C15組み合わせ提案

フローリングで滑る子のためのケア

公開日 2022年12月28日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の木の床に、落ち着いて座っている淡い色の犬
敷く範囲を決める前に見ていたのは、床のほうではなく肉球のあいだでした。写真:Lum3n/Pexels

廊下でだけ滑る、という話をして3メートルぶんのマットを敷いた冬、その子はマットの手前で止まって、そこから先を助走で走るようになりました。敷いた場所では滑らないので、滑る場所と滑らない場所の境目ができます。境目ができると、そこを勢いで越えようとします。滑る子への対策には、床に敷く方向と、足の側を整える方向の2つがあります。この2つには順番があって、足の側を先に戻すと、床に敷く範囲のほうが小さくて済みます。肉球のあいだの毛が伸びていると、肉球そのものが床に着いていません。敷く前に、指のあいだをのぞいてみるところから始めます。

敷く前に、指のあいだをのぞく|滑る対策の順番が逆になりやすい理由

廊下に敷いた3メートルは、たしかにその区間では役に立ちました。ただ、敷いていない場所との境目ができて、その手前で止まるようになりました。止まってから、勢いをつけて越える。越えた先はまた滑るので、そこで足が開きます。次にやったのは、範囲を伸ばすことでした。3メートルが5メートルになり、居間の入口まで続き、気がつくと洗う布が増えていました。

滑る原因を床の側だけで考えると、こうして敷く面積が増え続けます。床は、敷けば敷くほど掃除と洗濯の量になって返ってきます。それに対して、足の側には戻せる余地があります。床材は替えられなくても、足の裏の状態は今週のうちに変えられます。滑る対策を2つの方向に割ると、片方は増えていく方向、もう片方は戻していく方向でした。

足の側で見る場所は、そう多くありません。4つだけです。散歩から帰ったあとの拭き取りのついでに、指を1本ずつ開いて見れば足ります。どれも、床を替えるより先にできることです。

このうち、いちばん大きいのが1つめです。肉球のあいだから毛が伸びてくると、床に着いているのは肉球ではなく毛になります。毛は床の上をよく滑ります。つまり、床材が変わっていなくても、毛が伸びた分だけ滑る回数が増えていきます。逆に言えば、ここを短く保つだけで、滑る場所が減ることがあります。マットを買う前に、指のあいだをのぞく理由がここにあります。

Noteこの記事で扱うのは、家でできることの順番だけです

滑ることの背景には、足の裏や爪の状態のほかに、体の側の理由が隠れていることがあります。ただ、それは家で切り分けられるものではありません。この記事で扱うのは、滑る対策として今日から家で動かせる2つの方向と、その順番だけです。立ち上がるのに時間がかかる、階段を避けるようになった、後ろ足が横に開く、歩き方が左右で違う。こうした変化が出ているときは、床に敷くものを増やす前に動物病院にご相談ください。順番の話をしているこの記事より、そちらが先です。

軸1・床に敷く|滑る対策のうち、その日のうちに変えられること

1つめの軸は、床の側です。いちばんの強みは、今日のうちに変えられることです。買ってきて広げれば、その日から滑る場所が減ります。足の側を整えるほうは、どうしても日数がかかります。だから、急ぎで手を打ちたい場面では、こちらが先になります。問題はそのあと、どこまで敷くかが決まらないことでした。

床に敷く対策には、増えていくという性質があります。敷いた場所と敷いていない場所の境目ができるので、そこを埋めたくなるからです。埋めていくと、面積とともに洗う量と掃除の手間が増えます。夏は蒸れ、冬は湿りが残ります。多頭で暮らしていれば、汚れる速さもそのぶん早くなります。敷くこと自体は悪くありませんが、範囲をどこで止めるかを先に決めておかないと、止まる場所がありません。

そして、その子の慣れの問題があります。床の感触が変わるので、最初のうちは避けて歩く子がいます。ふちを踏まないように大回りする、上を歩かずに隣の板の上を通る。これでは敷いた意味がありません。範囲を広げる前に、その上を普通に歩くようになるまで数日おいて見てください。滑る対策として敷いたものが、通り道を1本増やしただけになっていることがあります。

軸2・足の側を整える|肉球の当たり方が戻ると、敷く範囲が変わる条件

2つめの軸は、足の側です。こちらは今日すぐには変わりませんが、変わったあとは場所を選びません。床に敷いたものは、敷いた場所でしか働きません。足の側が戻ると、家じゅうどこを歩いても同じ状態になります。滑る対策を2つ並べたときの、いちばん大きな違いはここでした。

順番があるのは、この軸の中でも同じです。いちばん先に来るのは、足先を触られることに慣れているかどうかです。ここが済んでいない子は、毛を短くすることも、爪を見ることも、拭き取りも全部止まります。散歩から帰ったあと、指を1本だけ開いて、すぐやめる。数日かけて本数を増やす。この時間が、そのあとの全部を決めます。急ぐと、それまでの日数が戻ります。

