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水が苦手な猫と暮らす人のための車内のにおい|5分で終わらせるケア

公開日 2023年3月18日|文=mofuwa編集部

明るいやわらかな日ざしの中で、淡い色の猫が車の座席の上に落ち着いて座っている
乗る回数が少ないぶん、車の中には前の一回のにおいがそのまま置かれています。写真:muhammed yıldız/Pexels

猫を車に乗せた日を数えたら、去年は3回でした。3回とも動物病院です。犬なら週末ごとに乗ることもありますが、猫と暮らしていると、車は年に数回しか開かない部屋になります。それでも、後部座席のドアを開けた一呼吸で分かるにおいがある。回数が少ないから薄いのだろうと思っていると、逆です。少ないからこそ、車のにおいは前の一回が置かれたまま更新されません。しかも水が嫌いな猫と暮らしていると、乗る前に体を洗ってから、という手が最初から選べません。消す方向の手が一つ足りない状態で、ペットと乗る車のにおいをどう扱うか。この記事では、においを消す方向をいったん置いて、車に置いてあるものを入れ替えるという組み替え方を書きます。

去年、車に乗ったのは3回だけ|水が嫌いな猫と暮らす人と、車のにおいの背景

猫と暮らしていると、車に乗せる用事はそう多くありません。ワクチンの日、爪の相談、体調が気になった日。年に2回から4回、そのほとんどが動物病院までの往復です。犬と暮らす家のように、週末のおでかけのついでにペットを乗せる、ということがまず起きません。だから車は、猫にとっても飼い主にとっても、ふだんは開かない部屋のままになります。

ところが、その数少ない一回のにおいが濃い。キャリーを後部座席に置いて、シートベルトで固定して、30分走る。降りたあとに残るのは、猫の体から出た皮脂と、抜けた毛と、緊張して出た分泌のにおいです。それが、次に乗せる日まで数か月そのまま置かれます。人が毎日通勤で使っている車でも、後部座席のキャリーの中と、その下に敷いた布だけは、誰も触りません。

ここが、水が嫌いな猫と暮らす人のペットと車のにおいで、いちばん先に押さえたいところです。においが強いのは、猫がにおうからではなく、そのにおいが上書きされないからです。毎日乗る犬の車なら、前の日のにおいの上に今日のにおいが重なって、平均のような状態に落ち着きます。年に3回の車では、平均が作られません。3月に乗った日のにおいが、7月に開けたときにそのまま出てきます。

Noteにおいの出どころは、車ではなく布のほうにあります

座席の表面が革でも布でも、においを長くためるのは、キャリーの底に敷いた布と、シートの上に敷いた布です。プラスチックや金属は、拭けばその場で終わります。布は繊維のあいだに皮脂を抱えるので、拭いても表面しか動きません。車のにおいを扱うとき、最初に数えるのは座席の枚数ではなく、洗える布が何枚あるかのほうです。

消す方向の手が、最初から一つ足りない|水が嫌いな猫と車のにおいがこもる理由

においを弱くする手は、大きく3つしかありません。出どころを洗う。空気を入れ替える。別のにおいを足す。ペットのにおいの話では、ふつうこの3つを組み合わせて、その日の都合で配分を変えます。ところが水が嫌いな猫と暮らしていると、この3つのうち1つ目が、はじめから手札に入っていません。

水が嫌いというのは、好みの問題ではありません。濡れることそのものが、その子にとって強い負荷になるということです。通院の前日に洗えば、翌日の車の中で、猫はすでに一度こわい思いをしたあとの体で座ることになります。においを弱くするために、その日の負担を増やしている。これでは順番が逆です。だから、洗うという手は最初から選ばないほうを前提にします。

そのうえで、年に何回かは洗う日が来ます。水が嫌いな猫では、洗うかどうかより、浴室にいる時間の長さのほうが条件になります。ここは、その子が自分ではどうにもできないところです。ペットは自分のにおいを好むので、香りは飼い主のためのものになります。mofuwa モイストシャンプーが無香料なのは、そのためです。洗浄成分はアミノ酸系だけにして量を抑え、原料の水を電解水にすることで泡立ちを支えているので、落としすぎたぶんをトリートメントで戻す工程も要りません。工程が1つ減れば、浴室で耐える時間もそのぶん短くなります。においを足さずに、においの元のほうを外へ出す。これは、このあと車について書くことと同じ考え方です。洗う日は、車に乗る日と重ねないでください。移動で緊張した体に浴室が続くと、その子には1日で2つ重なります。

3つ目の「別のにおいを足す」も、猫の車では使いにくい手です。閉じた空間で香りを足すと、逃げ場がありません。猫は人よりずっと低い位置にいて、しかもキャリーの中では顔の向きを変えられない。足したにおいは、猫の側からは減らせません。ペット用と書かれた芳香剤であっても、車という容積の中では濃くなります。ここは無理をしないほうが安全です。

