C05犬種・猫種別ケア
ゴールデンレトリバーのケア|脇や内股の蒸れを減らす3つの習慣
朝、ゴールデンレトリバーが起き上がったあとの床に手を当てると、体があった形にそって、そこだけ生あたたかく湿っています。体は8時間ずっと同じ向きで倒れていました。左の脇と左の内股が下、右側は上を向いたまま。蒸れを探すときに脇や内股を左右そろえて開いていると、この差が見えません。大型犬が1日のうちで立っている時間は、伏せている時間よりずっと短く、体重のかかった面には毎日同じだけ時間が積み上がります。この記事では、なぜ床側に湿りが残るのかを先に書いて、そのあとに、倒れる向きを見てから手を入れる手順を置きます。
床と体で挟まれている面|ゴールデンレトリバーの蒸れが毎日そこに出る理由
ゴールデンレトリバーと暮らしていると、1日の時間の使い方が小型犬とはっきり違うことに気づきます。散歩と食事と遊びを足しても、立って動いている時間は数時間です。残りの大半は、伏せているか、体を横にして寝ています。体重があるほど、立ち続けるより体を預けるほうが楽なので、これは自然なことです。蒸れの話は、まずこの時間の配分から始めたほうが実際に近くなります。
犬の蒸れは、ふつう「閉じているところ」で説明されます。脇、内股、耳のうしろ。空気が入らないから湿りが残る、という組み立てです。ゴールデンレトリバーでもその場所は湿ります。ただ、閉じているから湿るのではなく、床と体で挟まれているから湿ります。30キロ前後の体重が上から乗っている面は、閉じるどころではなく、押しつぶされています。
押しつぶされると、被毛の中の空気が抜けます。ゴールデンレトリバーは上毛と下毛の二重で、ふだんはその層に空気をためています。体重がかかった面では、その層が潰れて厚みを失います。毛はあるのに、空気の層だけが無くなった状態です。そこへ体温と、床から返ってくる熱が加わると、湿りが引くための条件がひとつも残りません。
そしてもうひとつ、見落とされやすい条件があります。その子は、毎回同じ側へ倒れます。伏せる直前の動きを見ていると分かりますが、前脚を折ったあと、決まった側へ体を落とします。右へ倒れる子は、次の日も右へ倒れます。だから床に接する面が入れ替わりません。同じ脇、同じ内股、同じ肘の内側に、毎日同じ時間が積み上がっていきます。
- 伏せている時間が長い:湿りが引くまでの時間より、次に伏せるまでの時間が短くなります
- 体重が上から乗る:被毛の空気の層が潰れ、毛があっても風が通りません
- 床から熱が返る:接している面は、体温と床の熱に上下から挟まれます
- 飾り毛が寝る:胸と後ろ脚の長い毛は、下になると地肌に張りつきます
- 倒れる向きが決まっている:湿りが残る面が、日をまたいでも入れ替わりません
脇と内股を左右セットで確認するのは、ていねいなやり方に見えます。けれどゴールデンレトリバーでは、下になっていた側と、上を向いていた側で、条件がまったく違います。両方を同じように拭くと、上側は手をかけすぎ、下側は手が足りないまま平均化されます。まず、どちら側が下だったかを決める。ゴールデンレトリバーの蒸れは、そこから左右を分けて扱ってください。
倒れる向きを見てから手を入れる|家でできるゴールデンレトリバーの蒸れの手順
理由がはっきりしたら、手順は短くなります。全身を毎日拭く必要はありません。その日に下になっていた側だけを、起きた直後に扱います。時間にすると1回2〜3分です。家でできることを、この5つの順番に固定してください。順番が大事なのは、床側の面は起きてから数分で見た目が戻ってしまうからです。
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手順1:伏せる瞬間を、1日に1回だけ見る
ゴールデンレトリバーが体を倒す動きを、1日1回だけ見てください。前脚を折ってから、右か左のどちらへ落とすか。見るのは倒れた結果ではなく、倒す方向です。寝ているところを見ても、途中で向きを変えていることがあります。倒す瞬間の1秒で決まるので、朝でも夜でも構いません。今日は右、と分かればこの手順は終わりです。
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手順2:起き上がった直後に、床側だった面へ手の甲を当てる
起きてすぐ、下になっていた側の脇と内股に、手の甲を当てます。反対側にも当てて、あたたかさを比べてください。湿りが指につくより先に、温度の差のほうが出ます。ゴールデンレトリバーの被毛は厚いので、表面をなでただけでは分かりません。毛の中へ甲を差し入れて、地肌に近いところで比べます。
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手順3:下になっていた側を、上から順に開く
前脚を持ち上げて脇を開き、次に後ろ脚をずらして内股を開きます。開いたら、そのまま20〜30秒待ってください。拭くより先に、潰れていた面に空気を入れるほうが順番として先です。湿った面をいきなり布でこすると、地肌の水分まで一緒に持っていきます。開けて待つあいだに、表面の水分はかなり動きます。
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手順4:押しつぶされた毛を、指で床側から起こす
