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短頭種とは?骨格から生まれる特徴

公開日 2023年9月1日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のブランケットの上で、静かに顔を上げている淡いクリーム色の小さな犬
頭の形の呼び名は、顔つきを説明するための言葉ではなく、骨の長さのバランスを指す言葉です。写真:https://kaboompics.com//Pexels

短頭種と呼ばれる骨格の話では、顔のしわ、涙の通り道、呼吸という3つが、いつも一緒に出てきます。別々の悩みのように見えて、出どころは1つです。短頭種とは、鼻から口の先までが短い骨格の呼び名です。病名でもありませんし、特定の犬種や猫種を指す名前でもありません。頭の形を長さで3つに分けたときの、いちばん短い側の呼び方として使われています。そして短くなっているのは鼻づらの骨の長さだけで、その中に収まっている組織の量は変わらないとされています。同じものが、短いところに収まっている。この一行を持っておくと、しわも、涙の通り道も、呼吸の話も、同じ1つの理由から説明できます。この記事では、短頭種とは何を指す言葉なのかを先に置いたうえで、毎日のケアで見る場所がどう決まるかまで書きます。

短頭種とは、鼻から口までが短い骨格の呼び名です|この言葉が指している範囲

先に定義を置きます。短頭種とは、鼻から口の先までの部分が、頭の幅に対して短い骨格の呼び名です。ここでいう「短い」は、比べる相手があってはじめて意味を持ちます。比べているのは、同じ動物の中での頭の形どうしです。鼻づらが長い側から、中くらい、短い側へと並べたときに、いちばん短い側に付いている名前が短頭種にあたります。

この呼び名は犬だけのものではありません。猫にも同じ言い方が使われます。短頭種とは品種の名前ではなく、頭の骨の長さのバランスを指す分類の言葉です。だから混じり合った子でも、鼻づらが短い側にあればその呼び名に入ります。逆に、同じ呼び名でまとめられていても、短さの程度はその子ごとに違います。境目が引かれた言葉ではなく、幅のある言葉として持っておくほうが正確です。

頭の形を長さで3つに分けたときの呼び名
呼び名鼻から口までの長さこの記事での位置づけ
長頭頭の幅に対して長い側比べるための一方の端
中頭長い側と短い側の中間いちばん幅が広い
短頭頭の幅に対して短い側この記事で扱う骨格

3つに分けてあるだけなので、この表から分かるのは長さの位置だけです。短頭種とは、その位置を指す言葉であって、体の状態を説明する言葉ではありません。ここを混ぜてしまうと、呼び名だけでその子のことを決めてしまうことになります。何を指さない言葉なのかも、あわせて並べておきます。

Noteこの記事で「〜とされています」と書いている理由

頭の骨格と、その中に収まっているものの関係は、解剖の分野で調べられてきたことです。ただ、家庭で確かめられる種類の話ではありません。この記事では、短頭種とは何を指す言葉かという部分だけを言い切り、体の中で起きていることについては「〜とされています」の形で書きます。断定したほうが読みやすいのですが、断定できる立場ではないので、そこは崩さないようにしています。

短くなっているのは鼻づらの骨だけ|短頭種という言葉の背景にある、量は変わらないという話

短頭種という言葉の背景にある、いちばん大事な一行はここです。短くなっているのは鼻づらの骨の長さで、その中に収まっている組織の量は変わらないとされています。皮膚も、涙が抜けていく道も、空気の通り道も、鼻づらが短くなったぶんだけ小さくなるわけではないという話です。同じものが、短いところに収まっている。短頭種とは何かを一言で言うと骨格の呼び名ですが、その呼び名の中身を一言で言うと、この状態を指しています。

顔の皮膚から考えると分かりやすいと思います。骨の長さが短くなっても、その上に張っている皮膚が同じ割合で減るわけではありません。余った皮膚は行き場をなくして、折り重なります。これがしわです。しわは飾りでも、その子だけの癖でもなく、長さの差がそのまま形になったものです。だから、しわの深い子ほど、皮膚と骨の長さの差が大きいという読み方ができます。

涙が抜けていく道も同じ考え方で説明されます。目の内側から鼻へ向かって、涙が流れ落ちていく細い道があります。鼻づらが短くなると、この道が通る距離も短くなります。距離が短くなっても、通り道そのものが要らなくなるわけではないので、短い区間の中に同じ道を収める形になります。目のまわりが濡れやすいという話が短頭種とセットで出てくるのは、このためだとされています。

