C12Q&A・豆知識

涙やけが多い犬種の共通点

公開日 2023年5月26日|文=mofuwa編集部

明るい室内で、目のまわりの毛が白い犬の顔を正面から写した写真
同じだけ涙が伝っていても、毛の色が薄い子では跡が見え、濃い子では見えません。写真:Sarah Dietz/Pexels

涙やけが多いとされる名前を並べていくと、そこに共通しているのは2つだけです。毛の色が薄いことと、目のまわりの毛が多いことです。つまり犬種で決まっているように見えて、実際に決めているのは色と毛の量という条件のほうになります。同じ条件を持っていれば、リストに名前のない子でも同じように目立ちます。逆に条件を持たない子は、同じだけ涙が伝っていても跡が見えません。犬種差として語られていることの多くは、涙の量の差ではなく、見えやすさの差です。この記事では犬種名を使わずに、色と毛という2つの条件で、8つの問答に分けて書きます。

涙やけが多い犬種に共通しているのは、どんな条件ですか

答えから書きます。共通しているのは、毛の色が薄いことと、目のまわりの毛が多いことの2つです。顔のつくりや涙の出方も語られますが、リストに名前が並ぶ子をまとめて見たときに、いちばん多くの子が持っている条件はこの2つになります。どちらも、涙が出る側ではなく、涙が付いたあとの毛の側の条件です。

言葉もそろえておきます。涙やけとは、涙が毛に付いたまま時間がたって、毛の色が変わった状態を指す呼び方です。汚れが乗っているのとは違い、毛そのものの色が変わっています。だから、色が変わってしまったあとの毛をこすっても、元の色には戻りません。目のまわりで起きているのは、汚れの付着ではなく、変色です。

Note犬種の話に見えて、色と毛の話です

「涙やけが多い犬種」という並べ方は、たまたま同じ条件を持つ子が集まった結果です。その犬種だから起きているのではなく、その犬種に多い毛の色と毛の量が、跡を見えやすくしています。だから犬種名を覚えても、自分の子に当てはめられません。覚えるなら、色と毛の量という2つの条件のほうです。ミックスの子でも、この2つがそろっていれば同じように目立ちます。

毛の色が薄いと、なぜ涙やけが目立って見えるのですか

変色した毛の色は、赤褐色から茶色にかけての範囲に入ります。この色が、背景になる毛の色とどれだけ違うかで、見え方が決まります。白・クリーム・淡い茶のような薄い毛では、変色した部分だけが浮き上がります。黒や濃い茶の毛では、同じ色に変わっても背景に沈んで、目で拾えません。

毛の色で変わるのは、起きていることではなく見え方です
毛の色同じだけ涙が付いたとき家での確かめ方
白・クリーム跡が輪郭ごと見えます見た目で範囲が分かります
淡い茶・薄いグレー境目がぼやけて見えます明るい場所で写真を撮ります
濃い茶ほとんど見えません指の腹で湿りを探します
黒目では拾えません指の腹と、毛の硬さで見ます

ここから、よくある誤解が生まれます。「濃い毛の子は涙やけが少ない」という言い方は、見えていないだけの場合を含んでいます。色で見つけられない子は、触って探すしかありません。目の下の毛を指の腹でなでて、湿っているか、毛が束になって硬くなっているか。薄い毛の子は目で、濃い毛の子は指で確かめる、と分けておくと見落としが減ります。

目のまわりの毛が多いと、そこで何が変わるのですか

変わるのは、濡れている時間です。目のまわりの毛が多い子ほど、伝ってきた涙が毛のあいだに抱えられて、乾くまでに時間がかかります。毛が少なければ、同じ量の涙は表面を流れて、そのまま乾きます。抱えられた涙は、その場に残ります。色が変わるのは時間がたってからなので、残る時間の長さがそのまま効いてきます。

いちばん下の項目は、原因として言い切れる話ではありません。毛先が目に当たって涙が増えることがある、というところまでで、その子でそうなっているかどうかは家では確かめられません。気になるときは、はさみを持つ前に動物病院かトリマーに見てもらってください。目のまわりは、自分で切ろうとして失敗が起きやすい場所です。

涙の量そのものは、犬種で決まっているのですか

ここは、はっきり書いておきます。涙の量が犬種でどれだけ違うかは、家では測れません。量を比べるには、同じ条件で、同じ方法で測った数字が要ります。目の前の子が「多いほう」なのか「ふつう」なのかを、家の観察から決めることはできません。

そのうえで、涙やけの疑問を持って調べている人が本当に知りたいのは、量ではないことが多いはずです。知りたいのは、いま目の下にある色が、放っておいていいものかどうかです。これは量の話ではなく、変化の話になります。家で数えられるのは、次の3つです。

家で数えられるのは、量ではなく変化のほうです
数えるもの見方何が分かるか
濡れている範囲目頭からどこまで濡れているか広がっているかどうか
乾くまでの時間拭いてから、また濡れるまで追いつけているかどうか
左右の差片側だけ濡れていないか受診の目安になります

この3つは、毛の色にも犬種にも関係なく数えられます。数字を覚えるのではなく、その子の前回と比べるための数字を自分で作る、という形です。1週間おきに同じ時刻で見ると、変わったかどうかが分かります。

犬種のリストは、どう読み替えれば自分の子に使えますか

読み替え方は1つです。犬種名を、条件の言い換えとして読む。リストに並んでいるのは、毛の色が薄く、目のまわりの毛が多い子が多い犬種です。だから、リストに名前があるかどうかではなく、その2つの条件を自分の子が持っているかどうかで判断します。

