C05犬種・猫種別ケア

ジャックラッセルテリアのケア|かゆがるしぐさを減らす3つの習慣

公開日 2024年2月13日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの公園で、乾いた土の上に立っている小型の淡い色の犬
土にいちばん長く触れているのは前肢と鼻先です。体を見る前に、まずそこを見ます。

ジャックラッセルテリアが庭や公園で前肢を動かしはじめると、土は後ろへ飛び、鼻先はできた穴へ入っていきます。数十秒のあいだに、前肢の指のあいだと鼻のまわりだけが、土と繰り返し触れ合います。胴や背中は、そのあいだほとんど地面に触れていません。この時間の差が、あとから体に出る順番を決めます。ジャックラッセルテリアのかゆみは、背中や腰より先に、前肢のあたりから始まることがあります。体をかいているように見えても、その前に前肢をなめていた、という順番だったことは珍しくありません。この記事では、なぜ前肢と鼻先からなのかを先に整理してから、体を見る前に前肢を見るという手順と、頻度の決め方を書きます。

土に触れているのは前肢と鼻先|ジャックラッセルテリアのかゆみが始まる順番

ジャックラッセルテリアは、地中や岩のすきまに入った獲物を追うためにつくられた犬です。胴が短くまとまっていて、前肢は太く、地面を後ろへ強くかき出せる作りをしています。この体で掘るとき、体のうち土と繰り返し触れているのは、前肢の先と、穴に差し入れる鼻先だけです。背中も腰も脇腹も、そのあいだは空中にあります。ジャックラッセルテリアのかゆみを考えるとき、この接触時間の偏りが出発点になります。

前肢の中でも、土がいちばん残るのは指と指のあいだです。ここは被毛がまばらで、地肌が近く、面が向かい合っているので、入ったものが自然に落ちません。掘る動作が終わっても、指のあいだの土だけはその子の体に残ったまま家へ入ります。鼻先も同じで、鼻梁の脇や口のまわりの短い毛のあいだに、細かい土が入り込みます。かゆがるしぐさが出るとしたら、まずこの2か所が候補になります。

ジャックラッセルテリアの被毛は、なめらかなスムース、硬い毛の混じるブロークン、全体に硬いラフの3種類があります。共通しているのは、どれも毛が短く、まっすぐで、硬いことです。硬い毛は土を弾いて落とすので、胴の側は自然に落ちます。ところが前肢の指のあいだと口のまわりは、そもそも毛が短いうえに面が閉じているため、弾いて落とす仕組みが働きません。落ちる場所と落ちない場所が、体の中ではっきり分かれます。

そして、その子が最初に見せる反応も前肢に出ます。犬が前肢をなめるのは、かゆみに限らず、気になるものを取り除くための行動でもあります。前肢をなめる時間が長くなり、そのあと体をかきはじめる。この順番で進むことが多いので、体をかいてから見はじめると、最初の合図をひとつ見落としていることになります。ジャックラッセルテリアのかゆみを追いかけるなら、順番を逆から拾ってください。

掘ったあと、体のどこに何が残るか
場所土との接触残りやすさ
前肢の指のあいだ掘っているあいだずっと面が閉じていて、落ちにくい
前肢の手根のうしろ地面を押すときに接する毛が短く、こすれます
鼻先・口のまわり穴に差し入れるとき短い毛のあいだに入ります
胸の下側低い姿勢のときだけ動くと落ちます
背中・腰ほとんど触れない硬い毛が弾きます
後ろ肢踏ん張るだけ前肢より少なくなります
Note掘るのをやめさせる話ではありません

地面をかき出す動作は、この犬種が持っている作りに沿った行動です。取り上げると、別のところに出ます。やめさせるのではなく、掘ったあとに残るものを、その日のうちに減らすほうへ考えを寄せてください。掘る時間そのものより、掘り終わってから次に触るまでの時間のほうが、家で動かせる条件です。

体より先に前肢を見る|ジャックラッセルテリアのかゆみで家でできる4つの手順

ここからが手順です。順番を固定するのが目的なので、道具は増やしません。帰宅してすぐ、体をなでる前に、前肢から入ります。ジャックラッセルテリアは体が小さく、抱き上げれば前肢が目の高さに来ます。膝に乗せて、片手で体を支えたまま、もう片方の手だけで進めてください。全部で1分ほどの流れです。

  1. 手順1:前肢を持ち上げて、指のあいだを開く

    肉球の側から親指で押して、指を1組ずつ開きます。見るのは汚れの量ではなく、地肌の色と湿り具合です。乾いた土が入っているだけなら、指で払えば落ちます。開いたときに湿っている、赤みがある、においがある場合は、その日は拭くところで止めて、体のほうへは進みません。左右4本とも同じように開いてください。

