C05犬種・猫種別ケア

ラガマフィンのケア|毛玉を減らす3つの習慣

公開日 2023年2月7日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の中で、長い毛の猫がやわらかい布の上に体を横たえている
同じ面が長く下になっているほど、その下の毛は起き上がる機会を失っていきます。

ラガマフィンが窓ぎわのクッションで丸くなって、2時間たっても体の向きがほとんど変わっていない。そういう日が、この猫種と暮らしていると普通にあります。毛玉は、そのあいだに育ちます。下になっていた側の毛は、倒れた向きのまま2時間ずっと起き上がっていません。ラガマフィンの毛玉は、外から汚れが入ってできるのではなく、この「動かなかった時間」のほうから始まります。よく動く猫にも毛玉はできますが、できる場所が違います。この記事では、動く猫と動かない猫で毛玉の出る場所がどう分かれるかを比べたうえで、1日・1か所・1年という単位の違う3つの習慣を書きます。

毛玉は汚れではなく、動かなかった時間でできる|ラガマフィンの被毛と体

ラガマフィンの被毛はセミロングで、上毛と下毛の差がはっきりしません。一本ずつが細く、密で、うさぎの毛のように指を沈めると途中で止まります。手ざわりが柔らかいので絡みにくいと言われますが、絡みにくいことと、一度まとまったものがほどけやすいことは別の話です。細い毛どうしは、まとまると点ではなく面のまま残ります。

体つきも関係します。大きく育つ猫種で、体ができあがるまでに時間もかかります。体が大きいほど、床やクッションに接している面が広くなります。接している面が広くて、しかもその姿勢が長く続く。ラガマフィンの毛玉は、この2つが重なったところから始まります。

毛玉の材料は2つです。抜けた毛と、動かない時間。抜けた毛は、生えている毛のあいだに引っかかったまま、外へ出るきっかけを待っています。そのきっかけの多くは、猫自身の動きです。走る、跳ぶ、身をよじる、思いきり体を伸ばす。そのたびに毛が起き上がって、抜けた毛が押し出されます。動きが少ない猫では、この押し出しが起きません。

猫は自分でも毛づくろいをします。舌のざらざらは、毛を一方向へなでながら抜けた毛をすくい取る作りです。ただし、届く場所と届かない場所があります。体の下になっていた側、肩甲骨のあいだ、腰から後ろ脚の外側は、体をひねっても舌が回りきらない面です。ラガマフィンの毛玉で人が代わるのは、この「その子の毛づくろいが届かない面」だけです。届いている場所は、放っておいて構いません。

Note「汚れていないのに毛玉ができる」は、矛盾していません

家の中だけで暮らしていて、外のものが毛につくことがない。それでも毛玉はできます。毛玉を作っているのは外から来たものではなく、内側から抜けた毛と、それが動かされなかった時間だからです。だから、洗う回数を増やしてもこの2つは減りません。うるおいを保つ意味でも、洗う頻度を上げる方向へは寄せないでください。手を入れる先は、洗う回数ではなく、毛が起き上がる回数のほうです。

よく動く猫と、動かない猫|ラガマフィンの毛玉が出る場所の違い

同じ猫でも、動きの量が違えば毛玉の出る場所が変わります。よく動く猫の毛玉は、こすれた場所に出ます。脇の下、内股、前脚のつけ根。関節が曲げ伸ばしされるたびに毛と毛が向かい合ってこすれ、そこで絡み合います。動きが多いほど、こすれる回数が増えていきます。

動きの穏やかな猫では、逆のことが起きます。こすれない代わりに、毛が倒れたまま起き上がりません。倒れた毛の下では、抜けた毛が押し出されずに溜まります。溜まった毛は体温と湿気で少しずつまとまり、根元の側から面になります。出る場所は、関節ではなく体の広い面です。背中の左右、体の側面、腰から後ろ脚の外側、しっぽのつけ根。

毛玉の出る場所は、動きの量で分かれます
よく動く猫ラガマフィンのように動きが穏やかな猫
毛玉ができる理由毛どうしがこすれる毛が倒れたまま起き上がらない
出る場所脇・内股・前脚のつけ根背中の左右・側面・腰・しっぽのつけ根
広がり方点から始まって玉になる面のまま、薄く広がる
気づくきっかけ指が引っかかる指が沈まない。見た目は変わらない
増える時期1年を通してあまり変わらない換毛期と、寒くて動かない時期
手を入れる向きこすれた点をほどく倒れた毛を根元から起こす

表のいちばん下が、ラガマフィンで手の動きが変わるところです。こすれてできた毛玉は「ほどく」相手ですが、倒れてできた毛玉は「起こす」相手です。ほどく手つきのまま面に入ると、毛先だけが動いて根元が残ります。毎日ブラッシングしているのに減らない、という時間の多くは、ここから生まれます。