鼻から喉へ向かう空気の通り道についても、同じ理屈で語られています。通り道の距離は短くなりますが、その中にあるものの量は変わらないとされています。結果として、同じものがより狭いところに収まる形になり、空気の通り道に負担がかかりやすいとされています。ここは家で確かめられる話ではないので、この記事では「そう言われている」までにとどめます。断定はしません。

短頭種の骨格で、短くなるものと短くならないとされるもの
短くなるもの短くならないとされるもの
鼻から口の先までの骨の長さ顔の皮膚の量
涙が抜けていく道の距離鼻の中にある組織の量
鼻から喉までの空気の通り道の距離口の中にある組織の量
外から見える顔の長さのどのまわりにある組織の量
同じものが、短いところに収まる 鼻づらが長い骨格と短い骨格を、同じ項目で並べたものです。短くなるのは長さのほうで、中に収まっている組織の量は変わらないとされています。 程度はその子ごとに違い、はっきりした境目のある分け方ではありません 鼻づらが長い骨格 鼻から口までの骨が長い 皮膚は骨に見合って張る 涙が抜ける道の距離が長い 空気の通り道の距離が長い 収まっている量は同じ 鼻づらが短い骨格 鼻から口までの骨が短い 余った皮膚が折り重なる 涙が抜ける道の距離が短い 空気の通り道の距離が短い 収まっている量は同じ 変わらないとされているのは、いちばん下の行です
しわ・涙の通り道・呼吸が同時に出てくるのは、3つとも同じ長さの差から来ているためです。

左右の下の行だけが同じで、そこから上がすべて違う。この形が、短頭種という言葉の背景です。長さが変わって、量が変わらない。差が出た分は、どこかに収まるしかありません。その収まり方が、しわであり、涙の通り道であり、呼吸の話です。3つを別々に数えていると手が足りなくなりますが、出どころが1つだと分かると、毎日のケアで見る場所も1つの考え方でまとめられます。

しわ・涙の通り道・呼吸は、同じ1つの理由から出てきます|短頭種の骨格で起きる変化

ここから、家で目につくことの側に降ろします。飼い主が気づくのは骨の長さではなく、しわの内側が湿っている、目のまわりが濡れている、鼻を鳴らす音がする、といった変化のほうです。この3つは、それぞれ別の場所で起きているように見えて、たどっていくと同じ長さの差に着きます。下の表は、目につくことと、その裏にある長さの差と、家で見ておくことを並べたものです。

家で目につくことと、その裏にある長さの差
家で目につくことそこにある長さの差家で見ておくこと
顔のしわが深い皮膚が余って折り重なる内側が乾いているか、湿ったままか
目のまわりが濡れやすい涙が抜ける道の距離が短い濡れている範囲が広がっていないか
鼻を鳴らす音が出る空気の通り道の距離が短いいつ出るか、どのくらい続くか
口のまわりが湿る口が閉じきらないことがある食後にどのくらい湿っているか
暑い日にばてやすいとされる口で熱を逃がしにくいとされる涼しい時間に切り替えられているか

しわから見ていきます。折り重なった皮膚の内側は、外から風が入りません。濡れたときに乾くのがいちばん遅いのは、いつもこの内側です。顔を拭いたつもりでも、拭いているのは折り目の外側だけということが起こります。しわの深い子で毎日のケアが必要になるのは、汚れが多いからではなく、乾く順番がいちばん後ろに来るからです。皮膚の変化は、この乾ききらない時間の長さについてくることが多いとされています。

涙の通り道も、同じ「距離が短い」から出てきます。抜けていく先が短い区間に収まると、涙は目のまわりにとどまりやすくなります。とどまった涙は毛につき、毛は乾いたり濡れたりを繰り返します。家で見えるのは、濡れているかどうかと、濡れている範囲が先週より広がっているかどうかまでです。そこから先の理由を家で決めることはできません。範囲の変化だけを覚えておいて、動物病院で話すときの材料にするのがいちばん役に立ちます。

呼吸については、この記事はいちばん手前で止まります。空気の通り道の距離が短くなり、その中に収まっているものの量は変わらないとされているので、負担がかかりやすいとされます。ここまでです。音が出ること自体をその子の個性として片づけることも、逆に音が出たら必ず何かがあると決めることも、どちらも家でやることではありません。短頭種とは骨格の呼び名であって、呼吸の状態を説明する言葉ではないからです。

