C12Q&A・豆知識
生菌数試験とは?「検出されず」の読み方
試験成績書の「生菌数試験」の欄に、「検出されず」という一行が並んでいます。生菌数試験とは、生きている菌の数を数える試験のことです。そして「検出されず」が指しているのは、その方法で数えられる下限を下回った、という状態です。ゼロが確かめられたわけではありません。この下限のことを検出限界と呼びます。検出限界という言葉が、生菌数試験のいちばん大事な部分です。この記事では、生菌数試験が何をどうやって数えているのか、mofuwaの電解水について何が確かめられているのか、そしてこの試験からは何が言えないのかを、順番に書いていきます。最後の一つがいちばん長くなりました。
生菌数試験とは何を数えているのか|「検出されず」は検出限界の下という意味
定義から先に置きます。生菌数試験とは、生きている菌の数を数える試験のことです。数えているのは「菌がいるかどうか」ではなく、「いくつあるか」のほうです。ただ、菌は肉眼では見えません。だから、検体をそのまま数えるのではなく、栄養のある培地の上に置いて、決められた温度で時間を置きます。増えた菌はやがて目に見える塊になり、その塊を1つずつ数えます。塊のもとになったのは1個の菌だった、と考えて数を出すのが、この試験のやり方です。
ここから、生菌数試験の性格が1つ決まります。数に入るのは、培地の上で増えることができた菌だけです。死んでいる菌は塊を作らないので、いくらいても数に入りません。生菌数試験の「生」は、そこを指しています。生きている菌の数、という言い方は、菌の総数とは別のものです。この2つを混ぜて読むと、あとの一行がずれます。
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決められた時刻に、決められた量の検体を採る
試験は時刻で区切られています。「30秒後」「60秒後」というのは、この採るタイミングのことです。それより前の状態も、あとの状態も、その回では採っていません。
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検体を段階的に薄める
そのままでは菌が多すぎて数えられないので、10倍、100倍と薄めていきます。この薄め方が、あとで出てくる検出限界を決めます。薄めるほど、もともと少なかった菌は、薄めた液の中に入らなくなります。
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薄めた液を、決められた量だけ培地にまく
皿にまくのは、たとえば0.1ミリリットルというような、ごく少ない量です。検体の全部をまくわけではありません。まかなかった分に菌がいても、その回では数えられません。
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決められた温度と時間で置く
菌の種類ごとに、増えやすい温度と、必要な時間が決まっているとされています。数分で結果が出る試験ではなく、日をまたぐことがふつうです。その場で判定できる検査ではありません。
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出てきた塊を数え、薄めた倍率をかけ戻す
皿の上の塊を数えて、何倍に薄めたかを掛け直します。結果は「検体1ミリリットルあたり何個」という形になります。体の上に何個いたか、という数ではありません。
この5つの手順を並べると、はっきりすることがあります。数えられる下限が、菌の側ではなく、手順の側で決まってしまうということです。10倍に薄めた液から0.1ミリリットルだけをまいたとして、そのわずかな量の中に菌が1個も入らなければ、皿には何も出てきません。もとの液に本当に1個もいなかったのか、いたけれど、まいた分の中に入らなかったのか。この方法では、その2つを区別できません。
この「これより少ないと数えられない」という境目のことを、検出限界と呼びます。検出限界とは、装置の性能の話ではなく、その回の薄め方と、培地にまいた量が決めた、数え方の下限です。だから成績書に「検出されず」と書かれているとき、それが言っているのは、検出限界を下回った、ということだけです。ゼロが確かめられたわけではありません。生菌数試験の結果を読むというのは、ほとんどこの一点を読むことだと言っていいと思います。
| 言葉 | この試験の中での意味 |
|---|---|
| 検出されず | その回の検出限界を下回った。ゼロが確かめられたわけではない |
| 生菌 | 培地の上で増えることができた菌。死んだ菌は数に入らない |
| 検出限界 | 数えられる下限。薄め方と、培地にまいた量で決まる |
| 1ミリリットルあたり | 検体の濃さの話。体の上にいた数のことではない |
| 検査時間30〜60秒後 | 検体を採った時刻。それより前も、あとも測っていない |
| 試験条件下 | 決められた温度・容器・検体で行った、という断り書き |
生菌数試験の結果を紹介するときに、いちばん起きやすいのが言い換えです。この水は菌をゼロにします、検査で菌が全部いなくなりました。どちらも、試験が確かめた範囲を超えています。確かめられたのは、その試験条件のもとで、その回の検出限界を下回ったということです。書くときは「検出されなかった」という結果の言葉のまま置いておくのが、いちばん正確になります。
16の対象と、検査時間30〜60秒という区切り|電解水の試験条件が置かれた背景
