C08季節・行事
かけたあとに舐める子が、そばにいる|体ではなく持ち物にかける
出かける前に虫よけをひと吹きした日の帰り、ハーネスを外した子が最初に口をつけたのは、前足のつけ根でした。そこは、出る前に霧がいちばん多くかかっていた場所です。犬が自分の舌で届く範囲を数えると、体を九か所に割ったうちの七か所になります。かけたものを舐める子がそばにいる家では、かける先を体から持ち物の側へ移します。ハーネス、服、散歩バッグ。この記事で数えるのは、かけた場所のうち、その子の口が届くところの数です。
軸1・体にかけると、舌が届く場所が七か所ある|虫よけを舐めるかどうかの違い
体にかけたものが口へ入るかどうかは、その子の性格ではなく、舌がどこまで届くかで決まります。犬の体を九か所に割って、自分の舌が届くところを数えると七か所です。届かないのは背中の真ん中と首のうしろの二か所しかありません。しかもその二か所は、前足でぬぐった手が口へ運びます。虫よけを体にかけるという選び方は、この七か所をそのまま舐める場所にすることと同じ意味になります。
| 体の場所 | 舌が届くか | そこにかけたものがどうなるか |
|---|---|---|
| 前足のつけ根 | 届く | 毛づくろいのたびに口へ入る |
| 後ろ足の内側 | 届く | 座った姿勢のまま舐める |
| おなか | 届く | 横になっている時間の長さで量が変わる |
| 脇腹 | 届く | 体をひねって舐める |
| 胸の前 | 届く | 前足でぬぐってから、その前足を舐める |
| しっぽのつけ根 | 届く | 追いかけるように舐める |
| 内股 | 届く | 排泄のあとに舐める |
| 背中の真ん中 | 届かない | ぬぐった前足が口へ運ぶ |
| 首のうしろ | 届かない | 同居の子が舐める |
猫では、この数え方そのものが変わります。前足を舐めて顔をぬぐう動きがあるぶん、届かない場所というものがほとんど残りません。犬で二か所だった例外が、猫では実質ゼロになります。だから同じ家に猫がいる場合、体にかけるという選び方は犬の側だけで完結しません。寄り添って寝ている子が、隣の子の背中を舐めるからです。
五月の終わりは、この数がもう一段ふくらむ時期です。気温が上がって毛が抜け替わり、換毛期のあいだは毛づくろいに使う時間そのものが長くなります。室温が上がって床に体をつけて寝る時間が増えれば、おなかや内股をなめる回数も増えます。同じ量をかけても、口へ入る量は季節の変わり目に合わせて増えます。虫よけを使いはじめる時期と、舐める時間がいちばん伸びる時期が重なっている、という順番で考えておいてください。
軸2・持ち物にかけると、残るのは縁の一か所だけ|虫よけと持ち物の使い分け
持ち物の側は、口が届く場所を一か所まで減らせます。散歩で体に触れているものを並べると、ハーネス、首輪、リード、服、散歩バッグ、カートやキャリーの六つになります。このうち、その子の舌が届くのは、ハーネスの胸ベルトの縁と首輪の下側だけです。残りは人が持つか、体から離れています。
- ハーネス:背中側と脇のベルトは届きません。届くのは胸の前を横切る一本の縁だけなので、かけるのは背中側の面にします
- 首輪:外から見える面は届きません。内側は皮膚に接するので、ここへはかけません
- リード:人が持つ部分と、地面に垂れる部分に分かれます。どちらも口は届きませんが、地面に垂れるほうは草に触れます
- 服:背中と腰の面にかけます。裾と袖口は舐めるので外します
- 散歩バッグ:体から離れています。持ち物のなかでいちばん自由にかけられる面です
- カートとキャリー:外側の布地にかけます。中に敷いたマットは顔が当たるので外します
同じ持ち物でも、体に接する内側と、空気に触れる外側で扱いを分けます。持ち物へかけるときの線は、その面がその子の皮膚と口のどちらにも触れないこと、この一つだけです。ハーネスなら背中側、服なら背中と腰、バッグなら外ポケットの面。この分け方を先に決めてしまえば、毎回どこへかけるか迷わずに済みます。
