C09シーン別・暮らし

サロン通いのあいだを楽にする、大型犬と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2024年4月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の木の床で、落ち着いて伏せている淡い色の大きな犬
面積の広い場所と、先に崩れる場所は、同じではありませんでした。写真:3194556/Pixabay

サロンの予約票に書かれたトリミングの所要時間が、3時間から3時間半に変わりました。体重が30キロを超えたころです。1回が長くなると、店の側の枠の取り方も、こちらが半日を空ける都合も変わります。次の予約は自然と先へ動いて、間隔は5週から7週になりました。大型犬と暮らしていると、この伸び方はどの家にも起きます。伸びたぶんを家で埋めようとして、最初にやったのは全身へ薄くブラシをかけることでした。7週目にサロンへ持っていったとき、返ってきたのは「背中はきれいに保てている」と「指のあいだと耳の内側と尾のつけ根に時間がかかった」の2つです。この記事は、トリミングの間隔が伸びた大型犬の家で、面積の広い場所と、先に崩れる場所が一致しなかった話です。

サロンの1回が3時間半になって、次の予約が先へ動いた|大型犬とトリミングの間隔が伸びる背景

その日の予約票には、3時間半と書いてありました。前の年までは3時間です。大型犬は洗う面積が広く、乾かしきるまでの時間が長くなります。乾ききる前に次の工程へは進めないので、1回の所要時間は体の大きさにほぼ比例して伸びていきます。1回が長くなるほど、サロンの側は枠を取りにくくなり、こちらも半日を空ける必要が出てきます。その結果、トリミングの間隔は5週から7週へ、季節によっては8週へ動きました。誰かがそう決めたわけではありません。両方の都合が合う日を探していくと、そこに落ち着きます。

間隔が伸びたぶんは家で埋めるものだと思って、毎日ブラシをかけることにしました。夜、その子を伏せさせて、背中から脇腹へ、毛の流れに沿って5分。大型犬は面積が広いので、5分あっても全身は一巡しません。それでも、手を動かした時間の8割は背中と脇腹に使っていました。広いところは手が入りやすく、ブラシが滑るので、やっている実感があります。毎日の被毛のケアとしては、いちばん続けやすい場所でもありました。

7週目にサロンへ持っていったとき、返ってきた言葉は2つでした。背中はきれいに保てている。そのかわり、指のあいだと耳の内側と尾のつけ根に時間がかかった。手を入れていた場所は崩れておらず、手が入っていなかった場所だけが崩れていました。書いてしまえば当たり前ですが、こちらは全身へ薄く手を入れているつもりでいました。実際にやっていたのは、面積の広いところを毎晩くり返すことです。

Note背中に手を入れたことが無駄だった、という話ではありません

背中と脇腹に毎日ブラシを通していたから、7週目でも背中はきれいでした。問題は、5分という限られた時間の全部をそこへ使っていたことです。大型犬の体表を5分で一巡することはできません。だから毎日のケアは、どこをやるかではなく、限られた5分をどう配るかという話になります。減らす場所を決めないと、増やす場所は作れませんでした。

面積が広い場所ほど、あとから崩れる|大型犬でトリミングの間隔の後半に差が出る理由

サロンから帰った日を1週目として、どこが何週目から手ざわりを変えるかを1年かけて書き留めました。結果を先に書くと、面積が広い場所ほど遅く崩れ、面積が狭い場所ほど早く崩れます。直感とは逆の並びでした。広い場所のほうが、崩れる量は多いはずだと思っていたからです。

理由は3つに分けられます。1つ目は、手が届くかどうか。背中と脇腹は、立っていても伏せていても手が入ります。2つ目は、空気が通るかどうか。広い面は毛が寝ていて、根元まで乾きます。3つ目は、その子が動かないでいられるかどうか。背中を触られているあいだ、大型犬はたいてい落ち着いています。狭い場所は、この3つが全部そろって不利になります。手を入れるには姿勢を作らせる必要があり、折りたたまれているので空気が通らず、触られているあいだその子が動きます。

