C08季節・行事
花火の日から、風呂場の脱衣所が寝場所になった
近所で花火が上がった夜、その子は廊下の突き当たりにある風呂場の脱衣所へ入り、洗濯機と壁のすき間で朝を迎えました。音のない夜が戻っても、夜の10時を過ぎると、同じすき間へ自分から歩いていきます。脱衣所が寝場所になって10日ほどたつと、朝に戸を開けた瞬間、湿った毛のようなにおいが鼻に来るようになりました。床を拭いて消臭スプレーをかけても、においは2日目の朝には戻ってきます。戻ってくるにおいの出どころは、脱衣所の床より先に、毎晩そこで横になる体の側にあります。この記事では、掃除をした日からにおいが戻るまでの日数を数えながら、寝場所を元に戻さずに脱衣所を整えていく道すじをたどります。
洗濯機と壁のすき間を選んだ背景|花火の夜から風呂場が寝場所になるまで
花火の音は、夜の8時少し前から30分ほど続きました。最初の数発で、その子はリビングのソファの下へ入りました。それでも音が届くとわかると、廊下を奥へ歩いて、風呂場の脱衣所の、洗濯機と壁のあいだに体を押し込みました。その家の脱衣所には小さな換気扇があるだけで、外に面した窓がありません。家の中でいちばん壁に囲まれた、外の音の遠い場所です。
音がやんだあとも、その子は出てきませんでした。床はクッションフロアで、洗濯機の横は夏の夜でもひんやりしています。翌朝、戸を開けると、すき間の奥で丸くなったまま、顔だけをこちらへ向けていました。脇腹の下には、足ふきマットの端が敷きこまれていました。
その夜から、寝場所は脱衣所になりました。リビングの寝床は空いたままで、音のない夜でも、10時を過ぎるとその子は自分から廊下を歩いていきます。怖い音から逃げこんだ場所が、そのまま静かに眠れる場所として覚えられたのだと考えられます。猫でも同じことが起きます。猫の場合は、洗濯機の上の棚や、ふたを閉めた浴槽の上が選ばれやすく、脱衣所の中でも高いところに寝場所ができます。
| 脱衣所の条件 | その子にとって | においとの関係 |
|---|---|---|
| 外に面した窓がない、または小さい | 花火の音が、壁を何枚も隔てて遠くなる | 空気が入れ替わりにくい |
| 洗濯機と壁のすき間 | 背中と脇腹を、同時に壁につけられる | 体の片側が、一晩じゅう床に触れる |
| クッションフロアの床 | 夏の夜でも、ひんやりしている | 毛から移った皮脂が、表面に薄く残る |
| 足ふきマット | やわらかく、家族のにおいがする | 湿ったまま、毎晩皮脂を受け取る |
困りはじめたのは、10日を過ぎたころのにおいです。朝に戸を開けると、湿った毛と、古くなった皮脂がまざったようなにおいが、狭い脱衣所にこもっています。家族が夜に風呂を使うと、脱衣所には浴室の湯気が流れこみ、換気扇を回しても朝まで湿ったままです。そこへ、その子が一晩じゅう横になっています。
最初にしたのは、床の拭き取りと消臭スプレーでした。洗濯機の横を水拭きして、足ふきマットを洗い、仕上げに部屋用の消臭スプレーを床とマットに吹きました。その日の夜はにおいません。けれど2日目の朝、戸を開けると、同じにおいが戻っていました。ここから、においが戻るまでの日数を数えはじめます。
戻るまでがいつも2日だった理由|風呂場の寝場所に毎晩運ばれてくるもの
床を拭いた日から2日。マットを洗った日からも2日。消臭スプレーを吹いた日からも、やはり2日でした。どこを掃除しても同じ日数で戻るなら、そのにおいは掃除した場所から出ているのではなく、毎晩あとから運ばれてきています。運んでいるのは、その子の体です。
毛の根元には、皮膚から出た皮脂が少しずつたまっていきます。夏の終わりは、散歩のあとの汗や部屋の湿気を毛が吸って、皮脂が毛の中に広がりやすい時期です。その毛が一晩じゅう、脱衣所の床とマットに触れていれば、皮脂は床の表面へ薄く移ります。拭き取りで床をきれいにしても、翌晩には同じくらいの量が、同じ場所へ戻ってきます。
においを強くしているのは、脱衣所の湿度です。夜の入浴のあと、浴室の戸を開ければ湯気が流れこみ、脱衣所の湿度は一気に上がります。皮脂は、湿った温かい場所で雑菌が増えるにつれて、においが強くなっていきます。風呂場の隣で一晩横になる毛とマットは、においの出やすい条件を、毎晩くり返していることになります。換気扇は湯気を外へ出しますが、床に移った皮脂までは運び出してくれません。
消臭スプレーは、いまそこにあるにおいに向けて使うものです。吹いた日の夜は、脱衣所に入ったときのにおいを感じにくくなります。けれど翌晩には、体が新しい皮脂を運んできます。消臭を部屋の側だけで続けているうちは、においの戻る日数は2日のまま動きません。日数を延ばすには、においの出どころのほうを減らす必要があります。
もう1つ、寝場所が脱衣所に移ってから変わったことがあります。水の食器がリビングに置いたままで、夜のあいだ、その子が水を飲みに来なくなっていました。夏の終わりの夜に、寝場所と水の食器が廊下の端と端に離れているのは、においとは別に、見直したい並びです。
床より先に体を洗う考え方|風呂場の寝場所で消臭の順番を入れ替える
寝場所は脱衣所のまま動かさず、においの出どころのほうを順に減らしていきます。花火の夜に自分で選んだ場所を取り上げると、その子は次の音の夜に、もっと奥の、もっと狭いすき間を探します。脱衣所を寝場所として整えるほうが、においの戻る日数を同じ場所で数え続けられます。
