C08季節・行事

新しい家でトイレを外す|においを消すほど、居場所がわからなくなる

公開日 2024年3月28日|文=mofuwa編集部

荷物のない明るい部屋で、淡い色の木の床にすわっている白っぽい猫
新しい家の床は、その子にとって、においの手がかりが1つもない面から始まります。写真:Osman İçli/Pexels

新居に入って3日目の朝、トイレから2メートル離れた廊下の隅で、2回目の粗相を見つけました。1週間で外した場所は4か所、そのうち2か所は同じ場所の2回目です。前の家では半年のあいだ一度も外していなかった子が、引越しのあとの1週間だけトイレを外す、ということが起きます。におうところを片端から消していった床は、その子の側から見ると、どこで排泄していいのかを決める手がかりが1つも残っていない面です。この記事では、新居の粗相を、トイレの内側に残しておくにおいと、外した床から消しておくにおいの2つに分けて見ていきます。分ける物差しは、外した場所の数と、トイレからの距離です。

軸1・トイレの内側に残しておくにおい|新居で粗相が増える子と増えない子の違い

引越しの日に、トイレのトレーを洗い、砂を全部入れ替え、シーツを新品にした家では、その子が排泄の場所を決める材料が同じ日に0になっています。人の目には、新しい家に新しいトイレを置いた、というだけのことです。犬も猫も、排泄の場所はにおいで決めています。前の家では、トレーの縁と、砂の下と、シーツの一角に、自分のにおいが積み上がっていました。その積み上がりが、引越しの1日で消えます。

新居の粗相を減らす手は、新しい家に入ってからではなく、旧居でトイレを箱に入れる時点で決まります。運ぶときに洗わない、という1つの判断が、新居に着いたあとの1週間を変えます。持ち込める手がかりは5つあり、そのうちいくつ残せたかで、外す回数の出方が変わってきます。

引越しの日に、洗うものと洗わないもの
物引越しの日にどうするかその子の側に残るもの
トイレのトレー洗わずにそのまま運ぶ縁と底に残ったにおい
砂・シーツ半分だけ新しくする使っていたぶんが混ざった状態
使用済みのシーツ1枚新居でいちばん上に敷くここが排泄の場所だという合図
トイレを置く床置く前に1回だけ拭き取りをする前の住人と作業の靴のにおいが減る
トイレの隣にあった物旧居と同じ側に置き直す距離と向きの関係が変わらない

5つのうち3つ残せていれば、新居のトイレは初日から場所として成立します。0か1つしか残っていない家では、その子は自分でにおいを置き直すところから始めることになり、その置き直しが粗相という形で出ます。新居の粗相は、しつけが崩れた出来事ではなく、地図を書き直している途中の記録です。期間でいえば、おおむね最初の1週間から10日に集中します。

この時期の引越しには、もう1つ条件が重なります。年度の変わり目に日取りが寄るので、荷ほどきの日の外気はまだ低く、窓を開けていられる時間が短くなります。換気の回数が少ない部屋では、においが空気中にとどまる時間が長くなり、トイレの内側に置いたはずの手がかりが、部屋全体のにおいに紛れます。窓を開けるのは荷ほどきをしている短い時間にまとめ、トイレを置いた部屋だけは最後に開けるという順番にしておくと、手がかりの濃さが残ります。

軸2・外した床から消しておくにおい|新居の粗相を拭き取りの範囲で使い分ける

外した場所でやることは、軸1とちょうど逆になります。ここは残さない側です。新築でも中古でも、床の表面はたいてい平らに見えますが、フローリングの継ぎ目、巾木の際、カーペットの縁には、尿が入る細い隙間があります。表面を拭いて人の鼻で分からなくなっても、隙間に入ったぶんは残ります。残っていれば、その子は次もそこを選びます。1週間で外した4か所のうち2か所が同じ場所だったのは、この残り方です。

尿だけを見ていると、外した場所以外が手つかずになります。その子が伏せた場所、前足で踏んだ場所には皮脂が移っていて、床に移った皮脂は、新居の1週目から順にたまっていきます。においが強くなりやすいのは、寝床のまわりと、食器の下の床です。どちらも毎日同じ場所に同じ体勢で接するので、面のうち一部だけが早く汚れます。粗相の始末と同じ日に、この2か所も拭き取りの範囲に入れておきます。

