C08季節・行事
加湿器を置くか、体に直接か|湿度と皮膚は別の話です
棚の上の湿度計が45%を指している部屋で、その子が寝ているのは床から20cmの高さです。暖房を入れた部屋の空気は上へ動くので、この2つの高さで同じ数字が出るとは考えにくくなります。加湿器を1台足すと部屋の平均は上がりますが、平均が上がったことと、その子の皮膚に水分が残ることは、別々に起きます。冬に地肌が乾く話をするとき、この2つはひとまとめに語られがちです。部屋の湿度を動かす手と、皮膚の側に直接足す手は、届く場所も、届いている時間の長さも違います。この記事では、その子が家の中でいちばん暖かい場所にいた時間と、その場所から加湿器までの距離という2つを数えながら、どちらを先に動かすかを決めていきます。
湿度計の高さと、その子の高さ|加湿器を足す時期に最初に測る数字
暖房を入れた部屋では、室温が上がったぶんだけ湿度の数字が下がります。空気に含まれている水蒸気の量が同じでも、温度が上がるとその空気が抱えられる量のほうが増えるので、割合として薄まるからです。冬の室内が乾くのは、外の空気が乾いているからというより、家の中で温めているからです。これは毎年くり返される条件なので、去年と同じ暖房のつけ方をしていれば、去年と同じところが乾きます。季節の変わり目に地肌の様子が動き始めたら、気温より先に、暖房を入れた日を思い出してください。
ここから先が、加湿器の話とずれていくところです。湿度計はたいてい棚の上か壁に掛かっていて、床から1メートル以上の高さにあります。その子が一日のうちいちばん長くいるのは、床から40cmより下です。しかも犬も猫も、部屋の中で暖かい場所を自分で選びます。ストーブの正面、床暖房の上、エアコンの温風が落ちてくる場所、昼の窓ぎわ。部屋の中でいちばん暖かい場所は、その場の湿度がいちばん低い場所でもあります。湿度計が45%を指していても、その子のまわりの空気だけは、それより下を通っていることになります。
| 場所 | その場の空気 | その子がそこにいる時間 |
|---|---|---|
| 棚の上(湿度計のある高さ) | 部屋の平均に近い | 0時間 |
| ストーブや暖房の正面 | いちばん温まり、そのぶん湿度の数字は下がる | 冬はここが長い |
| 床暖房やホットカーペットの上 | 下から温められ続ける | 寝ているあいだずっと |
| 昼の窓ぎわ | 日が当たる数時間だけ暖かい | 午後に数時間 |
| 廊下・玄関のたたき | 暖房が届かず、室温も低い | 行き来するときだけ |
だから、この記事ではまず2つだけ数えます。ひとつは、その子が家の中でいちばん暖かい場所にいた時間。もうひとつは、その場所から加湿器までの距離です。時間はだいたいで構いません。夜の3時間ずっとストーブの前なのか、1日のうち30分だけなのかが分かれば十分です。距離はメジャーを持ち出さず、歩幅で何歩かを数えておきます。この2つは、加湿器を買い替えても、部屋の模様替えをしても、そのまま使える数字です。
気温が下がった日に地肌が乾く、という説明で止めてしまうと、打てる手が「暖房を弱める」しかなくなります。寒い時期にそれは選びにくい。温度そのものではなく、温度が変えたものを数えると、動かせる場所が増えます。暖かい場所にいた時間と、加湿器からの距離は、どちらも今日のうちに動かせます。
軸1・部屋の空気を湿す|加湿器の水蒸気が届く距離と、皮膚に届くまでの時間の違い
加湿器が動かしているのは、部屋の平均です。吹き出し口から出た水蒸気は、まわりの空気と混ざりながら広がっていきます。濃いのは吹き出し口から2〜3メートルのあいだで、そこから先はドアの開け閉めや換気扇のほうが強く働きます。部屋の空気がひととおり入れ替わるまでに30分から1時間、家具の多い部屋ならもう少しかかります。つけてすぐ湿度計が動かなくても、故障ではありません。
