C05犬種・猫種別ケア

メキシカンヘアレスドッグの無毛の肌|日ざしによる肌の負担を毎日のケアで防ぐ

公開日 2022年9月6日|文=mofuwa編集部

明るい窓のそばの明るい床で、毛の短い小さな犬が体を伸ばして寝ている
外にいた時間より、家のどこで昼を過ごしているかのほうが、条件としては大きく効いてきます。写真:Pexels/Pixabay

午後1時すぎ、リビングの床に落ちた光の帯の中で、メキシカンヘアレスドッグが横向きに寝ています。窓は閉まっていて、外は上着が要るくらいの日です。帯は1時間ごとに少しずつ位置を変えますが、その子は動いた帯を追いかけて、また同じ姿勢で眠りに戻ります。上を向いている脇腹は、いつも同じ側です。この犬種の日焼けを考えるとき、いちばん条件が大きいのは、朝夕の散歩の30分より、この昼寝の3時間のほうです。屋外の強い日ざしは、たしかに強い。けれど窓辺の日ざしには、毎日同じ場所で、同じ時間だけ、同じ面に当たり続けるという別の条件がついてきます。この記事では、メキシカンヘアレスドッグの日焼けを、外に出す・出さないの話ではなく、その子が昼にどこで寝ているかの話として書きます。

窓辺の同じ場所で昼を過ごす|メキシカンヘアレスドッグと暮らして日焼けに気づいた経験

晴れた日の正午前後、窓から入った光は床に細長い帯を作ります。家具の位置は変わらないので、帯が通る道すじは毎日ほとんど同じです。メキシカンヘアレスドッグと暮らしていると、その帯の位置を人より先に犬のほうが知っていることに気づきます。被毛という層を持たない体は、部屋の中でわずかに暖かい場所を敏感に選びます。帯が動けば、少し遅れて寝床も動く。冬でも、暖房の効いた部屋の中で、いちばん長く過ごすのは窓辺です。

飼い主がメキシカンヘアレスドッグの日焼けに気づくのは、たいてい屋外の話としてではありません。夏の散歩を涼しい時間に変え、日中は家から出していない。それでも背中の色が、前の年より濃くなっている。濃くなった場所の輪郭が、いつも上を向いていた面ときれいに一致していたという話を、この犬種の飼い主から聞くことがあります。日焼けは、強さだけでなく、当たり続けた時間の合計でも積み上がります。

散歩に出ている時間を数えてみると、朝と夕方に30分ずつで、合計1時間です。日ざしが弱い時間帯を選んでいるなら、そのうち直射に当たっている時間はもっと短い。いっぽうで昼寝は、3時間から4時間。1日の中で見ると、光に当たっている時間の大半は家の中で起きています。それが週7日、季節をまたいで続くと、屋外の30分との差はさらに開いていきます。

もうひとつ、家の中だけにある条件があります。屋外では、犬は歩き、向きを変え、立ち止まり、木の影に入ります。当たる面は次々に入れ替わります。家の中の昼寝では、当たる面が入れ替わりません。寝る向きが決まっている子は、毎日同じ側の脇腹と、同じ側の肩と、同じ耳の外側だけを光に向けています。メキシカンヘアレスドッグの日焼けが左右で差になって出てくるのは、この姿勢の固定から来ています。

Note外に出していないから安心、という整理にはなりません

窓を閉めていても、日ざしそのものは部屋の中まで入ってきます。ガラスがあれば屋外と同じではありませんが、当たっていないことにはなりません。そのうえで家の中には、屋外にはない条件が2つ足されます。ひとつは場所が固定されること、もうひとつは向きが固定されることです。メキシカンヘアレスドッグの日焼けを見るときは、強さではなく、この2つの固定のほうを先に疑ってください。

被毛という層がなく、皮脂が肌に直接のる|メキシカンヘアレスドッグの日焼けが起きる理由

メキシカンヘアレスドッグは、体のほとんどに毛を持たない犬種です。頭の上や尾の先にわずかに毛が残る子もいますが、胴の大部分は地肌がそのまま外に出ています。ほかの犬種では、光はまず被毛の層に当たり、そこで散らされてから地肌に届きます。この犬種では、その手前の層がありません。光は最初から地肌に届きます。メキシカンヘアレスドッグの日焼けを考える出発点は、ここです。