ペットのにおいを弱くする3つの手が、水が嫌いな猫の車ではどうなるか
手何をしているか水が嫌いな猫の車では
出どころを洗う皮脂と汚れを、水と洗剤で外へ出す選べません。濡らすこと自体がその子の負担になります
空気を入れ替える空気の側に出たにおいを、外の空気と交換する使えます。ただし車の容積が小さく、停めているあいだは止まります
別のにおいを足す強いにおいで、元のにおいを分かりにくくする向きません。閉じた空間で、猫の側から減らせません

残ったのは換気だけです。しかも車は、人が乗っていない時間のほうが圧倒的に長い。走っているあいだしか空気が動かない部屋で、換気ひとつに全部を任せると、どうしても足りません。ここで「もっと強い消臭剤を」と考えると、3つ目の手に戻ってしまいます。水が嫌いな猫の車では、この3つの土俵で勝負しないほうがうまくいきます。

そこで発想を1つ変えます。においを消そうとするのをやめて、車の中に置いてあるものを入れ替えるほうへ寄せます。においは物に付いています。付いている物ごと外に出して、においの付いていない物と交換すれば、車の中のにおいの中身は入れ替わります。消えたのではなく、変わった。水が嫌いな猫と暮らす家では、この言い換えのほうが、ペットのにおいの話として実際に手が動きます。

Point雑菌のことも、同じ考え方で扱えます

湿ったまま置かれた布は、においが強くなります。皮脂と水分と温度がそろうと、雑菌が増えやすい条件になるからです。だからこそ、洗って乾いた布と入れ替えるという手が、そのまま条件を戻す手になります。車の中で乾かそうとしないでください。停めた車は湿気の逃げ場がありません。持ち出して、家で乾かして、乾いたものを戻す。往復させるのが基本です。

においを消さずに、車に置いてあるものを入れ替える|ペットと乗る日に動かせる変化

まず、車の中でにおいを持っているものを数えます。キャリーの底に敷いた布。座席の上に敷いた布。キャリー本体。座席の面。そして空気。この5つのうち、外へ持ち出して洗えるのは最初の2つだけです。逆に言えば、その2枚に集められれば、車のにおいの大半は玄関から先へ運び出せます。

順番は、乗る日の当日だけで組みません。前と後ろに分けます。乗る2日前・当日の朝・帰宅後の3回。1回ぶんの手はどれも数分で、しかもペットの体に触る手は1つだけです。水が嫌いな猫と暮らしていると、触る回数そのものが条件になるので、手数は前に寄せて、猫に近い手は減らします。

  1. 乗る2日前|キャリーの底の布を出して洗い、乾いた布と入れ替える

    前回の通院から数か月しまい込んだままなら、この1枚がいちばん濃い。出して洗い、しっかり乾いてから戻します。2日前にするのは、乾かす時間を確保するためです。前日の夜に洗うと、生乾きのまま車に戻すことになります。予備をもう1枚用意しておくと、この工程は5分で終わります。

  2. 乗る2日前|キャリー本体を、外で固く絞った布で拭いて、開けたまま置く

    プラスチックの面は、拭けばその場で終わります。角と、扉のちょうつがいのあたりに毛がたまっています。拭いたら、扉を開けたまま半日置いて、中の空気を1回入れ替えます。においが残るのは、閉じたまま乾かないからです。ここは水を使いますが、猫の体には触りません。

  3. 当日の朝|座席に敷く布を、家で使っているものではなく車専用のものにする

    家のブランケットをそのまま車へ持ち込むと、帰りにそのブランケットが車のにおいを家へ運びます。車の布は車の布、家の布は家の布、と決めるだけで、においが行き来する経路が1本減ります。薄手で、洗って早く乾くものを2枚。1枚を使っているあいだ、もう1枚が家で乾いている状態にします。

  4. 当日の朝|猫の体は、水を使わずに首まわりと背中だけを拭く

    水が嫌いな猫なので、この日は洗いません。乾いた柔らかい布を指に巻いて、毛の流れに沿って、首のうしろから背中まで一方向になでます。往復させないこと。5往復もすれば十分で、時間にして1分かかりません。顔と耳の中は触らないでください。ここでやっているのは、車の布に移る量を先に減らしておくことです。1回で終わりにしてください。回数を増やすと、猫のほうが先に嫌がります。

  5. 帰宅後|猫を部屋に戻したら、その日のうちに布を2枚とも外す

    ここが全体でいちばん大事な一手です。においが濃いのは、帰った日の布を車に置いたままにするからです。猫を先に部屋へ戻し、キャリーの底の布と座席の布を抜いて、そのまま洗濯へ。キャリーは玄関で拭いてから、扉を開けたまま置きます。この5分をやるかどうかで、次に乗る日の一呼吸が変わります。

