C04悩み解決
毛玉を繰り返さないために、毎日やっておきたいこと
雨の中を20分歩いた日の翌朝、脇の下に指を入れると、前の日には無かった小さな結び目が出来ています。毛玉が締まるのは、濡れた被毛が乾いて縮んでいく数時間のあいだです。濡れている最中に触っても、まだ何も起きていません。だから毛玉の予防は、毎日を均等に配らず、根元が濡れた日の翌日に寄せます。毎日やっておきたいことはひとつだけで、今日がその「翌日」に当たるかどうかを確かめること。印になる出来事は6つあります。
毛玉の予防は、毎日を均等に配らない
毛玉とは、抜けたのに落ちきらなかった毛が、生えている毛と絡み合って束になった状態のことです。抜け毛は毎日出ています。それがそのまま束になるかどうかを決めているのが、根元が濡れて、乾いていく時間があったかどうかです。
濡れた被毛は水を含んでふくらみ、毛の表面が起きた状態になります。乾いていく過程でその毛が縮み、起きたままの表面どうしが噛み合って戻らなくなる。締まるのは、乾いていく数時間です。濡れているあいだに触っても、まだ何も起きていません。翌日に触ると、もう束になっています。ここが、毛玉の予防を毎日均等に配ってはいけない理由です。
| 出来事 | 根元が濡れる場所 |
|---|---|
| 雨や雪の日の散歩 | お腹、内もも、前足の付け根、あごの下 |
| 水遊び、川や海、水たまり | 全身。とくに胸から前足にかけて |
| シャンプー、部分洗い | 洗った範囲すべて。乾かし残しが出やすいのは脇と耳の後ろ |
| よだれが多かった日、水をよく飲んだ日 | あごの下、口のまわり、胸の上 |
| 排泄物が毛に付いた日 | おしりまわり、しっぽの付け根 |
| 保冷剤・濡れタオル・クールマットを使った日 | 接していた面。背中や脇腹に出ます |
春と秋の換毛期は、落ちきらない毛の量そのものが増えます。この時期だけは、濡れた日がなくても翌日扱いにしてください。下毛のある子は、根元に抜け毛が溜まっている状態が続くため、上の6つと同じ条件がそろいます。逆に言えば、換毛期以外は6つの印が付いた日だけで足ります。
昨日を思い出す|犬と猫に共通する毛玉の手順4つ
毎日やることは、次の4つです。1つ目だけは、その子に触らずにできます。思い出すだけの作業なので、朝の支度をしながらでも終わります。ここで「あった」と分かった日だけ、2つ目に進みます。
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前日に、根元が濡れた場面があったかを思い出す
s1の6つの印と照らします。雨、水遊び、シャンプー、よだれ、排泄物、保冷剤。迷ったら「あった」に倒してください。無かった日に根元を触っても害はありませんが、あった日に触らないと1日分だけ締まりが進みます。ここが毛玉の予防でいちばん取り返しがつかない場面です。
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あった日は、濡れた場所の根元を指で分ける
ブラシより先に指です。毛の流れに逆らって、根元まで指を差し入れ、左右に開きます。ほどくのではなく、束になりかけているところに空気を通すのが目的です。脇の下、内もも、耳の後ろ、しっぽの付け根の4か所を先に。ここで抵抗を感じたら、その一点だけをゆっくり広げてください。
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無かった日は、毛先だけを流して終わる
根元まで入れる必要はありません。毛先にブラシを当てて、ひっかかりが無いことだけ確かめます。1分もかかりません。毎日同じ手間をかけないことが、続けるための条件です。ここを重くすると、印が付いた日にも手が回らなくなります。
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印は、カレンダーに一言だけ残す
「雨」「シャンプー」「クールマット」。書くのは単語ひとつで十分です。翌朝、思い出す代わりにそれを見ます。1か月分たまると、その子にとってどの出来事が多いかが見えてきます。多い順に、乾かし方や散歩後の手順を先に変えていけば、予防のためにできることが自然に絞られます。
猫でも手順は同じです。ただし猫は水に濡れる場面が犬より少ないぶん、印になるのはよだれと毛づくろい、そして保冷剤やクールマットです。自分で舐めて濡らした場所が、そのまま印になります。前足の付け根と胸の上を先に見てください。
毛玉に家でできるのは、日を選ぶこと
続かなくなる理由は、ほぼひとつです。毎日同じだけやろうとすることです。全身を根元から毎日となると10分では終わらず、10分かかるものは3日で止まります。止まった週に雨が降ると、そこで束が出来ます。予防の考え方を「量を増やす」から「日を選ぶ」に置き換えてください。
| 毎日均等にやる | 濡れた翌日に寄せる | |
|---|---|---|