こすれてできる毛玉と、倒れたままできる毛玉 よく動く猫の毛玉は関節まわりのこすれから始まります。ラガマフィンのように動きが穏やかな猫では、毛が倒れたまま起き上がらない広い面から始まります。 同じ毛玉でも、始まり方が違います こすれてできる 脇・内股・前脚のつけ根 点から始まって玉になる 指が引っかかって気づく 手の動き:ほどく 倒れたままできる 背中・側面・腰・しっぽの根 面のまま薄く広がる 指が沈まなくて気づく 手の動き:起こす ラガマフィンは右側です。見た目が変わらないので、目ではなく指で確かめます
毛玉の場所を決めているのは汚れではなく、その面が1日に何回起き上がったかです。

どちらの毛玉かは、指で分かります。毛の流れと直角に、指を1本まっすぐ沈めてください。途中で押し返されるなら、倒れたままの面です。すっと地肌まで届くなら、その面は今日は放っておいて構いません。脇や内股で指が引っかかるなら、そちらはこすれた側です。ラガマフィンでも、よく遊んだ日が続けば脇に出ます。場所で決めるのではなく、指が止まった場所で決めてください。

習慣1:起きた直後の数分に、下になっていた側の毛を起こす

3つの習慣は、決める単位をずらしてあります。1つ目は1日の中で、2つ目は1か所ごとに、3つ目は1年の中で決めます。粒度が違うので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。まず1つ目です。

ラガマフィンが長く寝ていた場所から立ち上がった直後、下になっていた側の毛は倒れています。この数分が、いちばん少ない力で起こせる時間です。まだ毛どうしがまとまりきっていないので、指を通すだけで戻ります。時間がたって落ち着いてしまうと、同じ場所に道具が要るようになります。

  1. 立ち上がった側を見て、どちらが下だったかを覚える

    毛が寝ている側は、光の返り方が違います。見て分からなければ、手のひらを両側に当てて比べてください。倒れている側は、手のひらが引っかからずにすべります。すべる側が、その日に手を入れる1か所です。

  2. 毛の流れと直角に、指を4本入れて持ち上げる

    とかすのではありません。指を根元まで入れて、毛を持ち上げてから離す。これを面の上で数回くり返すと、倒れていた毛が起きます。ブラシを持つより先に、指のほうが早く終わります。

  3. 起きた面にだけ、ブラシを2〜3往復通す

    起こしてから通すので、ブラシは毛先ではなく根元から入ります。起こさずに通すと、毛先だけがそろって、根元は倒れたまま残ります。見た目が整うぶん、気づくのが遅れます。

毎日、全身をやる必要はありません。その日に下になっていた側だけで足ります。ラガマフィンは気に入った場所で同じように寝る子が多いので、下になる側も偏ります。1週間見ていると、右を下にする日が多いか、左が多いかが分かってきます。偏っている側から先に触ってください。

習慣2:毛の流れに沿う手と、根元から起こす手の使い分け

2つ目は、1か所ごとに決めます。ブラッシングには、毛の流れに沿って毛先をそろえる動きと、根元から毛を起こす動きの2つがあります。ラガマフィンで足りなくなるのは、後ろのほうです。毛が細くて密なので、流れに沿った手だけでは、道具の歯が表面をすべって終わります。

同じブラッシングでも、2つの手を使い分けます
流れに沿う手根元から起こす手
動かす向き毛の流れに沿って、毛先へ毛の流れと直角に、持ち上げる
届く深さ毛先から中ほどまで根元と、その下の地肌まで
していること毛先をそろえる倒れた毛を立て直す
向く場所顔まわり・胸元・前脚背中・側面・腰・しっぽのつけ根
1か所あたり2〜3往復指で数回、そのあとブラシ
やりすぎたとき毛先が細り、静電気が出やすくなる地肌に歯が当たる

使い分けの決め方は、場所ではなく指です。指を沈めて地肌まで届く面は、流れに沿う手だけで終わりにしてください。押し返される面にだけ、起こす手を入れます。ラガマフィンは体が大きいので、1日で全身を2種類の手で回すのは現実的ではありません。1日1か所だけ、起こす手を入れる面を決めてください。

冬に気をつけたいのは静電気です。乾いた部屋で細い毛どうしがこすれると、毛先が広がって隣の毛に寄ります。寄った毛先は、倒れた面の上でさらにまとまりやすくなります。部屋の湿度を上げる、ブラシを入れる前に毛先の滑りをそろえる。うるおいの側から先に手を入れると、起こす手の回数を増やさずに済みます。

起こす手を入れたあとの面には、mofuwa 毛玉予防ジェルを重ねます。手のひらに少量とって、毛先ではなく、指で起こしたばかりの根元の側から広げてください。被毛1本1本をコーティングするジェルなので、塗っておくと毛玉ができにくい状態が続きます。細い毛が隣へ寄りにくくなるぶん、冬の静電気が出やすい時期にも向きます。

すでに面のまま固まってしまったところにも、同じジェルを使います。固まった部分に毛玉予防ジェルをもみこむと、潤滑剤として働いて、かたまりがゆるんできます。ゆるんでこないときは、上から mofuwa グルーミングスプレーを足してもみこんでください。よりほぐれやすくなります。ラガマフィンは細い毛が面で残るので、はさみを入れると、そこだけ毛の長さが変わって戻るまでに何か月もかかります。ゆるめてから指で起こす、という順番にすれば、はさみを持たずに済みます。

