮らす側

電話で聞くのは、黒ずみが濃くなったかどうかではありません。色は電話では伝わりません。聞くのは、かく回数と、頭を振る音と、耳をさわられるのを嫌がるようになったかどうかの3つです。どれも親が見ていなくても答えられる、耳の外側に出てくる変化です。数で答えられる質問にしておくと、「変わりないよ」で終わらなくなります。

耳の黒ずみは、その日に見つけて、その日に済ませる種類のものではありません。実家に残せるのは、月に1枚の写真と、梳く手を10秒伸ばすことと、週2回のミストだけです。それだけでも、来年の9月に並べる2枚は今年とは違って見えます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。