| 1日あたりの時間 | 全身を根元から。10分前後 | 印のない日は1分、ある日は5分 |
| 続く期間 | 3日から1週間で止まりやすい | 1分の日が大半なので残りやすい |
| 締まりはじめへの間に合い方 | 止まった日に当たると間に合わない | 締まる時間帯に手が入る |
| その子の負担 | 毎日押さえられる時間が長い | 押さえる日が減る |
- 静電気が起きているときは、根元を触る前に手を湿らせる:乾いた指で分けると毛が広がって絡みやすくなります
- うるおいが足りない毛先は、先に整えてから根元へ:毛先がひっかかったまま根元を開くと、途中で引っぱることになります
- すでに束になっているものは、この手順の対象外です:出来てしまったものをほどくのは別の作業です
- 1か所につき30秒まで:それ以上かかる場所は、家で続ける段階を越えています
なお、毎日ブラッシングすれば毛玉を防ぎますと言い切れるものではありません。予防のためにできるのは、締まりはじめる時間帯に手を入れて、束になる条件をひとつ減らしておくところまでです。同じ回数でも、入れる日が合っているかどうかで結果が変わります。
毛玉の頻度は、カレンダーの印の数で決まる
1か月続けると、印の数がそのままその子の頻度になります。印が月に2〜3個なら、根元まで触る日は月に2〜3日です。印が月に15個を超えるなら、生活のどこかで根元が濡れる回数が多いということなので、ブラッシングの回数を増やす前に、乾かし方のほうを先に見直してください。
- 印が月に0〜3個:毛先を流す日が大半。予防はこれで足りています
- 印が月に4〜10個:脇の下と内ももだけ、印のない日にも指を入れておくと安定します
- 印が月に11個以上:乾かす手順を先に変えます。とくに脇と耳の後ろの乾かし残し
- 換毛期の2か月:印の数に関係なく、根元を触る日を週3日に固定します
印が付かない日の1分に、足せるものがあります。毛玉予防ジェルは、被毛1本1本をコーティングして、絡まりにくい状態を保つためのものです。5プッシュを手のひらに広げて全身に置き、そのままブラッシングでなじませる。2〜3日に1回で足りるので、毛先を流すだけの日の手順はほとんど変わりません。塗っておくと、毛玉ができにくい状態が続きます。印が月に11個を超える子ほど、この1分の中身を変えておく値打ちがあります。
印が付いた翌日、脇の下や内ももで指が止まった一点。ここが、切るか切らないかの分かれ目です。束になりかけている場所には、毛玉予防ジェルを直接なじませます。その毛玉がしっとりする程度まで置いてから、ブラシを毛先の側から入れる。水で全身を湿らせるのとは別の話で、置くのは束になった一点だけです。ゆるんでこないときは、そこにグルーミングスプレーを足してもみこむと、よりほぐれやすくなります。はさみを持たずに済む場面を増やしておくことが、この1本の役目です。
指が根元まで入らない、束を持ち上げると皮膚が一緒に持ち上がる、束の下の皮膚が見えない、その子が触られると鳴く・振り返る、束が板状に広がっている。この状態はトリミングサロンに相談してください。ハサミを入れるのは、皮膚を一緒に切る事故がいちばん多い場面です。あわせて、束の下の皮膚が赤い、湿っている、においがある、脱毛している場合は動物病院にご相談ください。毛玉の話ではなくなっていることがあります。
毎日やっておきたいことは、結局ひとつです。前の晩に根元が濡れる場面があったかを思い出して、あった日だけ根元に指を入れる。印のない日は毛先だけ、印のある日は根元まで。毛玉予防ジェルを塗る日をその流れに重ねておけば、予防のためにかける時間は1日1分のままです。
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よくある質問
- 濡れた日の当日に、乾かしながらブラッシングしてはいけないのですか?
- してはいけないという話ではありません。乾かしながら風の当たる面を変えていくのは、根元を乾かすうえで有効です。ただし、濡れているあいだの被毛は引っぱりに弱く、力が入ると切れます。当日は乾かすことに集中して、指で分ける作業は翌日に回すほうが安全です。
- 短毛の子にも、この考え方は当てはまりますか?
- 当てはまります。短毛の子は束になりにくいぶん見落とされますが、脇の下や耳の後ろ、しっぽの付け根は毛の向きが交わる場所なので、濡れて乾いたあとに小さな束ができます。全身を触る必要はないので、印が付いた翌日にその3か所だけ確かめてください。
- カレンダーに印を付け忘れた日は、どうすればいいですか?
- 前の晩に何をしたかを思い出せなければ、脇の下と内ももの2か所に指を入れてみてください。根元まですっと入るなら、印は付いていなかったと考えて毛先だけで終わります。ひっかかりがあれば、その日を翌日扱いにして根元から進めてください。記録は完璧でなくても、指で確かめられます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