持ち物の側にはもう一つ、体側にはない条件がつきます。においが積み上がることです。体は毎日ブラシを通しますが、ハーネスや服はそこまで頻繁に洗いません。同じ面に毎日かけ続けると、においは重なっていきます。玄関に掛けたままのハーネスから、家じゅうへ広がることもあります。持ち物にかけるという選び方をするなら、においが残りにくいことが最初の条件になります。
かけ直す間隔も、体側とは別の考え方になります。虫よけの持ちは三時間ほどが目安なので、散歩一回ぶんとほぼ同じ長さです。出る前に一度かけて、帰ったら外して吊るす。体にかけていると、毛が動くたびに位置がずれるので、どこがまだ残っているのか分かりません。持ち物なら、かけた面は動きません。散歩の前に一回、という数え方ができるのは、持ち物の側だけです。
届く場所・かけ直す回数・確かめ方で並べる|虫よけの選び方を二つの軸で比べる
二つの軸は、効きめの強さではなく、かけたものがどこへ行くかで分かれます。体にかけたものは毛の上に残り、その毛を舐めます。持ち物にかけたものは布の上に残り、洗うまでそこにいます。同じ一回でも、そのあとの行き先が違います。
| 見るところ | 体にかける | 持ち物にかける |
|---|---|---|
| 口が届く場所の数 | 九か所のうち七か所 | 縁の一か所だけ |
| かけ直す回数 | 毛が動くたびに位置が変わる | 出かける前の一回 |
| 長毛の子での届き方 | 毛の上で止まり、根元まで落ちない | 毛の長さに左右されない |
| 同居の子への移り方 | 寄り添って寝た子が舐める | 外して吊るせば触れない |
| 洗って落とせるか | 体は毎日は洗えません | ハーネスは週に一度まとめて洗える |
| 確かめ方 | 舐めている場所を目で追う | 帰ってから外して吊るした数を見る |
| 猫のいる家での扱い | 届かない場所が実質なくなる | 持ち物の外側だけで完結する |
| 結論の行 | 口へ入る量を数え続けることになる | 数えるのは持ち物の枚数だけで済む |
表の最終行が、この二つを分ける答えです。体側を選ぶと、毎日数えるものが増え続けます。今日はおなかを何分舐めていたか、前足のつけ根はどうか。持ち物側を選ぶと、数える対象はハーネスと服とバッグの三枚に固定されます。三枚なら、玄関で目視して終わりです。
記録のつけ方も変わります。体にかけていたときは、舐める時間を計っていたはずです。持ち物へ移したあとは、帰ってから外した枚数だけを数えます。三枚出したのに二枚しか戻っていない日は、一枚がまだその子についているということです。寝床まで持ち込まれた服は、そのまま一晩中、口の届く場所になります。枚数の数え方は、出した数と戻した数を合わせるだけで足ります。
どちらを選ぶかは、その家に何頭いるかでも変わります。一頭なら舐める場所を目で追えますが、二頭以上では、自分の体だけでなく相手の体も舐めます。首のうしろという、犬にとって唯一の安全地帯が、同居の子の舌で埋まります。頭数が増えるほど、体側の七か所という数は九か所へ近づいていきます。持ち物側なら、頭数が増えても、増えるのは枚数だけです。
舐める子のそばで使う一本の見分け方|持ち物にかける設計の虫よけ
mofuwa においがしない虫よけスプレーは、かける先が持ち物の側に決めてつくられています。ハーネスの背中側、服の腰の面、散歩バッグの外ポケット。体へは向けません。使い方の指定として決まっているので、七か所を数え直す作業が、そもそも発生しないことになります。
この決め方には出どころがあります。この一本は、もともと自分の子どもに使いたいものが見つからなくてつくりはじめたものです。虫よけにはディートやイカリジンといった成分がよく使われていて、これらは医薬部外品にも使われています。効きめは確かなものとして知られている一方で、においが強い、べたつく、口に入ることが気になる、という声もあります。その声のほうを先に外して組み直した結果が、いまの形です。成分そのものを否定した話ではなく、どちらを先に外すかという判断の話になります。
