C15組み合わせ提案

シニア犬のためのシャンプーしない日のケアセット

公開日 2023年1月18日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、淡い色の毛布の上に横になって休んでいるシニア犬
組み直したのは道具の中身ではなく、その子が寝ている姿勢のほうに合わせた順番でした。写真:https://kaboompics.com//Pexels

冬の朝、シニア犬が立ったまま待てる時間が2分もたなくなっていることに気づきました。その前の週まで、5分は立っていられたはずでした。道具は何も変えていません。買い足したものもありません。それでも、前と同じ手順が最後まで通らなくなりました。シニア犬のケアで最初に変わるのは、使うものの中身ではなく、姿勢のほうです。立っていられる時間が短くなると、立たせたまま組んであった手順が、途中で止まります。やることは道具を買い替えることではなく、横になったままの姿勢で最後まで通る順番に組み直すことでした。この記事は、シャンプーをしない日のケアのセットを、姿勢という一点から組み直した話です。中身を並べる前に、どんな条件で選んだのかを書きます。

道具は前と同じで、変わったのは姿勢でした|シニア犬のケアの頻度は立てる時間で決まる

シニア犬のケアの頻度を、うちは長いこと日数で決めていました。ブラッシングは毎日、シャンプーは3週間に1度、足のまわりは散歩のあと。カレンダーに書き込めば、そのとおりに回っていました。その回り方が崩れたのは、日数のほうが動いたからではありません。立っていられる時間が短くなったからです。同じ手順でも、途中で座り込んでしまえば、そこから先は別の作業になります。

立っていられる時間を実際に数えてみると、はっきりします。10分立てる日、5分の日、2分の日、最初から伏せたままの日。シニア犬のケアの頻度は、日数の側ではなく、その日に立てる時間の側から決まります。3週間おきと決めていても、その日に10分立たないなら、シャンプーの工程は最後まで通りません。無理に通すと、次の日から手順のはじめの部分だけで嫌がるようになります。

その日に立てる時間ごとに、最後まで通る工程と、途中で止まる工程
その日に立てる時間最後まで通る工程途中で止まる工程
10分以上全身を洗う日にできるとくになし
5分ほど下半身と足元だけ洗える全身を続けて洗う
2分ほど立たせない工程だけ洗う・すすぐ・乾かすの一続き
最初から伏せている横のままできることだけ立たせる前提の工程はすべて
日によって違うその日の朝に決め直す前もって組んでおいた手順

表を見ると分かるとおり、シャンプーの日が減っているのは、こちらの都合でも、その子の気分でもありません。立っていられる時間という、たった1つの条件です。だからシニア犬のケアのセットを組み直すときも、中身を1つずつ検討する前に、この条件を先に置きます。立たせない日が増えていくのなら、横になったままの姿勢で最後まで通る形にそろっていないと、セットとして成立しません。

ここでいうセットは、詰め合わせのことではありません。同じ姿勢のまま最後まで使い切れるものだけを集めた組み合わせ、という意味です。1つでも立たせないと使えないものが混ざっていると、そこで手順が切れます。切れた場所から先は、次の日に回ります。次の日も、同じところで切れます。セットを組むというのは、切れる場所をあらかじめ潰しておく作業のことです。

Note洗う回数が減ったぶんを、1回の長さで埋めようとしない

シャンプーの回数が減ると、減ったぶんを取り返そうとして、立たせない日にやることを足したくなります。足した結果、1回が長くなります。長くなった1回は、姿勢を保てる時間を超えます。増やすなら、1回の長さではなく回数のほうです。朝に1回、夜に1回。1回の中でやることは、姿勢を変えずに終わるところまでにしておいてください。体の側に変化が出ているときは、ケアの組み方の話と分けて、動物病院にご相談ください。

上の面から始めて、体位を変えて、最後に顔|シニア犬のケアの順番を横のまま組み直す

順番は、姿勢が決まると自動的に決まります。横になっている体には、いま上を向いている面と、床に接している面の2つしかありません。この2つを1回で両方さわろうとすると、必ず体位を変える工程が真ん中に入ります。だから手順は、面と面のあいだに体位を挟んだ形になります。部位の名前から組むと、この真ん中の工程が抜け落ちます。

  1. 1・寝ている姿勢のまま始める。起こさない

    呼んで立たせてから始めると、そこで持ち時間の半分を使います。寝ているところに、こちらが床に降りて合わせてください。人が床に座ると、道具の置き場所も自然に床になります。立っている人の手の高さに道具があるあいだは、使うたびに立ち上がることになります。手順の1つ目は、その子を動かすことではなく、こちらが降りることです。

  2. 2・いま上を向いている面から

    背中側が上なら背中から、脇腹が上なら脇腹から。どこから始めるかは、その日どちら側で寝ていたかで変わります。決まった部位から始めようとすると、そのために体を動かすことになります。上の面は、そのままで手が届く範囲です。ブラシを入れるのも、布でなでるのも、ここでほとんど終わります。届かない場所は、この工程では飛ばしてかまいません。

