C12Q&A・豆知識
浸透力とは?犬猫の皮膚では角質層までの話
浸透力とは、犬や猫の皮膚でも、いちばん外側にある角質層までの範囲で水分がどれだけ入り込みやすいかを指す言葉です。それより奥、皮膚の内側や体の中の話は、この言葉に含まれていません。犬用・猫用と書かれた水やミストの説明に「浸透力」と出てきたときも、届く先の話はここで止まっています。mofuwaの資料にある「精製水の35倍」という数字も、自社での比較検証で、しみこみやすさを比べたものです。この言葉でいちばん大事なのは、倍率の大きさより、どこまでを浸透と呼んでいるかのほうです。この記事では、言葉が指している範囲と、そこから言えないこと、そして犬や猫に使ってよいかを何で決めるのかを、8つの問答に分けて書きます。
浸透力とは、どこまで届くことを指す言葉ですか
浸透力とは、角質層までの範囲で、水分や成分がどれくらい入り込みやすいかを指す言葉です。角質層は、皮膚のいちばん外側にある薄い層で、役目を終えた細胞が積み重なってできているとされています。犬でも猫でも、厚さは体の場所によって違い、肉球のように厚いところもあれば、腹のように薄いところもあります。この言葉は、その層のあいだにどれだけ入りやすいかまでを言っていて、その先の話は含んでいません。
なぜここで線が引かれているのか。化粧品や雑貨として売られているものは、皮膚の中で何かを変えるものとして作られていないからです。だから「浸透」という言葉も、角質層までの話として使われるのが通例になっています。表示の端に「※角質層まで」という但し書きが小さく入っているのを、見たことがあると思います。あの一行は、控えめな注意書きではなく、この言葉の範囲そのものを書いたものです。
「よく浸透する」と書かれていると、奥まで届くという意味に読めます。実際には、浸透という言葉を使える範囲が角質層までと決まっているので、どれだけ数字が大きくても、指している場所は動きません。倍率が変わっても範囲は変わらない、という読み方を先に持っておくと、このあとの数字の話が短く済みます。
角質層より奥の話をしていない、とはどういうことですか
角質層より奥の話をしていないというのは、その子の皮膚の中で何が起きるかを、この言葉が引き受けていないという意味です。角質層は、平たい細胞が屋根瓦のように重なった構造をしているとされています。その重なりのあいだには、すき間があります。浸透力が測っているのは、このすき間にどれだけ入り込みやすいかです。すき間より奥には生きている細胞の層があり、さらに奥に血管があります。ここから先は、体の側の話になります。
- 毛の表面に乗る:拭き取ればほとんど取れる範囲です
- 毛の根元と地肌に届く:手ざわりと乾き方が変わる範囲です
- 角質層のすき間に入る:ここまでが浸透力という言葉の範囲です
- その奥へ運ばれる:ここから先は浸透とは呼ばず、別の言葉が使われます
犬や猫の皮膚は、人の皮膚より角質層が薄いとされています。表皮の中ほどにある有棘層で比べた報告では、被毛のある場所は犬でも猫でも1〜2層、人では最大4層とされ、一方で犬の肉球では同じ層が20層に達することもあるとされています。同じ1頭の中でも、場所によってこれだけ違うということです。数字を1つに固めて覚えるより、「人と同じ厚さではない」「体の場所でも違う」という前提だけを持っておくほうが、家では使えます。被毛に隠れていて目で確かめられない場所なので、厚さそのものを家で測ることはできません。
「浸透する」と「吸収される」は、どこで線が引かれていますか
この2つは、確かめている場所が違います。浸透は、角質層のすき間に入ることを指します。吸収は、体の中に取り込まれることを指します。言葉が分かれているのは、言い方の丁寧さの違いではなく、確かめられる範囲が違うからです。
| 言葉 | 指している場所 | 家で分かること |
|---|---|---|
| 表面に乗る | 毛や皮膚のいちばん外側 | 拭けば取れるかどうか |
| 浸透する | 角質層のすき間まで | 乾いたあとの手ざわり |
| 吸収される | 体の中 | 家では分かりません |
| 働く | 体の中で何かが変わる | 動物病院の領域です |