- 足ふきマットをはずして、洗える寝床を置く:その子が選んだすき間の手前に、カバーをはずして洗える寝床を1つ置きます。マットは毎日家族の足で湿りますが、寝床は夜のその子のためだけのものになります
- 最後の入浴のあと、30分換気してから通り道を開ける:浴室の戸を閉めたまま換気扇を回し、脱衣所の湿度が下がってから、その子の通り道を開けます。浴槽の残り湯は抜いておきます。小型犬や猫が夜中に浴槽のふちへ上がって、足を滑らせることがあるためです
- 水の食器を脱衣所の入口に移す:寝場所から3歩の場所に置き直すと、夜中に水を飲みに廊下を往復しなくて済みます
- 洗剤と柔軟剤のボトルを棚へ上げる:床に置いたボトルは、夜のあいだその子の鼻の高さにあります。香りの強いものを寝場所から遠ざけておくと、脱衣所に残るにおいがどこから来ているのかも、かぎ分けやすくなります
そのうえで、においの出どころである体を洗います。脱衣所を寝場所にした子にとって、隣の風呂場は、もう知らない部屋ではありません。毎晩その戸の前で眠っているからです。花火の前なら浴室の前で足を止めていた子でも、いまなら寝場所から数歩で湯のそばまで行けます。この家では、その体を洗うのにmofuwa入浴シャンプーを使いました。
mofuwa入浴シャンプーは、浴槽や桶に張ったお湯に溶かし、そこへ体を浸けて洗うシャンプーです。お湯そのものが洗浄液になるので、被毛をかき分けて泡を地肌まで届かせる手間がなく、ごしごし擦る時間もありません。一晩じゅう床に触れていた脇腹やお尻まわりの毛の根元まで、浸けた部分にはむらなくお湯が回ります。泡を擦って運ぶより、地肌まで届けやすい洗い方です。
擦らなくても皮脂が落ちるのは、アミノ酸系の洗浄成分に、パパインという天然の酵素を合わせてあるためです。酵素が皮脂やたんぱく質の汚れを分解して、お湯の中へ浮かせていきます。浸けているうちにお湯が白く濁ってくるのは、毛の中にたまっていた汚れが出てきたしるしです。脱衣所のにおいがどこから来ていたのかを、その場で目で確かめられます。
すすぎも軽く済むので、浴室にいる時間そのものが短くなります。花火の夜に怖い思いをした子を、長いあいだ浴室に立たせておかずに済みます。保湿のためのセラミドや植物のエキスも入っていて、洗ったあとの地肌がつっぱりにくいようにつくられています。猫なら、浴槽に浸けるところまで急がず、桶に溶かしたお湯で、お尻まわりと後ろ足だけを洗うところから始めます。高い棚やふたの上で眠るときも、下になっているのはそこだからです。
体を洗った日から、また日数を数えます。同じように床を拭き、寝床のカバーも洗って、そこから何日目の朝ににおいが戻るかを見ます。2日だった日数が、4日、5日と延びていけば、脱衣所のにおいの大部分は、体が運んでいたものです。延びた日数のぶん、消臭スプレーを吹く回数も減らせます。
体を洗った翌日から数えても、2日たたずに同じにおいが戻ってくる/においが体全体より、耳のなか、口もと、お尻のどれか1か所に寄っている/音のない日にも、脱衣所から昼まで出てこない。このどれかが続くときは、においの出どころが皮脂のほかにあるのかもしれません。洗っても日数が延びないのは、そのしるしです。においが戻るまでの日数と、体のどこからにおうかを書いたメモを持って、動物病院へ行く日を決めます。日数の並びがあれば、脱衣所の話から始めずに、体の話から聞いてもらえます。
においの戻る日数が延びていく変化|風呂場の隣を寝場所のままにしておく
寝場所を元のリビングへ戻す必要はありません。9月に入って花火の音がなくなっても、その子が脱衣所で眠り続けるなら、そこはもう、その子が自分で決めた寝場所です。季節の変わり目で雷の夜が減っていくころには、脱衣所の寝床と、入口の水の食器と、最後の入浴のあとの換気が、家の夜の決まりごとに入っています。
| いつ | やること | 数えるもの |
|---|---|---|
| 最後の入浴のあと | 浴室の戸を閉めて30分換気し、残り湯を抜く | 数えない |
| その子が入る前 | 寝床の位置と、入口の水の食器を確かめる | 数えない |
| 朝、戸を開けたとき | においがするかどうかをかぐ | においのしなかった朝の数 |
| においが戻った朝 | 床を拭き、寝床のカバーを洗う | 前に洗った日からの日数 |
| 日数が縮んできたころ | 入浴シャンプーで体を洗う | 洗った日からの日数 |
においの戻る日数は、体を洗った直後がいちばん長く、そこから少しずつ縮んでいきます。縮みはじめたところが、次に体を洗う目安です。消臭スプレーを先に手に取るのは、その日数が思いがけず短くなった朝だけで足ります。
脱衣所の戸を開けて、においのしなかった朝を、カレンダーに1つずつ書き足していきます。その印が週に5つ、6つとそろってくれば、風呂場の隣は、その子にとっても家族にとっても、においを気にせずに眠れる寝場所になっています。
Product
mofuwa 入浴シャンプー
400ml / 3,410円(税込)
浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
