C08季節・行事
夏に掻いた跡は、涼しくなれば消えるのか
耳のうしろの毛を指で分けて掻き跡を数えたら、細くて赤い線が3本、色だけ残った茶色っぽい点が5つありました。夏のあいだについた跡は、たいていこの2つが同じ場所に重なっています。点のほうは、上から掻かれなければ日を追って色が抜けていきますが、赤みの強い線は、ここ3〜4日のうちに新しく掻いたものです。涼しくなって跡が消えるかどうかは、この赤い線が翌週も同じ場所に足されるかどうかで決まります。湿度が下がると足されなくなる線もあれば、涼しくなってから増えはじめる線もあります。夏の終わりは、その2つが入れ替わる時期です。
湿度が下がれば止まる赤い線|掻き跡を夏に増やしていた条件
夏の掻き跡は、2つの欄に分けて数えます。1つめの欄は、赤みが強く、ふちのくっきりした細い線です。後ろ足の爪が通ったあとで、ここ3〜4日のうちについたものです。2つめの欄は、赤みが抜けて、薄い茶色か、まわりの地肌より少し濃い色だけが残った点や線。同じ耳のうしろに両方が並んでいても、紙の上では別々に書きます。数える場所は3か所に決めます。耳のうしろ、首輪やハーネスが当たる首の下、わき腹から内ももにかけて。毎週同じ曜日の同じ時刻に、毛を指で分けて見ていきます。
夏に赤い線が増えるのは、気温の高さそのものより、被毛の内側が乾かない日が続くことのほうが大きく関わっています。湿度の高い日は、散歩から戻っても毛の根元に湿りが残り、首輪の下には汗と皮脂がこもったままになります。地肌が一日じゅう湿った状態にあると、その子はそこを掻き、掻いたところをなめ、なめて濡れたところをまた掻きます。夏の掻き跡が同じ場所に何本も重なるのは、この輪がその場所で回っているためです。
| 夏の条件 | 赤い線が足されやすい場所 | 涼しくなると |
|---|---|---|
| 湿度の高い日が続き、毛の根元が乾かない | 毛の密な耳のうしろ・首の下 | 朝晩に根元が乾く時間ができる |
| 首輪やハーネスの下に汗と皮脂がこもる | 首の下・前足のわきの前 | 汗の量が減り、つけている時間の湿りが軽くなる |
| 水遊びのあと、濡れたまま過ごす | わき腹・内もも | 水に入る日そのものが減る |
| 抜けきらなかった下毛が根元にたまる | 腰・内もも | ブラッシングで抜け残りが減っていく |
表の4つの条件は、どれも湿度が下がれば外れていくものです。条件が外れると、その場所には新しい線が足されなくなり、残っている跡は、1つめの欄から2つめの欄へ移っていきます。紙の上では、赤い線の数字が週ごとに小さくなり、そのぶん古い跡の数字が大きくなる。涼しくなって消えていく掻き跡は、この移り方が途中で止まらない跡のことです。古い跡の色が地肌の色に近づけば、やがて数える対象からも外れます。
数えるのは、ブラッシングの前にします。ブラシを通したあとは毛の向きがそろって跡が隠れますし、赤い線の上をブラシの歯がこすると、その日のうちに線が1本増えたように見えることもあります。耳のうしろなら、上から下へ1センチずつずらしながら3本の分け目をつくり、その3本の中だけを見ます。分け目の本数と位置を毎週そろえておくと、赤みの線が減ったのか、見ている範囲が変わっただけなのかを取り違えずに済みます。
冷房の風と洗う回数で足される線|夏の掻き跡が秋まで残る時期
涼しくなっても掻き跡が残るのは、足されていた線が止まらずに、別の条件へ引き継がれたときです。夏の終わりから秋の入り口にかけては、蒸れの条件が外れていくのと同じ週に、乾きの条件が入ってきます。外の空気がまだ湿っていても、冷房をつけた部屋の中は先に乾いていきます。地肌の側から見ると、湿りすぎていた状態から、うるおいが足りない状態へ、ほとんど間をおかずに移ることになります。
- 冷房の風が当たる寝場所:暑いあいだに涼しい場所を選んで寝ていた子は、風の通り道で眠っています。乾いた空気が同じ面に当たり続けると、耳のうしろや背中の地肌から先に乾いていきます
- 夏に詰めたシャンプーの間隔:においや汗が気になって、2週に1回を週1回にした家は少なくありません。その間隔のまま9月に入ると、湿りの抜けた地肌から、残しておきたい脂まで毎週落とすことになります。洗いすぎで足される線は、洗った日の数日あとに数字が上がる形で紙に出てきます
- 秋の換毛で増えるブラッシング:夏の終わりから毛の入れ替わりが動きはじめ、ブラシを持つ日が増えます。古い跡の上をブラシの歯が何度も通ると、赤みが薄くなりかけた場所に新しい線が重なります
