C04悩み解決

季節の変わり目に口のにおいが増えるのは、なぜか

公開日 2024年1月29日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、清潔なステンレスの器から水を飲んでいる犬
季節で動くのは口の中ではなく、唾液が出ている時間と、器が濡れている時間の2つです。

11月に入ってから、水の器に足す回数が1日3回から1回に減り、朝いちばんの口臭だけが強くなった犬がいます。季節の変わり目に口臭が増えるとき、先に動いているのは口の中の状態そのものではありません。唾液が出ている時間と、器が濡れている時間の2つです。この2つは寒い時期と暑い時期で逆に動くので、同じ「口臭が増える」でも中身が入れ替わります。まず、この2つの軸を分けるところから始めます。

口臭が季節で増えるとき、入れ替わっているのは濡れている時間

口の中のにおいは、食べかすや剥がれた粘膜を雑菌が分解するときに出ます。この働きを抑えているのが唾液で、流れているあいだは、においの元が口の中に留まりにくくなります。つまり、においが出るかどうかを決めているのは、唾液が出ている時間の長さです。そして唾液の出方は、季節によって静かに変わります。

もう1つ、口の外にも時間の軸があります。水の器と食器です。器の内側は、水が入っているあいだ濡れています。濡れている時間が長いほど、器の表面に雑菌の膜ができて、指で触るとぬるつく状態になります。そこに口をつけ、口まわりの毛が濡れて、皮脂と混ざったまま乾ききらない。口臭として気づくにおいの一部は、この外側から来ています。

この2つは、季節で逆向きに動きます。寒くなると口の中が乾いている時間が延び、暑くなると器と口まわりが濡れている時間が延びます。だから「季節の変わり目に増える」という同じ言い方でも、中身は正反対のことがあります。ここを分けずに同じ手当てをすると、片方には合って、もう片方には合いません。

Note猫も同じ2つの軸で見られます

猫はもともと水を飲む量が少なく、寒い時期にはさらに減ることがあります。乾く型はとくに猫で出やすく、ぬめる型は器のふちに口が当たる回数が増える夏に出やすくなります。犬と猫で軸そのものは変わりません。

乾く型とぬめる型を、比較する

2つの型を、同じ項目で並べます。見るのは、どちらの時間が延びているかだけです。

季節で口臭が増えるときの、2つの型の比較
見る項目乾く型(寒い時期)ぬめる型(暑い時期)
先に変わること水を飲む量が減る水を飲む回数が増える
長くなる時間口の中が乾いている時間器と口まわりの毛が濡れている時間
強くなる時間帯朝いちばん、起きた直後夕方から夜
水の器のようす半日たっても水位が減らない夕方には内側がぬるつく
口まわりの毛乾いている。食べこぼしが粉のまま残る飲むたびに濡れて、乾ききらない
食器の側残りかすが乾いてこびりつく洗ってもすぐにぬめりが戻る
やること飲む機会そのものを増やす器を替える回数を増やす

表の左右は、対処が入れ替わっています。乾く型に器を替える回数を増やしても、口の中の乾いている時間は変わりません。逆に、ぬめる型に水を足しても、器が濡れている時間はむしろ延びます。どちらの型かを決めないまま両方をやると、片方は空振りになります。

季節の変わり目がまぎらわしいのは、この2つが入れ替わる途中に、どちらの特徴も薄く出るからです。春と秋は、朝も夕方も少しずつ気になる、という形になりやすい時期です。その時期こそ、次の見分け方で1つに決めてください。

朝に強いか、夕方に強いか ― 口臭の季節差の見分け方

見分け方は2つあります。どちらも道具は要りません。1つは、1日のうちいつ強いかを決めること。もう1つは、器のぬめりが戻るまでの時間を測ることです。

  1. 起きた直後と、夕方の同じ時刻に嗅ぐ

    顔を近づけず、その子が口を開けたときに横から嗅ぎます。朝だけ強く、水を飲んだあとに弱くなるなら乾く型。夕方にかけて強くなるならぬめる型です。1日で決めず、3日ぶん同じ時刻で確かめてください。

  2. 器を洗ってから、ぬめりが戻るまでの時間を測る

    水の器をスポンジで洗い、水を入れ直します。そこから何時間後に、内側を指でなぞってぬるつくかを見ます。半日たっても変わらないなら乾く型、3〜4時間で戻るならぬめる型です。この時間は、季節が進むにつれて短くなります。