残すにおいと、消すにおい トイレの内側は、その子が場所を決めるための手がかりです。外した床は、次の候補地になるので残しません。同じ家の中で、手の向きが正反対になります。 どちらも新居に入った最初の1週間の話です トイレの内側(残す) トレーの縁と底は洗わない 使っていた砂を半分混ぜる 使用済みのシーツを上に1枚 拭くのは外側の床だけ 手がかりは5つのうち3つ以上 外した床(消す) 継ぎ目と巾木の際に入る 跡の20センチ外側まで拭く 吸ってから拭き、風で乾かす 湿ったまま戻すと元が残る 同じ場所の2回目はここから
1本の中身より先に、どちらの側の床かを決めます。

この2つを取り違えると、手をかけるほど外す回数が増えます。トイレの内側を熱心に洗い、外した床は表面だけ拭いた家では、その子にとっていちばんにおうのが、トイレではなく廊下の隅になります。新居の粗相の使い分けは、道具の種類ではなく、床のどちら側かで決めます。

1週間で何か所出たかを数える|新居の粗相の見分け方を距離と回数で決める

記録は紙1枚で足ります。間取りをおおまかに書いて、トイレの位置に印をつけ、外した場所へ日付と時刻を書き込みます。1週間ぶんたまると、数と距離という2つの数字が出てきます。数は、外した場所がいくつあったか。距離は、トイレからいちばん遠い場所まで何メートルか。このどちらが動いたかで、手を入れる側が分かります。

残す側と消す側で、やることがどう違うか
見るところトイレの内側(残す側)外した床(消す側)
目的排泄の場所だと分かる材料を置く次の候補地になる元を抜く
手を入れる範囲トレーと砂とシーツの中だけ跡の20センチ外側まで
頻度1週間は半分だけ入れ替える外したその日のうちに1回
やりすぎると場所の手がかりが消えて外す床材の継ぎ目に水が入りやすくなる
2回目が同じ場所に出たら内側は足りている隙間に残っている
別の場所が増えたら手がかりが足りていないその場所はまだ元になっていない
記録のつけ方何を何割入れ替えたかを1行場所と時刻を紙の間取りに書く

見分け方は、この表の下2行にほとんど収まっています。同じ場所で2回目が出るのは消す側の残り、別の場所が1つずつ増えていくのは残す側の不足です。距離が週をまたいで伸びているときは、その子がまだ場所を探している最中で、トイレの手がかりのほうを増やします。逆に距離が縮んで、外す場所がトイレの手前1メートルに集まってきたら、場所は決まっていて、あと一歩のところで間に合っていないだけです。

数の目安も持っておきます。1週目に4か所だったものが、2週目に2か所、3週目に0か1か所になっていれば、その子の側では地図ができあがっています。減り方は、数より先に距離に出ます。場所の数がまだ3つあっても、どれもトイレから1メートル以内なら、前の週より進んでいます。紙に書いておくと、この進み方が自分の字で見えるので、新居の粗相を人の記憶で評価せずに済みます。

Point紙に書く3つだけ

外した場所・時刻・トイレからの距離。この3つ以外は書かなくてかまいません。量や色まで書こうとすると続かず、続かない記録は2週目の比較に使えません。距離は歩数でも足ります。トイレから何歩の場所だったか、という数字のほうが、あとで読み返したときに場面ごと戻ってきます。

拭いたあとの床に何が残るか|新居で粗相の始末に使うものの選び方

拭いた床は、その日のうちにその子が歩いて、伏せて、前足を舐めます。1週間で書き出した4か所は、どこもその子が鼻を近づけて確かめた場所です。新居では床に接している時間が長く、家具がまだ少ないぶん、伏せる場所が床そのものになります。つまり、外した床に使ったものは、拭いた面から前足へ、前足から口へと移ります。床に使うものを選ぶときの物差しは、汚れの落ち方より先に、この経路のほうです。

mofuwa 瞬間消臭スプレーは、その経路の側から中身が決まっている1本です。入っているのは電解水だけで、香りを足していません。床に吹いたものを舐める動物がいる、という前提を先に置いて、成分をそこから決めています。だから粗相の始末にも、寝床のまわりにも、食器の下の床にも、場所ごとに持ち替えずに使えます。

香りを足していないことは、この記事の軸1にそのまま効いてきます。においを別の香りで覆う形のものを外した床に使うと、消したはずの場所に、新しいにおいが1つ増えます。人の鼻には消えた床が、その子の地図の上では、印のついた場所として残ります。新居の1週目は、その子が家じゅうのにおいを並べ直している時期です。ここで人の側から香りを増やすと、トイレの内側に残しておいた手がかりが、床の香りに埋もれます。残す側と消す側を分けた意味が、使う1本の中身で崩れることになります。