去年、9月に一度薄くなった跡が、10月になって同じ耳のうしろでまた赤くなったのなら、それは夏の線が残っていたのとは違います。蒸れの線がいったん止まったあとに、乾きの条件で新しい線が足されたものです。1回だけ見ると同じ跡に見えますが、紙の上では、赤い線の数字が一度0に近づいてから、また上がっています。夏の終わりに掻き跡が消えるかどうかを考えるときは、この「一度下がってから上がる」場所を見つけられるかどうかが、分かれ目になります。
この時期の紙には、洗った日と、冷房の設定を変えた日を1行ずつ書き足します。赤い線の数字が上がった週に、どちらの行があったか。蒸れの線は湿度といっしょに動き、乾きの線は洗った日と風の当たる場所といっしょに動きます。この2つを分けて見られるようにしておくのが、夏から秋へ移るあいだの数え方です。
消えていく跡と残る跡を7つの点で並べる|掻き跡と夏の赤みの比較
涼しくなって消えていく跡と、秋まで残る跡は、1回見ただけでは区別がつきません。どちらも耳のうしろにあり、どちらも薄い赤みを帯びています。違いが出るのは、週をまたいで2回以上、同じ分け目で見たときです。
| 見るところ | 消えていく跡 | 残る跡 |
|---|---|---|
| 赤い線の本数 | 週ごとに減っていく | 同じか、一度減ってまた増える |
| 色の移り方 | 赤から茶、茶から地肌の色へ進む | 古い跡の上に赤い線が重なる |
| 足していた条件 | 湿度・首の下の汗・濡れたままの毛 | 冷房の風・洗う回数・ブラシの歯 |
| 数字が動く週 | 湿度の低い日が続いた週 | 洗った日や冷房を強めた日のあと |
| 分け目の地肌 | さらっとして、つやが戻ってくる | 白く細かい粉が出て、つっぱって見える |
| 毛の生え方 | 切れた毛が下から伸びてくる | 線の上だけ毛が短いまま |
| 家でやること | 同じ曜日に数え続けて待つ | 条件を1つ外し、地肌のうるおいを毎日足す |
上の2行は、紙を見ればすぐに分かる違いです。いちばん大事なのは3行目で、残る跡は、夏の条件がなくなったのに消えずにいるわけではなく、秋の条件で新しく足され続けています。だから、待っていても数字は下がりません。涼しくなるのを待つ跡と、条件を外しに行く跡を、この表で振り分けます。5行目の地肌の見え方は、乾きの条件が入ってきた合図です。分け目に白い粉が出はじめた場所は、その次の週に赤い線の欄が動くことが多いので、先に印をつけておきます。
もう1つ、どちらの欄にも入れない跡があります。赤みも茶色も抜けて地肌の色は戻っているのに、毛が短く切れて、そこだけ薄く見える場所です。掻いたときに毛が途中で切れたあとで、見た目では跡が残っているように感じますが、新しい線は足されていません。これは紙の3つめの欄に「毛」とだけ書き、本数には数えません。秋の生え替わりで下から新しい被毛が伸びてくると、少しずつ目立たなくなっていきます。夏の掻き跡を数えるときにこの欄を分けておかないと、地肌は落ち着いているのに、跡が残っていると数え続けることになります。
赤い線が足され続ける場所に、毎日置くもの|夏の掻き跡はどっちの手から変えるか
2週続けて同じ場所に赤い線が足されたら、その場所は残る側に入っています。変える手は2つです。1つは、線を足している秋の条件を外すこと。もう1つは、条件を外しきるまでのあいだ、その場所の地肌を乾いたまま置かないことです。どっちから手をつけるかは、赤い線の数字が、紙のどの行のあとに上がったかで決めます。
- 洗った日のあとに上がった:シャンプーの間隔を、夏に詰める前の間隔へ戻します。週1回にしていたなら2週に1回へ。汗や汚れが気になる日は、首の下とわきの前だけを、湿らせて固く絞った布で拭けば足ります
- 冷房を強めた日のあとに上がった:寝場所の上を風が通っていないかを確かめます。吹き出し口の向きを変えるか、寝床を壁ぎわへ50センチずらします
- ブラッシングの日に上がった:線のある場所だけはブラシを使わず、手のひらで毛の流れを整えるだけにします。ブラッシングは、そこを外した面で続けます
条件を外すのと同じ週から、赤い線のある場所には mofuwa スキンケアミストを毎日置きます。紙に書いた3か所のうち、首の下は口が届きませんが、わき腹と内ももは届きます。赤い線が2週続けて足されたのが届く側だった家では、朝に毛を分けると、その場所だけ毛が濡れて束になっていることがあります。夜のうちに掻いて、掻いたところをなめた跡です。秋の条件はどれも地肌を乾かす方向に働くので、条件を外しきるまでの1〜2週は、その場所の地肌を乾いたまま過ごさせない手が要ります。