  2. 手順2:指のあいだと手根のうしろを、押さえるように拭く

    こすらないでください。硬い被毛の下の地肌は、こすると往復のたびに刺激が積み重なります。湿らせた布を当てて、3秒押さえて離す。これを場所を変えながら繰り返します。前肢の後ろ側、手根の少し上は、地面を押すときにこすれる場所なので、汚れが見えなくても一度当てておきます。

  3. 手順3:鼻先と口のまわりを、毛の流れに沿ってなでる

    鼻のわきと口角のくぼみに、細かい土が残ります。目に入らないよう、外側へ向かって一方向になでてください。ここで嫌がる子は、拭かれることではなく、顔を固定されることを嫌がっていることがあります。片手で顎の下を支えて、頭を押さえつけないようにすると通ります。1回で全部を取ろうとしないでください。

  4. 手順4:最後に、背中から腰へ手のひらを滑らせる

    ここでようやく体です。前肢と鼻先を先に済ませてあるので、体に反応が出ているかどうかを、他の場所と比べて判断できます。手のひらが引っかかる、フケのようなものが立つ、その子が振り向く。前肢に何もなくて体だけに出ているなら、原因は掘る動作の側にはありません。順番を固定しておくと、この切り分けが毎回できます。

手順のあいだに、その子が何を気にしているかも見ておきます。前肢を持ち上げたときに引っこめる、拭いた直後にその場所をなめる、口のまわりを触ると顔をそむける。かゆがるしぐさは、かくことだけではありません。なめる、かじる、床にこすりつける、家具の角に押しつける。ジャックラッセルテリアのかゆみを追うときは、この4つを同じものとして数えてください。

Point家でできるのは、判断ではなく記録です

指のあいだを開いて見ても、それが何によるものかは家では分かりません。家でできるのは、どこが、いつから、どのくらいの頻度で気にされているかを積み上げることです。「火曜・右前肢・帰宅後になめる・5分」くらいの粗さで足ります。1週間ぶんあれば、掘った日と結びついているかどうかが見えます。この記録は、動物病院で相談するときにもそのまま使えます。

掘った日と掘らない日で変える|ジャックラッセルテリアのかゆみと3つの習慣の頻度

手順が決まったら、次は頻度です。習慣を3つ挙げますが、3つとも毎日やることにはしません。毎日の単位で決めるもの、週の単位で決めるもの、季節の単位で決めるもの。粒度をずらしておくと、忙しい週でも3つが同時に止まりません。ジャックラッセルテリアは活動量の多い犬なので、続かない設計にすると最初の1週間で終わります。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何をするか決める単位掘った日の扱い
習慣1前肢の指のあいだを開いて、押さえ拭き毎日・帰宅直後の30秒回数は増やさず、押さえる時間を長く
習慣2被毛を分けずに、地肌の色と湿りを点検週1回・決めた曜日掘った翌日にずらします
習慣3掘る場所と土の状態の見直し季節の変わり目土が湿る時期は場所を替えます

習慣1は毎日ですが、掘った日だからといって回数を増やさないでください。回数を増やすと、拭く動作そのものが刺激になります。増やすのは回数ではなく、1回あたり押さえている時間のほうです。乾いた土なら、押さえて離すだけで布に移ります。取りきれなかったぶんは翌日に回して構いません。前肢はもともと毛が短く地肌が近い場所なので、うるおいを持っていく方向の手当ては、往復の数だけ効いてきます。

習慣2は週に1回です。曜日を決めて、明るい場所で前肢と鼻先の地肌を見ます。短く硬い被毛は分けにくいので、毛を開こうとせず、指の腹で毛を寝かせて地肌の色を透かせてください。先週と比べて赤みの範囲が広がっているか、同じ場所にとどまっているか。ブラッシングをする習慣があるなら、その直後に見ると毛が寝ていて見やすくなります。ジャックラッセルテリアの被毛は短いので、ラバー製の柔らかいもので十分です。

習慣3は季節ごとです。掘る場所の土は、季節で状態が変わります。乾いてさらさらの時期は払えば落ちますが、雨のあとや雪解けの時期は湿って粘り、指のあいだに残ります。土が湿る時期は、掘る場所を替えるか、掘ったあとに手をかける時間を長めにとる。この判断を、月に一度ではなく季節の変わり目にまとめてやると、忘れずに続きます。湿度が上がる時期は、拭いたあとに前肢が乾ききっているかも一緒に見てください。

Caution洗いすぎは、かゆがるしぐさを増やす側に回ります

前肢が汚れるからといって、帰宅のたびに洗うのは避けてください。洗う回数が増えると、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで持っていかれます。ジャックラッセルテリアは被毛が短いぶん、地肌がそのまま外に面しています。洗いすぎた前肢は、乾いてから気にされることが増えます。汚れたら毎回シャンプーで洗えばかゆみは減りますという考え方は、この犬種の前肢では逆に働きます。洗うのは決めた頻度で、日々は拭くところまでにしてください。

