C05犬種・猫種別ケア

ミニチュアダックスフンドのケア|背中のベタつきを減らす3つの習慣

公開日 2023年10月17日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの中、明るい色の木の床に立っている胴の長い小型犬
床にいちばん近いのは背中ではなく腹側です。ベタつきが先に出る場所も、そこから決まります。

ミニチュアダックスフンドを抱き上げて、腹側に手のひらを当てると、指の腹に細かいものが残ることがあります。背中をなでたときには、何も残らなかったのに、です。ベタつきを探すとき、多くの方はまず背中に手を伸ばします。けれどこの犬種は胴が長く、脚が短い。体のいちばん低い面である腹が、床のすぐ上を移動しています。床の細かいほこりと、体から出た皮脂は、そこで最初に出会います。ミニチュアダックスフンドのベタつきは、背中の話になる前に、腹側で始まっています。この記事では、なぜ腹側が先なのかを書いたうえで、背中を拭く前に腹を見る、という順番の手順をまとめます。

床までの距離が短い|ミニチュアダックスフンドのベタつきが腹側から出る理由

ミニチュアダックスフンドは、胴が長く、脚が短い犬です。この作りは見た目のためにできたものではなく、地面の下にいる獲物を追って穴へ入るという仕事から来ています。前脚は太く、胸は深く、胴は前から後ろへ長い。その結果として、体のいちばん低い面である腹側が、床のすぐ上を移動します。ミニチュアダックスフンドのベタつきを考えるとき、最初に置きたいのはこの高さの話です。

床の上には、目に見えないほこりや、外から持ち込まれた細かいものが、いつも薄く積もっています。毎日掃除をしていても、ゼロにはなりません。胴が長い犬は、その面のすぐ上を、腹を近づけたまま前へ進みます。体から出た皮脂と、床の細かいものが出会う場所が、腹側です。皮脂だけならさらっとしていますが、そこに細かいものが混ざると、指の腹に残る感触に変わります。ベタつきという言葉で言い表しているのは、たいてい混ざったあとの状態のほうです。

被毛のタイプは、スムース・ロング・ワイヤーの3つがあります。毛の長さも手ざわりも違いますが、どのタイプでも、腹が床に近いという条件そのものは変わりません。ロングは腹側の飾り毛が長いぶん床に触れる面が増え、スムースは毛が短いぶん皮脂が地肌の近くに留まり、ワイヤーは硬い毛のあいだに細かいものがひっかかります。タイプごとに出方は変わっても、先に手を入れる場所が腹側であることは同じです。

一方で背中は、その子の体で床からもっとも遠い面です。上からほこりが乗ることはあっても、こすれて混ざることはありません。それでも多くの方が、ベタつきを探すときにまず背中へ手を伸ばします。目に入るのが背中だからです。見えている面と、先に変わっている面が、この犬種では上下に分かれています。ミニチュアダックスフンドで「拭いているのに手ざわりが変わらない」と感じる時間の多くは、ここから生まれます。

腹側と背中で、条件がどう違うか ミニチュアダックスフンドは胴が長く脚が短いので、腹側が床のすぐ上を移動します。皮脂とほこりが混ざる面と、上から乗るだけの面では、手を入れる頻度が変わります。 床までの距離で、2つの面に分かれます 腹側(床に近い面) 床までの距離がいちばん短い ほこりと皮脂がその場で混ざる 谷になっていて風が通らない 拭く頻度は1日1回で足りる 背中(床から遠い面) 床とこすれる場面がない 上から乗るほこりだけが載る 毛が寝ていて風が通りやすい 拭く頻度は週に2〜3回 腹側で混ざったものは、寝る姿勢と体のひねりで背中側へ移ります
同じ一頭でも、床までの距離が違えば、ベタつきの出かたも変わります。
Note背中は汚れない、という話ではありません

腹側が先だと書きましたが、背中にベタつきが出ないという意味ではありません。これは順番の話です。腹側で混ざったものは、寝るとき、体をひねるとき、抱き上げられるときに、体の側面から背中側へ移っていきます。背中だけを拭き続けると、移ってくる元のほうがそのまま残ります。ミニチュアダックスフンドのベタつきを減らしたいときは、出口ではなく入口の側から手をつけてください。

背中より先に腹側へ|ミニチュアダックスフンドのベタつきに家でできる5手順

ここからが手順です。ミニチュアダックスフンドのベタつきに家でできることは、順番さえ決めてしまえば1回3〜4分で終わります。道具を増やすより、手を入れる順番を固定するほうが早く進みます。次の5手順を、上から順にたどってください。毎日のケアとして続けられる長さに収めてあります。