  3. 水位が減る速さを、朝と夜で見る

    同じ量を入れて、朝と夜に水位を見ます。1日たっても減っていないなら、飲む機会そのものが減っています。寒い時期に口臭が増える子は、たいていここが先に動いています。

  4. 口まわりの毛が、乾いているか濡れているかを触る

    あごの下と、口角のまわりに指を当てます。濡れているのに乾ききらない状態が続いているなら、においの一部は口の中ではなく毛の側から来ています。皮脂と水分と食べこぼしが混ざったまま留まっている状態です。

4つのうち、いちばん当てになるのは2番目です。器のぬめりが戻るまでの時間は、その子の口の中の状態と、部屋の温度の両方を映しています。においの強さは日によってぶれますが、この時間は季節に沿ってなめらかに動くので、比べやすくなります。

どっちの型かで、やることが逆になる

型が決まったら、やることは1つに絞れます。両方やる必要はありません。

部屋の側にも1つだけ手があります。換気です。空気が動かない部屋では、器のまわりも寝床も湿ったままになり、ぬめりが戻るまでの時間が短くなります。朝と夜に数分窓を開けるだけで、この時間は延びます。乾く型の時期でも、加湿しすぎると同じことが起きるので、湿度は40〜60%のあいだで見てください。

Caution季節に合わせるつもりで、逆を向きやすいこと

口の中に香りのついたものを入れる、人用のマウスケア用品を使う、水を無理に飲ませる。どれも、においの上に別のにおいを重ねるか、その子が器を避ける理由を増やすだけになります。器を避けるようになると、乾く型の時間がさらに延びます。

型に合わせた器の選び方と、季節が変わっても増えるとき

器の選び方は、ぬめる型のほうで効いてきます。見るのは素材より、表面に傷がついているかどうかです。プラスチックの器は、使ううちに細かい傷が入り、そこが膜の出発点になります。ステンレスや陶器でも、たわしでこすった跡があれば同じです。指でなぞってざらつく器は、洗っても短い時間でぬめりが戻ります。

ここまでが、季節に合わせて家でできる範囲です。器を替え、飲む機会を作り、換気と拭き取りを2週間続けても同じように口臭が増えるなら、季節の話ではありません。相談するときは、朝と夕方のどちらで強いか、器のぬめりが戻るまでの時間がこの2週間でどう動いたかをメモして持っていってください。

Caution季節と関係なく続くときの、受診の目安

よだれが増えた、片側だけで噛む、硬いものを残す・落とす、口を触られるのを急に嫌がる、歯ぐきが赤い・出血する、顔の片側が腫れている、水を飲む量が急に増えた、体重が減ってきた、においの質が変わった(甘い、つんとする)。いずれかに当てはまるときは、家庭でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。

器から顔を上げた直後、あごの下と口角がどれだけ濡れているかは、その子の側からは分かりません。濡れたまま乾ききらない時間を短くできるのは、そばで見ている人だけです。そして口の横に置くものは、口の中に入ったときのことまで含めて選ぶことになります。mofuwa スキンケアミストは、清涼飲料水の規格基準を満たした電解水でできています。ぬめる型の夕方、器から離れた直後に布へ取って、あごの下と口角を押さえ、そのあと乾いた布で水気を取る。器を替える時刻とそろえておけば、増える手順は1つだけで済みます。

この2週間の記録は、季節がひとまわりしたあとに効いてきます。器のぬめりが戻るまでの時間を、季節ごとに1回だけ書き留めておいてください。1年ぶんそろうと、その子が乾く型に寄る子なのか、ぬめる型に寄る子なのかが、においを嗅ぐ前に分かるようになります。口臭が増える季節を待ってから動くのではなく、その手前で器と口まわりの段取りを入れ替えられるようになります。

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よくある質問

春と秋は、どちらの型として扱えばいいですか?
入れ替わりの途中なので、朝と夕方の両方で薄く出ることがあります。その場合は、器のぬめりが戻るまでの時間だけで決めてください。半日変わらないなら乾く型、3〜4時間で戻るならぬめる型として、その季節のあいだは1つのやり方で通すほうが結果が読めます。
エアコンを使う時期は、夏でも乾く型になりますか?
なります。冷房で室内の湿度が下がると、暑い時期でも口の中が乾いている時間が延びることがあります。外の季節ではなく、その子が過ごしている部屋の側で判断してください。器のぬめりが戻る時間も、冷房の入った部屋では長くなります。
水の器を増やすと、かえって不衛生になりませんか?
数を増やすなら、洗う回数もそのぶん必要になります。増やした器を洗いきれないと、ぬめる型の条件をつくることになります。1つ増やすたびに、朝夜に洗う手間が増える前提で考えてください。難しいときは、器の数を増やすかわりに、置き場所をその子がよく通る動線に移すだけでも飲む回数は増えます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。