C04悩み解決

かゆみはいつ病院へ?家で様子を見ていい範囲

公開日 2023年1月16日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、白い毛布の上に落ち着いて横になっている犬
見るのは掻く強さではなく、止まるかどうかです。写真:https://kaboompics.com//Pexels

声をかけたときに、掻くのが止まりますか。止まるなら、その子はまだ自分でその行動を止められる範囲にいます。止まらない、あるいは眠っているあいだも掻いているなら、話が変わります。かゆみの受診の目安は、強さでも回数でも決まりません。止まるかどうかと、掻いたあとに跡が残るかどうか。この2つで分けると、家で見ていい範囲がはっきりします。

かゆみの強さでは、受診の目安が決まらない

「よく掻いている」という感覚は、気になり始めた日から急に増えます。掻く回数が増えたのではなく、見ている時間が増えたからです。だから強さや回数を起点にすると、判断がいつまでも決まりません。

もうひとつ、かゆみには波があります。夕方だけ、食後だけ、暖房を入れてから。同じ日のうちでも強さが変わるので、いちばん強い瞬間を全体だと思い込みやすいところがあります。1回見ただけで決めないでください。

かわりに使えるのが、次の2つです。どちらも、その場で答えが出ます。

Note猫は、掻く以外の形で出ることがあります

猫のかゆみは、掻くよりも過剰に舐める・毛づくろいの時間が延びるという形で出ることがあります。掻いている場面を見ていなくても、同じ場所の毛が短くなっている、床に毛が増えたというときは、同じ物差しで見てください。

止まるかどうかと、跡が残るかでチェックする

2つを組み合わせると、4つに分かれます。受診の目安は、この表のどこにいるかで決まります。

2つの物差しの組み合わせと、受診の目安
跡が残らない跡が残る
声をかけると止まる1週間、家で様子を見て構いません様子を見ながら、跡の広がりを記録
声をかけても止まらない早めに相談してください待たずに相談してください
眠っているあいだも掻く早めに相談してください待たずに相談してください
同じ場所だけを掻く1週間で場所が動くか見る待たずに相談してください

表の左上だけが、家で1週間見ていい範囲です。それ以外は、家庭でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。とくに「止まらない」と「眠っているあいだも」は、その子が自分で制御できていないという意味になります。

跡の見方も決めておきます。掻いた直後は誰でも赤くなるので、30分たってから同じ場所を見てください。戻っていれば跡は残っていません。残っているなら、そこを記録の対象にします。

1週間、様子見していい範囲

表の左上だった場合の進め方です。1週間という区切りを使います。皮膚の変化を2週間で見ることもありますが、かゆみは行動として出るぶん、変化が早く現れます。

  1. 3行だけの記録をつける

    日付、掻いた場所、そのとき何をしていたか。時間を測る必要はありません。1日に何度も書かず、気づいたときだけで構いません。

  2. 環境を1つだけ外す

    この1〜2か月で変えたもの(洗剤、消臭剤、マット、寝床)を1つだけ外します。同時に複数外すと、何が効いたのか分かりません。

  3. 掻いている場所には、触らない

    確かめる以外の目的で触らないでください。触ったことで赤くなると、元の状態が分からなくなります。写真を1枚撮っておくほうが役に立ちます。

  4. 7日目に、記録を見返す

    掻く場所が動いているか、跡が残るようになっていないか。減っていればその方向を続けます。増えている、または場所が広がっているなら、家で見ている段階を超えています。

この1週間、掻いていない側の手は止めないでください。毎日ブラシを入れている子は、跡が残るかどうかを毎日同じ条件で見られます。ブラシの前に mofuwa グルーミングスプレーを毛の上からひと吹きしておくと、静電気で毛が立たないぶん地肌まで指が入り、30分後に見るはずだった赤みを梳かしながら確かめられます。毎日きれいにしてあげたいという手のほうは残して、掻いている場所だけ触らない、という分け方です。赤くなっているところと皮膚が破れているところには当てず、その周りの毛にだけ使ってください。

1週間で決まらないこともあります。それでも、「何を外して、どうだったか」が残っていること自体が次の材料になります。やみくもに待った1週間とは違います。

1週間を待たずに相談したいサイン

次に当てはまるときは、区切りを使わないでください。

Caution人用の薬や消毒液を使わないでください

人用のかゆみ止め、保湿剤、消毒液は使わないでください。犬も猫も舐めますし、塗ったことで見た目が変わって診察の妨げになります。市販のものを使う前に、動物病院にご相談ください。

顔やまぶたの腫れ、呼吸が速い、ぐったりしているといった様子が一緒に出ているときは、時間を待たずに動物病院にご連絡ください。かゆみの目安としてではなく、別の対応が必要な場面です。

診察の前にそろえる記録と、してはいけないこと

かゆみの相談は、診察室では再現できません。診察台の上では、家と同じようには掻かないからです。持っていく材料が、そのまま話の進み方になります。

してはいけないことも2つあります。診察の前に洗い直さないこと、そして掻いている場所を拭いてしまわないことです。その日の状態がいちばんの材料なので、整えずにそのまま連れて行ってください。

診察が済んだあとも、掻いていない側の毎日は変えないでください。ブラシの前に mofuwa グルーミングスプレーを置く30秒は、かゆみを追いかける時間ではなく、跡が残るかどうかを同じ条件で見続けるための時間です。この物差しが手元にあると、次に気になったときに、また1週間かけて作り直さずに済みます。

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よくある質問

1日に何回掻いたら、受診の目安になりますか?
回数では決まりません。気になり始めると見ている時間が増えるので、体感の回数は必ず増えます。見るのは、声をかけて止まるかどうかと、掻いたあとに跡が残るかどうかの2つです。この2つなら、その場で答えが出ます。
掻くのを止めさせたほうがいいですか?
止めること自体が目的にはなりません。声をかけて止まるかどうかは、判断の材料として見てください。止めても別の場所を掻く、止めた直後にまた始まるという場合は、家で様子を見ている段階を超えています。
エリザベスカラーをつけて様子を見てもいいですか?
自己判断で長時間つけるのはおすすめしません。掻き続けて眠れていないほどであれば、それ自体が受診の理由になります。必要かどうかは診察のときに相談してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。