C15組み合わせ提案
巻毛の子のためのケアセット
洗ったあと20分乾かして、電話が鳴ったので5分だけ手を止めました。戻ってきたら、止めた側だけ毛が伸びたまま板のようになっていて、反対側は縮んでいました。同じ日の、同じ子の、同じ被毛です。差は5分だけでした。巻毛は濡れると伸び、乾きながら縮みます。乾く途中で止まった形が、そのまま翌日まで残ります。巻毛のケアで何をそろえるか迷っている方に、まず見ていただきたいのはここです。毎日の手順を組むときの中心にあるのは道具の数ではなく、乾いていく時間をどう扱うかという1点です。この記事では、その1点からケアのセットを4つの手順に組み立てます。
濡れると伸びて、乾くと縮む|巻毛のケアセットが乾かす時間から決まる理由
巻毛の被毛は、水を含むと1本ずつがまっすぐに近い形まで伸びます。そこから水が抜けていく途中で、少しずつ元の巻きに戻ります。問題は、この「戻る」が乾くのと同時に進むことです。半分乾いたところで手を止めると、半分だけ戻った形のまま固まります。まっすぐでも巻きでもない、中途半端な向きです。翌日ブラシを入れると、そこだけ歯が引っかかります。
だから巻毛のケアで最初に決めるのは、そろえる物ではなく、乾かす時間をどこに置くかです。20分続けて確保できないなら、洗う日を変えたほうがいい。ここが決まらないうちに道具を買い足すと、乾かし切れないまま道具だけが増えます。巻毛のセットは、物の一覧ではなく時間割です。時間が決まると、要るものは自然に絞られます。
| 状態 | 毛の形 | この状態でやること | やってはいけないこと |
|---|---|---|---|
| 濡れている | 伸びて、重さで下がる | 根元の水を先に飛ばす | ブラシを通す |
| 半乾き | 根元は縮み、毛先は伸びたまま | そのまま乾かし続ける | 手を止める |
| 7割ほど | 巻きが戻り始め、量が増えて見える | 風の向きを根元から毛先へ変える | 指で押さえて形を作る |
| 完全に乾いた | 巻きが戻り、指が根元まで入る | ここで初めてブラシを入れる | 強く引く |
表の2行目と3行目が、巻毛でいちばん取り違えられるところです。表面を触って乾いていても、根元はまだ濡れています。巻毛は毛が密なので、外側の1センチが先に乾き、内側に水が残ります。ここで「乾いた」と判断してブラシを入れると、内側の濡れた毛を引くことになります。皮膚も一緒に引かれるので、その子は嫌がります。指を根元まで入れて、地肌の近くが冷たくないかどうかで判断してください。
毎日のケアの話に戻します。洗うのは毎日ではありませんが、この「乾かす途中で止めない」という考え方は、洗わない日にもそのまま当てはまります。雨の日に足を拭いたあと、口のまわりを拭いたあと、水を飲んだあごの下。部分的に濡れた場所も、同じように乾く途中で形が決まります。巻毛のケアセットを組むというのは、洗う日と洗わない日の両方で、この一点を守れる形を用意することです。
同じように巻いて見える被毛でも、水を含んだときの伸び方と、乾くまでの時間は1頭ずつ違います。どのくらいで乾くかを1度だけ測っておくと、そのあとの予定が組めます。タイマーではなく、始めた時刻と、指が根元まですっと入った時刻を紙に書くだけで足ります。15分の子と35分の子では、ケアの組み立てがまったく変わります。よそで見た所要時間より、その子で測った数字のほうが当たります。
根元から乾かして、途中で止めない|巻毛の毎日のケアを4つの手順に分ける
手順は4つです。物を出す順番ではなく、水が抜けていく順番で並べています。だから途中に「道具を取りに行く」が入りません。始める前に、手の届く範囲へ全部置いておいてください。取りに立った時間が、そのまま止まった時間になります。
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手順1:始める前に、置き場所を作る
使うものを全部、座ったまま手が届く位置に並べます。途中で立つ理由をなくしておくのが、この手順の目的です。巻毛のケアで最も起きやすい失敗は、途中で中断することです。飲み物も先に置いてください。所要時間はその子で測った数字を使います。20分の子なら、20分先に予定が入っていない時間帯を選びます。ここまでが、道具をそろえるより先にやることです。
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手順2:根元の水を先に飛ばす
風を毛先ではなく、地肌に向けます。巻毛は毛先から乾かすと、外側が先に固まって内側の水が抜けなくなります。片手で被毛を分けて地肌を出し、そこへ風を当てます。分けた場所が乾いたら、隣へ少しずらす。この繰り返しです。体の上から下へ、同じ向きで進めてください。毛先はこの段階では触りません。皮膚に近い場所ほど、乾くのに時間がかかります。
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手順3:止めずに、風の向きを根元から毛先へ切り替える
