C02技術・エビデンス

防腐剤を入れない製品の設計上の制約

公開日 2023年4月23日|文=mofuwa編集部

やわらかな自然光が入る無地の木の床で、淡い茶色の犬のそばに座っているクリーム色の猫
1つ入れないと決めた時点から、そのあとに選べる幅が順番に狭くなっていきます。写真:Owen Mao/Pexels

釘を1本も使わない棚をつくると決めた日から、板の厚みも木の種類も組む順番も、こちらで自由に選べなくなります。薄い板では組み手が欠け、やわらかい木では潰れ、あとから1枚だけ差し込むこともできません。釘という1つを手放したぶん、ほかの5か所が不自由になったわけです。防腐剤フリーの設計で起きているのも、これと同じ連鎖です。入れないと最初に決めるので、そのあとに決まるはずだったものが、全部その1行から逆算されていきます。この記事では、その連鎖がどこまで伸びるのかを順番にたどります。

1行を決めた翌日から、決められないことが増える|防腐剤フリーという設計が置かれた背景

棚をひとつ、釘を使わずに組むと決めたとします。その日から、決めたはずのない部分が次々に決まっていきます。板は厚いものしか使えません。組み手を彫るので、薄い板では欠けてしまいます。木はある程度かたいものに限られます。やわらかい木は組み手が潰れて、荷重がかかったときにゆるみます。組む順番も固定されます。全部を一度に噛み合わせる形になるので、あとから1枚だけ差し込むことができません。

釘を1本も使わないという判断は、材料表から1行を消しただけに見えます。ところが実際には、板の厚み、木の種類、組む順番、載せられる重さ、分解して運べるかどうかまでが、その1行から逆算されました。手放した自由は1つで、代償として不自由になったのは5か所です。これが、引き算の設計で毎回起きていることです。

防腐剤フリーの背景を読むときに、この構図をそのまま持ち込めます。棚の前で見えているのは「入っていません」という1行だけですが、その1行が置かれたのは開発の最後ではなく、いちばん最初です。防腐剤フリーという設計は、外した結果の表示ではなく、出発点の宣言です。だからそのあとの選択は、全部この1行のあとに並んでいます。

決める順番が入れ替わると、あとに残る自由が変わる
決める順番ふつうの組み立て防腐剤フリーの組み立て
1番目に決めることどんな使い心地にするか入れないものを1つ決める
2番目に決めることそのために足す成分その1つがなくても成り立つ処方
3番目に決めることまとまりを保つ手当て液の形と容器
4番目に決めること香りと見た目容量と使い切る期間
困ったときの手足りないものを1つ足す足す先がないので前に戻る

表のいちばん下の行が、この2つの組み立ての決定的な差です。足す設計では、泡が立たなければ立つ成分を1つ足せます。とろみが足りなければとろみをつけられます。引く設計では、足りないと分かった時点で足す先がありません。戻るのは処方の前、つまり「何で落とすか」という出発点のほうです。作りながら直せないので、最初の1行の置き方がそのまま全体の骨になります。

防腐剤フリーが「ただ抜いただけ」に見えてしまうのは、この順番が表示に出ないからです。表示は結果だけを書きます。背景にあるのは、抜いたあとに残った条件をひとつずつ埋めていった時間のほうです。次の節では、その埋め方が処方のどこから始まるのかを見ます。

処方に置けなくなるものが、順番に決まっていく|防腐剤フリーの設計がそこまで縛られる理由

防腐剤フリーの設計で最初に縛られるのは、処方に置ける成分の顔ぶれです。遅らせる係を置かないと決めたので、遅らせる相手になりうるものを液に入れられません。相手というのは、微生物のえさになるもののことです。たんぱく質、糖、油分、抽出したエキス。どれも液の中で仕事をしている成分ですが、置いた時点で守るものが生まれます。

5つとも仕事を持っていた成分なので、外せばその仕事が空きます。空いたぶんを別のもので埋められないのが、引く設計の窮屈なところです。埋め先が処方の中にないので、落とす働きそのものを成分から水へ移すことになります。mofuwa の場合、この移し先が電解水でした。三室ダブルイン型の電解分解技術(特許5253483)でつくる水で、皮脂となじむ働きを水の側が持っています。