そして、部屋の湿度が上がってから皮膚の水分が動くまでには、もうひとつ間があります。空気が湿ると、皮膚の表面から水分が出ていく速さがゆるみます。ゆるんだ状態が何時間か続いて、はじめて地肌の見え方が変わります。加湿器を入れたその日の夜に、フケの量が変わっているかを見ても早すぎます。変化を見るなら、暖房を入れ始めてからの日数で区切って、1週間ごとに同じ場所を見るほうが読み取れます。
- 加湿器の強いところ:家族の人も同時に楽になる/その子に触らなくても条件が変わる/一度置けば、毎日の手数が増えない
- 加湿器の弱いところ:止めた時間は、その効きぶんも止まる/その子のいる場所まで届いているかが分からない/いちばん暖かい場所は、加湿器を足しても相対的に低いまま
- 数字がそろわない理由:湿度計は平均を測る道具で、皮膚は一点の話をしている
弱いところの1つめが、冬のあいだいちばん響きます。留守にする8時間、加湿器を止めている家は多いはずです。そのあいだも暖房のタイマーだけは動いていたり、床暖房が入りっぱなしだったりします。帰宅したときに湿度計が30%台まで落ちているなら、その8時間は皮膚の側だけが乾き続けたことになります。加湿器を24時間つけたままにできるなら話は早いのですが、水の補充も、置いた場所の結露も、冬のあいだずっと続きます。
置き場所は、部屋の真ん中より、その子が長くいる場所と暖房の吹き出し口を結んだ線の上が現実的です。温風に乗せて運ばせる形になるので、床に近い高さまで水蒸気が回りやすくなります。壁ぎわに寄せると、壁の内側だけが湿ります。歩幅で数えた距離が5歩を超えているなら、加湿器を大きいものに替える前に、置き場所を2歩ぶん寄せるほうが先です。
軸2・皮膚の側に直接足す|留守の8時間に湿度が下がっても残るもの
もうひとつの手は、皮膚の表面に直接水分を置くやり方です。届く範囲は、触れた場所だけです。部屋の広さも、間取りも、加湿器の台数も関係ありません。その子がストーブの前にいても、玄関で待っていても、同じ場所に同じだけ届きます。加湿器が苦手としていた「いる場所が分からない」という弱点が、この手では最初から問題になりません。
触る場所は、風の当たる面から決めます。暖房の温風が最初に当たるのは、背中の上の面と、耳のふち、鼻すじ、しっぽの付け根です。乾いた空気が当たっている面と、その子が舐めて濡らしている面は別なので、混ぜて考えないでください。前足の甲や手首の内側は、乾いてから舐めることが多く、舐めたあとに乾いてまた荒れるという回り方をします。順番を決めておくと、1回にかかる時間が2分を超えません。
-
暖房の風がどこから来ているかを確かめる
立ったままでは分かりません。その子が寝ている高さにしゃがんで、顔に風が当たる向きを見ます。ここで向きを1回つかんでおけば、冬のあいだは同じです。
-
風が最初に当たる面から触る
背中の上の面と耳のふち。毛の上からではなく、毛を指で分けて皮膚まで届かせます。長毛の子は、分け目を作る場所を3か所決めておくと迷いません。
-
フケが出ている場所を後回しにしない
白い粉が浮いている場所は、すでに表面が薄く割れています。あとで時間があれば、と回すと、その日はたいてい届きません。2番目か3番目で済ませます。
-
前足の甲としっぽの付け根で終える
舐める場所を最後に置くと、直後に舐められても、その日にやったことの大半は残ります。終わりの場所を固定しておくと、途中で中断しても、どこまでやったかが分かります。
-
ブラッシングは触ったあとに回す
先にブラシを通すと、乾いたまま毛が動いて静電気が立ちます。表面に水分を置いてからブラシを入れるほうが、被毛の途中で引っかかりません。
この手にも弱いところがあります。毎日、誰かが手を動かさないと続きません。加湿器は置けば動きますが、こちらは家族の誰がやるかを決めておく必要があります。それから、触られるのを嫌がる子では、場所を減らすところから始めることになります。背中の上の面だけ、耳のふちだけ、と1か所に絞っても、冬のあいだ毎日続いているほうが、週末にまとめて全身を触るより、地肌の様子は安定します。
