C09シーン別・暮らし

車内のにおいを楽にする、多頭飼いの人の毎日の習慣

公開日 2023年9月23日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の車内で、後部座席に2頭の毛色の淡い犬が落ち着いて座っている
席が決まっている家ほど、車の中のにおいは場所ごとに分かれていきます。写真:Arijit Dey/Pexels

車の後部座席を、右のドアから開けた日と、左のドアから開けた日で、においが違いました。右のほうが重く、皮脂の混じったにおいがします。同じ車の、同じ日の、同じ時間です。3頭と暮らしていると、車の席はだれが決めたわけでもないのに固定されていきます。いちばん体の大きい子が後部座席の右、小さいほうの子が左、猫はキャリーに入って足元。それを毎回くり返しているうちに、どの子がどこに座ったかが、そのまま車の中のにおいの地図になっていました。ペットの多頭飼いで車のにおいを考えるとき、最初に開くのはこの地図です。この記事では、席をひとつだけ入れ替えると、その地図が読めるようになるという話を書きます。

3頭とも、毎回おなじ席に座ります|多頭飼いの車のにおいが分かれる背景

多頭飼いをしていると、車に乗せる順番と席は、話し合って決めたわけでもないのに固定されていきます。最初の数回でいちばん収まりのよかった配置が、そのまま毎回の配置になります。ドアを開けて、その子が自分から同じ場所へ乗り込むようになったら、もう決まったのと同じです。頭数が増えるほど、この固定は強くなります。3頭ぶんの居場所を毎回組み替えるより、決まっているほうが乗せ降ろしが速いからです。

席が固定される理由は、多頭飼いの家ごとに違います。ただ、どの家でも共通しているのは、その理由が「においとは関係のないところ」で決まっていることです。安全のため、乗り降りの順番のため、けんかにならないため。においのことを考えて席を決めた人は、たぶんいません。それなのに、結果としてにおいのほうが席に従います。

家の中では、多頭飼いでも1頭ずつ分けられるものがあります。寝床は別々に置けますし、食器も水皿も頭数ぶん用意できます。汚れたら、その子のぶんだけ洗えます。ところが車の中には、頭数ぶんに分けられるものがほとんどありません。座席は共有で、布は縫い付けられていて、空気は1つです。分けられるのは席の位置だけ。だからこそ、席の位置だけがにおいの記録として残ります。

Note席を決めていること自体は、変えなくて構いません

多頭飼いの車で席が固定されているのは、乗せ降ろしの安全と、その子たちの落ち着きのためでもあります。この記事で変えたいのは席そのものではなく、席が固定されているせいで、においの出どころが分からなくなっていることのほうです。あとで出てくる入れ替えも、1回きりの確認のためのものです。ずっと入れ替えたまま乗ってください、という話ではありません。

ペットと車で出かける回数が週に1回だとしても、1年で50回を超えます。多頭飼いなら、その50回のあいだ、同じ子が同じ布の上にいたことになります。1回あたりは短くても、同じ場所に同じ条件が積み上がる回数としては、家の寝床に次ぐ多さです。車のにおいが「なんとなく全体的に」ではなく、場所ごとに濃さが違って感じられるのは、この積み上がり方の差から来ています。

においは空気より先に布へ移る|ペットと乗る車で、席ごとに差が出る理由

車のにおいと言うと、空気の話に聞こえます。実際に鼻が受け取っているのは空気ですが、そのにおいを持っているのは、たいてい布のほうです。体から出た皮脂が、座っているあいだに布へ移ります。移った皮脂に湿りが加わり、そこで雑菌が増えると、においの質が変わっていきます。空気はそれを運んでいるだけなので、窓を開ければ一時的に薄くなりますし、閉めればまた戻ります。

車が特殊なのは、閉じていることと、人が乗らない時間のほうが圧倒的に長いことです。週に1回の外出なら、車は1週間のうち160時間以上、閉じたまま停まっています。晴れた日の車内は温度が上がります。温度が上がって、布に皮脂が入っていて、そこにわずかな湿りがあれば、雑菌にとっての条件はそろいます。乗っている数時間で育つのではなく、乗っていない残りの時間で育ちます。

多頭飼いの車で、席ごとに積み上がっているもの
席座っている子1回あたりの時間布に残りやすいもの
後部座席・右いちばん体の大きい子移動のあいだずっと背中と脇の皮脂。触れる面が広いぶん量が多い
後部座席・左小さいほうの子半分は膝の上足まわり。外から持ち帰ったもの
足元のキャリー猫扉を開けないままキャリーの底の布にだけ集まる
運転席のうしろだれも座らない0分前の席から流れてきたぶんだけ