  1. 手順1:背中を拭く前に、腹側へ手のひらを当てる

    立たせたまま、体の横から手を差し入れます。胸の下からみぞおち、内ももへと手のひらを滑らせてください。この時点では拭きません。指の腹に何かが残るかどうかだけを見ます。背中へ手を伸ばすのは、この確認が終わってからです。ひっくり返す必要はありません。

  2. 手順2:手が止まる場所を、1回につき1か所だけ決める

    前脚のつけね、胸の下、みぞおち、内もも、しっぽのつけねの下。順に滑らせていくと、どこかで手のひらが引っかかります。引っかかった場所を1か所だけ選んで、その日はそこだけを扱ってください。ミニチュアダックスフンドは胴が長いぶん、腹側を一度に全部拭こうとすると、途中で体をひねられて終わります。

  3. 手順3:乾いた布で、毛の流れに沿ってなでる

    力を入れず、毛の流れの向きへ3〜4回。逆立てないでください。ここで落ちるのは、混ざったもののうち乾いている側だけです。それだけでも、指に残る感触は変わります。布は毛羽の少ない綿のものを、腹側専用に1枚決めておくと迷いません。ブラッシングを組み合わせるなら、この手順の前に入れます。

  4. 手順4:それでも残る場所にだけ、湿らせた布を当てる

    布を水で湿らせて、垂れない程度に固く絞ってから当てます。脇の下や内ももは皮膚が薄いぶん、冷たさに驚く子が多い場所です。当てる前に一度自分の手の甲へ置いて、冷たすぎないか確かめてください。動かす向きは手順3と同じ。こすらずに、押さえて離す動きで足ります。

  5. 手順5:最後に背中へ移り、布の面を変える

    腹側で使った面をそのまま背中に当てると、混ざったものを運んでいるだけになります。布を折り直して、使っていない面を出してから背中へ移ってください。背中は毛の流れに沿って、首から腰へ一方向。ここまでで1回のケアが終わります。

この5手順で要になるのは、1と5です。1で腹側を先に見て、5で布の面を変える。この2つが入っているかどうかで、同じ時間をかけても残るものが変わります。逆に、手順2から4は、その日の様子で1つ飛ばしても構いません。乾いた布だけで終わる日があってよいのが、この順番の利点です。

Point立たせたまま、横から手を入れてください

腹側を見ると聞くと、仰向けにひっくり返す姿を思い浮かべる方が多いのですが、胴が長い犬にとって、背中を床につけた姿勢は落ち着けるものではありません。立たせたまま、体の横から手のひらを差し入れれば、胸の下から内ももまでは届きます。片手で胸を支えて、もう片方の手だけを動かすと、体をひねられても崩れません。姿勢を変えないほうが、ミニチュアダックスフンドの毎日のケアとして続きます。

拭く頻度は上と下で変わる|ミニチュアダックスフンドの毎日の手順でつまずく3つ

手順そのものはこれで足りますが、続けていくと止まる場所が3つあります。3つとも、腹側と背中を同じものとして扱おうとしたときに起こります。先に見ておくと、ミニチュアダックスフンドのベタつきに手をかけた時間が、そのまま結果につながりやすくなります。

  1. つまずき1:腹側と背中を、同じ頻度で拭こうとする

    腹側は床のすぐ上を毎日移動しています。背中はそうではありません。同じ頻度にすると、腹側が足りないか、背中が過剰になるかのどちらかになります。腹側は1日1回の短い確認、背中は週に2〜3回。この配分にすると、1回あたりの時間はむしろ短くなります。

  2. つまずき2:仰向けにして、いちどに全部やろうとする

    胴の長い犬を仰向けにすると、背骨に沿って体を支えるものがなくなります。嫌がる子が多いのは、腹を触られるからではなく、姿勢が安定しないからです。立たせたまま、片側ずつ。左を今日、右を明日でも構いません。1回を短くするほど、翌日も同じことができます。

  3. つまずき3:気になったぶんだけ、洗う回数を増やす

    ベタつきが指に残ると、洗ってしまいたくなります。ただ、洗う回数を増やすと、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで減ります。減ったぶんを補おうとして、皮脂の出るほうが動くこともあります。換毛期で毛が動く時期も同じです。増やすのは洗う回数ではなく、腹側を確かめる回数のほうにしてください。