なめる場所に塗るタイプのものを使うと、その夜のうちになめて取れてしまい、取れたぶんは口に入ります。朝に塗ったものが、昼にはもう毛の上に残っていない、ということも起きます。スキンケアミストは、なめられる場所に使われることを出発点にして、高機能性電解酸化水という水1種類でつくられています。香りも、ほかの成分も加えていないので、わき腹と内ももに置いたあとでその子がなめても、口に入るのは水です。耳のうしろにも首の下にも同じ1本で届くので、3か所で使うものを分ける必要がありません。
置き方は、数えるときにつくった3本の分け目をそのまま使い、分け目の地肌に向けて1回ずつ吹きかけるだけです。数える手と置く手が同じ分け目で済むので、週1回の数える日も、毎日の置く日も、ひと続きの手順になります。使いはじめは、わずかに塩素のようなにおいを感じることがあります。においに顔をそむける子には、顔から遠い内ももから置きはじめ、耳のうしろを最後にしてください。置いた場所は、乾くまでブラッシングをしません。
3か所のうち同じ場所で、赤い線の数字が3週続けて下がらない/線と線のあいだの地肌まで赤みが広がって、本数として数えられなくなった/跡の上がじくじくして、分け目の毛が固まって束になる/湿度が下がった週に、かえって線が倍に増えた。こうした出方は、夏から秋への条件の入れ替わりでは説明がつきません。週ごとの本数を書いた紙には、家で見ていた3週間の経過がそのまま入っています。動物病院では、跡を見せる前にまずその紙を渡すと、どの場所の線がどの週から下がらなくなったのかが先に伝わります。そこで出たものを塗る場所と、スキンケアミストを置く場所をどう分けるかも、同じ紙の上で決められます。
赤い線が0本の週を、来年の紙の1行目に写す|夏の掻き跡を数え終える日
数え終えるのは、3か所とも赤い線が0本の週が2週続いたときです。古い跡の欄にまだ数字が残っていても、新しく足されていなければ、あとは色が抜けていくのを待つだけになります。毛の欄の場所は、秋の生え替わりのあいだに、下から少しずつ埋まっていきます。
その週の日付は、来年の紙の1行目に写しておきます。来年の8月にまた赤い線が出はじめたとき、前の年はいつ0本になったのかが1行で分かれば、何週目まで数え続けるかを最初から決められます。洗った日と冷房の行も、そのまま来年の目安として残ります。
次の数える日までに毎朝やるのは、分け目を3本つくって、ミストを置くところまでです。数字を書くのは週に1回で足ります。赤みの線が減っていく紙は、涼しくなったことより先に、その子が夜に掻く回数が減ったことを見せてくれます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- かさぶたになった掻き跡は、ブラッシングのときに取ってしまってもいいですか。
- 取らずに、ブラシの歯が当たらないようにしておきます。かさぶたの下は、まだ新しい地肌ができている途中で、はがすと、その日のうちに赤い線がもう1本足されたのと同じところへ戻ります。紙の上でも、古い跡の欄にあった数字が、赤い線の欄へ逆戻りします。かさぶたのある場所はブラシを使わず、手のひらで毛の流れを整えるだけにして、下から毛が伸びて自然に浮いてくるのを待ってください。浮いてきたものは、毛の流れに沿って手でなでると落ちていきます。
- 猫の掻き跡は、犬と同じ3か所で数えればいいですか。
- 猫は、後ろ足の爪が届く場所と、自分でなめる場所が犬と少し違います。後ろ足で掻くのは首のうしろ、耳の前、あごの下が多く、赤い線はこのあたりに出やすくなります。一方でお腹や内ももは、掻くよりなめることが多く、線ではなく、毛が短く薄くなった面として出てきます。猫の紙は、首のうしろ・耳の前・お腹の3か所にして、お腹だけは本数ではなく、毛の薄い面が手のひら何枚分かで書いてください。数えるのは、日なたで体を伸ばして寝ているときが向いています。
- 去年も秋まで跡が残りました。夏のうちに何をしておけば、同じことになりにくいですか。
- 去年残ったのがどの場所だったかを思い出して、その場所を3か所のうちの1つに入れておきます。秋まで残る跡は、蒸れの線が止まったあとに乾きの線が足されたものなので、8月のうちにできるのは、乾きの条件が入ってくる前に、家の側を先に動かしておくことです。シャンプーの間隔を夏の前に戻す日と、冷房の風の向きを見直す日を、紙の9月の欄に先に書いておきます。そのうえで、去年残った場所に、湿度が下がりはじめる週からミストを置きはじめると、赤い線の欄の数字を、去年の同じ週と並べて見られるようになります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