足の側が戻ると、床に敷く範囲の条件が変わります。最初に廊下の全部が必要に見えていたのが、曲がり角の1か所で足りるようになることがあります。敷く範囲を決める前に足の側を見ておく、という順番にしておくと、買う量そのものが変わります。これが、滑る対策で順番が効いてくる場面です。逆にすると、敷いてから足を見ることになって、範囲を減らす機会がなくなります。

ただし、足の側だけで全部が済むわけでもありません。床材そのものがよく滑る家では、足の状態が戻っても残ります。また、急いで手を打たなければいけない場面では、日数のかかる方法は間に合いません。だから2つは、どちらかを選ぶものではなく、順番と範囲の話として並べます。

敷くと整えるを並べて比べる|滑る対策の2つの違いと使い分け

2つの軸を、3つの目で並べます。すぐできるか、続くか、その子が慣れるか。この3つで見ると、どちらを先にやるかではなく、どちらをどのくらいの範囲でやるかが決まります。

床に敷く対策と、足の側を整える対策の比較
床に敷く足の側を整える
すぐできるかその日から変わる数日から数週間かかる
続くか敷いている範囲でだけ続く整っているあいだ、家じゅうで続く
その子の慣れ感触が変わるので避けることがある足先を触られる練習が先に要る
増える手間洗濯と掃除が増えていく週に1度、見る時間だけ
費用のかかり方範囲を広げるたびにかかる道具はほとんど増えない
やめたとき外せば元に戻る伸びればまた元に戻る
向いている場面今日どうにかしたい場面この先ずっと続く場面
滑る対策の2つの方向を、すぐできるか・続くか・慣れで並べる 床に敷く方向と足の側を整える方向を、変わる速さ・続く範囲・その子の慣れ・増える手間で左右に並べた比較カード 同じ家、同じ床で、2つの方向を比べています 床に敷く その日から変わる 敷いた範囲でだけ続く 感触が変わって避ける子がいる 洗う布と掃除が増える 外せばすぐ元に戻る 足の側を整える 数日から数週間かかる 家じゅうどこでも続く 足先を触る練習が先に要る 週に1度見る時間だけ 伸びればまた元に戻る 先に足の側を見ておくと、敷く範囲を決めるときの条件が変わります
順番を入れ替えると、敷く範囲そのものが変わります。

使い分けの形はひとつです。床に敷くほうは「今週の手」、足の側を整えるほうは「今月の手」として持ちます。今週の手は、いま危ない1か所にだけ使います。曲がり角、玄関からの直線、寝床から立ち上がる場所。今月の手は、週に1度だけ足先を見る形で回します。両方を同時に始めても構いませんが、範囲を広げる判断だけは、足の側を1か月見てからにしてください。

場面ごとの、2つの使い分け
場面先に動かす方向範囲の決め方
今日から急に滑りはじめた床に敷く滑った場所そのものだけ
前から少しずつ増えている足の側を整える1か月見てから敷く範囲を決める
足先を触らせてくれない床に敷く練習が済むまでは広めに
敷いても避けて歩く足の側を整える敷いたものを一度減らす
換毛の時期で毛が伸びている足の側を整える指のあいだを先に見る
来客や工事で走る日がある床に敷くその日だけ、走る線に沿って

この表で決まらない場面もあります。そのときは、その子が1日でいちばん長く過ごしている場所を1つ選んで、そこだけで両方を試してください。家じゅうで比べようとすると、何を変えたのか分からなくなります。滑る回数を数えるのも、1か所だけで足ります。1週間、その場所で足が開いた回数を紙に書けば、変わったかどうかが見えます。

爪と指のあいだの毛が伸びる時期に合わせて回す|滑る対策の順番と、今日やる1つ

足の側は、放っておくと必ず元に戻ります。毛は伸び、爪も伸びるからです。だから、滑る対策の順番を一度決めたら、そのあとは伸びる時期に合わせて回していきます。回す間隔は、その子ごとに違います。よく散歩に行く子は地面で爪が削れるので間隔が伸び、室内で過ごす時間が長い子は短くなります。

どの時期に、どちらの方向を見直すか
時期起きていること見直す方向
爪を切る日肉球の当たり方が変わっています同じ日に、指のあいだの毛も見る
トリミングの前後全身の毛が伸びきっています足の側。敷く範囲を減らせるか確かめる
換毛の時期指のあいだにも抜けた毛が残ります足の側。拭き取りの回数を1回足す
空気が乾く時期肉球の表面のうるおいが減ります足の側。乾いた直後に触って確かめる
梅雨と夏指のあいだが濡れたままになりがちです足の側。乾かす時間を先に取る
散歩に行けない日が続いたあと爪が削れず、床に当たりやすくなります床に敷く。走る線を1本だけ足す