根元が乾いたら、風の向きを毛の流れに沿わせます。ここで一度でも手を止めると、止めた場所だけ形が変わります。電話が鳴っても、宅配が来ても、そこは戻ってきてからやり直しになります。やり直しは最初の状態には戻らないので、時間は2倍では済みません。どうしても中断するときは、その部分をもう一度湿らせてから再開してください。半乾きの上に風を当て直しても、形は戻りません。
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手順4:完全に乾いてから、ブラシを入れる
指を根元まで入れて、地肌の近くが冷たくないことを確かめます。冷たければ、まだ水が残っています。完全に乾いてから通すと、ブラシは驚くほど軽く入ります。濡れているうちに通していた頃の抵抗は、毛のもつれではなく水だったと分かります。通す向きは、毛の流れに沿って毛先から。少しずつ根元へ届かせます。ここで強く引かないでください。引く必要があるなら、まだ乾いていないか、もつれが残っています。
巻毛のケアセットの中身は、この4つの手順に必要なものだけで足ります。4つのうち、削れないのは手順3です。手順1と2は、手順3を止めないための準備だと考えてください。置き場所を作るのも、根元から先に乾かすのも、途中で止まる理由を減らすためにあります。巻毛のケアで道具を増やしても、この1点が守れないと、翌日ブラシが引っかかる場所は同じだけ残ります。セットを厚くするより、20分を切らさないほうが先です。
| 手順 | だいたいの時間 | そこで決まること |
|---|---|---|
| 1・置き場所を作る | 2分 | 途中で立つ回数がゼロになるかどうか |
| 2・根元の水を飛ばす | 全体の6割 | 内側に水が残るかどうか |
| 3・止めずに毛先へ | 全体の3割 | 巻きが戻るか、半端な形で固まるか |
| 4・乾いてからブラシ | 3〜5分 | 翌日の引っかかりの数 |
洗わない日は、手順2から4だけを部分的に使います。足を拭いたあと、口のまわりを拭いたあと、あごの下が濡れたあと。拭いた場所は必ず乾かしてから、そこだけブラシを通してください。毎日の巻毛のケアは、この部分的な繰り返しでできています。全身をやる日は週に1回か2回で、残りの日は濡れた場所だけです。
途中で止まるのは3か所|巻毛のケアで手順が崩れるところと、その戻し方
手順どおりにやろうとしても、実際には3か所で止まります。どれも道具の問題ではなく、時間と場所の問題です。それぞれ、その場での戻し方があります。セットに何を足しても、この3か所は減りません。
| 崩れる場所 | 何が起きているか | その場での戻し方 |
|---|---|---|
| 人が中断する | 電話・来客・他の家族。5分でも形が残る | 止めた場所を湿らせ直してから再開する |
| その子が動く | 同じ姿勢が続かない。音を嫌がる | 体を4つに割り、1区画ごとに終わらせる |
| 乾いたと思い込む | 表面だけ乾き、内側に水が残る | 指を根元まで入れ、冷たくないか確かめる |
いちばん多いのは3つめです。巻毛は表面が乾くと、見た目にはもう終わったように見えます。手のひらでなでても分かりません。指を1本、根元まで差し込んで、地肌の近くの温度を確かめるところまでやってください。冷たければ水が残っています。ここを飛ばすと、手順4のブラシが手順2のやり直しになります。
2つめの「その子が動く」への手は、区画に割ることです。体を前半身の左右、後半身の左右の4つに分けて、1区画ずつ完全に終わらせます。全身を薄く進めて全部を半乾きにするのが、いちばんよくない形です。1区画が終わっていれば、その子が動いて中断しても、そこは翌日まで問題になりません。中断するなら、区画の途中ではなく区画の切れ目で中断する。これだけで、やり直しがほとんど消えます。
1つめの「人が中断する」は、準備の側で減らせます。手順1で置き場所を作るのは、このためです。それでも中断は起きます。起きたときに大事なのは、あわてて続けないことです。止めた場所はすでに形が決まっているので、風を当て直しても戻りません。もう一度その部分だけ湿らせて、根元から乾かし直す。遠回りに見えますが、こちらのほうが早く終わります。
その子が動く理由が音のときは、風量を下げても解決しません。音は同じだからです。先に距離を取って、当たる風を弱くするほうが続きます。距離を取ると乾くまでの時間は延びますが、動かれてやり直すよりは短く済みます。始める前に一度スイッチを入れて、音がしている状態で1分待ってから当て始めると、驚く回数が減る子もいます。巻毛のケアは時間が長いので、最初の1分の使い方が全体に効いてきます。
毎日やることを1つに絞る|巻毛のケアの頻度と、家でできる範囲
頻度の話をします。巻毛だからといって、毎日全身をやる必要はありません。セットの中身より先に、どれをどの頻度でやるかを決めます。むしろ、毎日全身をやろうとすると、1回あたりが短くなって、乾かし切らないまま終わる日が増えます。この記事の考え方でいくと、それはいちばん避けたい形です。