サロンから何週目に手ざわりが変わるか(1年ぶんの書き留めから)
場所面積手の届きやすさ手ざわりが変わる週
背中いちばん広い立っていても伏せていても届く6〜7週目まで持つ
脇腹広い横から手が入る6週目ごろから毛の流れが寝る
首のうしろ中くらい上から見えて、両手が使える5週目から根元が詰まる
尾のつけ根狭い見えない位置を手で探す3週目から手ざわりが変わる
耳の内側狭いめくる手と支える手が要る2〜3週目から
指のあいだいちばん狭い足を持ち上げないと開かない2週目から

大型犬でとくに効いてくるのは、3つ目の「その子が動かないでいられるか」です。前足を1本持ち上げると、残りの3本に体重が乗ります。10キロの子と30キロの子では、そのときの負担がまるで違います。だから大型犬は、足を上げていられる時間が短くなります。指のあいだを開いて見ている途中で足を下ろされるのは、その子が嫌がっているというより、姿勢が続かないからです。耳も同じで、頭が重いぶん、めくって支えていられる時間が限られます。

そしてもう一つ、崩れ方の中身が場所によって違います。背中は毛の流れが寝てくるだけなので、ブラシを通せば戻ります。指のあいだと耳の内側と尾のつけ根は、抜けた毛がそこに残って、下でからまります。からまってしまうと、上からブラシを当てても表面を滑るだけです。トリミングの間隔の後半で差が出るのは、戻せる崩れ方と、戻しにくい崩れ方が混ざっているからでした。

Point皮膚が見える状態かどうかで測る

手ざわりだけでは分かりにくいときは、指で毛を左右に分けて、皮膚が見えるかどうかを確かめてください。背中は7週目でもすぐ分かれます。指のあいだと耳の内側は、3週目で分けにくくなることがあります。分かれるかどうかは、その場所の被毛がどれだけ詰まっているかの目安になります。大型犬は面積が広いので、全身で確かめようとすると終わりません。6か所だけ決めておけば足ります。

毎日の5分を、狭くて届きにくい3か所へ寄せる|トリミングの間隔を埋める大型犬のケアで起きる変化

配分を変えることにしました。総量は5分のままです。増やすと続かないことは、最初の半年で分かっていました。背中と脇腹を週2回に落として、空いたぶんを指のあいだ・耳の内側・尾のつけ根の3か所へ回します。この3か所は、狭いので1か所あたり1分あれば足ります。大型犬の毎日のケアで難しいのは時間の長さではなく、姿勢を何回作らせるかのほうでした。

  1. 先に3か所を決めて、名前で呼ぶ

    指のあいだ、耳の内側、尾のつけ根。この3つだけを毎日の担当にします。名前で呼べるようにしておくと、家族のあいだでも引き継げます。「体を拭いておいて」では、たいてい背中を拭いて終わります。大型犬の家では、手の届く場所へ自然に流れていくので、言葉のほうを先に決めておくと配分が守れました。

  2. その子を動かさず、人のほうが回る

    大型犬は体重で動かせません。立たせたまま向きを変えさせようとすると、それだけで時間が終わります。伏せの姿勢を1回作らせたら、あとは人が頭側から横へ、横から後ろへ回ります。頭側で耳の内側、横で前足の指のあいだ、後ろで尾のつけ根と後ろ足。姿勢を作らせるのは1回だけになり、その子の負担も減りました。

  3. 足は1本30秒で切る

    指のあいだを開くのは、3本足で立たせるか、伏せた状態で足を前へ引き出すかです。どちらでも、30秒で下ろします。4本で2分。長く持っていると、次の日から足を引っ込めるようになります。1回で全部の指を開こうとせず、今日は前足2本、明日は後ろ足2本という分け方でもかまいません。トリミングの間隔が7週あるなら、1周する回数は十分に取れます。

  4. 根元を湿らせてから、コームの先を入れる

    乾いたまま狭い場所へブラシを入れると、毛が切れます。mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませて、指のあいだと耳の内側の入り口を一往復させてから、コームの先を入れます。吹きかけてそのまま梳かせるので、湿らせる手と梳かす手が続けて終わります。湿っているほうが、抜けた毛がまとまって出てきます。全身に吹きかけるのではなく、その日の3か所だけです。大型犬に全身へ使うと、量も時間も続きませんでした。