犬種の情報が役に立たない、という意味ではありません。役に立つのは、条件に置き換えたあとです。置き換えないまま「うちの子はその犬種だから仕方ない」と決めてしまうと、変化が起きたときに気づけません。逆に「その犬種ではないから関係ない」と外してしまうのも、同じ理由で危ないほうに転びます。

2つの条件が重なっている子では、何が起きていますか

2つがそろうと、順番に効いてきます。まず、目のまわりの毛が多いことで、涙が留まる時間が長くなります。次に、毛の色が薄いことで、変わった色がそのまま見えます。片方だけの子と比べて、涙の量が多いわけではありません。時間を作る条件と、それを見せる条件が、両方そろっているだけです。

条件が1つの子と、2つそろっている子 同じ量の涙でも、条件の数で見え方が変わります。左右は重さの違いではなく、そろっている条件の数です。 どちらも家で確かめられるのは、濡れている範囲までです 条件が1つ 毛は薄いが量は少ない 涙が表面を流れて乾く 跡が出るまで日数がある 拭けば指が地肌に届く 見た目で範囲が分かる 条件が2つ 毛が薄く、量も多い 涙が毛に抱えられ残る 早く濃く見えはじめる 拭いても内側が残る 毛を分けないと届かない 変えられるのは毛の量の側だけで、色は変えられません
そろっているほど早く濃く見えます。涙が多いという意味ではありません。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。2つのうち、変えられるのは毛の量の側だけです。色は変えられません。だから、家でできることは色を隠すことではなく、毛のあいだに残る時間を短くすることに寄ります。やることは「色を落とす」ではなく「濡れている時間を減らす」になります。

毛の色によって、家での確かめ方と拭き取りはどう変わりますか

確かめ方は前に書いたとおり、薄い毛は目で、濃い毛は指で、と分けます。拭き取りのほうは、毛の色で変えません。変えるのは、毛の量に合わせた入り方です。毛が多い子ほど、表面をなでるだけでは内側に届きません。

  1. 明るいところで、毛を指で分ける

    目の下の毛を、上下に分けて地肌が見える状態にします。ここを飛ばすと、外側の毛だけを拭いて終わります。窓のそばか、明かりの下でやってください。

  2. 乾いた綿で、まず水分を吸わせる

    こすらず、当てて待ちます。新しい涙は、この段階でかなり取れます。色を落とそうとしてこするのが、いちばん起きやすい失敗です。変色した毛の色は、こすっても戻りません。

  3. ぬるま湯で湿らせた綿を、目頭から外側へ一方向に

    往復させず、一方向に動かします。往復すると、いま取ったものを戻すことになります。目に液が入らない向きを守ってください。

  4. 最後に、乾いた面でもう一度水分を取る

    湿らせたまま終わると、拭いた意味が減ります。濡れている時間を短くするのが目的なので、終わりは必ず乾いた面です。

使うものについても書いておきます。目のまわりに使うものは、目のまわりへの使用が表示に書かれているものだけにしてください。書かれていないものは、目のまわりを想定して作られていません。そのうえで、目の下の毛を分けた内側は、その子が自分では届かない場所です。前足で顔をこすることはできても、目頭から外側へ一方向に、という動きだけはできません。ここは人が代わるしかない場所です。

mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。顔まわりは、拭いたものがそのまま口のほうへ回る場所なので、口に入る前提の基準でつくられていることが、そのまま目のまわりで使える理由になります。使うのは、乾いた綿で新しい涙を吸わせたあとです。綿に含ませてから、目頭から外側へ一方向に動かし、最後に乾いた面でもう一度水分を取ります。目そのものには入れないでください。赤くなっている部分や、じゅくじゅくしている部分にも使わないでください。

犬種差を2つの条件に置き換えて読む

ここまでを畳みます。涙やけの犬種差として語られていることは、毛の色の薄さと、目のまわりの毛の量に置き換えられます。置き換えたあとに残るのは、涙が多いかどうかではなく、濡れている時間が長いかどうかという1つの問いです。

犬種名を条件に置き換えると、こう読めます
よく言われる形条件に置き換えると家でやること
この犬種は涙やけが多い毛が薄く、目のまわりの毛が多い濡れている時間を短くします
この犬種は涙やけが少ない毛が濃くて見えていないことがある指の腹で湿りを探します
犬種が違うから関係ない条件がそろえば同じように出ます毛の色と量で判断します
毛の色を変えたい色は変えられません毛の量の側に手を入れます
Cautionこんなときは、拭き取りを増やす前に動物病院へ

急に濡れる範囲が広がった、片側だけ濡れている、目を細めている、まぶしそうに背けるしぐさが増えた、目やにの色や量が変わった、目のまわりをこすりつけている、皮膚が赤くなっている。こうしたときは、拭き取りを増やす前に動物病院にご相談ください。犬種や毛の色にかかわらず、目そのものの側で何かが起きている可能性があります。いつから、どちら側で、どのくらいの範囲かをメモして、拭かずにそのまま連れて行くと、その場で見てもらえます。

最後にもう一度書いておきます。ここで扱ったのは、見えやすさを決めている条件までです。色が出はじめた理由が体の側にあるかどうかは、家では分かりません。知りたい気持ちが強いときほど、拭き取りの回数を増やすほうへ手が動きますが、増やしても切り分けにはなりません。

毎日やることは、拭く回数を増やすことではありません。朝と夜に一度ずつ、目の下の毛を指で分けて、濡れているかどうかだけを確かめる。濡れていたら乾いた面を当て、濡れていなければ何もしません。これを続けると、その子が1日のどの時間に濡れやすいかが分かってきます。分かってしまえば、手を入れるのはその時間の直後だけで足ります。色を追いかけていたころより、拭く回数はむしろ減ります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。