C02技術・エビデンス
犬と猫で皮膚のpHは違うのか
犬用と猫用のボトルを並べて、pHの数字が印刷されている面を探したことがあります。どちらにも数字はなく、成分の名前と対象動物の記載だけが並んでいました。犬と猫の皮膚のpHを比べようとすると、この「書かれていない」ことのほうに理由があります。皮膚の表面のpHは、同じ1匹でも測った場所と、測る前の1時間に起きたことで動きます。体重計に朝のった数字と夜にのった数字が1キロ近く離れる家では、家族のどちらが重いかを1回ずつの測定で決められません。犬と猫の皮膚のpHも、まず測り方をそろえる話が先に来ます。この記事は、その2つの軸だけを開いていきます。
軸1・体のどこで測ったか|犬と猫の皮膚のpHの見分け方
皮膚の表面のpHは、1匹に1つではありません。背中で測った数字と、脇の下で測った数字は別の数字になります。皮膚の表面は、皮脂と汗と、そこに住んでいる菌がつくる物質が混ざった薄い膜でおおわれています。その膜の成分の比率が場所ごとに違うので、測定器を当てる位置を10センチ動かすだけで数字が動きます。犬と猫の皮膚を比べた話に「どこを測ったか」が書かれていないとき、比べられているのは種ではなく、測った場所のほうです。
| 測る場所 | その場所の条件 | pHの数字に出る向き |
|---|---|---|
| 背中の真ん中 | 皮脂が多く、風が当たって乾きやすい | 皮脂の量にひっぱられる |
| 脇の下・内股 | 皮膚が合わさって湿りが残る | 湿りと汗の側にひっぱられる |
| 耳の内側 | 外気に触れにくく、温度が高い | こもった側にひっぱられる |
| 口のまわり | 食べたものと、なめた唾液がつく | 直前の行動で大きく振れる |
| 肉球 | 角質が厚く、地面のものが乗る | 外から乗ったものにひっぱられる |
この表の右端は、どれもその子の体質の話ではありません。場所ごとの条件が、数字をそれぞれ別の方向へ引っぱっています。だから犬と猫の見分け方をpHから始めると、最初の一歩で止まります。犬のどこと、猫のどこを比べるのかが決まらないかぎり、2つの数字は並べられないからです。獣医皮膚科の分野で犬の皮膚のpHを扱った報告に、部位・年齢・毛の量の注記がついているのは、この幅を隠さないためだとされています。
皮膚のpHを測るときは、電極を皮膚に押し当てます。押し当てるあいだ、その場所は外気から遮られ、わずかに温まり、こすれます。人の皮膚で行う測定でも、当ててから数字を読むまでの秒数をそろえるのが決まりになっています。犬と猫では、そこに「押さえられて動かないでいてもらう」という条件が足されます。数字が動く要因が1つ増えるということです。
軸2・測る前の1時間に何があったか|犬と猫の皮膚のpHが振れる条件
もう1つの軸は時間です。洗った直後、散歩から帰った直後、自分でなめた直後で、同じ場所の数字が別の位置に来ます。洗うという行為は、表面の膜をいったん薄くします。薄くなった膜が元の比率に戻るまでには時間がかかるので、その途中で測れば、途中の数字が出ます。人の皮膚を対象にした試験で「入浴後は一定時間おいてから測る」という条件がつくのは、この戻り方の途中を測らないためです。
- 洗った直後:表面の膜が薄くなっていて、元の比率に戻る途中の数字が出ます
- 散歩から帰った直後:地面のものと、外気の乾きが乗っています
- なめた直後:唾液がついた場所は、皮膚ではなく唾液を測ることになります
- 部屋が乾いている日:膜の水分が少ないぶん、成分の比率が変わります
- 押さえられて緊張している時間:汗と体温が動き、そのぶん数字も動きます
2つの軸は、かけ算で効きます。場所を5か所、時間を5通りに分ければ、同じ1匹から25通りの数字が出ます。犬と猫の皮膚のpHを比べた表が1行ずつしかないとき、その25通りのうちどれを選んだのかは書かれていません。数字そのものを疑う話ではなく、数字に条件が付いているかどうかを見る話です。条件の書かれていない数字は、次に同じ数字を出せるかどうかが分かりません。
点ではなく幅で並べてみる|犬と猫の皮膚のpHの比較
条件をそろえた前提で、報告されている範囲を幅として並べると、犬と猫のあいだに線を引きにくい理由が見えてきます。人の皮膚の表面は弱酸性の側にあり、pH4.5〜6.0あたりを指す数字がよく引かれます。犬はそれより中性に近い側へ寄るとされていて、引かれる数字はおおむね6から7台にまたがります。猫については、犬と近い範囲とされる一方で、測った報告そのものが犬より少ないのが現状です。
| 対象 | よく引かれる範囲 | 数字に付く条件 |
|---|---|---|
| 人の皮膚 | pH4.5〜6.0あたり | 測定法が標準化され、部位も指定される |
| 犬の皮膚 | 中性寄りで6〜7台にまたがる | 部位・年齢・毛の量で幅が出るとされる |
| 猫の皮膚 | 犬と近い範囲とされる | 報告の数が少なく、幅の確かめようがない |
| 比べられるか | 幅が重なっていて分けられない | 同じ部位・同じ時間で測った組でないと並べられない |
表の最下行が、この記事の答えです。犬と猫の幅はどちらも広く、しかも重なっています。重なった2つの幅を見て「こちらのほうがアルカリ寄り」と言うには、同じ部位・同じ時間・同じ測定法でそろえた組が要ります。体重計の例に戻すと、朝の自分と夜の家族を比べて重い軽いを決めているのと同じ形になります。犬と猫で皮膚のpHは違うのか、という問いへの現実的な答えは、「違うと言い切れるだけの条件がまだそろっていない」です。
ここで注意したいのは、幅が広いことを欠点として読まないことです。皮膚の表面のpHが条件で動くのは、膜が生きていて、外の条件に合わせて組み替わっているからです。動かない数字のほうが不自然だという見方もできます。比較の表をつくるときは、点で書くより幅で書いたほうが、あとから条件を足せます。
犬用と猫用はどっちの条件で分かれているか|皮膚のpHより手前にある線