ここから、縛られる先が処方の外へ広がります。液が水そのものになると、粘りがないので容器の形が決まります。指を入れて取り出す広口の容器は使えません。出す量だけが外に出て、残りは容器の中にとどまる形が要ります。スプレーやポンプが選ばれるのは、見た目の都合ではなく、この条件から降りてきた結論です。

防腐剤フリーの設計で、1行の決定がどこまで伸びるか
縛られる場所何が決まるか選べなくなること
処方えさになるものを置かない油分・とろみ・エキス・香料・色
液の形粘りのない水になる指で塗り込む使い方
容器出す量だけが外に出る形広口の瓶・詰め替えの運用
容量使い切る期間から逆算する大容量1本で割安にすること
確かめ方外部の試験を重ねる処方を変えて短く直すこと
売り方開封後の条件を書き添える置き場所を問わない案内

最後の2行だけ補足しておきます。遅らせる係を置かない処方では、どのくらい持つのかを処方の側で説明できません。だから外部の検査機関に出して、決められた試験条件のもとで生菌の数を測る、という手続きを重ねることになります。確かめる作業の量まで、最初の1行が決めています。そして確かめた結果は処方を変えずに使う条件として書かれるので、売り方の側にも制約が残ります。

Point引き算の設計は、外した数を誇る話になりません

防腐剤フリーの製品では、外したものの数がよく並べられます。ただ、数だけを見ると読み違えます。外しているものが多いほど、体にやさしい製品ですという読み方はできません。数が増えているのは、たいてい1つ外したことで置けなくなったものが連鎖で増えた結果で、判断が5回あったわけではありません。読むなら、外した数ではなく、外したぶんの仕事をどこが引き受けたかのほうです。引き受け先が処方の中にないなら、それは原料か、容器か、使う側のどこかにあります。

犬や猫に使う前提が、制約をもう一段しぼる|犬の防腐剤フリーを読むときの背景と考え方

使う相手が犬や猫になると、制約はもう一段しぼられます。加わる条件は2つです。なめることと、毛の上に残ることです。人が自分の手に使うものなら、塗ったあとは洗い流すか、そのまま乾かして終わります。犬や猫は、塗られた場所を自分でなめます。そして毛の上に残った液は、乾いたあとも何時間かそこにいます。

この2つが、防腐剤フリーの考え方を人向けの製品とは別のものにします。なめる前提があるので、口に入る量を見込んだ基準で組む必要があります。毛に残る前提があるので、残ったものが時間をかけて変わっていく可能性を処方の側で切っておく必要があります。つまり犬や猫に使う製品では、外したい理由が「気分」ではなく「経路」から出てきます。

使う相手が犬や猫のとき、制約に加わる2つの条件
加わる条件何が変わるか設計に出てくる形
なめる口に入る量を見込む原料の純度が出発点になる
毛に残る乾いたあとの時間が長い残っても変わらない中身にする
自分で毛づくろいする猫では全身に回る場所ごとの使い分けをやめる
体が小さい同じ量でも比率が変わる1回に出る量を細かくする
自分で言えない合わないサインが遅れる変化が見て分かる状態を残す

表の1行目が、この記事でいちばん重い制約です。口に入る量を見込むと、処方の出発点が原料の水の純度そのものになります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、原料になる水は精製水で薄めていません。水の純度が中身の純度とほぼ同じになる作りなので、そこに何かを足す余地が最初からありません。防腐剤フリーという結果は、この作りから自動的に出てきたものです。

犬の場合と猫の場合で、同じ制約の出かたが少し違います。犬は散歩から帰ってきた足先や、暖房の風が当たる背中のように、使う場所がだいたい決まります。猫は自分で毛づくろいをするので、どこに使っても最終的には口へ回ります。猫が相手だと、場所ごとに使い分けるという逃げ道が使えません。だから1本で全身に使える設計にしておくことが、そのまま条件になります。制約が厳しいほうに合わせて組んであれば、犬でも猫でも同じ1本で通せます。

