C08季節・行事
寒暖差のある週だけかゆがるのは、なぜか
暖房の入った部屋から玄関を開けて外へ出るまでの数歩で、その子の体は17度ぶんの差をまたいでいます。室温20度、外3度。朝と夕方の散歩で2往復すれば、1日に4回です。この回数を数えはじめると、寒暖差のある週だけかゆがる理由が、気温の低さとは別のところにあると分かってきます。かゆみが出るのは冷えた日ではなく、差をまたぐ回数が増えた週です。そしてその差は、外と中のあいだだけでなく、暖房を入れた部屋の中にもあります。この記事では2つの差を並べて、かき始めた時刻で見分けます。
軸1・玄関を出た数歩でまたぐ差|犬と猫で違う、寒暖差とかゆみの結びつき
1回の散歩で、その子は温度の差を2回またぎます。出るときに1回、帰るときに1回。室温20度で外が3度なら、1回あたり17度です。朝夕2回の散歩をしている家では、1日に4回。これが5日続けば週に20回になります。数えるのはこの回数で、その日の最低気温ではありません。
またいだ直後にかき始める子は、ほとんどいません。出てくるのは家に入って15分から30分たったころ、体の表面の温度が室温に追いついていく途中です。地肌の側から見ると、冷えて縮んでいた状態から戻る時間があって、その時間のあいだだけ、毛の下の感じ方が変わります。かき始めた時刻をメモすると、帰宅からの分数がほぼそろっているのが分かります。
| その子 | またぐ場面 | 1日の回数 | 1回あたりの差 |
|---|---|---|---|
| 朝夕散歩の犬 | 玄関の出入り | 4回 | 約17度 |
| 朝だけ散歩の犬 | 玄関の出入り | 2回 | 約17度 |
| 外へ出ない猫 | 暖房の部屋と廊下の往復 | 6回から10回 | 8度から12度 |
| 留守番が長い子 | 暖房が切れた昼と、入った夜 | 2回 | 約5度 |
| 寝床が窓ぎわの子 | 寝床と部屋の中央の移動 | 数え切れない | 3度から6度 |
表の3行目が、犬と猫で見方が変わるところです。猫は外へ出ないので差をまたがないと思われがちですが、家の中には温度の帯がいくつもあります。暖房の部屋が20度、廊下が10度、洗面所が8度。トイレや水飲み場がその帯の外側にあると、1日に何度もまたぐことになります。犬は1回の差が大きく回数が少ない、猫は1回の差が小さく回数が多い。寒暖差とかゆみの結びつきを見るときは、この違いを先に置いてください。
軸2・部屋の中だけで動く差|暖房のオンオフと、寒暖差のある週の違い
玄関をまたがなくても、暖房を入れた時点で部屋の中の条件は動きます。室温が上がると、空気が抱えられる水分の量が増えるので、同じ水分量でも湿度の表示は下がります。入れる前が55%で、1時間後に35%。夜に切ると朝までに戻る。この上下が、1日に2回くり返されます。
- 暖房を入れて1〜2時間:湿度がいちばん下がる帯です。地肌の水分は遅れて抜けるので、かき始めるのは下がりきった少しあとになります
- 寝入りばな:布団や寝床で体温がこもり、乾いた空気に触れていた面との差がつきます。夜だけかく子はここに寄っています
- 朝、暖房を入れた直後:夜のあいだに戻っていた湿度が、また落ちはじめます。朝いちばんのかゆみはこの時間帯です
- 風の当たる場所:エアコンの吹き出しの正面と、ヒーターの前。同じ部屋でも、そこだけ乾燥の進み方が別になります
この2つが重なる週が、いちばんかゆみの出やすい週です。外の冷えた空気に触れてから暖かい部屋へ入り、その部屋の湿度が落ちている。地肌の側では、冷えて戻る過程と、水分が抜けていく過程が同じ時間帯に進みます。寒暖差のある週だけかゆがる、という言い方の中身は、この重なりです。気温そのものが下がりきった真冬の落ち着いた週には、かえって静かになる子がいるのはそのためです。
湿度計は1台でかまいませんが、置き場所はその子が寝ている高さに合わせます。人の目の高さと、床から20センチでは、冬のあいだ数字がそろいません。被毛の下の地肌が触れているのは、床に近いほうの空気です。