mofuwaが使っている電解水についても、この生菌数試験が行われています。資料に載っている一行は、「試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかった」という形です。比べている相手は、同じ試験の開始時点の菌数になります。秒数は、水の性能を表す単位ではなく、検体を採った時刻です。ここまでは前の章と同じ読み方でたどれます。
調べられた対象は16あります。ひとまとめに「16の菌種」と紹介されることが多いのですが、中身は3つに分かれています。細菌が9、真菌とカビが4、ウイルスが3です。この内訳を知っておくと、そのあとの一行が読みやすくなります。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 細菌(9) | 標準混合菌/カンピロバクター/黄色ブドウ球菌/大腸菌O157:H7/緑膿菌/サルモネラ/MRSA/腸炎ビブリオ/アクネ菌 |
| 真菌・カビ(4) | カンジタ/クロコウジカビ/フザリウム/つる枯病菌 |
| ウイルス(3) | SARS-CoV-2/インフルエンザH3N2/ネコカリシウイルス |
そして、ここがこの記事でいちばん書いておきたかった区別です。生菌数試験という数え方が使えるのは、上の2つ、細菌と真菌までです。培地の上に置くと自分で増えて塊を作ってくれるからこそ、数えられます。ウイルスは単独では増えないとされていて、同じ方法では塊を作りません。だからウイルスの3つは、生菌数試験とは別の測り方になります。資料では16をまとめて並べていますが、数え方まで同じというわけではありません。
この区別を落とすと、「16すべてで生菌が検出されなかった」という言い方になりがちです。言葉としては短くて便利ですが、生菌という言葉がウイルスには当てはまらないので、正確ではありません。細かい話に見えて、これは資料の読まれ方に直接ひびきます。菌とウイルスを1つの言葉でまとめないほうが、結果としてきちんと伝わります。
実施した検査機関は4つです。江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センター。どの対象をどの機関が担当したかは、成績書ごとに分かれています。機関名が併記されている意味は、権威づけではありません。条件を決めた人と、確かめた人が別だと分かる点にあります。条件が外から書かれているかどうかは、あとから読み返す人にとって大きな差になります。
- 何を:16の対象のうち、その成績書がどれを扱ったのか
- いつ:検査時間30〜60秒後という、検体を採った時刻
- どこで:4つの検査機関のうち、どこが実施したのか
- どうやって:培地に置いて数えたのか、それとも別の測り方だったのか
- 何と比べて:同じ試験の開始時点の菌数と比べている、という前提
- 下限はいくつか:検出限界がどこに置かれていたか。試験ごとに違います
生菌数試験の結果は、条件つきの観察です。これを主語の入れ替えだけで言い切りに変えると、確かめた範囲を大きく超えます。30秒で除菌できます、ウイルスを不活化します、菌を殺します。いずれも書けません。書けるのは、「◯◯の試験条件下で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されませんでした(検査機関名)」という形までです。長く感じても、この形が試験の中身をいちばん短く言い表しています。
生菌数試験から言えない4つのこと|家の中と、その子の体の上では測られていない
ここを独立した章にしている理由は単純です。試験の結果から言えることより、言えないことのほうが、実際の暮らしでは効くからです。確かめられた範囲の外側を先に決めておくと、資料を読むときにも、人に説明するときにも、迷いがなくなります。生菌数試験について、言えないことは大きく4つあります。
1つめは、家庭での実際の使用についてです。試験は、決められた容器の中で、決められた検体に対して行われます。家の床、寝床の布、被毛の上でどうなるかは、この試験では測っていません。表面の材質、そこに乗っている皮脂や汚れ、量、温度。どれも試験の条件には入っていないものです。試験条件下という断りは、この差をそのまま指しています。
2つめは、その子の体の上のことです。皮膚の上には皮脂があり、汗があり、毛があります。試験に使う検体には、それがありません。つまり、体の上で同じことが起きるかどうかは、この生菌数試験からは分かりません。ここを飛ばして「体の上でも同じ」と読むのが、いちばん多い読み違いです。
3つめは、時間の持続についてです。検査時間30〜60秒後というのは、1つの時刻の話です。その1時間後、半日後、翌日にどうなっているかは、同じ試験では測っていません。持続時間を知りたければ、時刻を増やした別の試験が要ります。1点の測定から、線を引いて先を語ることはできません。
4つめは、保存したあとのことです。試験に使われるのは、条件を整えた状態の液です。開封してから時間がたったもの、別の容器に移し替えたもの、日の当たる場所に置いたもので同じ結果になるかは、別の話になります。同じ製品でも、置かれ方が変われば条件が変わります。これは電解水にかぎった話ではなく、あらゆる試験に共通する読み方です。