習慣3:換毛の時期だけ、1日にさわる面の数を増やす

3つ目は、1年の中で決めます。ふだんは1日1か所で足りますが、換毛期だけは面の数を増やします。春と秋は、抜ける毛の量がまとまって増えるからです。抜ける量が増えても、ラガマフィンの動きの量は変わりません。押し出す力はそのままで、押し出される毛だけが増える。この差が、毛玉のできる速さになって表に出ます。

増やすのは1か所あたりの時間ではなく、面の数です。ふだん1日1か所なら、換毛の時期は1日2〜3か所。1回にかける時間は変えません。背中の左右、腰、しっぽのつけ根と、寝ている姿勢で下になりやすい面から順に回してください。時期が終わったら、面の数も元に戻します。

時期によって、1日にさわる面の数を変えます
時期1日に起こす面重点を置く場所
ふだん1か所その日に下になっていた側
春と秋の換毛期2〜3か所背中の左右・腰・しっぽのつけ根
寒くて動きが減る時期1〜2か所寝床に接している面
暑くて長く伸びて寝る時期1か所と脇側面と、開いたままの脇

冬も気をつけたい時期です。換毛期ではありませんが、寒いと猫は動きません。丸くなって、同じ面を下にしたまま長く過ごします。抜ける毛は多くないのに、起き上がる回数だけが減るので、毛玉のできる速さは春とあまり変わらないことがあります。ラガマフィンのようにもともと動きが穏やかな子では、この冬の時期のほうが目立つこともあります。

Caution面のまま固まったところに、道具を強く入れないでください

指が押し返される面へ上からブラシを強く入れると、抜けた毛ではなく、生えている毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。面のまとまりは、1日で全部を起こしきらなくて構いません。指で持ち上げられたぶんだけ起こして、その日はそこで終わりにしてください。嫌がる、声を出す、体をよじるときは、その場で手を止めます。翌日にもう一度触るほうが、結果として早く終わります。

動かなかった時間では説明がつかない毛玉と、道具の選び方

ここまでは、動きの量と寝ている姿勢で説明のつく毛玉の話でした。3つの習慣を回していても、同じ面が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、ブラッシングの話として片づけないほうが安全です。

Caution動物病院に相談してほしいとき

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、以前より動く量が明らかに減った、食欲が落ちている。ひとつでも当てはまるときは、起こす面の数を増やす前に動物病院にご相談ください。ラガマフィンは体が大きく毛の量もあるので、地肌の変化は外からは見えません。同じ面が何日おきに戻ってくるようになったかを数えて、その間隔を伝えてください。

道具の選び方も、ここまでの話でだいたい決まります。ラガマフィンで先に要るのは、毛先をそろえる細かい道具ではなく、指の代わりに根元まで入る道具です。歯の間隔が広く、先が丸く、長さのあるもの。細かい歯のコームは、毛先の仕上げと、脇や内股にできた小さな絡みのほうで使います。1本で全部をやろうとすると、細い毛のほうが切れます。

トリミングや相談の前には、指が止まる面、いつからか、その子が1日に何時間くらい同じ姿勢でいるかの3つを伝えてください。3つ目は、一緒に暮らしている人にしか分かりません。動きの量が毛玉の場所を決めているので、この情報があると切り分けが早くなります。

ラガマフィンと暮らすうえで、動きが穏やかなこと自体は直すところではありません。おっとりしていて、抱かれても身をよじらない。その性質は、この猫種と暮らす理由そのものです。減らせるのは抜ける毛の量ではなく、抜けた毛が倒れた面の下に留まっている時間のほうです。起きた直後の数分に、下になっていた側を起こす。1か所ごとに、流れに沿う手と起こす手を使い分ける。換毛の時期だけ、面の数を増やす。ラガマフィンの毛玉で動かせるのは、そこです。

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被毛をコーティングして、もつれと静電気を起きにくくするジェル。香料無添加です。

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よくある質問

ラガマフィンの毛は絡みにくいと聞きましたが、それでも毛玉はできますか?
できます。絡みにくいことと、抜けた毛が外へ出やすいことは別だからです。ラガマフィンの毛は細くて密なので、抜けた毛が根元に留まりやすく、しかも動きが穏やかなぶん押し出されません。絡む前に、面のまま薄くまとまっていきます。指を沈めて押し返される面があれば、そこはもう始まっています。
毎日ブラッシングしているのに、背中の毛玉が減りません。
毛の流れに沿って通す手だけになっていないか確かめてください。細くて密な被毛では、道具の歯が表面をすべって毛先だけがそろいます。先に指を根元まで入れて毛を持ち上げ、倒れていた毛を起こしてからブラシを通してください。起こしてから通すと、同じ回数でも届く深さが変わります。
寝ている場所を変えれば、毛玉は減りますか?
場所を変えるより、寝ている姿勢が変わるほうが結果に出ます。同じ面が下になり続けることが条件なので、寝床を複数用意して、日によって形の違う場所で寝られるようにするのは意味があります。ただ、猫は気に入った場所を自分で選びます。無理に変えるより、起きた直後に下になっていた側を起こすほうが確実です。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。