C08季節・行事

アンダーコートが増える子と、増えないままの子

公開日 2023年10月5日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のラグに座っている、ふわふわとした薄い色の毛の犬
同じ容器に入れて並べると、量の増え方は3週間で見分けがつきます。写真:Sarah Chai/Pexels

同じ空き容器を1つ用意して、ブラッシングでとれた下毛をその日のぶんだけ入れていくと、3週目で高さが2倍を超える子と、1週目とほとんど変わらない子に分かれます。どちらもダブルコートで、どちらも10月です。毛が二層になっていれば秋にアンダーコートが増えるはずだ、という前提で道具をそろえると、増えないままの子では上の毛だけが減っていきます。分かれ目は毛の種類ではなく、その子が外の気温にどれだけ触れているかのほうにあります。この記事では、増える子と増えないままの子を、同じ容器の高さという1つのものさしで分けて、そのあとで道具と手順をどちらに合わせるかを決めていきます。

とれた下毛を同じ容器に入れて比べる|アンダーコートが増える時期をダブルコートの子で測る

用意するのは、ふたのある空き容器を1つだけです。ブラッシングのあとにブラシから外した毛を、その容器へ入れます。押し込まず、指でほぐして落とすだけ。1日の終わりに、前の日の高さと見比べます。量りに乗せる必要はありません。見たいのは重さではなく、3週間のあいだに高さが動いたかどうかです。

季節のほうの説明は1段落にします。10月に入ると、朝晩の気温が日中より10度近く低い日が出てきます。日中の室温は暖房の有無でほとんど動かないので、外に出る子ほど、1日のあいだに大きな気温差を受け取ります。季節の変わり目という言葉では、この差の大きさが家ごとに違うことが落ちてしまいます。容器の高さは、その差を毛の側から測り直す道具です。

3週間ぶんの線が引けたあとの読み方
容器の線の動き方アンダーコートの側で起きていることこの記事のどちらの軸で読むか
1週目から3週目で2倍を超えた下毛が入れ替わりながら増えている軸1・増える子
ゆるやかに上がって、3週目で止まった入れ替えは進んだが、量は据え置き軸1と軸2のあいだ
3本の線がほぼ重なっている下毛の量が季節で動いていない軸2・増えないままの子
2週目だけ跳ねて、3週目で戻ったたまった毛を一度に外しただけもう1週ぶん足して見直す
上の毛ばかりで下毛が入らないブラシが下毛の層まで届いていない軸2の手順へ

3本の線が引けるまで、道具は替えないでください。途中で替えると、高さが動いた理由が道具なのか毛なのか分からなくなります。換毛期は毎年くり返しますが、その家のその子で何倍動くのかは、線を3本引いてはじめて分かります。犬種の名前で決めてしまうと、混血の子や、同じ犬種でも室内で過ごす時間が長い子で外れます。

軸1・容器の高さが3週で2倍を超える子|外の気温に触れる時間が下毛を厚くする

高さがはっきり動く子は、1日のうちに外の気温に触れる時間が長い子です。朝と夕方の散歩がそれぞれ30分以上、庭やベランダへ出る時間がそこに足される。窓際が定位置の猫も、この側に入ることがあります。ガラス1枚を隔てていても、明け方の冷えは部屋の真ん中より強く届きます。外気と室温の差を毎日受け取っている面から、下毛は厚くなっていきます。

同じ容器で測った、3週間ぶんの下毛の高さ 増える子では1週目から3週目にかけて容器の高さが大きく動き、増えないままの子ではほとんど動きません。見るのは量そのものではなく、線と線のあいだの開き方です。 読み方の目安。容器の大きさで割合は変わります 増える子・1週目 容器の4分の1 増える子・3週目 容器の8割 増えないままの子・1週目 容器の1割半 増えないままの子・3週目 容器の2割ほど 3週目で2倍を超えたかどうかだけを見ます。他の家の容器とは比べません
比べるのは他の子とではなく、同じ子の1週目と3週目です。

この側の子で毎日変わるのは、毛の量そのものより、抜けた下毛が体の上に残る時間です。抜けた毛は上の毛に引っかかったまま体の上にとどまり、そこで湿気を抱えます。脇の下と内ももは、下毛がいちばん遅く動く場所であると同時に、いちばん風が通らない場所でもあります。容器の高さが動きはじめた週から、この2か所を最後に1回通す順番にしておくと、残る時間が短くなります。

