C08季節・行事

花が届いた日の夜、口のまわりをしきりに気にしている

公開日 2023年5月11日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のテーブルで、薄い色の花のそばに静かに座っている白い猫
花が増えた日に動くのは、部屋の中の高さの並びのほうです。写真:Min An/Pexels

テーブルに花を置いた日の夜、その子は前足で口のまわりを8回こすりました。いつもの夜なら2回か3回です。その日に家の中で増えたものを数えると、花瓶が1つと、その花瓶が立っている床から70センチという高さだけでした。花粉が落ちる先は、花の真下の床とは限らないところにあります。鼻先で受け取った粉を前足が受け取り直し、毛づくろいがそれを口のまわりまで運ぶからです。花を飾った日から片づける日までを、高さと回数という2つの数字で追いかけると、夜に増えたしぐさの出どころが1本の線でつながります。

花瓶の高さが70センチだった夜|花粉と口のまわりがつながった経験

その夜に変わったのは、部屋の中の高さの並びだけです。ダイニングテーブルの上に花瓶が1つ増え、床から70センチのところに花が咲いている状態になりました。椅子に飛び乗れる猫なら、鼻先はそのまま花の高さに並びます。小型犬なら鼻先は床から25センチから35センチなので、花には届きません。届かない子の口のまわりに花粉がつくのは、花から直接もらうのではなく、いったん床を経由するからです。

花を置いた高さと、鼻先が届く高さの並び
置き場所床からの高さ鼻先がその高さに並ぶ子粉が落ちる先
床に直接置いた花瓶0〜20センチ犬も猫も全員花瓶のまわり40センチの床
ローテーブル35〜40センチ中型犬。座った猫真下の床と、そこを歩いた足の裏
ダイニングテーブル70〜75センチ椅子に乗れる猫真下の床と、椅子の座面
玄関の靴箱の上90〜120センチ届かない子が多い真下の床。出入りの風で広がる
吊るした壁掛け140センチ以上いない真下の床。掃除で舞い上がる

この表の右端が、数えるものの出発点です。花粉は真下に落ちて終わりません。人が通るたびに空気が動き、粉は花瓶を中心に半径50センチほどまで散ります。その範囲の床を、その子は1日に何度も歩きます。肉球の側面と、指のあいだの毛。粉が最初に乗るのはここで、鼻先が花に届かない子でも、足の裏から先に受け取っています。

もう1つ数えるのが、口のまわりを気にした回数です。前足でこする、床や布に顔の側面をこすりつける、舌で口のまわりをなめる。この3つを、夜の1時間だけ数えます。1時間で8回を超えた日と、花瓶がどこにあった日かを並べると、置き場所との対応がその週のうちに見えてきます。花が届いた日の夜に数えておくと、比べる相手が手元に残ります。

花を飾ること自体をやめる話にはなりません。どの花がその子に合わないかは種類ごとに違い、家で見分けられるものでもないので、ここで扱うのは花粉が毛のどこへ乗り、どの順で口のまわりへ移るかまでです。置く高さと、その下を通る回数。変えられるのはその2つで、どちらも今夜のうちに動かせます。

鼻先から前足へ、そして毛づくろいへ|花粉が口のまわりに集まる理由

花粉が口のまわりに集まるまでには、3つの受け渡しがあります。鼻先か足の裏で受け取る、前足の甲へ移る、毛づくろいで口のまわりへ運ぶ。最後の受け渡しをしているのはその子自身なので、口のまわりの粉は、置き場所を変えないかぎり毎日そこへ戻ってきます。

花粉が口のまわりへ届くまでの3つの受け渡し 花から落ちた粉は、まず床を歩く足の裏と、においをかいだ鼻先に乗ります。前足の甲へ移ったあとは、その子の毛づくろいが口のまわりまで運びます。最後の1本を運んでいるのが本人なので、口のまわりだけを拭いても、翌日には同じ場所へ戻ります。 花の下 床の粉 前足 甲と指 口まわり 毛づくろい 歩いて拾う なめて運ぶ 口のまわりだけを拭いた場合 前足に残ったぶんが翌日戻る 気にする回数が下がらない 床と前足で止めた場合 運ぶもとの量が減る 毛づくろいの回数がそのまま減る
止める場所は口のまわりではなく、粉が乗る前の床と前足です。