この表のうち、いちばん効いたのは1行目でした。爪を切る日と、指のあいだの毛を見る日を同じにしておくと、忘れません。別々の予定にすると、片方だけが残ります。足先に触る回数も、同じ日にまとめたほうがその子の負担が減ります。1回で終わらせて、次まで触らない。この形にすると、嫌がる子でも続きます。

肉球の表面が乾いてかたくなっているときは、うるおいの側にも手を入れられます。気をつけたいのは、クリームの選び方が、そのまま床の話に戻ってくることです。滑らないようにと塗ったものがべたつくと、その足で歩いた廊下にうっすら膜が残ります。膜が残れば敷いたマットにも移り、洗う布の枚数がまた増えていきます。滑り止めのつもりが逆に働くことがある、というのはこの経路です。mofuwa 肉球クリーム では、べたつかないことが使い心地の話ではなく、床を汚さないための条件として置かれています。寝る前、指のあいだまで乾かし切ったところで薄くのばす。そのあと歩かない時間に置けるので、廊下に跡を作らずに済みます。滑る対策の本体は毛の長さと爪の長さのほうですが、うるおいを足す側でも、床を汚さないかどうかが選ぶ条件になります。

Caution歩き方そのものが変わってきたときは、動物病院にご相談ください

立ち上がるのに時間がかかるようになった、階段や段差を避けるようになった、後ろ足が横に開く、片側だけ滑る、抱き上げたときに嫌がる、同じ足をなめ続けている、爪の減り方が左右で違う。こうした変化があるときは、床に敷くものを増やす前に動物病院にご相談ください。滑ることが先なのか、歩き方の変化が先なのかは、家では切り分けられません。いつから、どの場所で、どんなふうに滑るのか。1週間ぶん紙に書いて持っていくと、その場で話が早く進みます。

Point滑る回数は、家じゅうではなく1か所で数えます

変わったかどうかを見るときに、家全体を見ようとすると分からなくなります。いちばん滑る場所を1か所だけ選んで、そこで足が開いた回数を1週間数えてください。数えるのは回数だけで、何をしたかは書かなくて構いません。そのあと、足の側を1つ整えて、また1週間数えます。2枚並べると、敷く範囲を広げるべきか、減らせるかが決まります。対策の順番を決めるというのは、この2枚の紙を作ることでした。

最後に、今日やる1つを決めます。次に散歩から帰ってきたとき、後ろ足のどちらか片方だけ、指を開いて肉球のあいだを見てください。毛が肉球の高さを越えて出ていたら、そこが今月の手の始まりです。出ていなければ、床の側だけを考えれば足ります。滑る対策には床と足の2つの方向があって、順番があります。敷く前に、肉球のあいだの毛を見る。これだけで、買う量も、洗う布の枚数も変わってきます。

Product

mofuwa 肉球クリーム

mofuwa 肉球クリーム

30g / 2,530円(税込)

4種のヒアルロン酸を配合した11成分無添加のクリーム。べたつかず、滑り止めにも配慮した処方です。

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よくある質問

肉球にクリームを塗ると、滑らなくなりますか。
滑る対策としてクリームを塗るものではありません。塗るのは、肉球の表面が乾いてかたくなっているときに、うるおいを戻す目的です。塗った直後は床に移ることがあるので、そのあと歩かない時間に置いてください。滑る回数を減らす方向で先に動かせるのは、肉球のあいだから出ている毛の長さと、爪の長さのほうです。この2つを見てから、乾きが気になる場合にうるおいの手を足す、という順番にすると混ざりません。
マットは、家じゅうに敷いたほうがいいですか。
範囲は、足の側を1か月見てから決めるほうが小さく済みます。先に全面へ敷くと、そのあと減らす機会がなくなり、洗う布と掃除だけが残ります。敷くなら、速度が出る場所と向きを変える場所から始めてください。まっすぐな廊下、玄関からの直線、寝床から立ち上がる場所、曲がり角。その上をその子が普通に歩くようになったのを確かめてから、次の1か所を足します。境目を勢いで越えているようなら、範囲より先に敷き方を見直すほうが早く済みます。
肉球のあいだの毛は、自分で切っても大丈夫ですか。
無理をしないほうが安全です。指のあいだは皮膚がやわらかく、その子が動くと刃の位置が変わります。不安があるときは、トリミングサロンか動物病院にお願いしてください。爪を切ってもらうタイミングで一緒に頼めると、足先を触られる回数がまとめられます。家でやることとしては、散歩のあとに指を開いて長さを見ておくところまでで足ります。見ておくだけでも、次に頼む時期が決まるので、滑る対策の間隔が安定します。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。