C05犬種・猫種別ケア

チワワはなぜ涙やけが起きやすいのか。短毛から考える

公開日 2023年10月10日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のブランケットの上に短毛の小型犬が座っている
顔が小さいと、目から下りてきたものと、口から広がったものが同じ場所で会います。

チワワの目頭から口角までは、大人の指を二本並べたくらいの長さしかありません。そこへ涙が下りてきます。同じ場所に、水を飲んだあとの水滴も、ごはんの食べこぼしも届きます。白い毛のチワワの涙やけが分かりにくいのは、この三つが同じ場所で重なるからです。顔の面積が小さいということは、それぞれが行き場を分け合えないということでもあります。目の下から口のまわりまでが一続きの薄い色になって、どこからが涙でどこからが水なのか、見た目では線が引けません。この記事は、その一つに見えている色を分けて考えるための読みものです。

口の横まで指二本ぶん|チワワの涙やけに気づいた日の経験

白い毛のチワワと暮らしていると、ある日ふと、顔の下半分が全体に薄く色づいていることに気づきます。目の下だけではありません。目頭のあたりから、口角の外側、下唇のすぐ下まで、同じような薄い色が一続きにつながって見えます。拭くと少し薄くなって、夕方にはまた同じところが同じ色に戻っている。そういう気づき方をします。

そのとき、多くの飼い主が最初に思うのは涙のことです。チワワの涙やけという言葉が先に頭に浮かぶので、目のまわりを拭きます。ところが、目のまわりだけをていねいに拭いても、顔全体の色は思ったほど変わりません。目の下は少し明るくなるのに、口角の外側は同じままです。拭き方が足りないのだと考えて、回数を増やす。それでも同じ場所が戻ってくる、というところで手が止まります。

一日を見ていると、その場所が濡れる場面はいくつもあります。水を飲んだあと、器から顔を上げた瞬間に口のまわりが濡れています。ごはんのあと、舌で口の外側をなめます。眠りから起きたときにも、口の横が湿っていることがあります。同じ数センチ四方が、一日のうちに何度も、違う理由で濡れています。そして、乾ききる前に次の理由がやってきます。

チワワの顔は小さいので、この重なりが起こりやすい形をしています。目と鼻と口が近い場所に集まっていて、そのあいだに広い面がありません。涙が落ちる先も、水がはねる先も、食べものが触れる先も、ほとんど同じ場所になります。顔の大きい犬なら別々の場所に分かれて出るものが、チワワでは一か所に集まる。だから、一つの色に見えます。

ここで大事なのは、拭き方が悪かったわけではないということです。色が一つに見えていたので、原因も一つだと考えて手を入れた。そこがずれていただけです。チワワの涙やけを考えるときは、まず「これは何種類の色なのか」を決めるところから始まります。分けられれば、手を入れる場所も、入れる時間帯も変わってきます。

Note白い毛は、出やすさではなく見えやすさを変えます

白やクリームの毛のチワワでは、色の変化がはっきり出ます。濃い色の毛の子で同じことが起きていても、目には見えません。白い毛だから色がつきやすい、という意味ではありません。見えているぶん、早い段階で気づけるということです。気づけるのは有利な条件なので、そこから何が起きているかを分けていけば足ります。毛の色そのものを気にする必要はありません。

涙が下りる距離が短い|チワワの涙やけの背景にある顔の作り

チワワの顔を横から見ると、目が大きく、前のほうに位置していて、そこから口までがすぐです。目頭から口角までの距離が短いということは、涙が下りきるまでの道が短いということです。顔の大きい犬なら、涙は頬の上を長く通ってから口元へ届きます。その途中で乾く時間があります。チワワには、その途中がほとんどありません。

短毛であることも、この距離を縮めます。長い毛は、涙を毛の途中で受け止めて、毛の中に抱えます。短い毛では抱える場所がないので、涙は毛の表面と皮膚の上をそのまま下ります。途中で止まらないぶん、下りる速さも早い。目のふちからあふれた涙が、乾く前に口のまわりへ届く、という順番になります。ここがチワワの涙やけの背景にある、いちばん基本的な作りです。

口のまわりには、別の湿りが集まっています。水を飲むとき、チワワは器に顔を入れます。顔が小さいので、器の縁が口角のすぐ横に当たる高さになりやすい。飲み終わったあと、口のまわりだけでなく口角の外側まで濡れます。ごはんのときも同じで、食べものが触れるのは口の中だけではありません。そのあと舌でなめる範囲も、口角の外まで広がります。