かき始めた時刻で並べる|2つの寒暖差と、かゆみの出かたの見分け方
2つの差は、かき始める時刻が違います。だから時刻を書いておくだけで、その週にどちらが効いていたかを分けられます。かく回数を数えるより、最初にかき始めた時刻を1つ書くほうが、あとから読み返せます。
| 見るところ | 外と中をまたぐ差 | 部屋の中で動く差 |
|---|---|---|
| 数える単位 | 玄関を出入りした回数 | 暖房を入れ切りした回数 |
| 1日の回数 | 散歩2回の日で4回 | 朝と夜の2回 |
| 差の中身 | 15度から20度の温度差 | 室温3〜4度と、湿度20ポイント |
| かき始める時刻 | 帰宅して15〜30分 | 入れて1〜2時間と、寝入りばな |
| かく場所 | 背中・腰・耳のうしろ | 脇・内股・胸 |
| おさまるまで | 30分ほどで静かになる | 湿度が戻る夜まで続く |
| 見分け方 | 散歩に出ない日には出ない | 出ない日にも同じ時刻に出る |
いちばん下の行が、1日で試せる見分け方です。散歩に出なかった日に、同じ時刻にかき始めるかどうか。出ない日にも出るなら、部屋の中の差のほうです。雨の日や、家族の都合で散歩が抜けた日を、そのまま材料にできます。犬では1日で分かれますが、猫では散歩という区切りがないので、暖房を入れる時刻を1時間ずらして同じことを見ます。
かゆがるからと洗う回数を増やすと、見分けが利かなくなります。洗いすぎた週は、どちらの差で出ていたのかが分からなくなるうえ、うるおいの側を持っていかれたぶん、次の週の同じ回数でも出かたが強くなります。見分けがつく前に条件を増やさない、というのがこの2週間だけのきまりです。ブラッシングは減らさなくてかまいません。毛の中の空気が動くぶん、地肌の側の状態は読みやすくなります。
どちらの差から手をつけるか|寒暖差の週に、かゆみへ届かせるケアの選び方
手をつける順番は、その週に数えて回数が多かったほうからです。差の大きさではありません。1回17度をまたぐ4回より、1回8度を42回またぐほうが、地肌の側では長く続く条件になります。回数の多いほうの差を1つ減らす。玄関の内側に5度の踊り場をつくる、寝床を風の正面から30センチずらす、水飲み場を暖房の部屋へ移す。どれも家の側で動かせます。
そのうえで、かいている場所そのものへ届かせるものを1つ決めます。mofuwa スキンケアミストは、そこに使えるようにつくられた1本です。かき始めた場所を思い出すと、耳のうしろ、内股、脇、口のまわり。どれもその子が自分で舌を届かせる場所です。塗った薬が昼には残っていない、という話が出るのはこの重なりが理由で、届かせたい場所ほど、口に入る前提で選ぶことになります。
スキンケアミストの中身は高機能性電解酸化水だけで、あとから足した成分がありません。だから耳のうしろにも、内股にも、口のまわりにも、場所を選んで手を止めずに使えます。原料の電解水は、精製水とくらべて水分の浸透力が35倍という測定結果が出ています(mofuwa 製品資料)。被毛をかき分けて地肌の側に当てられるので、かいていた場所へ直接届きます。量を控える理由がないぶん、脇と内股のように面の広いところにも、幅ごと当てられます。
使う時刻は、かき始める時刻の少し前に置きます。外と中の差で出ている週なら、帰宅して足をふいたあと。部屋の中の差で出ている週なら、暖房を入れて1時間たったころと、寝床へ行く前。時刻を決めておくと、効いたかどうかではなく、その週にかき始めた時刻が後ろへずれたかどうかで見られます。記録する数字は、またいだ回数と時刻の2つのままです。
名前のつく診断は、動物病院の側にしかありません。そのうえで家の側を決めておくと、寒暖差の週が来るたびに一から考えずに済みます。ブラッシングで毛の中の空気を動かし、地肌の側に水分を届かせる。この2つを同じ時刻に置いておけば、1回3分ほどで回ります。
