C08季節・行事
先月までベタついていた背中に、白い粉が出る
9月の終わりまでは、背中をなでた手のひらに、うすく脂の膜が残ります。10月の半ばに同じところをなでると、指の腹につくのは白い粉のほうです。同じ背中で、つくものが入れ替わっています。皮脂が減っていく場所へ、夏と同じ間隔でシャンプーを続けると、フケの側が先に出ます。この記事で数えるのは、洗った日から背中に脂が戻るまでの日数です。夏は5日、秋は12日。同じ日数のまま洗い続けていないかを、そのひとつの数字で確かめます。湿度の下がり方も、ブラッシングで落ちる量も、この日数の後ろに置いて読みます。
5日で戻っていた背中が12日たっても戻らない|皮脂とフケが入れ替わる時期
背中の皮脂は、秋に急に止まるのではなく、戻ってくる速さのほうが先に落ちます。夏のあいだは、洗った翌日にはもう毛の根元がしっとりしていて、4日から5日で手のひらに膜が残るところまで戻ります。ところが10月に入ると、同じ子の同じ背中が、10日たっても12日たっても戻りきりません。量が減ったというより、戻すのにかかる日数が倍になっています。
この記事で数えるのは、その日数ひとつです。洗った日を1日目として、背中をなでた手のひらに脂の膜を感じた日が何日目か。それだけを書きます。ブラッシングで落ちる毛の量も、フケの粒の大きさも、いったん横に置いてください。数える数字がふたつあると、湿度との対応が読めなくなります。
| 時期 | 室内の湿度 | 戻るまでの日数 | 手のひらにつくもの |
|---|---|---|---|
| 7〜8月 | 65%前後 | 3〜4日 | 厚い膜。指をこすると糸を引く |
| 9月 | 60%前後 | 5〜6日 | うすい膜。指紋に沿って残る |
| 10月前半 | 55%前後 | 8〜10日 | 膜がはっきりしない |
| 10月後半 | 50%前後 | 10〜12日 | 白い粉が先につく |
| 暖房を入れてから | 45%を下回る | 戻らない日が続く | 粉だけが指の腹に残る |
表のいちばん右が、この記事の題です。戻る日数が延びるほど、手のひらにつくものは脂から白い粉へ入れ替わります。背中は体の中でいちばん外気に面している場所で、しかも毛が寝ているので風がそのまま当たります。肩からしっぽの付け根までの帯が、家の中でいちばん早く乾く面になります。腹側を同じように触っても、まだ何も変わっていないことが多いはずです。
季節の変わり目に困る飼い主が最初に気づくのは、たいていこの白い粉のほうです。脂が減っていく途中は目に見えないので、減りきってフケが出てから気づきます。気づいた時点で、背中はすでに数週間ぶん先へ進んでいます。だから戻る日数を数えておく意味があります。粉が出る前に、5日が8日になった時点で読めるからです。
洗う間隔を動かさないまま秋へ入る|背中に皮脂ではなくフケが出る条件
フケが出る条件は、乾燥そのものではなく、戻る速さと洗う間隔のずれです。夏に5日で戻る背中を7日ごとに洗っていれば、洗う前の2日間は脂が十分にある状態です。秋に戻る日数が12日へ延びても間隔が7日のままなら、背中はまだ半分しか戻っていないところを毎回洗われることになります。5回続ければ、地肌の側は一度も満ちません。
- 湿度が落ちる:皮脂をつくる速さそのものが落ちるのではなく、出たものが空気に持っていかれる量が増えます
- 気温が落ちる:体の表面の血のめぐりが変わり、背中のいちばん上の面から先に乾きます
- 換毛期が重なる:下毛が入れ替わるのでブラッシングの回数が増え、毛の根元にあった分まで散らされます
- 洗う間隔だけが動かない:上の3つが全部動いているのに、家の予定表だけが夏のままになっています
4つのうち、上の3つは家の側では動かせません。飼い主が動かせるのは4つ目だけです。そして4つ目は、動かすのがいちばん簡単でもあります。戻る日数を1度数えて、その日数に合わせて次に洗う日を決める。それだけで、満ちる前に引かれる回数がゼロになります。洗いすぎという言葉でひとくくりにすると、洗う行為そのものが悪いように聞こえますが、ずれているのは間隔だけです。