増える子では、下毛が入れ替わっているあいだ、地肌に届く空気の量がふだんより減ります。乾燥が進む時期と重なるので、地肌側の手当ても同じ週に必要になります。ただし、順番は毛が先です。面を開いてからでないと、うるおいを足しても上の毛で止まります。

軸2・高さがほとんど動かない子|ダブルコートでもアンダーコートが増えない違い

同じダブルコートでも、3本の線がほぼ重なる子がいます。一日じゅう室温がほとんど動かない家で、外に出るのが1回15分ほど。そういう暮らし方では、体が冬の側の毛を用意する合図を受け取りにくくなります。毛が二層であることと、その二層目が季節で増えることは、別の話です。増えないままでも、その子の体は困っていません。困るのは、増える前提で道具を当ててしまう飼い主のほうです。

容器の線が動く子と、動かない子を同じ項目で比べる
見るところアンダーコートが増える子増えないままの子
外の気温に触れる時間1日に1時間以上1日15分ほど、あるいは室内だけ
3週目の容器の高さ1週目の2倍を超える1週目とほぼ同じ
脇の下と内ももの手ざわり指が入るとふわりと厚い先週と変わらない
ブラシに残るもの細かい下毛が根元に溜まる長い上の毛が多い
道具に求めるもの下毛の層まで届くこと上の毛を減らしすぎないこと
やりすぎたときに出るもの地肌の乾きと静電気毛が薄く見えて地肌が透ける
3週目にすること脇の下と内ももを最後に回す通す回数を半分に戻す

表のいちばん下から2行目が、増えないままの子でいちばん起きやすい取り違えです。下毛が増えていない体に、下毛をかき出すための道具を当てると、外れてくるのは上の毛のほうになります。ブラシには毛が残るので、たくさん取れたという手ごたえは同じように返ってきます。容器に入れたときにだけ、細かい下毛ではなく長い毛ばかりだと分かります。容器を使う理由は、この手ごたえと中身のずれを見えるようにするためです。

増えないままの子でも、季節の変わり目に変わるものはあります。室温と湿度です。暖房を入れた部屋は湿度が下がり、乾燥した空気の中で毛が静電気を持ちます。毛の量は動いていないのに、梳かしたときの引っかかり方だけが変わる。この場合に見直すのは道具ではなく、梳かす前の状態のほうです。

とれる量が違う2つの子で、道具と手順をどう分けるか|アンダーコートとダブルコートの使い分け

使い分けの軸は、道具の名前ではなく、通す回数と、どの層で止めるかです。増える子では下毛の層まで届かせて、外れた毛を体の上に残さない。増えないままの子では、上の毛の流れを整えるところで止める。同じブラシでも、当てる角度と1回の距離を変えれば、この2つは分けられます。道具を買い足す前に、回数のほうを先に動かします。

容器の線の動き方に合わせて、週ごとに変えるもの
決めること増える子増えないままの子
1日の回数朝と夜の2回、短く区切る1日1回、短く1回だけ
最後に通す場所脇の下と内もも背中の真ん中で終える
当てる角度毛の流れに沿わせて、根元の手前まで上の毛の上を滑らせる
終わりの合図容器に入る毛が細かくなくなったら上の毛が寝たら
梳かす前にすること乾いた毛のまま入らない静電気を持たせない
3週目に見直すもの外れた毛が残っていないか地肌が透けていないか

どちらの側でも共通して効くのが、梳かす前に毛を湿らせておくことです。犬も猫も体から脂を出しますし、毎日散歩に行く子ほど外の細かい汚れが毛のあいだに入ります。昨日きれいにしても、今日また汚れます。それでも毎日シャンプーはできませんし、サロンに毎日通うこともできません。そこで、ブラッシングの前に mofuwa グルーミングスプレーを首から腰のラインへ吹きかけて、そのままブラシを入れます。

