C04悩み解決
目やにが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
洗面所に置きっぱなしだったガーゼを目の下に当てた瞬間、その子が顔を後ろに引く。引かれたから急いで拭こうとして、急いだから指に力が入る。力が入ったから、次の日はもっと嫌がられる。この連鎖の入口にあるのは、手とガーゼの温度です。目やにの対処法を、手のひらでガーゼを包む30秒から組み直します。
犬でも猫でも、目やにのやり方は温度から始まる
目やにとは、目の表面を覆っている涙の成分と、はがれた細胞、外から入ったほこりなどが混ざって、目の縁で固まったものです。出ること自体は毎日起きています。問題になるのは、それを取ろうとする時間が、その子にとって嫌な時間になってしまったときです。
犬の体温はおよそ38.5度前後、猫はおよそ38度前後です。室温20度の部屋に置いてあったガーゼは、その子の体温より18度ほど低いことになります。目のまわりは皮膚が薄く、温度の差をいちばん感じやすい場所です。ここに冷たいものが近づくと、痛みではなく驚きとして反応が出ます。目やにの対処法を考えるとき、まずここを直します。
- 顔を引く:目に当たる前に、頬の位置で反応が出ます。当てる前から嫌な時間が始まっています
- 飼い主が急ぐ:引かれると、当たっている短いあいだに終わらせようとします
- 指に力が入る:急ぐと、押さえる力と拭く速さの両方が上がります
- 翌日の抵抗が強くなる:嫌だった記憶は、次に顔へ手が伸びた時点で先に出ます
やわらかいガーゼかコットン、ぬるま湯、そして手を洗ってから30秒待つ時間。使い捨てにできるものを選んでください。同じ布を左右で使い回すと、片目のものをもう片方へ運ぶことになります。左右で必ず面を変えるか、別のものを使ってください。
目やにを浮かせる、4つの手順
順番そのものが手順の中身です。目に近いところから始めないでください。いちばん敏感な場所から触ると、そのあとの3つが全部やりにくくなります。遠いところから、温度に慣れてもらいながら近づきます。ここに挙げる対処法は、犬にも猫にも同じ順番で使えます。
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手のひらでガーゼを包んで、体温に近づける
ぬるま湯で湿らせて軽く絞ったガーゼを、両手のひらで包みます。ここに30秒使ってください。短く感じますが、この30秒があるかないかで、次の3つの手順の受け入れられ方が変わります。熱くする必要はありません。触って冷たさを感じなくなれば十分です。
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目から遠い頬に当てて、当てられることに慣れてもらう
最初に触るのは、目から指2本分ほど離れた頬です。当てて、そのまま数秒置きます。顔に温かいものが乗る感覚を、目の近くではない場所で先に経験してもらいます。ここで顔を引かれたら、まだ温度が足りません。もう一度手のひらで包み直してください。
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下まぶたの外側から当てて、拭かずに待つ
目尻寄りの下まぶたに、面で当てます。ここで動かしません。固まった目やには、水分を含んで柔らかくなるまで毛や皮膚から離れません。10秒から20秒、当てたまま待ちます。浮いてきたものは、ガーゼを離すときに一緒に付いてきます。取ろうとして動かすと、まだ付いているものを引っぱることになります。
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最後に目頭へ、同じように当てて待つ
目頭は涙が集まる場所で、目やにがいちばん溜まりやすく、いちばん敏感な場所でもあります。だから最後に回します。ここまでで顔を引かれていなければ、目頭でも待てます。当てて待って、離す。1回で全部を取ろうとしないでください。残ったものは次の回に回します。
最後の1回は、目やにが残っていてもその子が落ち着いているうちに終わらせてください。嫌がりはじめてから終わると、その日の記憶は「嫌だった」で終わります。落ち着いているうちに切り上げると、次の日に顔へ手を伸ばしたときの反応が変わります。
目やには家でできる、浮かせて待つところまで
うまくいかないときの理由は、ほぼひとつに集まります。待つ時間が短いことです。当てて3秒で動かすと、固まったものはまだ皮膚と毛に付いたままなので、結局こすることになります。家でできる対処法の中身を「拭き取る」から「湿らせて浮かせて、待つ」に置き換えてください。
| やってしまいがちなこと | そのとき起きていること | 置き換え |