もう1つ、混ぜて読まないでほしい数値があります。mofuwaの資料には、生菌数試験とは別の検証もいくつか載っています。水分浸透力が精製水の35倍(自社検証。比べた相手は精製水)というのは、浸透のしやすさを比べた数値で、菌の数とは関係がありません。清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられている、という書き方は、成分の純度についての物差しを1つ借りているだけです。飲み物として売れるという意味ではありませんし、生菌数試験の結果を裏づけるものでもありません。
特許についても同じ線を引いておきます。特許5253483(三室ダブルイン型 電解分解技術)は、水をつくる技術が新しいものとして登録された、ということを示すものです。効果を証明したものではありません。登録されたのは構造と方法であって、できあがった水がどう働くかは、特許の番号からは読めません。試験と特許は、確かめている対象が最初から違います。別々に読んで、別々に置いておくのが正しい扱い方です。
| 数値・言葉 | 何に答えているか | 答えていないこと |
|---|---|---|
| 検査時間30〜60秒後に生菌が検出されず | 試験条件下での、その時刻の菌数 | 家庭での使用・体の上・持続時間・保存後 |
| 水分浸透力 精製水の35倍(自社検証) | 精製水と比べた浸透のしやすさ | 菌の数。試験の種類がそもそも違う |
| 電解効率 ほぼ100%(一般的な飲料用アルカリイオン水は約20%) | 投入した水のうち、どれだけが変わったか | できあがった水が何をするか |
| 清涼飲料水の規格基準をクリアした成分 | 成分の純度についての物差し | 飲み物としての用途。生菌数試験の結果 |
| 特許5253483 | 技術が新しいものとして登録されたこと | 効果の証明。できた水の働き |
検出限界を知ったあとの読み方|生菌数試験の考え方を、家に持ち帰る3か所
生菌数試験とは何かを知ると、明日から変わることが1つあります。数字ではなく、数字のまわりに書かれている条件のほうを先に読むようになります。これは電解水にかぎった話ではありません。手元にあるどの製品の表示でも、同じ3か所を見れば、その一行がどこまでを言っているのかが分かります。
| 見るところ | 書かれていれば | 書かれていなければ |
|---|---|---|
| 試験条件 | どんな検体・温度・時刻で調べたかが追える | その一行がどこまでを指すのか決められない |
| 検査機関名 | 条件を決めた人と、確かめた人が別だと分かる | どこで確かめられたのかが読めない |
| 結果の書き方 | 「検出されなかった」という結果の言葉で書かれている | 言い切りに置き換わっている可能性がある |
3か所目について、もう少し書きます。「検出されず」と書いてある資料は、むしろ正直な資料です。数え方に下限がある、ということを隠していないからです。逆に、同じ試験をもとにしているのに、結果が言い切りの形に変わっているときは、どこかで一段、言葉が飛んでいます。検出限界という言葉を1つ知っているだけで、その飛びに気づけるようになります。生菌数試験とは、そういう意味で、読み手の側の道具になる言葉です。
そのうえで、犬や猫と暮らす家のケアの話に戻しておきます。試験の結果がどうであれ、家でできるのは、その子の体の状態を見て、無理のない範囲で手を入れることだけです。そのうち口のまわりと前足の先は、拭いたそばからその子が自分で舌を通してしまう場所です。人が手を入れても、数秒後には口の中に移ります。だからこの2か所に置くものは、口に入ることを先に決めてから選ぶことになります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。この記事の言い方でいうと、これは「何秒後に何が検出されたか」という条件つきの数値ではなく、中身の純度についての物差しのほうです。条件のついた数値は、家の床や被毛の上まで届きません。けれど純度の物差しのほうは、置かれた場所で意味が変わらないので、舐めて届く範囲に置く1本を決めるときには、こちらを見ることになります。散歩から帰ったあと、足の裏と口のまわりだけを、布に取って一往復。数字の側から暮らしを決めない、というのが、この言葉を調べていていちばん残った経験でした。
最後に、線を1本引いておきます。生菌数試験の話は、体に起きている変化の話ではありません。地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、においが日ごとに強くなる、かさぶたやべたつきが続く、耳を振る回数が増えた。こうした変化があるときは、拭き取りの回数を増やしたり、何かの試験結果を根拠にして家で判断したりする前に、動物病院にご相談ください。いつから、どこが、どう変わったかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
生菌数試験とは、培地の上で増えることができた菌を数える試験のことです。結果に出てくる「検出されず」は、ゼロではなく、その回の検出限界を下回ったという意味です。そして、家の中でのこと・その子の体の上でのこと・時間がたったあとのこと・保存したあとのことは、この試験では測られていません。この3つを覚えておけば、電解水にかぎらず、試験条件つきで書かれた一行を自分で読み解けるようになります。数字を疑うためではなく、数字が答えている範囲をそのまま受け取るために使ってください。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