つまり、上から下りてきた涙と、下から広がった水分が、口角のあたりで出会います。出会った場所は、一日のうちで乾いている時間がいちばん短くなります。涙やけという言葉で語られる色の変化は、濡れている時間が長い場所に出ます。チワワでは、その条件を満たす場所が、目の下ではなく口角の外側になることがあります。目のまわりを拭いても顔全体の色が変わらなかったのは、このためです。

チワワの顔で、同じ場所に届いているもの
どこから来るか届く場所濡れる場面
目頭からあふれた涙目の下から口角へ、細い線で一日じゅう、少しずつ
水を飲んだあとの水滴口角の外側、あごの先飲むたび。回数が多い
食べものと、なめた舌下唇の下から口角の外へ食後。まとまった量
眠っているあいだの湿り口角の下、あごの下側起きた直後

この表を見ると、色の濃さが場所によって少しずつ違う理由も見えてきます。それぞれの汚れは、届く高さが少しずつずれています。涙は上から細く、水は口角から横へ、食べものは下唇の下から。ただ、範囲が狭いので、三つの縁が重なってしまう。重なった部分だけが濃く、外側にいくほど薄くなる。白い毛のチワワの顔に出る色が、境目のないぼんやりした形になるのは、そのためです。

Point長毛のチワワでは、同じ色が別の形で出ます

チワワには短毛の子と長毛の子がいます。長毛では、涙は毛の中に抱えられて、毛先へ運ばれてから乾きます。そのぶん色が出る場所は目の下から離れ、範囲は縦に長くなります。短毛では距離が短く、色は口のまわりに集まります。同じチワワでも、毛の長さで色の形が変わるということです。この記事は短毛の側の話として読んでください。長毛の子では、毛先まで含めて見る必要があります。

一つの色を、三つに分けて見る|チワワの涙やけの考え方

分け方の手がかりは二つあります。色の上端がどこにあるかと、いつ濃くなるかです。形だけでは分かりませんが、この二つを合わせると、ほとんどの場合で線が引けます。明るい場所で、正面ではなく少し斜め下から顔を見てください。チワワは顔が小さいので、近づきすぎると全体が見えなくなります。

  1. 色の上端が、目頭に届いているかを見る

    上端が目頭まで届いていて、そこから細い線になって下りているなら、涙が通った道です。上端が目頭に届かず、口角のあたりから始まっているなら、それは涙とは別の由来になります。目のまわりの色を見るときは、濃さより先に上端の位置を見てください。ここが、三つを分ける最初の線になります。

  2. 食後と、食前で濃さを比べる

    ごはんの前に一度、食べ終わって三十分ほどしてからもう一度、同じ場所を見ます。食後にだけ濃くなる場所があれば、そこは食べものと舌が届いている範囲です。涙由来の色は、食事の前後で急に変わりません。一日のうちで濃さが動くかどうかが、二つ目の手がかりです。

  3. 水を飲んだ直後に、どこが濡れるかを見る

    器から顔を上げた瞬間を一度だけ見てください。器の縁が当たっている高さと、濡れている範囲の上端が同じなら、その色は水の側です。チワワは顔が小さいので、器の形によって濡れる範囲が大きく変わります。ここは、家で変えられる条件がいちばんはっきりしている場所でもあります。

  4. 指の背を当てて、いま湿っているかを確かめる

    色は、これまでに濡れていた時間が残ったものです。今日どうなのかは色では分かりません。指の背を当てて、ひやりとするかどうかで、今日の湿りを見てください。色が濃いのに乾いているなら、それは過去の記録です。色が薄いのに毎日湿っているなら、これから濃くなります。

上端の位置と、濃くなる時間帯で三つに分ける
色の上端濃くなるとき家で変えられる条件
目頭に届いている細い線特定の時間帯はない濡れている時間を短くする
口角のあたりから外へ水を飲んだあと器の縁の高さと、器の形
下唇の下から広がる面食後三十分ほど食後に一度、押さえて乾かす
あごの下側起きた直後寝床の面が湿っていないか

三つに分かれたら、手の入れ方も分かれます。涙の線は、目のふちに近いところから下向きに、湿らせた布を当てて数秒待つ。こするのではなく、待って移します。短毛なので、巻きを開くような下ごしらえは要りません。そのかわり皮膚がすぐそこにあるので、力を入れると赤くなります。当てて、乾いた面で押さえて終わりです。目のすぐそばなので、布は目に向かって動かさないでください。