開いた面の毛は、床の側へ寝たまま張りついています。ブラシを当てる前に、指を熊手の形にして、毛の流れと逆へ短く起こしてください。目的は抜け毛を取ることではなく、潰れた層に厚みを戻すことです。胸と後ろ脚の飾り毛は絡みやすいので、指が引っかかったら止めて、そこだけあとでブラッシングに回します。
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手順5:反対側は、その日はやらない
上を向いていた側は、その8時間、空気に触れていました。そこに同じ手をかける理由はありません。やらないと決めておくと、下側にかける2〜3分が続きます。ゴールデンレトリバーは体が大きいので、全身を毎日やる前提にすると、数日で止まります。今日は右、明日は左、と自然に入れ替わっていく形にしてください。
| 下になっていた側の状態 | その日の手 |
|---|---|
| 反対側より、はっきりあたたかい | 開いて30秒待つ。拭くのはそのあと |
| あたたかく、指に湿りがつく | 開いたまま、布を押し当てて水分を移す |
| 温度は同じだが、毛が寝て張りついている | 指で毛を起こすところまで |
| 左右で差がない | その日は手を入れなくて構いません |
見る・開く・寝床を動かす|ゴールデンレトリバーの蒸れを減らす3つの習慣と、続けるコツ
手順が回りはじめたら、習慣として残す形にします。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1日の中で決めることが1つ、起きた直後に決めることが1つ、1週間の中で決めることが1つ。粒度をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。続けるコツは、ここにあります。
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習慣1:見る。倒れた向きを、カレンダーに1文字だけ書く
書くのは「右」か「左」だけです。ゴールデンレトリバーの蒸れで最初に必要なのは、拭くことではなく、どちらが下だったかを知ることでした。1文字なら30秒もかかりません。2週間ぶんたまると、その子がどれくらい偏っているかが見えます。ほとんどの日が同じ文字なら、習慣3の出番です。日によって変わるなら、床側の面は毎日入れ替わっているので、手をかける量は減らせます。
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習慣2:開く。起きた直後の30秒だけ、下側を開ける
拭くことを目標にしないでください。開けて、空気を入れて、そのまま離す。それだけで、湿った面が重なっている時間が短くなります。布を用意する必要もありません。ゴールデンレトリバーは起き上がったあと、しばらくその場にいることが多いので、そのあいだに前脚と後ろ脚をずらすだけで足ります。毎日やるのはこの1つだけ、と決めておくと崩れません。
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習慣3:寝床を動かす。週に1回、位置か向きを変える
倒れる向きは、その子の癖だけで決まっているわけではありません。壁の側、窓の側、人がいる側。寝床の置き方を変えると、倒れる向きが変わることがあります。週に1回、寝床を90度回すか、壁から離すかしてみてください。習慣1のカレンダーを見れば、変わったかどうかがそのまま分かります。変わらなければ元に戻して構いません。試す価値があるのは、床に接する面を人の手ではなく環境の側で入れ替えられるからです。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | その日、どちら側へ倒れたか | 1日の中で1回 |
| 習慣2 | 下になっていた側を30秒開ける | 起き上がった直後 |
| 習慣3 | 寝床の位置と向きを変えるかどうか | 1週間の中で1回 |
ここでつまずきやすいところを3つ書いておきます。ひとつめは、寝ているところを起こして手を入れてしまうこと。まだ倒れている途中の面に手を差し込むと、体重が指にかかります。起き上がるまで待ってください。ふたつめは、ブラシを強くかけること。潰れた毛を起こすのは指で足ります。硬いブラシで押すと、湿った地肌に直接あたります。
3つめは、洗う回数を増やす方向へ寄せてしまうことです。洗いすぎると、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで減ります。ゴールデンレトリバーは被毛の量があるので、乾かしきるまでの時間も長くなります。乾ききらないまま伏せれば、床側の面はさらに湿った状態から時間が始まります。蒸れに対して動かすのは、洗う回数ではなく、床に接している面が入れ替わる回数のほうです。
床側だった面は、その子が自分では開けません。そこに体重をかけているのが本人だからです。開けられるのは、外から手を入れる人のほうです。手順3で開いて30秒待ったあとに、もう一手だけ足せます。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、水以外のものを足していません。拭いたあとの面に油の膜が残らないので、これから空気を通したい面と噛み合います。内股はその子がなめる場所でもあるので、そこに置くものは口に入る前提で選べると迷いません。布に含ませて、その日下になっていた側の脇と内股だけに、毛の流れに沿ってなでるように当てます。上を向いていた側はやりません。ゴールデンレトリバーの蒸れで手が届いていないのは、いつも下になっていた面のほうです。開かないまま吹きかけて、そのまま面を重ねないでください。