  5. 背中は週2回、曜日で決める

    毎日やめる、ではなく曜日を決めて残します。火曜と金曜、というふうに決めておくと、やらない日に落ち着かなくなりません。背中は6週目まで持つので、週2回で足ります。抜け毛の増える時期だけ週3回に戻しました。減らす場所を先に決めたことが、3か所へ寄せられた理由です。

変わったのは、2か月目からでした。サロンで「指のあいだに時間がかかった」と言われなくなり、尾のつけ根だけが残りました。尾のつけ根は、こちらから見えない位置にあるので、触っていても届いていないことがあります。グルーミングスプレーを含ませた布を当てていた位置も、半分ずれていました。見えない場所は、鏡を使うか、その子を横に倒すかで、一度は目で見ておいたほうが早いです。目で見た日から、手の当て方が変わりました。

Noteやらない日を作っておく

毎日と決めると、できなかった日に立て直せなくなります。週に1日、何もしない日を先に入れておきました。大型犬の家では、散歩の時間も掃除の量も、小型の子と暮らす家より長くなります。手が回らない日は必ず来ます。やらない日が予定に入っていると、その日は予定どおりで、翌日から同じ配分に戻れます。トリミングの間隔が7週あるという前提は、1日休んでも崩れないという意味でもありました。

7週目に持っていくものが変わった|大型犬とトリミングの間隔を1年つないだ経験

1年ぶんの予約と、そのときサロンで時間がかかった場所を並べると、変化が読めました。間隔はむしろ伸びているのに、サロンで時間がかかる場所は減っています。家でやる量を増やしたわけではありません。5分は5分のままです。配る先を、面積の広い場所から、狭くて手が届きにくい場所へ移しただけでした。

1年ぶんの予約と、家でやっていたことの記録
予約した月前回からの間隔家でやっていたことサロンで時間がかかった場所
5月5週毎日、背中と脇腹に5分指のあいだ・耳の内側
7月7週同じ指のあいだ・耳の内側・尾のつけ根
9月7週3か所を先に、背中は週2回尾のつけ根だけ
11月8週同じとくになし
1月8週同じ。静電気が出た週は間を空けたとくになし
3月7週抜け毛が増えたので背中を週3回に戻した脇腹

3月に脇腹が戻ってきたのは、抜け毛の量が増えたからです。面積の広い場所は、量が増える時期だけ、崩れる早さの順位が入れ替わります。ここだけは季節で読み替える必要がありました。逆に言えば、それ以外の時期は、広い場所を毎日やる理由がありません。大型犬のトリミングの間隔が長いという条件は、家のやり方を組み替える余地が長いという意味でもあります。

サロンとの関係も少し変わりました。7週目に持っていくときに、家で毎日どこを触っているかを一言だけ伝えるようにしています。「指のあいだと耳の内側は毎日、背中は週2回です」と言うと、その日の時間の使い方が変わります。次の予約を何週後に取るかの相談も、こちらの都合だけでなく、その子の被毛の状態から決められるようになりました。大型犬は1回が長いので、この相談が効きます。

最後に、家でできる範囲の外にあることを書いておきます。指のあいだが赤くなっている、同じ場所をなめ続けている、耳を振る回数が増えた、尾のつけ根に触ると振り向いて動きを止める。こうした変化が重なっているときは、ブラシの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。毎日触っている場所だからこそ、変化には早く気づけます。気づいたことを手入れで埋めようとすると、かえって分かりにくくなります。皮膚の状態そのものは、家で判断するものではありません。

大型犬と暮らしていると、トリミングの間隔は自分では決めきれません。1回が長く、枠が取りにくく、こちらの半日も要ります。動かせないなら、動かせるほうを動かす。それが、家でやる5分の配り先でした。全身へ薄く広げるのをやめて、狭くて手が届きにくい3か所に寄せる。間隔が7週でも8週でも、次にサロンへ持っていく体は変わります。面積の大きさと、崩れる早さは、同じ順番ではありませんでした。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。