|---|---|---|
| 当ててすぐ動かす | 固まったものが付いたまま引っぱられる | 10〜20秒、当てたまま数える |
| 目頭から目尻へ一方向に拭く | 目頭の汚れを目の表面の側へ運ぶ | 外側で待ってから、最後に目頭 |
| 乾いたティッシュで取る | 繊維が残り、水分も足りない | 湿らせたガーゼで面ごと当てる |
| 両目を1枚で続けて拭く | 片目のものをもう片方へ運ぶ | 左右で面を変えるか、別のものを使う |
| 1回で全部取ろうとする | 終わり際に抵抗が強くなる | 落ち着いているうちに切り上げる |
力を抜くための具体的な目安として、ガーゼを持つ指は3本まで、押す強さはまぶたがへこまない程度と決めておくと分かりやすくなります。まぶたがへこんで見えたら、それは拭く力ではなく押す力です。
また、この方法で目やにが治りますという言い方は、家庭ケアには当てはまりません。家でできるのは、いま付いているものを痛みなく離すところまでです。出る量そのものを家で変えることはできません。
目やにの頻度は、回数ではなく1回の時間で決める
1日に何回やるべきかを先に決めると、たいてい回数を増やす方向へ動きます。回数が増えると1回が雑になり、雑になるほど嫌がられます。対処法の頻度は、1回あたりに使える時間から逆算してください。温める30秒と、当てて待つ時間を左右で合わせて1分。あわせて2分ほどが1回分です。
- 2分を1日1回:いちばん続きます。朝のごはんのあとが定位置にしやすい時間帯です
- 2分を1日2回:目やにが多い日や、乾いて固まりやすい季節はここまで
- 30秒を1日4回:おすすめしません。温める時間が省かれ、待つ時間も消えます
- 日をまたいで放置:固まるほど、離すのに時間がかかります。少量のうちが最も短く済みます
目やにの色や質が変わった(黄色や緑がかっている、粘り気が強い)、片目だけ急に増えた、目を開けにくそうにしている、白目が赤い、まぶしがる、前足でこすり続けている、目のまわりが腫れている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを続けず動物病院にご相談ください。受診の直前に目のまわりをきれいにしてしまうと、目やにの状態が分からなくなります。気づいた日の写真を1枚残して、拭かずに連れて行ってください。
気になる状態が落ち着いても、毎日の2分はそのまま残ります。顔まわりで、その子の舌がいちばん先に届くのは口のまわりとあごの下です。ガーゼを当てているあいだ、この2か所はずっと舌の届く距離にあります。だから顔で使うものは、温度だけでなく、口に入ってよいかどうかでも選ぶことになります。この2つを同時に満たすものとして、mofuwa スキンケアミストがあります。中身は電解水100%。口に入ってよいかどうかは、清涼飲料水の規格基準のほうで確かめられています。水なので、ガーゼと同じように手のひらで包んで、温度をそろえてから使えます。コットンにとって、手のひらでひと呼吸ぶん温めてから、口のまわりとあごの下へ。順番は目やにのあとです。対処法の中心は当てて待つ時間のほうなので、先に顔を触ると、そこが削られます。目のまわりに直接吹きかけないでください。目に入れるものではありません。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 温めたガーゼは、どのくらいの温かさが目安ですか?
- 自分の手の甲に当てて、温かさも冷たさも感じない温度が目安です。人が心地よいと感じる温度は、犬や猫の体温より低いことが多いため、温かいと感じるくらいで十分です。熱いお湯で作る必要はありません。電子レンジで加熱したタオルは中心部だけが高温になることがあるので、目のまわりには使わないでください。
- 綿棒を使って、細かいところの目やにを取ってもいいですか?
- おすすめしません。綿棒は先端が硬く、面ではなく点で当たるため、力が一点に集中します。その子が動いた拍子に目の表面へ触れる事故も起きます。細かいところに残ったものは、次の回に湿らせたガーゼで浮かせてください。この対処法では、1回で全部を取る必要はありません。
- 嫌がって顔を触らせてくれない子には、どこから始めればいいですか?
- 手順の2つ目、目から遠い頬に温めたガーゼを当てるところだけを、数日続けてください。目やにを取らない日をつくって構いません。顔に温かいものが乗ることが平気になってから、下まぶたの外側へ進みます。対処法の順番を守るために日数を使うほうが、結果として早く進みます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