同じ45%でも意味が変わる|加湿器と、皮膚に足すものの使い分けを表で決める
ここまでの2つを、同じ表に並べます。選ぶ基準は「どちらがよく効くか」ではなく、その家で数えた2つの数字がどう出たかです。暖かい場所にいた時間が長く、加湿器からの距離が遠い家ほど、皮膚に直接足す側の比重が上がります。
| 見るところ | 部屋の加湿器 | 皮膚に直接 |
|---|---|---|
| 届く範囲 | 部屋の空気全体。濃いのは2〜3m | 触れた場所だけ |
| 効いている高さ | 吹き出し口から上に広がる | 床から20cmでも同じ |
| 変わり始めるまで | 30分から1時間 | 置いたその場で |
| 留守の8時間 | 止めればその時間ぶん止まる | 朝に置いたぶんは残る |
| 数え方 | 湿度計の数字 | 触れた場所と回数 |
| 家族の人への影響 | 同じ部屋にいる全員に及ぶ | その子だけ |
| 冬以外の時期 | 使わない月がある | 換毛期でも夏でも同じ |
| 先に動かすとよい家 | 人も乾きを感じている家 | 1頭だけ、決まった場所が乾く家 |
表の最後の行が、分かれ目です。家族の誰かが喉や手の乾きを感じているなら、部屋の側から動かすほうが早く、しかも全員が楽になります。その子の背中の上の面だけ、耳のふちだけ、というふうに乾く場所が決まっているなら、部屋の平均を3ポイント上げるより、その場所に直接置くほうが近道です。加湿器を1台増やすかどうかで迷っている段階なら、先に1週間、直接置く側をやってみると、どちらの問題だったかが分かります。
皮膚に直接置くほうに mofuwa スキンケアミストを使うと、触る場所を毛の上か地肌かで選び分けずに済みます。中身は高機能性電解酸化水100%で、水以外のものが入っていません。ここが、その子の一日の動き方と噛み合います。暖房の風が当たる面は、背中の上、耳のふち、鼻すじ。このうち耳のふちと鼻すじは、その子が舐めようとすれば舌が届く場所です。口に入ることを前提にしないと選べない場所が、冬に乾く場所と重なっています。
病院で処方されるものは、多くの場合いわゆる飲み薬か塗り薬です。塗ったものが昼には残っていない、という話をよく聞きます。舐めてしまうからです。mofuwa スキンケアミストは、口に入っても差し支えのない水の規格に当てはめて確かめてあるので、舐める場所にそのまま使えます。耳の内側でも、口のまわりでも、手を止めて考える必要がありません。診断を受けるのは動物病院ですが、家で毎日続ける側の手は、これで一本にまとまります。
この水は、水分の浸透力が精製水の35倍という特長を持つ特許電解水からできています。表面にとどまるだけでなく、毛を分けて当てた地肌の側まで入っていくので、1回に使う量が少なくて済みます。もともとは医療の現場で洗浄に使われてきた水で、縫合した傷口の戻りが通常より早いことに医師が気づいたことから、創傷治癒の分野で検証が始まり、2002年9月の創傷治癒世界会議などで発表されています。研究の対象になってきた水だ、という事実として受け取ってください。炎症に関わる働きも、何かを足したからではなく、この高機能性電解酸化水そのものが持っている働きです。
弱点も先に書いておきます。開けたときに、わずかに塩素のようなにおいを感じることがあります。水を電気分解してつくる過程で生まれるもので、香料でごまかしていないぶん、そのまま出ています。数十秒で消えますが、においに敏感な猫では、最初の数日は嫌がることがあります。その場合は、直接かけずに手のひらに出してから、耳のふちだけを触るところから始めてください。