習慣1で押さえる前肢の指のあいだは、その子がいちばん先になめに行く場所でもあります。拭いた面に残ったものを、そのまま口へ運ぶ順番になっています。だからここに置くものは、落とす力より先に、口へ入る側から選びます。そう選ぶと、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準を通した水だけでできている mofuwa スキンケアミストが残ります。布に含ませてから、指のあいだと手根のうしろへ、押さえるように当ててください。直接吹きかけて濡れたままにせず、当てたあとは乾いた面で水気を取ります。鼻先に使うときは、目に入らないよう布を先に湿らせます。掘った日の土をその日のうちに減らすところまでが、習慣1です。

短く硬い被毛の下を透かして見るコツ|ジャックラッセルテリアのかゆみが引かないとき

最後に、家で見るときのコツと、線を引く場所です。ジャックラッセルテリアの被毛は短く硬いので、長毛種のように毛を分けて地肌を出す作業ができません。分けるのではなく、寝かせて透かします。指の腹で毛を一方向に押さえると、毛のあいだから地肌の色が見えます。前肢の内側、手根のうしろ、口角の下。この3か所を、いつも同じ順で見てください。

そのうえで、次のような変わり方は、掘る動作の話として片づけないでください。手順どおりに前肢を先に見て、頻度も守っているのに、同じ場所が短い間隔で戻ってくる。あるいは、前肢には何もないのに、体だけがかゆがるしぐさの中心になっている。この記事で書いた条件が説明できるのは、土に触れる時間の偏りから追える範囲までです。そこから外れる変化は、家で見分けようとしないほうが安全です。

家で続けてよい範囲と、相談に切り替える線
見えていることどうするか
掘った日だけ前肢を気にし、翌日には収まる手順と頻度をそのまま続けます
掘らない日にも同じ場所を気にしている1週間ぶん記録して、相談の準備をします
前肢に何もなく、体だけをかいている掘る動作以外の条件を疑う段階です
赤み・湿り・においのどれかがある拭くのをやめて、動物病院にご相談ください
なめ続けて毛が薄くなってきた待たずに相談してください
Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなって地肌が見えている、指のあいだが腫れている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。ジャックラッセルテリアは動きが速く、痛みがあっても走ってしまう子が多い犬種です。走れていることは、様子を見てよい理由になりません。前肢に理由が見つからないまま体だけが変わるときは、家で数える側に置かないでください。

相談に行くときは、気にしはじめた日、気にしている場所、掘った日かどうかの3つをメモしてください。掘る場所と土の状態は飼い主にしか分かりません。前の晩に念入りに拭いてしまうと、もとの状態が見えなくなるので、そのまま連れて行ってください。使っているものがあれば、それも一緒に伝えると切り分けが早くなります。

ジャックラッセルテリアと暮らすうえで、掘る動作そのものをなくすことはできません。前肢で地面をかき出し、鼻先を穴へ入れるのは、この犬種が地中の仕事のためにそなえた体の使い方だからです。減らせるのは掘る時間ではなく、掘ったあと、土がその子の指のあいだに残っている時間のほうです。体より先に前肢を見る。回数ではなく押さえる時間を増やす。週1回、毛を寝かせて地肌を透かす。ジャックラッセルテリアのかゆみに家で手を入れられるのは、この順番のところです。

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よくある質問

ジャックラッセルテリアが掘るのをやめさせたほうがいいですか?
やめさせる必要はありません。地面をかき出す動作は、この犬種の体の作りに沿った行動で、取り上げると別の形で出ることがあります。動かせるのは掘る時間ではなく、掘り終わってから前肢に手をかけるまでの時間です。帰宅直後に指のあいだを開いて押さえ拭きをするところまでを決めておけば、掘る時間はそのままで構いません。
前肢を持ち上げると嫌がります。どうすればいいですか?
触られること自体ではなく、姿勢を固定されることを嫌がっている場合があります。立たせたまま片方だけ持ち上げるより、膝に乗せて体を支え、肉球の側から親指で押して開くほうが通りやすくなります。1回で4本すべてを見ようとせず、今日は右前だけ、と決めてください。嫌がる日に無理に続けると、次の日から前肢を隠すようになります。
散歩がアスファルトだけの日でも、前肢を見たほうがいいですか?
見る場所は同じでも、頻度は下げて構いません。土に触れていない日は指のあいだに入るものが減るので、押さえ拭きは省いて、地肌の色を確かめるだけで足ります。ただし週1回の点検は曜日で決めているので、掘らなかった週でもそのまま行ってください。掘った日との差を比べる材料になります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。