この表を見ると、同じ車の中でも条件がまったく違うことが分かります。触れている面積が違い、乗っている時間が違い、外から持ち帰るものが違う。4つの席が、4つの別々の記録をとっています。ペットの多頭飼いで車のにおいが分かりにくくなるのは、この4つを1つの「車のにおい」としてまとめて嗅いでしまうからです。まとめてしまうと、いちばん強い席のにおいが全部を代表してしまいます。

もう1つ、多頭飼いならではの事情があります。体についたものが、頭数のあいだで行き来していることです。家で寄り添って寝れば、においは移ります。同じラグの上を歩けば、そこでも移ります。だから、車に乗る前の時点で、3頭のにおいはすでにいくらか混ざっています。それでも席ごとに差が出るということは、混ざったあとでもなお、席に固有の条件が残っているということです。差が出ているうちは、地図として読めます。

Point換気をしたあとでは、地図が読めません

窓を開けて走ると、車内のにおいは一時的に薄くなります。ただし、薄くなったのは空気のほうだけで、布に残っているものは動いていません。席ごとの差を確かめたい日は、換気をする前、閉じたままの車のドアを開けた最初の一呼吸で嗅いでください。走ったあとや、窓を開けて停めたあとに嗅ぐと、いちばん知りたい差が消えています。ふだんの換気をやめる必要はありません。確かめる日だけ、順番を変えます。

席をひとつだけ入れ替える|ペットの多頭飼いで車のにおいの出どころを確かめる考え方

ここからが、この記事の中心です。席を入れ替えるのは1回で足ります。2頭ぶんの席を交換して、そのあとの車のにおいがどう動いたかを見ます。においが席に残ったままなら、原因は布の側にあります。においが子について移動したなら、原因は体の側にあります。多頭飼いだと1頭ずつ試すのは大変ですが、席の交換なら1回で2頭ぶんの情報が取れます。

  1. 入れ替える前の日に、席ごとに嗅いで書き留める

    閉じたままの車のドアを開けて、右・左・足元・運転席のうしろの順に嗅ぎます。言葉にして残してください。「右が重い」「左は薄い」で構いません。点数をつけるなら4段階までにします。細かくしすぎると、3日後の自分と比べられなくなります。

  2. 次に乗る日、右と左の子だけを入れ替える

    ほかは何も変えません。同じ道、同じくらいの時間、同じ窓の開け方。変える条件を1つに絞るのが要点です。乗る前に体を拭くなら、それもいつもどおりの拭き取りにしておきます。この日だけ念入りにやると、あとで読めなくなります。

  3. 帰宅後は、いつもの手順だけをして、席には手を入れない

    帰宅後の拭き取りは続けて構いません。ただし、シートを外して洗う、消臭のものを吹く、といったことは3日間だけ止めます。布の側に何もしないでおくのが、この3日間の役割です。気になるときは窓を少し開けて停めておく程度にとどめます。

  4. 3日おいてから、もう一度、席ごとに嗅ぐ

    1日目と同じ条件で嗅ぎます。閉じたまま、換気をする前、ドアを開けた最初の一呼吸。1日目に書き留めたものと並べて比べてください。ここまでで、車のにおいが席についているのか、ペットについているのかが分かれます。

読み方は4通りです。多頭飼いの車で起きることは、だいたいこの4つのどれかに落ちます。大事なのは、どれに当たったかで、次に手を入れる場所が変わることです。全部やる必要はありません。

3日後に嗅いだ結果と、手を入れる場所
3日後にどうなっていたか読み取れること手を入れる場所
右が重いまま、左は薄いままにおいは席に残っている布の側。シートに敷いているものを見直す
重さが右から左へ移ったにおいはその子について動いた体の側。帰宅後の拭き取りの順番
両方とも重くなった頭数ぶんが車全体に回っている換気と、閉じている時間そのもの
どちらも変わらない乗っている時間の外で育っている停めている場所と、日ざしの当たり方
においが席に残るか、子について動くか 席をひとつ入れ替えて3日おくと、車のにおいが布の側にあるのか、体の側にあるのかが分かれます。手を入れる場所は、そのどちらかだけで足ります。 変える条件は席だけ。道も時間も窓もいつもどおりに 席に残った 原因は布の側にある シートに敷くものを入れ替える 洗える布に替えると差が出る 体の側は今までどおりでよい 子について動いた 原因は体の側にある 帰宅後の拭き取りの順番を変える 皮脂の多い子を最後に回す 布の側は今までどおりでよい どちらでもないときは、停めているあいだの条件を見ます
多頭飼いの車では、1回の入れ替えで2頭ぶんの答えが同時に出ます。