| やること | 頻度 | 1回の時間 | 飛ばした日の扱い |
|---|---|---|---|
| 濡れた場所だけ乾かす | 濡れた日は毎回 | 2〜3分 | 翌日に持ち越さない |
| 乾いた状態でブラシを通す | 毎日1回 | 3〜5分 | 翌日は倍かかる |
| 区画を決めて全身を通す | 週1〜2回 | 15〜25分 | 週内に振り替える |
| 洗って全身を乾かす | その子と暮らし方による | 測った時間そのまま | 予定が取れる日に動かす |
| 皮膚の様子を見る | ブラシのついでに毎日 | 含まれる | 見ていない日を作らない |
この表で毎日やるのは、2行目の「乾いた状態でブラシを通す」だけです。家でできることを1つに絞るなら、これになります。3〜5分で、全身をていねいに仕上げようとせず、毛の流れに沿って一度通すだけ。それでも毎日やると、週1回の全身のときに引っかかる場所が目に見えて減ります。逆に、毎日を飛ばして週1回だけていねいにやる形は、その週1回が長くなり、その子が途中で動きます。
皮膚を見るのも、この3〜5分に含めます。巻毛は被毛が密なので、地肌が外から見えません。ブラシで毛を分けたときが、地肌を見られる数少ない機会です。赤み、フケのような白いもの、かさついた部分、逆に湿っている部分。見つけたら、その場所と日付を書いておいてください。毎日見ていれば、変わったかどうかが分かります。家でできるのは、判断ではなく記録です。
洗わない日の被毛の整え方について、道具の話をひとつだけ書きます。乾いたあとにブラシを通す前、毛先が広がっているときは、mofuwa グルーミングスプレー を布に含ませて、毛の流れに沿って一度なでてから通すと、歯が根元まで入りやすくなります。洗い流さないタイプで、無香料・界面活性剤不使用です。直接吹きかけると音を嫌がる子がいるので、布に取ってから当てる形にすると、巻毛のケアの手順を止めずに済みます。もつれと静電気の起きにくい状態を保ちたい時期には、mofuwa 毛玉予防ジェル を、引っかかりやすい場所にだけ薄くのばす手もあります。どちらも、乾かし切ってから使うものです。乾く前に使っても、この記事の1点は変わりません。
地肌が赤い、じくじくしている、フケが急に増えた、同じ場所をなめ続けている、触ると痛がる、においが出てきた、毛が抜けて地肌が見えている。こうした変化があるときは、ブラシの回数を増やしたり、洗う回数を変えたりする前に、動物病院にご相談ください。巻毛は地肌が見えにくいぶん、気づいたときには範囲が広がっていることがあります。いつから、どの場所に、どのくらいの間隔で出ているか。毎日の3〜5分で書きためた記録があれば、そのまま持っていってください。
最後に、この記事の手順をもう一度置きます。巻毛のケアセットで最も重要なのは道具ではなく、途中で止めないことです。置き場所を作り、根元から乾かし、止めずに毛先へ切り替え、完全に乾いてからブラシを入れる。崩れるのは3か所だけで、どれも戻し方があります。毎日やるのは、乾いた状態で一度通す3〜5分だけ。今日やる1つを選ぶなら、その子が乾き切るまでにかかる時間を、一度だけ測ってください。その数字が出ると、予定の入れ方が決まり、セットの中身もそこから決まります。巻毛のケアのセットは、買いそろえて完成するものではなく、乾かし切れる時間割ができたときに完成します。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 巻毛のケアは、毎日シャンプーしたほうがいいですか
- 洗う回数を増やすより、乾かし切る回数を守るほうが向いています。巻毛は乾く途中の形が残るので、洗う回数が増えるほど、乾かし切れない日が混ざるおそれが上がります。毎日やるのは、乾いた状態でブラシを一度通す3〜5分で足ります。皮膚の様子で洗う間隔を変えたいときは、自己判断で回数を動かす前に、動物病院にご相談ください。
- 自然乾燥ではだめですか
- 巻毛では、自然に乾かすと根元に水が残ったまま外側が固まりやすくなります。乾くまでの時間が長いほど、その途中の形も長く保たれます。どうしても風を当てられない事情があるときは、体を4つの区画に分けて、区画ごとに乾いたかどうかを指で確かめてください。地肌の近くが冷たいうちは、まだブラシを入れないほうが早く終わります。
- ブラシはどれを選べばいいですか
- 選ぶ前に、乾き切ってから通してみてください。完全に乾いた状態なら、多くの場合、いま持っているもので軽く通ります。抵抗が強いときは、ブラシが合っていないのではなく、まだ水が残っているか、もつれが残っている場合があります。それでも決まらないときは、歯の間隔が一定で、根元まで届く長さのものを1つだけ持つところから始めると、家でできる範囲が読みやすくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