粉がどこに残るかは、被毛のどの層に入ったかで変わります。毛先に乗っただけの粉は、ブラッシングで落ちます。根元まで届いた粉は、毛が立ち上がるたびに動くので、その子は同じ場所を何度も気にします。口のまわりの毛は、体の毛より短くて密に生えています。短い毛の根元は洗い流しにくく、乗った粉が日をまたいで残りやすい場所です。気にする回数が夜に増えるのは、日中に運んだぶんがそこで積み上がるからです。

この時期は換毛期と重なります。抜けかけた毛が被毛の中に浮いたまま残っていると、粉はその毛に絡んで、根元の側へ入りこみます。ブラッシングをした日としない日で、夜に口のまわりを気にした回数が変わるのはここが理由です。抜けかけた毛を先に抜いておくと、粉が留まる足場そのものが減ります。

窓を開けて過ごす日が増える時期でもあります。外の空気が入るぶん室内の空気は動き、床に落ちた粉は同じ場所に留まりません。掃除機をかけた直後に舞い上がって、少し離れた床へ落ち直すこともあります。乾いた風の日には毛先に静電気が残り、浮いた毛が粉を引き寄せます。うるおいが残っている毛はここで粉を離しますが、乾いた毛先は離しません。

猫では、この受け渡しの回数がもともと多くなります。起きている時間のうち毛づくろいに使う割合が犬より大きく、前足の甲を口へ運ぶ動作そのものが日課だからです。犬は床に顔をこすりつけて落とそうとし、猫は自分の口へ運んで片づけようとします。同じ花粉でも、犬は床に、猫は口のまわりに集まりやすいという違いが、この動作の差から出てきます。

置く高さと拭く順を決める|花粉と口のまわりをめぐる毛づくろいの考え方

変えられるのは3つです。花を置く高さ、その下を通る回数、そして拭く順番。どれも花を捨てずにできます。順番は上から決めていきます。高さを動かすと通る回数が変わり、通る回数が減ると、拭く場所が1か所に絞れるからです。

  1. 1|高さを90センチより上へ、通り道から50センチ外へ

    鼻先が届かない高さへ上げ、さらに、その子が1日に何度も通る線から50センチ離します。真下に落ちる粉の受け皿は、この50センチのぶんだけ通り道から外れます。玄関の靴箱の上は高さでは足りていますが、出入りのたびに風が通る場所なので、粉は床へ運ばれます。風の通らない壁側へ寄せてください。

  2. 2|花瓶の真下に、洗える布を1枚敷く

    受け皿を作っておくと、床の掃除が1枚の洗濯で済みます。敷く範囲は花瓶を中心に40センチ四方。布の色は薄いほうが、落ちた粉が目で分かります。毎日たたんで洗えば、床に積もる量が増えません。積もらなければ、足の裏に乗る量も増えません。

  3. 3|帰宅後と寝る前、前足を先に拭く

    口のまわりの前に前足です。運ぶ側を止めないと、口のまわりだけ何度拭いても翌日に戻ります。指のあいだと、甲の毛の根元。この2か所を1本ずつ開いて拭きます。前足が2本で40秒ほど、4本でも1分半で終わります。

  4. 4|毛先から根元へ、ブラッシングで浮いた毛を抜く

    抜けかけた毛が残っていると、粉が絡む足場になります。毛先をほどいてから根元へ入るのが順番で、逆にすると毛が締まります。換毛期のあいだは1日1回。背中と脇のあとに、口のまわりの短い毛を、目の細かいもので下へ向かって整えます。

  5. 5|最後に口のまわりを、押さえるように拭く

    こすると、短い毛の根元に粉が入ります。含ませたものを当てて、2秒待ってから離す。この押さえ方なら、毛の向きを変えずに粉だけが移ります。夜の回数を数えているなら、拭いた時刻も一緒に書いておくと、翌日の下がり方が読めます。