瞬間消臭スプレーは余計な成分を入れていないので、床のほかに家具にも使えます。粗相の始末で手を入れるのは床だけではありません。巾木の際、ケージの柵の下、キャリーの底、食器の下に敷いたマット。1か所ごとに使えるかどうかを考えなくていいと、外したその日のうちに始末が終わります。この「その日のうちに」が、同じ場所の2回目を減らす条件です。犬猫を預かる施設でも、ケージと床の手入れに使われています。

逆に、トイレの内側には使いません。トレーの縁も、砂も、シーツも、軸1で残すと決めた側です。新居の粗相で使うものの選び方は、何を買うかより、どこに使わないかで決まります。棚に置くときも、トイレの横ではなく、拭き取りに使う布と同じ場所にまとめておくと、手に取る時点で側を間違えません。

Caution外した場所の数が、2週目に減らないとき

1週目と2週目で場所の数も距離も変わらない/1日に3回以上外す日が続く/1回の量が少ないのに回数だけ増えている/しゃがんだ姿勢のまま時間が長く、何も出ていない/トイレの中でも外でも、排泄のあとに同じ場所を舐め続けている。こうした出方は、引越しの条件だけでは説明がつきません。紙に書いた場所と時刻と距離を持って、その週のうちに動物病院の診察の時間をとってください。何日目から、どのくらいの距離で、1日に何回かという3つの数字は、家でしか取れない材料です。

窓を開けられない日に、拭く場所を3か所へ減らす|新居のトイレと粗相が落ち着いたあと

2週目に入って外す場所が減ってきたら、拭き取りの範囲を毎日3か所へ固定します。粗相の始末が毎日の仕事ではなくなった時点で、家じゅうを拭く形は続きません。残すのは、床のうちその子が必ず接している場所だけです。

3か所に減らすと、換気の回数が少ない日でも手が回ります。まだ外の風が冷たい時期は、窓を開ける時間を長く取れません。拭く場所を絞って、乾かす時間のほうを確保するほうが、部屋に残るにおいは少なくなります。トイレの内側は、このあとも入れ替えを半分ずつにして、においの積み上がりをその子の側に残しておきます。

今日できるのは、紙を1枚出して、間取りとトイレの位置を書いておくことだけです。外した場所に日付を足していけば、来週には数と距離が出てきます。新居の粗相は、その2つの数字が下がっていく形で終わります。

Product

mofuwa 瞬間消臭スプレー

mofuwa 瞬間消臭スプレー

500ml / 2,420円(税込)

香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。

商品ページを見る

よくある質問

前の家で使っていた砂を、新居でも混ぜたほうがいいですか。
半分から始めてください。全部そのままだと、固まったぶんや湿ったぶんが残って、トイレの中のにおいが強くなりすぎます。強すぎるにおいは、その子が入るのをためらう理由にもなります。使っていた砂を半分、新しい砂を半分。1週間そのままにして、外す場所が減ってきたら、入れ替えのたびに新しい砂の割合を増やしていきます。3週目には、いつもの入れ替え方に戻して問題ありません。シーツを使っている家は、使用済みの1枚をいちばん上に敷いて、翌日に新しいものへ替えます。
トイレの場所は、前の家と同じ配置にしたほうがいいですか。
部屋の名前より、3つの関係をそろえます。ドアからの距離、壁に向いている向き、隣に何が置いてあるか。この3つが旧居と同じなら、部屋そのものが変わっても、その子から見た位置関係は変わりません。新居の間取りで同じ関係が作れないときは、ドアからの距離を優先します。食器と寝床から離れているかどうかも一緒に見てください。新居では家具がまだ少なく、旧居では離れていた3つが、同じ部屋の中に並んでしまうことがあります。
同じ場所を2回外したので、そこにトイレを移したほうが早いのではないですか。
床を拭いてから決めます。2回目が出た場所は、隙間に元が残っている可能性のほうが先です。跡の20センチ外側まで拭いて風を通し、それから3日見てください。それでも同じ場所に出るなら、その子はその位置を選んでいます。トイレを移すのはそのあとで、移すときは今の場所のトイレをすぐ片づけず、1週間は2か所に置いておきます。片方を先に消すと、場所の手がかりがまた0からになります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。