  3. 3・体位を変える。下に敷いたものごと動かす

    ここが手順の中でいちばん重い工程です。その子を持ち上げて回すより、下に敷いた大きめの布ごと向きを変えるほうが、体にかかる時間が短くて済みます。始める前に1枚だけ下に敷いておくと、そのまま向きを変えられます。1回で全部変えようとせず、途中で止まってもかまいません。止まった時点で、その日はそこまでです。

  4. 4・床側だった面。押されていたほう

    床に接していた面は、上の面と状態が違います。体温と体重が同じ場所にかかっていた時間があるので、毛が押されて寝ています。ここは強くこすらず、毛の流れに沿ってひと往復させて、湿っているかどうかだけ確かめます。乾かすのも、こちら側のほうが時間がかかります。タオルを当てて押さえるだけにして、こすらないほうが結果として早く終わります。

  5. 5・最後に顔。ここだけ順番を動かさない

    顔は最後に固定します。先に顔をさわると、そのあとの工程を全部嫌がります。目のまわり、口のまわり、あごの下。ここまで来ると持ち時間はほとんど残っていないので、3か所を10秒ずつで終わりにします。終わったら、そのまま寝かせてください。仕上がりを見るために立たせないことも、手順のうちです。

面ごとに、何をして、何を確かめて、どのくらいで切るか
面その面でやること確かめること時間の目安
上の面ブラシと、布でひと往復毛の流れが乱れている場所2〜3分
体位を変える敷いた布ごと向きを変えるその子が力を抜いているか1分
床側だった面タオルで押さえて湿りを取る毛が寝ている場所と、そのにおい3〜4分
顔目・口・あごの下を10秒ずつ目やにと、口のまわりの湿り1分
終わりそのまま寝かせる立たせて確認しない0分
立たせたままの手順と、横のままの手順で、切れる場所が変わる 立たせて組んだ手順は、持ち時間の途中で切れます。横になったまま組んだ手順は、面が変わるところで区切れます。区切れる場所が決まっていると、その日どこまでやったかが記録として残ります。 同じ道具のまま、姿勢だけを変えて並べています 立たせたまま 立てる時間で終わりが決まる どこで切れるか読めない 足を持ち上げる工程が入る 座り込むと作業が変わる 翌日も同じ所で切れる 横になったまま 面の数で終わりが決まる 面の変わり目で区切れる 支える手が1本ふさがる 止めても形が残る 翌日は反対の面から 工程の数は同じで、区切りが入る場所だけが違います
切れるか、区切れるか。工程の数が同じでも、翌日に残るものが変わります。

乾かすところだけ、もう少し書いておきます。横になっている体は、床側の面が最後まで乾きません。上から風を当てても、接している面には届かないからです。タオルで押さえて水分を移してから、体位を変えて、その面を上にして数分置く。この順番のほうが、風を強くするより早く終わります。音の出る道具を使うなら、その子が離れられない姿勢でいることを先に考えてください。立てる子は自分で離れられますが、横になっている子は離れられません。音を小さくするより、音の出る工程の時間そのものを短くするほうが、この時期には合っています。

もう片方の手は体を支えている|片手で使えるかで決まるシニア犬のケアのコツとセットの条件

ここまでの手順を実際にやると、あることに気づきます。始めから終わりまで、片手が空きません。もう片方の手は、その子の体を支えているか、上げた面を押さえているか、向きを変えた姿勢が戻らないように添えられています。この状態で使えないものは、セットに入れておいても使われません。棚に戻ったまま、その季節が終わります。

シニア犬のケアのコツは、道具の良し悪しではなく、この一点にあります。片手で開いて、片手で出して、片手で置ける形をしているか。スプレーは片手で押せます。チューブは片手で出せますが、ふたを外す動作で両手が要るものがあります。詰め替えは、その場ではできません。買う前ではなく、使う前に、片手だけで一通り通してみてください。混ざっているものが1つか2つ見つかります。

片手で通らない3か所と、その場での直し方
つまずく場所何が起きているかその場での直し方
ふたが開かない支えている手を離すことになります始める前にふたを外して、開けたまま置く
道具が遠い取りに行くあいだに姿勢が崩れます手の届く床の上に、全部並べてから座る
布が足りない1枚で上下の面を続けて拭くことになります面ごとに1枚。始める前に枚数を数える

3つのうち、いちばん多いのは布の枚数でした。上の面を拭いた布で床側の面を拭くと、床側の面の状態が分かりにくくなります。タオルは面の数だけ用意します。上の面に1枚、床側の面に1枚、顔に小さいものを1枚。3枚あれば足ります。洗濯の手間は増えますが、増えるのは回す回数ではなく、1回に入れる枚数のほうです。ここは負担が増えたように見えて、実際にはほとんど変わりません。

Cautionこれは組み方の話ではなく、動物病院で見てもらうことです

床に接していた面の皮膚が赤い、湿ったまま乾かない、においが前と違う、さわると痛がる、同じ場所をなめ続けている、寝ている姿勢が急に変わった、立ち上がるまでの時間が日ごとに延びている。こうした変化が出たときは、ケアの順番や道具を変えて様子を見ずに、動物病院にご相談ください。シニア犬では、年齢に沿った変わり方と、体の側で起きていることが同じように見えます。家では切り分けられません。いつから、どちらの面に、どのくらいの間隔で出ているか。3行の記録があれば、そのまま持っていってください。迷ったときは、早いほうを選んでください。