  6. 帰宅後|車のドアを対角に2枚開けて、10分だけ置く

    換気は最後です。布を抜く前に窓を開けても、においの元は車に残ったままなので効きません。布を外してから、風が通る向きに2枚開ける。1枚だけ開けても空気は動きません。真夏と真冬は10分で構いません。この順番にすると、換気がいちばん軽い仕事になります。

ペットと乗る車の中で、入れ替えられるものと、その場で終わるもの
ものにおいのため方手の入れ方
キャリーの底の布皮脂を繊維に抱える。いちばん濃い外して洗う。乾いた1枚と入れ替える
座席に敷いた布毛と皮脂が面で乗る外して洗う。車専用の2枚を回す
キャリー本体角と扉まわりに毛がたまる固く絞った布で拭き、開けたまま乾かす
座席の面布を敷いていれば、直接は付きません布を敷くことが、そのまま手当てになります
空気布から出たものが、閉じた空間にたまる布を外したあとに、対角の2枚を開ける

この5つを見ると、動かせるものが「布」に寄っていることが分かります。車のにおいは、車についているのではなく、車に置いてある布についている。だから入れ替えが効きます。消臭剤を足す手も、ペットを洗う手も要りません。水が嫌いな猫と暮らす家にとって、これは手数が増えない方向の答えです。

Cautionキャリーを、寝床のそばに置いて乾かさないでください

帰宅後にキャリーを部屋へ運び入れて、そのまま寝床の横に置くと、車から持ち帰ったにおいが寝床の布へ移ります。移ったにおいは、猫がいちばん長く鼻を近づける場所に残ります。キャリーは玄関で拭いて、玄関か廊下で開けたまま乾かしてください。食器の近くも避けます。においの通り道を、寝床と食器から離すだけで、部屋の側は落ち着きます。

3回目の通院で、ドアを開けた一呼吸が変わる|水が嫌いな猫と車のにおいの経験

この組み替えは、1回では実感が出ません。変わったと分かるのは、3回目に車のドアを開けたときです。1回目は、帰ってきた日に布を外すところまでが精一杯で、乾いた予備の布がまだありません。2回目で予備が1枚できて、入れ替えという形になります。3回目でようやく、乗る前の車が「前の一回のにおいを持っていない状態」で始まります。

そのとき短くなるのは、においだけではありません。支度の時間も短くなります。前の日にキャリーを引っぱり出して、中を見て、迷って、あきらめる。あの数十分がなくなります。乾いた布が家にあるというだけで、通院の準備は布を1枚入れて終わりになります。ペットと乗る車の話でありながら、実際に軽くなるのは飼い主の側の段取りです。

1回目・2回目・3回目で、実際に何が変わっていくか
車の状態その日にやること
1回目前の一回のにおいが残っている帰宅後に布を外す。予備の布を1枚用意する
2回目洗った布で始められる行きと帰りで布を入れ替える。キャリーを開けて乾かす
3回目前の一回のにおいを持っていない布を1枚入れるだけ。換気は帰宅後の10分だけ

猫の側にも、少しだけ変化があります。においが薄い車は、その子にとって情報の少ない場所です。前回こわい思いをした日のにおいが、そのまま残っている車に入るのと、においが入れ替わっている車に入るのとでは、キャリーの中での落ち着き方が違ってきます。ただし、ここは期待しすぎないでください。猫が車を苦手なこと自体は、においを入れ替えても変わりません。変わるのは、においという条件が1つ減ることだけです。

ここまで、車のにおいの話として書いてきました。最後に、車の話ではないものを分けておきます。においの質が変わったときは、布を入れ替えても戻りません。いつもの猫のにおいが濃くなったのではなく、種類が違うと感じたとき。その日は、車の側を疑うより先に、その子の側を見てください。

Cautionにおい以外の変化が同時に出ているときは、早めの受診を

元気や食欲が落ちている、体重が減ってきた、同じ場所をなめ続けている、におい自体の質が変わった、呼吸の音がいつもと違う。いずれかに当てはまるときは、車の中の布を替える前に、動物病院にご相談ください。水が嫌いな猫は、体をよく見せてくれないぶん、変化が進んでから気づくことがあります。迷ったら早いほうを選んでください。ペットの体のことは、家で判断しきらないほうが安全です。

水が嫌いな猫と暮らしていると、できないことのほうが先に目につきます。洗えない、押さえられない、車に長く乗せられない。それでも、車のにおいについては動かせる場所がはっきりしています。布は洗えるし、キャリーは開けて乾かせるし、ドアは2枚開けられます。消す手を1つ失っているぶん、入れ替える手を先に置く。年に3回しか乗らない車だからこそ、その3回のあいだに何を置いておくかで、次の一呼吸が決まります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。