週に何日、下になる側を変えられるか|ゴールデンレトリバーの蒸れのケアの頻度
頻度の話をします。ここで数えるのは、手を入れた回数ではなく、下になる側が入れ替わった日数です。7日のうち5日が同じ側なら、その面には5日ぶんの時間が積み上がっています。3日と4日に分かれていれば、どちらの面にも空気に触れる日がありました。ゴールデンレトリバーの蒸れは、この日数の偏りで見るほうが実際に近くなります。
| 下になっていた側の偏り | 次に動かすもの |
|---|---|
| 14日中12日以上が同じ側 | 寝床の向きと位置。習慣3を週1回から週2回へ |
| 14日中8〜11日が同じ側 | そのまま。習慣2を続けて、2週間後にもう一度数える |
| ほぼ半分に分かれている | 手を入れるのは、湿りを感じた日だけで足ります |
| 急に片側だけになった | 寝床ではなく、体の側で何かが変わった可能性があります |
湿度の高い時期には、日数の意味が変わります。部屋の湿度が上がると、開けて待つ30秒では表面の水分が動きません。梅雨から夏にかけては、開いたあとに扇風機やサーキュレーターの風が届く場所へ誘導してください。風を体に直接当てる必要はありません。その子がいる高さの空気が動いていれば足ります。冬でも、暖房で床が温まっている家では同じことが起きます。
ここまでは、伏せている時間と体重で説明のつく蒸れの話でした。下になる側が入れ替わっているのに、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、毎日のケアの話として片づけないほうが安全です。
- 上を向いていた側も湿っている:床と体で挟まれた面という説明では足りません
- 地肌が赤い、じくじくしている:湿った状態が続いた結果として出ることがあります
- においが、拭いた数時間後に戻る:面の表面ではなく、その下で起きています
- 急に、いつもと逆の側にしか倒れなくなった:倒れる向きは体の都合でも変わります
- その場所を気にする:なめる、後ろ脚でかく、床にこすりつける動きが増えます
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その場で手を止めてください
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、立ち上がるまでに時間がかかるようになった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ゴールデンレトリバーは被毛が厚く、床側の面は外から見えません。迷ったら早いほうを選んでください。
相談の前には、どちら側が下だったかのカレンダー、湿っていた場所、気づいた日の3つを持って行ってください。倒れる向きの記録は、家でしか取れない材料です。前の晩に念入りに拭いて連れて行くと、もとの状態が分からなくなります。気づいたままの状態で見てもらうほうが、切り分けが早く進みます。
ゴールデンレトリバーが伏せている時間を、短くすることはできません。体が大きいほど、体を預けている時間は長くなります。変えられるのは、その時間のあいだ床と体で挟まれている面が、いつも同じ面かどうかのほうです。倒れる向きを見る。下になっていた側を30秒だけ開ける。週に1回、寝床を動かしてみる。ゴールデンレトリバーの蒸れで手を入れられるのは、そこです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 寝床を硬いものに変えれば、ゴールデンレトリバーの蒸れは減りますか?
- 硬さより、面が沈むかどうかで見てください。深く沈むベッドは、体の周りに縁が立ち上がって、床側の空気が動かなくなります。薄くて広いマットのほうが、寝返りを打ったときに面が入れ替わりやすくなります。ただ、体重のかかる関節のことも考えると、硬さだけで決めないほうが安全です。今の寝床のまま、位置と向きを週1回変えるところから試してください。
- 換毛期には、下になる側の毛だけ扱い方を変えたほうがいいですか?
- 抜けた下毛が押しつぶされて残りやすいので、下側は指で起こしてからブラシを入れる、という2段階にしてください。上を向いていた側は、いつもどおりで構いません。ブラシを当てる角度も変わります。床側の毛は寝ているので、毛の流れと逆に一度起こさないと、ブラシが表面を滑るだけになります。
- 年齢が上がって、同じ側にしか倒れなくなりました。どう見ればよいですか。
- 倒れる向きが偏るのは、寝床の置き方だけでなく、体の使い方が変わったときにも起きます。急に片側だけになった、立ち上がるまでに時間がかかる、といった変化が一緒に出ているときは、蒸れのケアより先に動物病院で相談してください。偏りが続くこと自体は珍しくありませんが、いつから変わったかを記録しておくと、そのまま材料になります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