この表の上から2行目までが、化粧品や雑貨の説明で使われる範囲です。だから「浸透力が高い」という説明は、体の中でよく働くという意味を持ちません。そこは別の言葉が担当していて、確かめる方法も、根拠になる法律も違います。言葉が変わる場所が、そのまま責任の変わる場所になっています。
精製水の35倍という数字は、どんな条件で出たものですか
精製水の35倍は、自社での比較検証で、精製水としみこみやすさを比べた数字です。mofuwaの資料にある水分浸透力の数値で、読むときに要る条件は3つあります。
- 比べた相手:精製水です。ほかの製品と比べたものではありません
- 測ったもの:しみこんだ量ではなく、しみこみやすさです
- 誰が測ったか:自社での比較検証によるもので、外部の検査機関による試験結果ではありません
この3つを外して数字だけを置くと、読んだ人が意味を自由に足せてしまいます。倍率は、条件とセットにして初めて読める形をしています。そのうえで、この記事が見ているのは倍率の大きさのほうではありません。35倍でも3倍でも、浸透と呼べる範囲は角質層までで動かない、というところです。数字が変わっても範囲は変わらないので、範囲のほうを先に覚えておくと、別の商品の説明を読むときにもそのまま使えます。
私たちは、社内で数値を書くときに浸透力35倍という置き方をしない決まりにしています。「精製水の35倍(自社での比較検証)」のように、比べた相手と、誰が測ったかを必ず添えます。数字は短く書けるぶん、条件が落ちたまま引用されやすいからです。読む側としても、条件の書かれていない倍率が出てきたときは、そこを補ってから読むほうが安全です。
この数字から言えないことは、どこまでですか
精製水の35倍という比較からは、量が35倍になるとも、その子の皮膚でよく効くとも言えません。確かめられたことより、確かめられていないことのほうが、あとで問題になります。言えない側を並べておきます。
- 35倍しみこむので、それだけよく効きますとは言えません。入りやすさと、体で何が起きるかは別の話です
- 角質層より奥まで35倍届きますとも言えません。測っているのは角質層までの範囲です
- 量が35倍になるという意味ではありません。測られたのは、入りやすさのほうです
- すべての子で同じように起きるという意味でもありません。皮膚の状態も被毛の量も、その日の湿度も、家ごとに違います
- 外部の検査機関が出した数字ではありません。自社での比較検証だと分かったうえで読むものです
こう書くと、数字の値打ちが下がるように見えるかもしれません。実際は逆で、言えない範囲がはっきりしているほど、言える範囲は安心して使えます。浸透力という言葉が角質層までを指していると分かっていれば、「毎日のケアで手ざわりが変わった」という話と、「皮膚の状態が変わった」という話を、混ぜずに済みます。混ぜないでおくと、変化があったときに、どちらの側を見ればいいかで迷いません。
なぜ水の説明に、浸透力という言葉が出てくるのですか
水は、見た目で違いを説明できません。色も、においも、粘りも、並べて見せてもほとんど同じです。だから水そのものの性質を言葉にするときには、何かと比べた測り方を持ってくることになります。入りやすさを比べる、というのはその1つです。浸透力という言葉が水の説明に出てくるのは、その事情からです。
毎日のケアの側から見ると、この言葉が効いてくる場面は限られています。被毛に含ませて使うものは、毛の表面に乗ったままなのか、毛の根元まで届くのかで、拭き取ったあとの手ざわりと、乾くまでの時間が変わります。飼い主が家で感じ取れるのは、この範囲までです。
| 家で起きること | 対応する言葉 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 拭いたそばから乾く | 表面に乗っている | 指の腹で毛の根元を触る |
| 毛の根元がしっとりする | 根元まで届いている | 毛をかき分けて地肌を見る |
| 手ざわりが翌日まで残る | 角質層のすき間に入った | 次の日の同じ時刻に触る |
| 赤みやかゆみが続く | 家では判断できません | 動物病院に相談します |
この表は、下の1行だけ意味が違います。上の3つは家で確かめられる話で、いちばん下は家で確かめてはいけない話です。浸透力という言葉は、いちばん下の行までは届きません。言葉の範囲と、家で見ていい範囲が、ちょうど同じところで切れています。