今日は上の面をひと往復だけ|シニア犬のケアのやり方を1日1回分に縮める

最後に、明日から何をするかを1つに絞ります。今日やるのは、上を向いている面に布をひと往復させることだけです。体位も変えません。顔もさわりません。これだけなら、その子が寝ている姿勢のまま終わります。全部やろうとすると、立てる時間を数えるところから始めることになり、結局その日は何もしないで終わります。シニア犬のケアが途切れるのは、やる気の問題ではなく、1回の設計が大きすぎるからです。

記録は3行で足ります。日付、その日どちらの面が上だったか、そこで気づいたこと。1週間ぶん並べると、どちらの面が上になっている日が多いかが見えます。いつも同じ側で寝ている子なら、床側になっている面のほうを見る回数を増やせばいい、と決まります。シニア犬のケアの頻度も、カレンダーの日数ではなく、この記録の側から決めていけます。

使うものについても書いておきます。立たせない日は、片手で使えて、拭き取りの要らないものだけで組めます。mofuwa グルーミングスプレー は、布に取ってから上の面を毛の流れに沿ってひと往復させる使い方ができます。横になっている子には、直接かけるより布に取るほうを選びます。音の出る工程が1つ減るからです。気になる部分だけになじませたい日は mofuwa スキンケアミスト、寝る前に足の裏だけ整えるなら mofuwa 肉球クリーム。どちらも片手で出せる形です。

洗う日の側も、立たせる時間を短くする方向で選べます。立って待たせる時間がいちばん長いのは、泡立て・ごしごし・すすぎの3つです。この3つは、被毛をかき分けて泡を地肌まで届かせるためにある工程です。床に接していた面は、その子の毛づくろいも、人の指も、いちばん最後に届く面でした。mofuwa 入浴シャンプー は、湯に溶かして全身を浸す洗い方なので、かき分けて擦らなくても地肌まで届きます。浸かっているあいだは、上の面と床側の面という区切りもいりません。湯は両方へ同時に届くので、この記事で組んだ体位を変える工程が、洗う日には出てきません。すすぎも軽く終わるぶん、立たせている時間の合計が短くなります。しっかり洗いたい日に mofuwa モイストシャンプー を使う場合も、洗う面を上下に分けて2日に割る、という組み方ができます。洗う日と立たせない日の配分は、その子の立てる時間から逆算して決めてください。

Pointセットをそろえてから始めない

全部そろってから始めよう、と考えると、そろうまで何も始まりません。いま家にあるもののうち、片手で使えるものだけを先に手の届く床へ並べてください。それが今日のセットです。足りないものは、通らなかった工程として記録に残ります。1週間ぶんたまってから買い足すと、買うものが2つか3つに絞れます。先に買うと、片手で使えないものが混ざったまま増えていきます。

シニア犬のケアで組み直すのは、中身ではなく姿勢です。立てる時間で頻度が決まり、姿勢で順番が決まり、支えている手の数でセットの条件が決まる。この3つが決まると、あとはその日どちらの面が上かを見るだけになります。上の面をひと往復、体位を変えて、床側だった面、最後に顔。やり方はこれだけで、道具は片手で使えるものだけ。シャンプーができない日が増えていくのは、その子が年を重ねているというだけのことで、ケアが減ったということではありません。減っているのは立っていられる時間のほうで、増やせるのは、横になったままできることのほうです。

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400ml / 3,410円(税込)

浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。

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よくある質問

シニア犬のケアの頻度は、何日おきを目安にすればいいですか。
日数で決めないほうが続きます。同じ3日おきでも、10分立てる日と2分の日では、通る工程がまったく違うからです。決めるなら「その日に立てる時間で、やる工程を選ぶ」という形にしてください。上の面をひと往復させるだけなら毎日置けますし、シャンプーの日は立てる時間が長い日に寄せられます。カレンダーに書くのは工程ではなく、記録した面のほうです。
体位を変えるのを嫌がります。無理に動かさないほうがいいですか。
動かさなくてかまいません。その日は上の面だけで終わりにして、翌日、その子が反対を向いて寝ている時間に合わせて残りの面をやる、という分け方ができます。1回で両面をやりきる必要はありません。むしろ、嫌がるのを押して体位を変えると、次の日から手順のはじめの部分で拒まれるようになります。立ち上がるまでの時間が延びている、寝る姿勢が急に変わったといった様子があるときは、動物病院にご相談ください。
シャンプーの日が減ると、においが気になります。どうすればいいですか。
においは面ごとに出方が違うので、まず上の面と床側だった面を別々に確かめてみてください。多くの場合、気になっているのは床側だった面のほうです。タオルを面ごとに分けて、床側の面を拭いた布を別にしておくと、どちら側から出ているかがはっきりします。においが前と違う、湿ったまま乾かない、皮膚が赤いといった変化があるときは、ケアの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。