Caution呼吸の音と、暑い日の変化は、家で見分ける話ではありません

いびきのような音が前より大きくなった、音が出ている時間が長くなった、少し歩いただけで口を大きく開ける、暑い日にぐったりする。こうした変化は、毎日のケアで整えられる種類のものではありません。短頭種とは骨格の呼び名なので、その呼び名だけで「こういうものだから」と片づけないでください。気になる変化があるときは、動物病院にご相談ください。相談するときは、いつから、どんなときに出るのかを言えるようにしておくと話が早くなります。

骨格は変えられないので、変えられるほうを毎日に置く|犬と暮らして分かる短頭種の考え方と経験

考え方をひとつに絞ります。骨の長さは変えられません。変えられるのは、濡れている時間の長さと、そこに手が届く回数のほうです。短頭種とはどういう骨格かが分かると、この2つをどこに置けばいいかも決まります。折り重なっているところと、濡れているところ。毎日見る場所は、この2つだけで足ります。全身を毎日やろうとすると続きませんが、2か所なら数分で終わります。

犬と暮らしていて分かってくるのは、日によって「今日はどこが遅れているか」が違うということです。散歩から帰った日は鼻のまわりが湿っていて、水を飲んだあとは口のまわりが濡れています。毎日同じ場所をやるより、その日いちばん湿っているところを1か所選ぶほうが、手が足りなくなりません。この選び方は、経験で身につく部分が大きいところです。1週間続けると、その子の湿りやすい順番が見えてきます。

  1. しわは「開いてから、押さえる」

    拭こうとすると、折り目の外側だけをこすることになります。指で軽く開いて、内側に布を当てて、こすらずに押さえる。水分を移す動きだと考えると力の加減が決まります。開いたときに湿っているか乾いているかが、その日の状態です。

  2. 目のまわりは、湿らせてから動かす

    乾いた布でいきなり動かすと、毛の側を引っぱります。先に湿らせて、ついているものを浮かせてから、目から外へ向かって一方向に。往復させないほうが、周りの毛に広げずに済みます。強くやる必要はありません。

  3. 鼻と口のまわりは、食後に一度

    口が閉じきらないことがある骨格では、食後に水や食べたものが口のまわりに残りやすくなります。食器を下げるついでに一度当てておくと、乾いてから固まるのを避けられます。10秒で終わる工程なので、習慣に乗せやすいところです。

  4. 触る順番を毎日固定する

    顔から始めると嫌がる子が多いので、背中や肩から入って顔で終わる、という順番を固定します。順番が同じだと、その子は次に何が来るかが分かるので、顔に手が届くようになります。被毛のケアと同じ流れの中に入れてしまうのがいちばん続きます。

4つの手順のうち、しわの内側と口のまわりは、その子自身の口も前足も入らない場所です。顔をこすることはできても、折り目の内側までは毛づくろいが届きません。毎日見ると決めた2か所は、どちらも人の手でしか触れない場所です。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。折り目の内側や口のまわりのように、ほかのものを置きにくいところまで手を伸ばせるのは、この基準があるからです。布に含ませてから、しわは開いて押さえる、目のまわりは湿らせてから外へ一方向、口のまわりは食後に10秒。3か所とも道具は布1枚で足りるので、順番を固定してしまえば数分で終わります。目には入れないでください。

そのうえで、家で決めないと決めておく線があります。呼吸の音、暑い日の様子、目のまわりの濡れている範囲が広がり続けること、しわの内側の地肌が赤いこと。この4つは、毎日のケアで持ちこたえる話ではありません。いつからか、どのくらい変わったかを覚えておいて、動物病院にご相談ください。骨格の呼び名を知っていることは、受診をおくらせる理由にはならず、むしろ何を見て伝えるかを決めるために使えます。

最後に、短頭種とは何だったかをもう一度置きます。鼻から口までが短い骨格の呼び名で、短くなっているのは長さだけ。中に収まっている組織の量は変わらないとされる。しわも、涙の通り道も、呼吸の話も、そこから出ています。3つを別々の悩みとして数えると手が足りなくなりますが、1つの理由から来ていると分かれば、毎日見る場所は「折り重なっているところ」と「濡れているところ」の2つに畳めます。短頭種とは、その2つを決めるための言葉でもあります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。