浸透力が高い水を犬に使っても大丈夫ですか
浸透力の数字そのものは、犬に使ってよいかを決める材料になりません。決めているのは、何が入っているか(成分)と、どこに使うと書かれているか(用途)の2つです。犬に使ってよいかという疑問は、倍率ではなく、この2つを見て決めるものになります。
- 成分の表示があるか:何が入っているかが、読める形で書かれているか
- 用途の表示があるか:犬や猫に使うものとして書かれているか
- 使ってよい場所が書かれているか:目のまわりや口のまわりは、書かれていないなら使いません
- 数字に条件が付いているか:比べた相手と、誰が測ったかが書かれているか
浸透力が高いこと自体は、良いことでも悪いことでもありません。入りやすいという性質を指しているだけなので、入るものが何かによって意味が変わります。だから、倍率を見て安心するのも、逆に不安になるのも、どちらも材料が足りていません。見るのは倍率ではなく、成分と用途の2つです。この順番にしておくと、犬でも猫でも、同じ読み方が使えます。
浸透力とは何かを、毎日のケアの言葉に戻す|疑問が残ったときは
犬や猫のケア用品で「浸透力」を読むときに持っておくのは、範囲と条件の2つだけです。この2つがあれば、別の商品の説明を読むときにも同じ手順が使えます。
| 覚えること | 中身 |
|---|---|
| 範囲 | 浸透力とは、角質層のあいだへの入りやすさを指す言葉です |
| 条件 | 精製水の35倍は、自社での比較検証による、入りやすさの比較です |
毎日のケアでは、この2つで足ります。水を使わずに被毛と地肌をなじませるものは、浸透力という言葉が届く範囲の中で使うものです。皮膚の状態そのものを変えるために使うものではありません。ここを混ぜないでおくと、思ったとおりにいかなかったときに、何を変えればいいかが分かりやすくなります。
浸透力とは何か、という疑問から入って、最後に残るのはたいてい別の疑問です。「うちの子の皮膚は、いま大丈夫なのか」というほうです。これは言葉の意味を調べても答えが出ません。知りたい気持ちが強いときほど、数字ではなく、目の前の地肌を見るほうが早く進みます。
地肌の赤みが2週間以上続く、同じ場所をなめ続けている、フケが急に増えた、においが洗った翌日に戻る、毛が薄くなってきた。こうした変化があるときは、使うものを変える前に動物病院にご相談ください。浸透力のような言葉の意味を調べているあいだにも、皮膚の側は日ごとに動いています。いつから、体のどこで、どんな順番で変わったかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
そのうえで、家で毎日やることのほうです。背中の真ん中と首の後ろは、犬でも猫でも、その子の舌も後ろ足も届かない場所です。地肌に何かをなじませるところだけは、人が代わります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、水以外のものを足していません。清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、なじませたあとにその子がなめても、口に入るものとしての基準を外れません。スキンケアミストの表示にあるのは、この成分の基準と、使ってよい場所のほうです。s7で並べた2つ、成分と用途が読める形になっている、ということになります。浸透力という言葉が届く範囲、つまり毛の根元と角質層のあいだまでが、この1本の持ち場です。だから、使ったあとに確かめるのは倍率ではありません。翌日の同じ時刻に同じ場所を触って、手ざわりが残っているかどうか。指で分かるのは、そこまでです。
浸透力とは何かを調べ終わったあとに残るのは、毎日の10秒です。同じ2か所を、同じ時刻に、指の腹で10秒さわる。1か月続けると、翌日まで手ざわりが残る日と、拭いたそばから乾く日の差が、自分の指で分かるようになります。言葉の意味を調べるより、この差を1か月ぶん持っているほうが、その子については多くを教えてくれます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