この節で書きたかったのは、防腐剤フリーの考え方が「引いた自慢」ではないということです。引いたのは結果で、引く理由は使う相手の側にありました。なめる動物に使うという前提が、処方から足せるものを最初に取り上げていきます。残ったのは水だけで、だから外せるものが8つになった、という順番です。外した数の話ではなく、経路の話として読むと、この設計の背景がまっすぐつながります。

1つ入れないと決めた地点から、縛られる先が伸びていく 左端で入れないと決めると、処方に置けるものが減ります。置けるものが減ると、液は粘りのない水になり、容器と容量までがそこから決まります。足す設計と違って、途中で1つ足して調整することができません。 1行 不使用 処方 置ける物 容器 容量へ 足せない 形が決まる 足す設計の直し方 困ったら1つ足せる 順番はあとから変えられる 引く設計の直し方 足す先が処方にない 出発点まで戻ってやり直す
見張るのは外した数ではなく、外した仕事をどこが引き受けたかです。

制約の最後のひと区切りは、家の側に渡される|防腐剤フリーの設計で見ておく変化

制約の連鎖は、作る側で終わりません。遅らせる係を置かないぶんの時間は、最後に使う側へ渡ります。渡されるのは2つだけです。使い切るまでの速さと、置いておく場所です。どちらも処方では決められないので、作る側は容器と容量まで用意して、そこで手を離します。

  1. 開けた日を、ボトルに直接書く

    油性ペンで日付を書くだけです。開封後の一行が表示にあっても、開けた日を覚えていなければ数えられません。防腐剤フリーの製品では、この一手間が渡された条件のいちばん手前にあります。

  2. 置き場所を1か所に決めて、毎回そこへ戻す

    日が当たらない、暖房や冷房の風が当たらない、その子が届かない。この3つを満たす場所を家の中に1か所決めます。持ち歩いて置き場所が毎回変わると、条件がそろいません。

  3. 液の色と濁りを、使うたびに一度だけ見る

    着色料を入れていないので、濁りが出れば見て分かります。ボトルを持ち上げたときに光へ透かす、それだけで足ります。見る癖がついていると、変化に気づく日が数日早くなります。

  4. においが変わっていないかを、最初のひと吹きで確かめる

    無香料なので、においの変化が香りに隠れません。ふだんとちがうにおいがしたら、その1本は使うのをやめます。判断に迷う材料が少ないほど、線は引きやすくなります。

  5. 使い切る速さが2か月を超える計算なら、容量を下げる

    内容量を1日に使う回数で割るだけです。2か月で終わらない計算になるなら、大きい1本より小さい1本のほうが、渡された条件に合います。

この5つのうち、3つ目と4つ目は制約の副産物です。着色料と香料を置けなかったから、濁りとにおいが見えたまま残りました。隠す手段を取り上げられた結果、変化に気づける状態が残った、という順番です。これは偶然そうなったわけではなく、引く設計ではよく起きる反転です。窮屈さの裏側に、読みやすさが1つ残ります。

毎日手に取る使い方ができるかどうかも、渡された条件の守りやすさを変えます。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、なめる場所にもそのまま使えます。耳のふち、口のまわり、肉球、乾いてきた背中。場所を選んで手を止める必要がないので、1日に手に取る回数が自然に増えます。使い切る速さを家が引き受ける設計は、使える場所が広いほど守りやすくなります。使える場所の広さも、水の純度から出てきた同じ1つの結果です。

防腐剤フリーの設計を1枚にたたむと、順番はこうなります。なめる動物に使うという前提が処方から足せるものを取り上げ、取り上げられた結果として液が水になり、水になったから容器と容量が決まり、決まりきらなかった最後のひと区切りが家へ渡された。棚に並んでいる「入っていません」の1行は、この連鎖のいちばん端にある表示です。1行から読み始めると短く終わりますが、端から逆にたどると、選べなかったものの列が見えてきます。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。