C04悩み解決
ドライヤー嫌いが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
ドライヤーの音は、立った耳の穴にはまっすぐ届き、垂れた耳では耳たぶ1枚ぶん遠くなります。同じ機種を同じ距離で使っても、届いている音は同じになりません。ドライヤーを嫌がる犬種差として名前が挙がるとき、語られているのはたいてい耳のかたちと、乾かし終わるまでにかかる時間の話です。この記事では、犬種の名前を使わずに、音・風・時間の3つの条件で数え直します。
犬種差と言われるものの中身は、耳のかたち
ドライヤーの音は、空気の振動として耳の穴に届きます。立った耳は穴が上を向いて開いているので、音が遮られずにそのまま入ります。垂れた耳は、耳たぶが穴の上に覆いかぶさっていて、音がいったん耳たぶに当たってから入ります。同じ機種を同じ距離で使っても、届く音は同じになりません。ドライヤーを嫌がる犬種差として名前が挙がる子を並べてみると、その多くはこの耳のかたちで説明がつきます。
耳たぶが覆っているぶん、垂れ耳の子には音がこもって届きます。そのかわり、耳たぶそのものが風であおられて動きます。音は遠く、風は近い。立ち耳の子はその逆で、音は近く、耳たぶが動くことはありません。ドライヤーを嫌がる理由が、耳のかたちで入れ替わっているということです。
耳とは別に、もうひとつ働いている条件があります。毛の量です。下毛の厚い子や毛の長い子は、同じ体重でも乾かし終わるまでの時間が長くなります。音と風にさらされている時間が、そのぶん延びます。ドライヤーを嫌がる犬種差の話には、この時間の差も混ざっています。
同じ犬種でも耳の立ち方には幅があります。子犬のうちは立っていた耳が、成長して倒れることもあります。混血の子は、犬種差の一覧に名前が出てきません。調べるのは名前ではなく、いま目の前の耳が穴をふさいでいるかどうかです。
立ち耳と垂れ耳、音の届き方を比較する
音の大きさそのものは、機械の側で決まります。家庭用のドライヤーを強で回すと、すぐ横にいる人の声が聞き取りにくくなります。犬はその音を、人より高い側の音まで拾います。立ち耳の子には、その音が遮るもののないまま耳の穴に届いています。ここから、立った耳と垂れた耳を比較します。
| 見るところ | 立った耳 | 垂れた耳 |
|---|---|---|
| 音の入り方 | 穴が上を向いて開いている。まっすぐ入る | 耳たぶが穴の上をふさぐ。当たってから入る |
| 音の感じ方 | 近く、はっきり聞こえる | こもって聞こえる。そのぶん小さい |
| 風の当たり方 | 耳たぶは動かない。当たるのは頭と首の毛 | 耳たぶが持ち上がり、めくれて内側に入る |
| 嫌がりはじめる場面 | スイッチを入れた瞬間 | 顔まわりに近づけたとき |
| 先に手を打つ条件 | 音 | 風 |
表の下の2行が、この記事のいちばん大事なところです。立ち耳の子はスイッチを入れた音で決まり、垂れ耳の子は顔まわりに近づけたときの風で決まります。前回ドライヤーを嫌がったのがどちらの場面だったかを思い出すだけで、比較の答えは家の中で出ます。
どちらが良い・悪いという話ではありません。立ち耳の子は音を先に遠ざけ、垂れ耳の子は風の向きを先に変える。手をつける順番が違うだけです。順番を取り違えると、風量を落としても嫌がる、部屋を変えても嫌がる、という空振りが続きます。
音・風・時間、当てはまる条件を数える
ここまでを、家で数えられる形にします。ドライヤーを嫌がる犬種差を名前で調べる代わりに、音・風・時間の3つの条件が、その子にいくつ当てはまるかを数えてください。混血の子でも、そのまま使えます。
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音|耳の穴が上を向いて開いているか
立った耳、半分だけ立っている耳、耳の飾り毛が少ない。このどれかに当てはまるなら、音の条件を1つ数えます。スイッチを入れた瞬間に頭を下げる、後ずさりする子はここです。
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風|耳たぶや飾り毛が、風であおられて動くか
垂れた耳、耳の飾り毛が長い、顔まわりの毛が長い。当てはまるなら、風の条件を1つ数えます。顔に近づけたときだけ逃げる子はここです。
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時間|乾かし終わるまでに10分以上かかるか
下毛が厚い、毛が長い、体が大きい。時間がかかる子は、音と風にさらされている時間もそのぶん長くなります。前回かかった時間を計っておくと、次から数えられます。
| 数 | その日に起きていること |
|---|---|
| 0〜1個 | その日の場所や体調で嫌がり方が変わる。条件よりも、洗ったあとの疲れが効いている |
| 2個 | 決まった場面だけ嫌がる。当てはまった条件のほうを先に変える |
| 3個 | 乾かす作業の最初から最後まで逃げ場がない。1回の乾かしを2回に分ける |
3つとも当てはまる子は、時間が長いことがそのまま音と風の量になります。途中で1回止めて、5分あける。それだけで、続けてさらされる時間が半分になります。乾かし残しが心配なときは、タオルで水を移す時間のほうを長くしてください。
うちの子には、どっちが先に効いているか
音と風のどっちが先に効いているのかは、次に乾かす日に確かめられます。ドライヤーを1回使うあいだに、音と風を別々に出すだけです。特別な道具は要りません。