この1本が換毛期に合うのは、電解水と油がなじんで乳化するので、汚れのもとになっている余分な脂は落ちて、地肌に要る皮脂は残るからです。下毛が入れ替わって空気の通りが悪くなる時期に、落とす側と残す側を毎日自分で選び直さずに済みます。舐めても問題のない基準でつくられているため、量を気にせず、脇の下や内ももまでかけられます。グルーミングスプレーはブラッシングスプレーでもあるので、静電気が起きにくい状態にしてから梳かす、という順番が作れます。増えないままの子で起きていた「毛の量は同じなのに引っかかる」も、この順番で変わります。

お風呂そのものが負担になる子や、シニアになって長く立っていられない子では、湯船に入れる回数を増やさずにこの毎日の1本で面を整える、という組み方ができます。できない子として扱うのではなく、そうしないほうがいい子として手順を組みます。換毛期のあいだは毛の入れ替えだけで体力を使うので、洗う回数を増やさない選び方は、増える子にも増えないままの子にも当てはまります。

Caution容器の線が、気温でも道具でも説明できなくなったとき

3週目の高さが1週目の3倍を超えて、そのあとも下がらない。容器には細かい下毛が入り続けているのに、脇の下や内ももの毛は薄くなって地肌が透けてきた。線が止まったのに、同じ場所だけを舐め続けている。左右で高さの動き方が明らかに違う。こうした残り方は、外の気温や道具の当て方では説明がつきません。3本の線を引いた容器と、週ごとに書いた湿度の数字をそのまま持って、動物病院へ行く日を決めてください。何週目から動き方が変わったかが残っていると、その場で確かめられる範囲が広がります。

来年の同じ月に容器を出す日|ダブルコートのアンダーコートで見るものの選び方

3本の線が引けた容器は、洗わずにそのまま来年まで置いておきます。線の位置と、横に書いた湿度の数字。この2つがあれば、来年の10月には1週目の高さを見ただけで、増える側なのか増えないままの側なのかが読めます。毎年ゼロから測り直す必要はありません。選び方の基準は、量そのものではなく、去年の線からの開き方に移ります。

来年の秋まで残しておくもの
残すもの中身来年の使いどころ
線を引いた容器3週ぶんの高さと、週ごとの湿度1週目の高さを去年と重ねる
梳かす順番首から腰、最後に脇の下と内もも線が動きはじめた週に戻す
回数の決め方増える子は2回、増えない子は1回去年の線から先に決められる
毎日の1本梳かす前のグルーミングスプレー季節が変わっても中身を見直さない

犬種の名前は、ここまで一度も要りませんでした。同じ犬種でも暮らし方で線の動き方は変わりますし、混血の子には当てはめる名前がありません。容器の高さは、その家のその子から出てきた数字です。来年もその数字で決められます。

ふたのある空き容器を1つ、台所の棚に出しておいてください。次のブラッシングで外した毛から入れはじめれば、3週間後には線が3本引けます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

容器に毛を入れていく以外に、量を測る方法はありますか。
台所の量りに乗せる形でも測れます。ただ、下毛は軽いので、3週間ぶんを足しても数字の動きが小さく、読み取りにくくなります。容器の高さにすると、押し込まないかぎり、ふくらんだぶんがそのまま見えます。数字が苦手な家でも、線を引くだけなら続きます。測り方を変えるより、同じ測り方を3週間続けるほうが先です。途中で方法を変えると、その週の線だけが読めなくなります。
猫でも同じように容器で比べられますか。
比べられます。猫は自分で毛づくろいをして下毛を飲み込むので、ブラシに残る量は犬より少なくなります。それでも、1週目と3週目を同じ容器で比べるぶんには影響しません。見るのは他の子との差ではなく、同じ子のあいだの開き方だからです。窓際が定位置の猫は、部屋の中でも外気に近い側にいます。増える側に入ることがあるので、室内だけだからと決めずに線を引いてみてください。
3週目まで待たずに、道具を先にそろえておくことはできませんか。
そろえること自体は止めませんが、当てるのは3本目の線を引いてからにしてください。増えないままの子に下毛をかき出す道具を当てると、外れるのは上の毛のほうです。手ごたえは同じように返ってくるので、当てているあいだは気づけません。3週間待つと、その子がどちらの側かが自分の容器で分かります。待っているあいだも、毎日のブラッシングと、梳かす前の1本はそのまま続けられます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。