5つ目に使うのがmofuwa スキンケアミストです。口のまわりは、その子が1日の終わりに何度も舌で触る場所で、そこへ置いたものは毛づくろいの流れに乗ってそのまま口へ入ります。運ぶ相手が分かっているのだから、置くもののほうを、口に入ったあとまで見て決めることになります。この一本は高機能性電解酸化水だけでできていて、口の中に直接使える水です。だから拭いたあとに毛づくろいを止めさせる必要がなく、数えている回数を無理に下げずに済みます。

香りを足していないことも、花のある部屋では意味が変わります。部屋にはすでに花の香りがあり、その子の鼻はそこに自分のにおいを重ねて地図を作り直しています。香りのついたものを口のまわりへ置くと、地図の中心にもう1つ知らないにおいが立ち、確かめようとして口のまわりを触る回数が増えます。水のにおいしかしないものを使うと、拭いたこと自体は回数に足されません。耳のふちや目の下のように、他のものを置きにくい場所へも同じように届きます。

体の被毛のほうは、ブラッシングの前にmofuwa グルーミングスプレーを吹きかけておくと、毛先が静電気で浮かなくなります。浮いた毛は粉を引き寄せる側なので、梳かすあいだに毛が絡まないことが、そのまま足場を減らすことになります。うるおいの残った毛先は粉を離しやすく、根元まで入り込むぶんが減ります。抜けかけた毛が多い時期ほど、この一手間で梳かし終わるまでの時間が短くなります。

Caution花を片づけたのに、夜の回数が下がらないとき

花瓶を高さ90センチより上へ動かして3日たっても、夜の1時間に口のまわりを気にする回数が8回から下がらない/気にするのが片側だけに寄っている/口のまわりの毛が薄くなってきた/こすったあとの地肌が赤く見える/よだれが増えて、あごの毛先が濡れたまま乾かない。この残り方は、花粉が乗った場所の話だけでは説明がつきません。置き場所を変えても数字が動かないとき、動かしている条件と、その子が気にしている理由が別のところにあります。数えた回数と、花瓶を置いていた高さを日付つきで書いた紙を持って、動物病院で診察を受ける日を決めてください。何日目にどの数字が止まったのかが、紙1枚でそのまま伝わります。そのうえで、家では前足から拭く順番を続けます。

花がしおれるまでの1週間|口のまわりの毛づくろいが増える背景

切り花が家にある日数は、だいたい5日から10日です。花粉がいちばん多く落ちるのは、届いた翌日から3日目まで。この山のあいだに置き場所を決めてしまえば、残りの日数はそのまま過ぎます。数えている回数も、山を越えた4日目から下がりはじめます。

花が届いてからの1週間で、手を入れる場所と数字の動き
日花の側で起きることその日にやること夜の1時間の回数
1日目花が開き、粉が落ちはじめる高さと通り道を決め、布を敷く8回前後まで上がる
2〜3日目落ちる量が最も多い前足を1日2回、口のまわりは寝る前に1回同じか、少し下がる
4〜5日目落ちる量が減る布を洗い、ブラッシングを1日1回に5回前後まで下がる
6〜7日目花が終わりに向かう花瓶を片づけ、真下の床を拭く3回前後。元の数字に戻る

右端の列が、この1週間の物差しです。日数でも、拭いた回数でもありません。4日目に下がらない場合だけ、条件のほうを疑います。下がるなら、置き場所と拭く順番は合っています。花をもらう機会はこの時期に重なりやすく、次にまた同じことが起きます。高さと通り道の数字を紙の隅に残しておけば、次は届いたその日に置き場所が決まります。

毛づくろいそのものを減らす話ではありません。運んでいるのはその子の日課で、そこを止めると別のところに無理が出ます。減らすのは、運ばれるもとの量のほうです。床に積もる粉が減れば、前足に乗る量が減り、口のまわりへ届くぶんも自然に減ります。花のない時期も、前足を拭いてから mofuwa スキンケアミストで口のまわりを押さえる順番は、そのまま残しておけます。手を入れる場所を、いちばん上流の40センチ四方に置いておくのは、そのためです。

今夜できるのは、花瓶の高さを測って紙に書くことと、寝る前の1時間だけ回数を数えることです。この2つの数字がそろえば、明日の置き場所は、迷わずに決まります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。