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1|部屋の外で、スイッチだけ入れる
その子のいる部屋のドアを開けたまま、廊下や隣の部屋でスイッチを入れます。風は届きません。ここで立ち上がる、伏せる、部屋を出ていくなら、音の側です。
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2|手のひらで、風だけ当てる
ドライヤーは使いません。手のひらか、たたんだタオルであおいで、顔まわりと耳に風を当てます。ここで顔をそむける、目を閉じて後ろへ下がるなら、風の側です。
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3|どちらで動いたかを、その場で書く
両方で動いた、どちらでも動かなかった、も答えです。書かずに覚えておこうとすると、次の週には印象だけが残ります。
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4|多かった側から、1つだけ変える
同時に2つ変えると、何が効いたのか分かりません。次の1回で変えるのは1つだけにしてください。
| 先に効いていた条件 | 次の1回で変えること |
|---|---|
| 音 | 乾かす部屋を変える。音の響く浴室をやめ、床にタオルやマットを敷く。本体は体の後ろ側から持ってくる |
| 風 | 風量を下げ、当てる向きを毛の流れに沿わせる。顔まわりは最後に回し、耳は手でそっと押さえてから当てる |
| 時間 | 乾かす前のタオルドライを長くする。乾きにくい背中とお尻から先に乾かす |
3つの条件のうち、時間の行だけはドライヤーを持つ前に短くできます。乾かし終わるまでの長さは毛の量だけで決まるわけではなく、毛が絡んでいる量で延びます。絡んだ束の内側は風が抜けないので、そこが乾くまで全体が終わりません。洗う日までの毎日、乾いた状態で梳かしておくほど、この束は減っていきます。
その毎日の梳かしに使えるのが mofuwa グルーミングスプレーです。グルーミングスプレーでありブラッシングスプレーでもあるので、乾いた毛に吹いてから梳かすと、静電気で毛が立たないぶんブラシの先が束の内側まで入ります。犬が自分で舐めても問題のない基準でつくられているため、耳の飾り毛にも足先にも、量をためらわずに吹けます。毎日ここをやっている子は、洗った日にドライヤーを当てている時間がそもそも短い。音と風にさらされる時間を削るのは、ドライヤーのスイッチを入れる前の毎日のほうです。
ドライヤーを嫌がる犬種差として語られていたものは、この表の左側に置き換えられます。名前ではなく条件で見ると、次にやることが1つに決まります。
耳と毛では説明できない嫌がり方を、どう見分けるか
耳のかたちも毛の量も、急には変わりません。先週まで平気だったのに今週から嫌がる、という変わり方は、この記事の条件では説明がつきません。次のような変わり方をしたときは、乾かし方の工夫を続ける前に、体の側を見てください。
- 急に嫌がるようになった:条件は変わっていません。耳の中や皮膚で、別のことが起きていることがあります
- 片側だけ避ける:左右の耳のかたちは同じです。片側だけ顔をそむけるなら、その側に理由があります
- 音のない場面でも、耳を触られるのを避ける:ドライヤーとは関係のない場面での変化です
- 乾かしたあとに、同じ場所をかき続ける:乾いていないのか、皮膚の側なのかを分けて見ます
- 頭を振る回数が増えた、においが出てきた:耳の中の変化として見てください
これらは、音量や風量を調整しながら様子を見る対象ではありません。いつからか、どちら側か、乾かし方を変えたかをメモして、動物病院にご相談ください。耳の中は家庭では見えないので、自己判断で綿棒などを入れないでください。
ドライヤーを嫌がる犬種差という言い方は、耳のかたちと毛の量に置き換えられます。どちらもこちらで変えられないぶん、変えられるのは順番と、乾かす前に済ませておくことだけです。洗う日の負担は、その前の毎日で決まります。毎日梳かして毛を絡ませないでおくことが、次にドライヤーを持つ日をいちばん軽くします。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 静かなドライヤーに買い替えれば、嫌がらなくなりますか?
- 音が先に効いていた子には、変化が出ることがあります。ただし風の側が理由だった子は、静かな機種にしても同じ場面で逃げます。買い替える前に、部屋の外でスイッチだけ入れる方法で、音と風のどちらで動くかを確かめてください。順番が分かってからのほうが、機種も決めやすくなります。
- 自然乾燥ではいけませんか?
- 毛が濡れたままの時間が長いと、皮膚に近いところが乾かないまま残ります。とくに下毛の厚い子は、表面が乾いても内側が湿っています。ドライヤーを嫌がる子ほど、タオルで水を移す時間を長くとって、風を当てる時間のほうを短くする組み立てにしてください。
- 子犬のうちから慣らせば、耳のかたちは関係なくなりますか?
- 慣らしておくことは役に立ちます。ただし耳のかたちは成長の途中で変わることがあり、立っていた耳が倒れる子もいます。慣れたはずなのに嫌がるようになったときは、条件が変わったと考えて、音と風をもう一度分けて確かめてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