もうひとつ、間隔を延ばしたときに必ず出てくる問題があります。洗う日が遠くなると、そのあいだの汚れとにおいが行き場を失います。散歩に出る子なら、外の汚れは毎日つきます。間隔を12日へ延ばした結果、11日目の背中が夏より汚れている、ということになると、間隔を戻したくなります。ここを毎日のブラッシングの側で受けておけるかどうかが、秋に間隔を延ばしきれるかどうかを決めます。
手のひらにつくものが変わる|夏の背中と秋の背中の皮脂とフケの比較
背中に出ている白い粉は、見た目がどれも同じなので、出どころを見た目から分けられません。分かれるのは、粒の大きさと、指でつまんだときのくずれ方と、毛のどのあたりに付いているかです。この3つで、皮脂が残りすぎて固まったものか、地肌が乾いて剥がれたものかが分かります。
| 見るところ | 皮脂が残って固まったもの | 地肌が乾いて出るフケ |
|---|---|---|
| 粒の大きさ | 大きめで、まとまっている | 細かく、粉のように散る |
| つまんだとき | 指のあいだで脂っぽくのびる | 乾いて崩れる |
| 付いている場所 | 毛の根元。地肌に貼りついている | 毛の途中から先。ブラシで舞う |
| 背中の手ざわり | べたつきが残っている | 毛がぱさついて指が引っかかる |
| においがあるか | 時間がたつと出る | ほとんどしない |
| 出はじめる時期 | 夏から9月 | 10月に入ってから |
| 洗う間隔の動かし方 | 間隔を縮める | 間隔を延ばす |
最終行のとおり、打つ手が正反対になります。同じ「背中に白いものが出た」という入り口から、間隔を縮める方向と、延ばす方向に分かれます。10月に間隔を縮めてしまうと、地肌が満ちる前に毎回引かれることになり、粉はかえって増えます。季節の変わり目に迷うのはここで、夏の記憶のまま手を打つと、ちょうど逆へ進みます。
見分けるのに手間はいりません。黒っぽい布を膝に置いて、背中を10回だけブラッシングしてみてください。布の上に舞って落ちた細かい粉が多ければ、乾いて出ているほうです。ブラシの根元に脂っぽいかたまりが残るなら、皮脂が残っているほうです。両方が出る子もいます。その場合は、まず間隔を延ばして、10日目にもう一度この布を試します。
この時期は下毛が入れ替わるので、ブラシに残る毛の量そのものが増えます。毛が増えたことと、粉が増えたことは別々に動きます。抜け毛が多い日に粉がほとんど出ないこともありますし、ほとんど抜けない日に背中じゅうから出ることもあります。数える数字をひとつに絞ると決めたのは、この2つが混ざると洗う間隔との対応が読めなくなるためです。抜け毛の量は、別の行に書いてください。
落とし足りないのか、落としすぎたのか|背中の白い粉はどっちから来るか
秋に間隔を延ばすと決めたとき、洗う1回そのものの中身が問われます。12日に1回しか洗わないなら、その1回でしっかり落ちてほしい。ところが落ちる力を強くするほど、地肌に残しておきたいぶんまで一緒に持っていかれます。落ちる力と、残す力を両方求めることになります。ここが、秋のシャンプー選びでいちばん詰まるところです。
泡立ちをよくするいちばん簡単な方法は、洗浄成分を増やすことです。よく泡立ち、よく落ちます。ただし、よく落ちるシャンプーほど、落としすぎた分を戻す工程が後ろに必要になります。洗い上がりがごわつくのは、汚れだけでなく、被毛にとって要るものまで落ちているからです。そこでトリートメントを足すと、浴室にいる時間がそのぶん延びます。工程が増えて困るのは飼い主の手間だけではありません。その子が浴室で耐える時間そのものが長くなります。
mofuwa モイストシャンプーは、その工程を逆から組んだ1本です。洗浄成分はアミノ酸系だけで、しかも量を減らしてあります。本来ならそれでは泡が立ちません。立つのは、原料の水に電解水を使っているからです。電解水そのものに汚れを落とす働きがあるので、泡立ちを水の側から押し上げています。グルーミングスプレーと同じ水が、シャンプーの土台にも入っている、という組み方です。