この体は、強い日ざしの土地で生まれました。乾いた高地で、日ざしは日本の夏より強い。それでも屋外には逃げ場があります。木の影に入る、岩の陰に回る、地面が冷たい時間に伏せる、風が抜ける。強い日ざしと、そこから外れる自由が、同じ場所にそろっていました。体のほうも、そういう環境で日を浴びながら暮らす前提でできています。

日本の家では、この2つが入れ替わります。窓ガラスを1枚はさむぶん、日ざしそのものは屋外より弱い。ところが逃げ場のほうが減ります。暖かい場所はその帯しかなく、寝床はそこに置かれていて、家具の位置は変わらない。弱い日ざしが、毎日同じ場所で、同じ時間だけ、同じ面に当たり続けます。強さは下がっているのに、条件としてはむしろそろってしまう。これが、日本の家で暮らすメキシカンヘアレスドッグの日焼けの成り立ちです。

屋外の日ざしと、窓辺の日ざしでは、条件のどこが入れ替わるか
屋外の日ざし窓辺の日ざし
強さ強いガラスをはさむぶん弱まる
1日に当たる時間散歩の30分ほど昼寝の3〜4時間
当たる場所歩くたびに変わる床の同じ帯の上
当たる面向きが変わり、入れ替わる上を向いた側だけに固定される
逃げ場影・風・地面の冷たさがある暖かいのがそこしかない
気づきやすさ出かけた日として記憶に残る毎日すぎて、数えられていない

肌の側の条件も、被毛のある犬種とは違います。毛がないので、出てきた皮脂は毛に広がらず、肌の上にそのまま残ります。触るとしっとりして、指にうっすらつく子が多い。皮脂が多いこと自体は、悪いことではありません。むしろ乾きにくくしている面があります。ただ、残った皮脂は空気中のほこりを拾うので、日ざしに当たった面ほど、夕方には手ざわりがざらついてきます。ここを洗うほうへ寄せると、今度は乾く側に振れます。

季節の合図が来ないことも、この犬種の特徴です。被毛のある犬なら、春と秋に換毛期があって、抜けた毛の量で季節の切り替わりが分かります。メキシカンヘアレスドッグには、その合図がありません。季節が変わったことを最初に教えてくれるのは、毛ではなく、床に落ちる光の帯の位置です。夏至の前後は帯が浅く、冬至に近づくほど部屋の奥まで伸びます。同じ場所に置いた寝床でも、当たる時間は季節で1時間以上動きます。

Point体格の低さが、床からの照り返しを足しています

メキシカンヘアレスドッグは、床に寝ているときの体の高さが20センチほどしかありません。光は窓から差し込むだけでなく、明るい床材や白い壁に当たって返ってきます。人の目の高さでは弱く見える帯でも、床の上ではもう少し明るい。腹側や内腿のように「当たっていないはず」の面が少し色づいてくるときは、上からではなく、返ってきた光の側を疑ってください。ラグを1枚敷くだけでも、返りは変わります。

日向を取り上げず、寝床を30センチ動かす|メキシカンヘアレスドッグの日焼けへの考え方

ここからが、変えられる条件の話です。まず、変えられないものを先に外しておきます。日ざしの強さ、帯が通る道すじ、季節による角度の変化。この3つは動かせません。動かせるのは、寝床の位置と、寝る向きと、その場所で過ごす時間と、あいだに置くものの4つだけです。メキシカンヘアレスドッグの日焼けへの考え方は、この4つの中で手を組み立てる、というところに落ち着きます。

先に断っておきたいのは、日向そのものを取り上げないということです。被毛を持たない体にとって、暖かい場所は必要です。取り上げれば、その子は別の暖かい場所を探すか、寒い場所で丸まって過ごすことになります。帯の真ん中から、帯の縁へ、寝床を30センチだけ寄せる。これだけで、当たる時間はおおよそ半分になります。次の順で確かめてください。

  1. 3日だけ、11時・13時・15時に帯の位置を見る

    写真を撮る必要はありません。帯の端が床のどこを通っているかを、家具を目印にして覚えるだけです。3日見れば、その季節の道すじは分かります。晴れの日だけで構いません。曇りの日は帯ができないので、その日は数えなくて大丈夫です。

  2. 寝床が帯の中にあるのか、縁にあるのかを決める

    真ん中にあるなら、その子は3時間まるごと日ざしの中にいます。縁にあるなら、体の半分だけです。ここで見るのは寝床の位置であって、犬の位置ではありません。犬はそのつど動きますが、寝床が帯の中にあるかぎり、戻る先は変わりません。

