C04悩み解決
シニア期の部分的な脱毛|若い頃と同じケアでは追いつかない
去年の写真と並べて、はじめて気づく。シニア期の脱毛は、たいていこの形で見つかります。全身が均等に、左右対称に、月単位でゆっくり薄くなります。境目のない変化なので、毎日見ている飼い主ほど気づけません。特定の場所がごっそり抜ける形とは、進み方が別ものです。この記事では、シニアの脱毛がなぜ「いつからか分からない」形で進むのかと、毛を減らさない側から組み立てる考え方を書きます。
気づいたときには、いつからか分からない
シニア期の脱毛の相談で、いちばん多く聞くのは「いつからかは分かりません」という言葉です。困っているのに、始まりが言えない。これは記憶の問題ではなく、変化の形がそうなっているからです。
若い子の脱毛は、たいてい場所が決まっています。同じところが繰り返し薄くなり、境目がはっきりしている。シニア期の変化は逆で、全身に均等に、左右対称に、月単位で進みます。境目がないので、どこから薄くなったかを指させません。
| 部分的な脱毛 | シニア期の変化 | |
|---|---|---|
| 範囲 | 決まった場所に出る | 全身に均等 |
| 左右 | 片側だけのことがある | ほぼ左右対称 |
| 速さ | 日〜週の単位で進む | 月〜年の単位で進む |
| 境目 | はっきりしている | 境目がない |
| 地肌 | 赤み・かさぶたを伴うことがある | 色は変わらない |
| 気づき方 | 見て気づく | 写真と並べて気づく |
右の列に当てはまるなら、年齢の変化として扱える範囲です。ただし、この2つは同時に起きることがあります。均等に薄くなっている体のどこかに、部分的な脱毛が混ざっている。ゆっくりした変化に目が慣れていると、そこが埋もれます。だから見分ける手順が要ります。
手順といっても、難しいことはしません。同じ場所を、同じ明るさで、月に1回だけ撮る。背中の後ろ半分、おなか、しっぽのつけね。この3か所で足ります。撮った日をファイル名に入れておけば、半年後に並べられます。
背景にあるのは、生えそろうまでの時間
毛は、伸びる時期と休む時期を繰り返しています。抜けること自体は、若くても毎日起きていることです。薄く見えるかどうかは、抜けた場所に次の毛が立つまでの時間で決まります。
年齢とともに変わるのは、この待ち時間のほうです。抜ける量が急に増えるのではなく、戻るまでが延びる。同じ面積に立っている毛の本数が、少しずつ減っていきます。1本ずつも細くなるので、同じ本数でも面としては薄く見えます。
- 換毛期の山が小さくなる:春と秋の抜け毛が減ったように感じることがあります。抜ける勢いが落ちているだけで、戻る力も一緒に落ちています
- 毛先が細くなる:先のほうが切れやすく、毛先だけが減って全体のボリュームが落ちます
- 根元の立ち上がりが弱くなる:毛が寝たままになり、地肌が透けて見えます。実際の本数以上に薄く見える理由がここにあります
- 静電気の影響を受けやすくなる:細い毛ほど広がりやすく、乾いた時期に毛が立って地肌が見えます
もうひとつ、シニア期は毛づくろいの量そのものが減ります。体をひねる動作が減り、自分で届く範囲が狭くなるぶん、根元に古い毛が残りやすくなる。残った毛が絡めば、そこから抜ける量も増えます。年齢の変化と、手入れが届かなくなったことは、同じ場所で重なって出ます。つまりシニアの脱毛は、抜ける側ではなく、残っている毛の状態で見え方が決まっています。ここが分かると、手を入れる場所も変わります。抜けるのを止めることはできませんが、残っている毛を減らさないことはできます。
毛を減らさない側の、考え方
やることは、増やす方向ではありません。いま生えている毛が、余計に減らないようにするだけです。家で動かせる条件は3つあります。
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摩擦を減らす
細くなった毛は、こすれに弱くなります。ブラシは目の細かいものから粗いものに替え、毛先ではなく根元から分けてから流れに沿ってとかします。往復させないでください。1回の時間を短くして、回数を分けるほうが負担が小さくなります。
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静電気を起こさない
乾いた時期は、とかす前に毛の表面をわずかに湿らせます。びしょ濡れにする必要はありません。ブラシの素材も、擦れて電気がたまりやすいものは避けてください。寝具やマットの素材も同じです。
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寝床の面を見直す
1日の半分以上を横になって過ごすようになると、体重がかかっている面がいちばんこすれます。硬さと素材で、圧が分散するかどうかを見てください。同じ面に触れ続ける時間を短くするために、向きを変えるだけでも変わります。
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洗う回数を増やさない
薄くなったのを見て洗う回数を上げると、地肌のうるおいも一緒に減ります。洗う間隔を変えるかどうかは、皮膚の状態を診てもらってから決めてください。
背中の後ろ半分としっぽのつけねは、体をひねる動作が減ったシニア期には、その子の舌がもう届かない場所です。若い頃は自分で起こしていた根元の毛が、寝たまま残ります。ここは、人の手が入るしかない場所になります。2番目の工程で布に含ませるのは、mofuwa スキンケアミストです。中身は電解水100%で、成分は清涼飲料水の規格基準——飲み物として売るときに満たす成分の基準——をクリアしています。拭いたあとにその子が口を持っていっても、そのままにしておける、ということです。湿らせるのは毛先ではなく、分け目を作った根元のほうです。シニア期の脱毛が気になっている面ほど、根元に古い毛が残っています。赤くなっている部分やじゅくじゅくしている部分には使わないでください。
シニア期は、立たせておく時間そのものが負担になります。横になったまま、上になっている側だけ。1回3分で切り上げてください。反対側は翌日で構いません。続けられる長さに収めるほうが、結果として毛は残ります。
年齢の変化と、そうでない変化の見分け方
ここまでは、均等でゆっくりした変化の話でした。その形から外れるものは、年齢では説明がつきません。シニア期はたいていの変化を「歳だから」で説明できてしまうので、ここだけは分けて見てください。
- 地肌が見えるほど、毛がなくなっている場所がある
- 片側だけ、あるいは特定の場所だけが薄い
- 数週間のうちに、範囲が広がった
- 地肌が赤い、黒ずんでいる、かさぶたがある、においがある
- その場所を舐め続けている、掻いている
- 左右対称でも、おなかや脇腹など決まった帯状に出ている
- 毛が薄くなるのと同時に、水を飲む量や体重が変わった
毛が薄いのと、地肌が見えるのは別の状態です。地肌が見えるほど毛がなくなっているなら、家で条件を整えながら待つ段階を過ぎています。自己判断でケアを続けず、動物病院にご相談ください。
最後の項目は、脱毛だけを見ていると気づけません。水を飲む量、食べる量、体重、活動の時間。毛の変化と一緒に、これらが動いていないかを見てください。毛は体の外側に出ている部分なので、内側の変化がそこに表れることがあります。
相談するときは、月に1回撮っていた写真を持っていってください。「半年前と比べてこう変わった」という材料は、診察室のその日の一枚からは出てきません。いつから、どの場所が、どんな順番で変わったか。それが分かるだけで、年齢の変化として扱える範囲かどうかを分けてもらえます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