少ない洗浄成分で落ちるということは、落としすぎない、ということでもあります。落としすぎないのでごわつかず、ごわつかないのでトリートメントの工程が要らなくなります。モイストシャンプーで工程がひとつ減ると、その子が浴室で耐える時間もそれだけ短くなります。秋に間隔を12日へ延ばした家にとって、その1回が短くて済むことは、次の1回を先延ばしにしない条件になります。保湿の成分は、そのうえに乗せてあります。
香りをつけていないのも、この季節に効きます。ペットは自分のにおいを好みます。余分なにおいが残ることは、それだけでその子の負担になります。洗ったあとに毛づくろいの回数が増える子は、におい自体を落としにきている場合があります。背中をなめる回数が洗った翌日に増えるなら、洗い方より先に、においの残り方を見てください。毎日のブラッシングのほうは、mofuwa グルーミングスプレーを吹きかけてから梳かすと、間隔を延ばしたあいだの汚れを日々のほうで受けられます。
間隔を12日へ延ばして1か月たっても、背中の粉が同じだけ出る。地肌に赤みが帯のように出てきた、背中の同じ場所だけ毛が薄くなった、毛の根元にかさぶたのような手ざわりが混ざる。ここまで来ると、戻る日数の表からは読めません。洗った日と、脂が戻った日と、粉の出かたを書いた1か月ぶんの記録を持って、動物病院で診察の枠をひとつ取ってください。5日が12日へ延びたのがいつだったのかが並んだ紙は、皮膚の様子を口で説明するより早く伝わります。
背中に戻るまでの日数を、冬の前に1度だけ数え直す
10月に一度この日数を数えておくと、そのあと冬のあいだ数え直す必要がありません。暖房を入れて湿度がさらに落ちると、戻る日数はもう少し延びます。ただし延び方はゆるやかで、10月に測った数字に2日か3日を足せば、たいてい足ります。季節ごとに測るのは、春と秋の2回で足ります。
残しておく紙は1枚で足ります。洗った日付、脂が戻った日付、そのあいだの日数。これが2回ぶん並べば、その子の背中が季節にどう反応するかという型が手に入ります。来年の10月には、測る前から次に洗う日を決められます。湿度も気温も毎年ちがう動き方をしますが、その子の背中が返す日数は、型としては同じ形で戻ってきます。
今日できるのは、次に洗った日をカレンダーに丸で囲んでおくことだけです。あとは背中をなでて、手のひらに膜が戻った日にもうひとつ丸をつける。その2つの丸のあいだが、冬のあいだずっと使える数字になります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 間隔を延ばすと、においが気になります。どのくらいまでなら延ばせますか。
- においのほうを基準にして決めてください。戻る日数は皮脂の側の数字なので、においが先に限界へ来る子もいます。その場合は、脂が戻りきる前に洗うことになりますが、背中の一部だけをぬらす部分洗いにして、全身を洗う回数のほうを減らします。においが出やすいのは、背中よりも首の下と脇の下です。全身を洗う間隔は皮脂の数字で決めて、においは出る場所だけを毎日のブラッシングで受ける。この2階建てにすると、12日を守りながらにおいも持ち越さずに済みます。
- シャンプーの回数を減らすと、毛が絡みやすくなりませんか。
- 絡みやすさは洗う回数ではなく、梳かす回数のほうで決まります。間隔を延ばした期間に絡みが増えるとしたら、洗うのをやめたことではなく、洗う日の前後だけ梳かしていたのが原因です。毎日梳かしていれば、12日の間隔でも絡みは増えません。逆に、洗うたびに毛が立ち上がってその日だけ梳かしやすい、という状態のほうが、被毛にとっては負担が大きいことがあります。梳かす回数は間隔と切り離して、毎日の側に置いてください。
- 秋に背中だけでなく、おなかにも粉が出ています。同じ考え方でいいですか。
- おなかは背中より2週間ほど遅れて出る場所なので、同時に出ているなら、乾き方が家の中で均一ではない可能性があります。床暖房や電気カーペットを使っていると、おなかのほうが先に乾くことがあります。その場合は、背中の日数とは別に、おなかが接している面の温度を見てください。敷いているものを1枚替えるだけで、おなかの粉だけが先に減ることがあります。背中の日数は、それとは切り離してそのまま数え続けて構いません。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