  3. 寝床を30センチだけ、帯の外へ寄せる

    大きく動かすと、その子は寝床ごと使わなくなります。30センチなら、たいていそのまま使い続けてくれます。寄せる向きは、帯が動いていく側と逆にしてください。時間がたつと帯のほうが寝床へ近づいてくる置き方だと、数日で元に戻ります。

  4. 寝る向きが変わるように、寝床の形のほうを変える

    縁のあるベッドなら、縁の高いほうを窓側にします。毛布なら、たたむ側を入れ替えます。同じ側の脇腹だけが上を向き続けるのを、道具の側でずらします。犬の向きを人が変えても、目を離せば戻ります。変えるのは、その子ではなく置きものの形のほうです。

4つのうち、どれから動かすか
動かすもの変わること続けやすさ
寝床の位置を30センチ当たる時間が半分になるいちばん続きます
寝床の形・縁の向き当たる面が入れ替わる続きます。道具だけで済みます
レースのカーテンを引く帯の輪郭がぼやける昼だけなら手間になりません
昼寝の時間帯をずらす帯が浅い時間に寄せられるその子の生活に合えば
服を着せる当たる面を布で覆うこすれと熱がこもる話が別に出ます

毎日のケアの側でやることは、多くありません。昼寝から起きたあと、光に当たっていた面を手のひらで一度なでて、前の日と比べる。これだけです。メキシカンヘアレスドッグは被毛がないので、変化が手にそのまま返ってきます。ざらつきが出ていないか、熱を持っていないか、皮脂でほこりが乗っていないか。ブラッシングという言葉を使うなら、この犬種では毛を通す作業ではなく、柔らかいラバー製の道具で肌の面を確かめる作業になります。

拭くほうへ手を伸ばすときは、洗う回数を増やさない範囲にとどめてください。洗えば皮脂ごと落ちて、乾く側に振れます。メキシカンヘアレスドッグには、日焼けする面をおおう被毛も、その面をなめて整える手段もありません。上を向いていた脇腹に手が入るのは、人だけです。そこで持つのが mofuwa スキンケアミストで、入っているのは電解水だけ、肌の上に残る油分がありません。のせたものがそのまま外気に触れる体では、翌日また同じ面に手を入れたときに、前の日のぶんが積み上がらないことが条件になります。使うのは、光の帯から出て寝床を移ったあと、その日いちばん長く上を向いていた面に。布に含ませて上から下へ、強くこすらず1往復で十分です。

Caution季節が変わったら、もう一度だけ帯を見てください

夏と冬で、窓から入る光の深さは変わります。夏至のころは足元で止まっていた帯が、冬には部屋の奥まで届きます。寝床を動かしたときの位置は、その季節の位置でしかありません。年に2回、春と秋の晴れた日に、11時と13時の帯だけ見直してください。メキシカンヘアレスドッグには換毛期という季節の合図がないぶん、この見直しを日付で決めておくほうが確実です。

日ざしの当たらない面にも出てきた変化|メキシカンヘアレスドッグの肌を見る目安

ここまでは、日ざしで説明のつく変化の話でした。説明がつくというのは、色が変わった場所と、光が当たっていた面が重なっているということです。重ならないときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、寝床の位置を動かしても収まりません。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

肌が赤い、じくじくしている、触ると痛がる、熱を持っている、同じ場所をなめ続けている、盛り上がりがあって数日で形が変わる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、寝床の位置を調整する前に、動物病院にご相談ください。メキシカンヘアレスドッグは肌がそのまま見えているぶん、変化に早く気づける犬種です。早く気づけることを、様子を長く見る理由にしないでください。迷ったら、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いつごろからか、体のどの面か、その子が昼にどこで何時間過ごしているかの3つをメモしてください。とくに3つ目は、飼い主にしか分かりません。窓の向き、寝床の位置、光の帯が入る時間まで伝わると、日ざしで説明のつく変化なのかどうかを、その場で切り分けてもらいやすくなります。前の晩に念入りに拭いていくと、もとの手ざわりが分からなくなるので、当日はいつもどおりで構いません。

メキシカンヘアレスドッグと暮らしていて、日ざしを完全に断つことはできませんし、その必要もありません。被毛を持たない体にとって、暖かい場所は生活の一部です。減らせるのは日ざしの強さではなく、毎日同じ面が同じ時間だけ当たり続けているという、繰り返しのほうです。寝床を30センチ寄せる。縁の向きを入れ替える。季節が変わったら帯をもう一度見る。メキシカンヘアレスドッグの日焼けで動かせるのは、その子が昼にどこで寝ているか、という一点です。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。