犬用と猫用のケア用品を分けている線は、皮膚のpHではありません。実際に設計を変えているのは、体についたものが口に入る量のほうです。猫は自分で体をなめて毛づくろいをします。洗い上がった被毛や、吹きかけたものが乗った背中は、そのまま口を通ります。犬にもなめる行動はありますが、体の上を自分で一通りなめる前提で組まれているかどうかで、残り方の設計が変わります。
この前提から、mofuwa スキンケアミストは水そのものでできています。中身は高機能性電解酸化水100%で、三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくった水です。成分を足して機能を持たせたものではなく、水の側に機能を持たせています。なめる場所にそのまま使えるのは、口に入る量を計算してから成分を減らしたのではなく、口に入ることを出発点にして水だけで組んだからです。耳の内側や口のまわりのように、ほかのものを持っていきにくい場所に届くのも同じ理由です。
この水は酸性側にあります。ただし酸性側を選んだ理由は、犬や猫の皮膚のpHに合わせたからではありません。酸性側の電解水が持っている浸透のしかたと、水そのものに備わった働きのほうを取っているからです。皮膚のpHに数字を合わせる設計は、合わせる相手の数字が幅を持っているかぎり、どこに合わせたのかを言えません。合わせる先を「その子の皮膚のpH」ではなく「水として何ができるか」に置くほうが、条件を書ける設計になります。
当社の電解水は、16菌種を対象にした試験条件のもとで、検査時間30〜60秒の時点で生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所/日本食品分析センターほかの検査機関)。この数字が測っているのは水の性質で、犬や猫の皮膚のpHを測ったものではありません。同じ記事の中に2種類の数字が出てくるときは、それぞれが何を測った数字なのかを分けて読んでください。※自社調べ
ボトルの表示から決める選び方|犬と猫の皮膚とpHの読み替え
棚の前でpHの数字を探すのをやめると、代わりに読む場所が3つ出てきます。1つめは対象動物の記載です。犬用か猫用か、犬猫用か。ここが書かれていない製品は、なめる量の前提を示していません。2つめは使える場所の記載で、口のまわりや耳の内側まで書いてあるかどうかで、想定している範囲が分かります。3つめは使う頻度です。毎日使う想定のものと、洗う日だけのものでは、残り方の設計が別になります。
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対象動物の記載を先に読む
犬用・猫用・犬猫用のどれかを確かめます。pHの数字より、この1行のほうが設計の前提を示しています。
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使える場所の記載を見る
口のまわり、耳の内側、肉球。どこまで書いてあるかが、なめる量をどう見込んだかの答えになります。
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毎日か、洗う日だけかを見る
頻度が違えば、皮膚の上に残る量の設計が違います。ここを合わせずに2本を比べても並びません。
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pHの表示があったら、条件を探す
数字が書かれている製品では、それが製品自体のpHか、皮膚のpHの話かを読み分けます。別の話です。
mofuwa スキンケアミストを毎日の1本に置いているのは、この3つの読み方で迷う場面が少ないからです。犬と猫のどちらにも使え、口のまわりまで使える範囲に入っていて、毎日使う前提で組まれています。読み替える場所が3つとも同じ答えになる1本は、棚の前の時間を短くします。
犬と猫で皮膚のpHは違うのか。今日のところ言えるのは、どちらも幅を持っていて、その幅が重なっているということです。幅の重なりを1つの数字で塗りつぶさないほうが、次に条件が増えたときに書き直せます。家で見るのは数字ではなく、対象動物の記載と、使える場所の1行です。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ペット用の「弱酸性」と書かれたシャンプーは、犬と猫のどちらに合わせたものですか。
- 弱酸性という表示が指しているのは、多くの場合その製品自体の液のpHです。犬や猫の皮膚のpHに合わせたという意味とは、必ずしも重なりません。人の化粧品で弱酸性が広く使われてきた経緯があり、その言葉がペット用の棚にも移ってきた面があります。犬と猫の皮膚の表面は、人より中性に近い側へ寄るとされているので、人向けの弱酸性という言葉をそのまま持ち込むと、合わせる相手が入れ替わります。表示を読むときは、その数字が液のpHなのか、皮膚のpHの話なのかを分けてください。
- 家庭用のpH試験紙で、うちの子の皮膚のpHを測れますか。
- 試験紙は液体のpHを測る道具です。皮膚の表面のように、水分が少なく、膜が薄い場所の数字を読むには向きません。濡らしてから当てれば紙は色を変えますが、その色は濡らした水と皮膚が混ざったものの数字です。研究で使われる測定器は、皮膚に電極を当てて秒数をそろえて読む形になっています。家で知りたいのが「乾いているか、脂っぽいか」であれば、手のひらで触ったときの感触と、指に何が残るかを記録するほうが、日ごとの比較に使えます。
- 犬と猫が同じ家にいます。ケア用品を1本にまとめてもいいですか。
- まとめられるかどうかは、対象動物の記載で決まります。犬猫用と書かれているものは、猫が自分の体をなめる量を前提に組まれているので、両方に使えます。犬用とだけ書かれているものは、その前提が入っていないため、猫には使いません。皮膚のpHが近いかどうかで判断する話ではありません。1本にまとめるときは、置き場所も1か所にしておくと、どちらの子に使ったかを覚えていなくても手順が崩れません。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