回数の多いほうの差を1つ減らして2週間たっても、かき始める時刻が同じ/散歩に出ない日にも、部屋の中の差では説明のつかない時刻に出る/かいていた場所の地肌が赤く見える、さわると熱い/同じ場所の毛が薄くなってきた/夜通しかき続けて、寝つくまでの時間が延びている。こうした残り方は、その週の寒暖差では説明がつきません。またいだ回数と、かき始めた時刻を書いてきた紙は、日ごとの条件と皮膚の状態を並べた記録になっています。その紙を持って動物病院で診てもらう日をつくると、家で動かせる条件と、そうでないものを分けられます。
またぐ回数が戻る週まで|寒暖差の時期の、ブラッシングと水の使い分け
差をまたぐ回数が落ち着くのは、暖房を入れる日が減ってからです。外が15度を超える日が続けば、玄関の差は5度ほどに縮み、部屋の中の湿度も落ちきらなくなります。それまでの数週間を、同じ形でまわせるようにしておきます。
| やること | いつ | 何のために |
|---|---|---|
| ブラッシング | 帰宅して15分後、または寝床へ行く前 | 毛の中の空気を動かし、地肌の側を見えるようにする |
| 地肌へ水分を届かせる | かき始める時刻の少し前 | かいていた場所に、なめても差し支えない水を当てる |
| 湿度計を見る | 暖房を入れて1時間後 | その日の部屋の中の差を1つの数字にする |
| 紙に書く | 1日の終わり | またいだ回数と、かき始めた時刻を残す |
2つを同じ時刻に重ねないでください。ブラッシングを先にして毛を分けてから水分を届かせると、地肌の側に当たる量が増えます。順番を逆にすると、湿った毛にブラシを通すことになって、束のまま動きます。順番は毛が先、地肌があと。この順番だけ守れば、道具が増えても手順は3分のままです。
今日できるのは、玄関を出入りした回数を数えて、紙の端に書くところまでです。明日の夜、かき始めた時刻をその隣に足します。数字が2つ並んだ日が5日たまると、その週にどちらの差が効いていたかは、読み返すだけで分かります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 湿度を上げれば、寒暖差のある週のかゆみは出なくなりますか。
- 加湿は部屋の中の差を小さくする手ですが、外と中をまたぐ差のほうは変わりません。それどころか、室内の湿度を上げるほど、玄関を出た瞬間の落差は大きくなります。まず1週間、どちらの差が多かったかを数えてください。部屋の中の差が多い週なら、加湿は数字に効いてきます。外との差が多い週なら、加湿より先に、玄関の内側でひと呼吸おく場所をつくるほうが回数に効きます。湿度計はその子が寝ている高さに置いて、40%台を目安に見ておけば足ります。
- かゆがる場所が日によって変わります。数え方を間違えていますか。
- 場所が動くこと自体は、2つの差が週の中で入れ替わっているしるしです。背中や腰、耳のうしろが多い日は外との差、脇や内股や胸に寄る日は部屋の中の差に当たります。数えるものを増やすより、かき始めた時刻を1日1つだけ書き続けてください。場所は時刻と一緒に読み返したときに意味を持ちます。逆に、時刻も場所もばらばらで、散歩に出ない日にも出るなら、その週は条件を1つに絞れていません。暖房を入れる時刻を先に固定してから、もう1週間だけ数え直します。
- 服を着せれば、外へ出るときの差は小さくなりますか。
- またぐ差そのものは小さくなりますが、またぐ回数は変わりません。服は出入りの瞬間の落差をやわらげる一方で、着せている時間が長いと、布の下だけ湿度と温度が別になります。帰ってから脱がせるまでの時間が長い日は、脇と内股が湿ったままになり、その面が新しい条件になります。着せるなら、玄関で脱がせる時刻を決めてください。差を小さくする道具と、差をまたぐ回数を減らす工夫は、別のものとして数えます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