ミニチュアダックスフンドで、場所ごとに変わる拭く頻度の目安
場所頻度の目安使うもの
胸の下・みぞおち1日1回。手のひらで確かめて、必要な日だけ拭く乾いた布
内もも・脇の下2〜3日に1回。皮膚が薄いので、力を入れない乾いた布、残る日は湿らせた布
前脚のつけね散歩から帰った日。床の細かいものが集まりやすい場所です乾いた布
背中・腰週に2〜3回。腹側で使った面は使わないブラッシングのあとに乾いた布
しっぽのつけねの下週に1回。見落としやすいので、曜日を決めておく乾いた布

頻度を場所ごとに分けておくと、忙しい日にどこを削るかが決まります。削るのは背中のほうです。腹側の1日1回は、拭く作業ではなく手のひらを当てる確認なので、抱き上げるついでに済みます。ミニチュアダックスフンドは抱き上げる場面の多い犬種なので、その動作に確認を重ねてしまうと、思い出さなくても回るようになります。

拭く頻度と同じで、洗う日そのものも上と下で条件が違います。腹側は毛が薄めで地肌が近く、指に何か残る日が続くと、洗う日を前へ寄せたくなります。ただ、洗う日に動かせるのは回数ではなく、落とす量のほうです。いちばん薄い場所から先に乾くので、落としすぎた翌日は、腹側だけ手ざわりの戻りが早くなります。

mofuwa モイストシャンプーが配合していない成分は11あります。その中に、落ちる力を上げるために使われることの多いサルフェートと石油系界面活性剤が入っています。腹側のように地肌が近い面を毎日見ている犬種では、選ぶ物差しは落ちやすさより、外してあるものの側に置くほうが合います。洗う日にも手順1は同じで、泡を立てる前に腹側へ手のひらを当てる。指の腹に何も残らない日は、腹側は湯で流すだけで足ります。

Caution腹側に力を入れてこすらないでください

腹側は毛が薄めの子が多く、地肌が近い場所です。指に何か残るからといって、乾いた布で往復させると、混ざったものが落ちる前に、地肌のほうがこすれます。赤みが出たあとでは、もとがベタつきだったのか、こすった跡なのかが分からなくなります。押さえて離す、なでて離す。落ちなかったぶんは翌日に回してください。ミニチュアダックスフンドのベタつきは、1回で全部を落としきる必要のあるものではありません。

腹側の手ざわりが戻らないとき、ミニチュアダックスフンドの体型の話をやめる

ここまでは、床までの距離という体型の条件で説明のつくベタつきの話でした。手順どおりに続けていても、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方に切り替えてください。次のような変わり方は、拭き方や毎日のケアの話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、においが強くなった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなって地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。ミニチュアダックスフンドは腹側が外から見えにくいぶん、変化が進んでから気づくことがあります。迷ったときは、早いほうを選んでください。

相談の前には、指が止まる場所、いつからか、その週に拭いた回数の3つをメモしておいてください。この3つがあると、体型の条件で説明のつくベタつきなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてから連れて行くと、もとの状態が分からなくなります。気づいたままの状態で連れて行くほうが、話が早く進みます。

ミニチュアダックスフンドと暮らすうえで、腹が床に近いという条件はなくなりません。胴の長さと脚の短さは、この犬種がその仕事のためにそなえた作りだからです。動かせるのは、床から拾ったものと皮脂が混ざったまま置かれている時間のほうです。背中を拭く前に腹側へ手を当てる。1回につき1か所だけ扱う。最後に布の面を変える。ミニチュアダックスフンドのベタつきで、家でできることはこの3つに収まります。

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よくある質問

ミニチュアダックスフンドの腹側は、毎日拭いたほうがいいですか?
毎日拭く必要はありません。毎日やるのは、手のひらを当てて指の腹に何か残るかを見る確認までです。残った日だけ、乾いた布でその1か所をなでてください。抱き上げるついでに確認まで済ませてしまうと、拭く日は思ったより少なくなります。
ロングコートとスムースコートで、ベタつきの出かたは違いますか?
出かたは変わりますが、先に出る場所は同じです。ロングは腹側の飾り毛が長いぶん、床に触れる面が増え、毛の途中で細かいものが止まります。スムースは毛が短いぶん、皮脂が地肌の近くに留まって指に残ります。どちらのタイプでも、確かめる順番は腹側が先です。
散歩から帰ったあと、足だけ拭けば足りますか?
ミニチュアダックスフンドの場合、足先と一緒に前脚のつけねまで見ておくと、拾ってきた細かいものが残りにくくなります。床までの距離が短いので、足以外の場所にも外のものが付いています。とはいえ全身を拭く必要はありません。足先、前脚のつけね、胸の下の3か所で足ります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。