加湿器からの距離を2歩ぶん縮めて、床に近い高さで測った湿度が2週間ずっと50%前後だったのに、同じ場所をかき続けている。/暖房の風が当たらない面、たとえばおなか側や内ももだけにフケが増えている。/耳のふちが厚くなってきて、触ると顔をそむける。/冬のあいだに体重が落ちている。こうした残り方は、部屋の空気の条件では説明がつきません。湿度をどこで測ったか、いつどこをかいていたかを書いた紙を持って、動物病院の予約を取ってください。家で測れるのは空気の側だけで、皮膚そのものの状態は、その日の診察でしか分かりません。
来年の冬に渡す2つの数字|加湿器と湿度の選び方を、記録のほうに残す
冬が終わるときに手元に残しておくのは、買った道具ではなく、数えた2つの数字です。来年の11月、暖房を入れる日に同じことをもう一度考え直すのは、時間がもったいない。紙の端でも、携帯のメモでも構いません。
| 残すもの | 中身 | 来年の使い道 |
|---|---|---|
| 暖房を入れた日 | 月と日だけ | 地肌が動き始めた日と引き算する |
| いちばん暖かい場所 | ストーブの前・床暖房の上など | 加湿器の置き場所をそこから決める |
| 加湿器までの歩数 | 5歩・3歩といった数 | 去年より縮められたかを見る |
| 乾いた場所 | 背中の上・耳のふちなど2〜3か所 | 11月のうちから、そこだけ先に触る |
この4行があると、来年は「加湿器を買い足すべきか」という問いから始めずに済みます。置き場所を2歩寄せるだけで足りたのか、それとも皮膚の側に毎日置く必要があったのかが、自分の字で残っているからです。湿度という数字は、測った高さを書いておかないと、来年の自分には読み取れません。45%という数字だけが残っていても、それが棚の上なのか床の近くなのかで、意味が入れ替わります。
今日できるのは、しゃがんでみることだけです。その子が寝ている高さで、暖房の風がどちらから来ているかを確かめる。それから、そこから加湿器まで何歩あるかを数える。この2つが分かれば、明日の朝にどこを触ればいいかは決まります。毎日2分、風の当たる面から順に触っていけば、冬のあいだの地肌の様子は、去年とは違う形で春を迎えます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 加湿器は何台あればいいですか。部屋ごとに置いたほうがいいでしょうか。
- 台数より、その子が長くいる場所との距離のほうが先に効きます。同じ1台でも、廊下ぎわに置いた場合と、ストーブの前と吹き出し口を結んだ線の上に置いた場合とでは、床に近い高さに届く量が変わります。まずは今ある1台を、歩幅で2歩ぶんその子のほうへ寄せてください。それで床の近くの湿度が上がらないなら、部屋の広さに対して能力が足りていないか、換気や戸の開け閉めで逃げているかのどちらかです。2台目を考えるのは、その確認のあとで間に合います。
- 湿度は何パーセントを目指せばいいですか。
- 数字を先に決めると、測る高さの話が抜け落ちます。人が快適に過ごせる範囲としてよく挙げられるのは40〜60%ですが、これは人が立って生活する高さの話です。犬や猫の記録として使うなら、床から20〜30cmの高さで測った数字に統一してください。棚の上の湿度計をそのまま使い続けるより、安いものを1つ床の近くに置き直すほうが、来年に渡せる記録になります。上げきれない日があっても、そのぶん皮膚の側に直接置けば、その日の帳尻は合います。
- 加湿器を強くすると窓が結露します。カビが心配です。
- 結露している家では、部屋全体の湿度をこれ以上上げる方向は選びにくくなります。窓の内側で水になっているぶんは、空気中から抜けているので、上げた量ほど部屋には残っていません。そういう家ほど、皮膚の側に直接置く手の比重を上げるほうが噛み合います。加湿器は、その子がいる場所へ届く最低限の位置に留めて、朝と夜の2回、風の当たる面を触る。結露する窓ぎわは、猫が日なたぼっこに使う場所でもあるので、そこに寝床を置いているなら、クッションの下が湿っていないかも一緒に見てください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