水と食べものの側は、拭き取りより先に条件を変えるほうが効きます。器の縁が口角に当たっているなら、浅くて広い器に替えるだけで濡れる範囲が変わります。顔の小さいチワワでは、器の深さが数センチ違うだけで、口角まで濡れるかどうかが分かれます。食後については、拭くのではなく乾いた布で一度押さえるだけで足ります。押さえる工程を食事の一部にしてしまうと、思い出さなくても続きます。

拭く回数を増やす方向へは寄せないでください。拭くという行為そのものが、そのたびに毛と皮膚を濡らします。チワワは顔が小さく、同じ場所に手が集中しやすい。回数を増やすほど、濡れている時間の合計はかえって長くなります。朝と、食後と、寝る前。多くても三回と決めて、そのかわり毎回、押さえて乾かすところまで終える。この形のほうが続きますし、皮膚への負担も少なくなります。

布を湿らせるものについても、決めておくと迷いません。拭いた直後、そこへいちばん早く届くのは、その子自身の舌です。目頭から口角まで指二本ぶんしかない顔では、拭いた範囲と、舌が回る範囲がほとんど重なります。布へ移しているのは mofuwa スキンケアミストです。目のふちのすぐ横へ当てるものとしてこれを選べるのは、成分表に並ぶものがない電解水100%で、拭いたあとに残るのが水の側だからです。使うのは、目頭から下りている細い線にだけです。器の高さで変えられる水の側と、食後に押さえる食べものの側には要りません。布の面を折り替えて、上端の高いところから下へ、一方向に。三つに分けた意味は、道具を当てる範囲もそこで分かれるところにあります。

Caution顔が小さいぶん、力の加減が難しくなります

チワワの目のまわりは、皮膚が薄く、そのすぐ下に目があります。指の力をそのまま伝えると、拭いたあとに赤くなることがあります。布を持つ手ではなく、顔を支える手のほうに注意を向けてください。顔を固定しようとして強く押さえると、そちらのほうが嫌がられます。動く日は、無理に押さえずに一か所だけで終える。全部を一度にやりきる必要はありません。

同じ場所の色でも、出方が変わったとき|チワワの涙やけで見ておきたい変化

ここまでは、顔の作りと短い毛で説明のつく色の話でした。三つに分けて、それぞれに手を入れているのに出方が変わるときは、別の見方をしてください。色が濃いかどうかではなく、これまでとの違いのほうを見ます。次のような変わり方は、拭き取りを続けて様子を見る対象ではありません。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

目を細めている、しばたたきが増えた、目のふちが赤い、腫れている、前足で顔をこすり続けている、目やにの色や量が変わった、よだれが増えた、片方だけ急に濡れるようになった。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。チワワは顔が小さいぶん、変化が起きても範囲が狭く、見た目の差が小さく出ます。迷ったときは早いほうを選んでください。

相談に行くときは、色の写真だけでなく、いつから、片方か両方か、どの時間帯に濃くなるかの三つをメモしてください。この記事で分けた三つの手がかりが、そのまま伝える材料になります。写真を撮るなら、正面からと、斜め下からの二枚。斜め下からのほうが、口角の外側まで写ります。前の晩にきれいに拭いてから連れて行くと、いちばん見てほしい状態が消えます。気になっている場所は、触らずにそのまま連れて行ってください。

毛の色そのものについても、期待の置きどころを決めておくと楽になります。いま付いている色は、これまでに濡れていた時間が毛に残ったものなので、こすっても動きません。変わるのは、これから生えてくる毛のほうです。短毛のチワワでも毛は入れ替わっていくので、濡れている時間が短くなれば、新しい毛の色は変わります。今日と昨日を比べるのではなく、月の単位で比べてください。日ごとに比べると、拭く回数だけが増えていきます。

チワワと暮らすうえで、目と鼻と口が近いという顔の作りは変わりません。涙の落ちる先と、水や食べものが触れる場所が重なるのも、そこから来ています。変えられるのは色そのものではなく、その狭い場所が乾いている時間の長さです。色を三つに分けて見る。器の縁の高さを見直す。食後に一度だけ押さえる。どれも顔の作りを変える話ではありませんが、乾いている時間は確実に増えます。チワワの涙やけと長く付き合っていくなら、手をかける先はそこになります。

Product

mofuwa スキンケアミスト

mofuwa スキンケアミスト

200ml / 3,300円(税込)

アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。