布の側だと分かったときの話をします。いちばん確実なのは、シートに敷いているものを洗える布に替えて、席ごとに使い分けることです。頭数ぶん用意して、右用と左用を混ぜない。家では寝床も食器も1頭ずつ分けているのに、車の布だけ共有になっている家は多いはずです。ここを分けるだけで、次に嗅いだときの地図がはっきりします。

とはいえ、毎回洗って乾かせる日ばかりではありません。布は席ごとに2枚ずつ用意して、1枚を使っているあいだにもう1枚を洗う形にしてください。週に1回の外出なら、2枚あれば回ります。乾かしきってから車へ戻すことだけ守ってください。湿ったまま敷くと、閉め切った車内でいちばん増えやすい条件を、こちらから作ることになります。多頭飼いなら、右用と左用に印をつけておくと、次に嗅いだときの地図がずれません。

体の側だと分かったときは、帰宅後の拭き取りの順番を変えます。多頭飼いでいちばん起きやすいのは、1枚の布で3頭を続けて拭いて、いちばん皮脂の多い子のものを次の子へ運んでしまうことです。拭く布は頭数ぶん分けて、順番はいちばん皮脂の多い子を最後に回します。乗る前に拭くのも同じ順です。ここを変えると、次の入れ替えのときに、においの動き方がもっとはっきり読めるようになります。

拭き取りの順番を変えても、体から出る皮脂そのものは毎日出ます。座ったときにシートへ当たる背中と尾のつけ根は、その子が自分ではいちばん届かない面です。ここを地肌まで洗えるのは、人が代わる日だけになります。mofuwa モイストシャンプーに入っている洗浄成分は、アミノ酸系のものだけです。合成の洗浄成分を足して落ちをよくする組み立てにはなっておらず、量そのものも抑えてあって、泡立ちは原料の水に使った電解水が補っています。多頭でも同じ1本を頭数ぶん通すことになるので、中身が1系統に決まっていることが、そのまま条件をそろえることになります。落としきる方向へ寄せていないぶん、洗ったあとにトリートメントを重ねる工程が入りません。多頭飼いだと、この工程は頭数ぶん増えます。3頭なら3回です。1頭あたり10分の工程が消えれば、浴室で待たせる時間は30分ぶん短くなります。減っているのは飼い主の手間だけではなく、その子たちが浴室で耐える時間のほうです。洗う順番も、車の拭き取りと同じで、皮脂の多い子を最後に回してください。

2週間で、においの地図が書き換わる|ペットと乗る車のあとに起きた変化

入れ替えて読み取ったら、そこからの2週間は、決まった場所にだけ手を入れます。4つの席ぜんぶを同じようにケアするのをやめる、というのがいちばん大きな変化です。右が重かったなら右だけ、体の側だったなら拭き取りの順番だけ。多頭飼いは頭数のぶんだけ手が増えますが、場所を絞れば、増えたぶんはそこで止まります。

2週間たったら、もう一度、閉じた車のドアを開けて席ごとに嗅ぎます。地図は毎回同じではありません。季節が変われば布に残る条件も変わりますし、頭数が変わればもちろん変わります。ペットの多頭飼いで車のにおいと付き合うというのは、この地図を年に何度か描き直すことだと考えるほうが続きます。1回で終わらせる作業にすると、次に濃くなったときに、また車全体をやり直すことになります。

地図が描けるようになると、今まで「車がにおう」としか言えなかったものが、「右の席が、先月より重い」と言えるようになります。これは多頭飼いの家では大きな違いです。頭数が多いほど、一頭ごとの変化は全体の中に埋もれます。席という固定された場所を持ち出すことで、その埋もれた変化に手がかりを1つ足せます。

Cautionにおいの質が変わったときは、席の話ではありません

濃さではなく質が変わったときは、車の布の話から離れてください。甘いにおい、つんとしたにおい、いつもと種類の違うにおいが1頭から出ている。耳や口のまわり、おしりのまわりから出ている。皮膚が赤い、その場所をなめている、排泄の様子が変わった。元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、席を入れ替える前に、動物病院にご相談ください。多頭飼いでは、においが混ざっているぶん、1頭の変化に気づくのが遅れがちです。迷ったら早いほうを選んでください。

最後に、この記事でやったことを一行にまとめます。車の席は決まっている。決まっているから、においは場所ごとに積み上がる。だから、席を1回入れ替えれば読める。多頭飼いの車のにおいは、頭数で割って考えるとどこから手をつけていいか分からなくなります。頭数ではなく、座席の数で考えてください。ペットが3頭いても、席は4つしかありません。地図は、それくらいの粗さで十分に描けます。

Product

mofuwa モイストシャンプー

mofuwa モイストシャンプー

300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。