中身は、人には分かりにくく、蚊が嫌がるとされる香り成分を選んであります。使っているのはメンタンジオールという植物由来の成分で、ディートは使っていません。精油も使っていません。猫は精油を苦手とするため、猫が同じ家にいる場合、体へかけるかどうか以前に、部屋の空気へ広がる成分のほうが問題になります。持ち物へかけて玄関に吊るす使い方でも、この一点は効いてきます。無添加は十二の項目です。
においについては、香りを消したという言い方ではなく、においがしにくいように設計したという言い方をしています。持ち物は毎日洗わないので、かけるたびに同じ面へ重なっていきます。玄関の壁にハーネスを掛けたままにする家では、そこが一日じゅうにおいの出どころになります。散歩のたびにかけるものだから、残らないことに意味がある、という順番で選んであります。
この虫よけスプレーを使う手順は三つです。出かける十分前に、ハーネスと服を床に置いて背中側へかける。乾くまでのあいだにリードを取りに行く。乾いてから着ける。着けてからかけると、布が肌に接している状態になり、持ち物へかけたはずのものが体側へ回ります。帰ったら外して、玄関のフックへ掛けます。三時間という持ちの目安は、この一往復にちょうど重なります。
出かける前に何もかけていない日でも、前足のつけ根だけを三十分以上舐めている/舐める場所が先週の三か所から五か所に増えた/舐めたあとの毛がそこだけ薄くなり、地肌が見えている/持ち物をすべて外した室内でも、同じところへ口が戻る。こうなると、数えているのは口が届く場所の数ではなく、その子が痛がゆさを訴えている場所の数になります。九か所のうちどこが何か所に増えたのかと、舐めていた時間を書き出して、動物病院の診察を予約してください。増えた順番が紙に残っていれば、口で説明しなくても伝わります。
玄関のフックに掛けたまま、次の散歩へ渡す|五月の終わりに持ち物側で決めること
持ち物側へ移したあと、毎日やることは三枚を数えるだけになります。出るときに三枚、帰ったときに三枚。枚数が合っていれば、その日、口が届く場所へ何かが残ることはありません。体を触って確かめる必要も、舐める時間を計る必要もなくなります。
| 枚 | かける面 | 帰ってからの置き場所 |
|---|---|---|
| 一枚目 | ハーネスの背中側 | 玄関のフックへ掛ける |
| 二枚目 | 服の背中と腰 | 室内へ持ち込まず、外して吊るす |
| 三枚目 | 散歩バッグの外ポケット | 床に置かず、同じフックへ戻す |
換毛期が終わるころには、毛づくろいの時間も少しずつ戻ります。それでも三枚という数え方は、そのまま夏まで持ち越せます。季節の変わり目に見直すのは、かける中身ではなく、玄関に掛かっている枚数のほうです。
今日できるのは、ハーネスを掛けるフックを一つ決めて、そこに三枚ぶんの余白をつくっておくことだけです。次の散歩の前に、その三枚を床へ置いて背中側へ一度かける。帰ったら同じフックへ戻す。舐める場所を数えていた紙は、そこで役目が終わります。
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よくある質問
- 持ち物にかけたあと、どのくらい乾かしてから着ければいいですか。
- 十分をひとつの目安にしてください。布地の厚みで変わるので、指の腹で押して湿り気が残っていれば、もう少し置きます。乾かす時間を短く済ませたい日は、かける面をハーネス一枚に絞って、服とバッグはその日は外します。三枚全部にかけてすぐ着けるより、一枚を乾かしてから着けるほうが、口が届く場所の数は少なくなります。乾く前に着けると、布が肌に接した状態で湿りが移り、持ち物へかけたつもりのものが体側へ回ります。
- 雨で持ち物が濡れた日は、かけ直したほうがいいですか。
- その散歩の途中でかけ直す必要はありません。濡れた布は乾くまで新しくかけても広がらないので、帰ってからの手順のほうを変えます。外して干し、乾いてから次の散歩の前にかけます。持ちの目安が三時間なので、雨の日に途中で足すより、一回ぶんを短く切り上げて帰るほうが形としてはそろいます。乾かないままフックに掛けると、翌日そこへ重ねてかけることになり、においも湿りも同じ面に積み上がります。
- 猫にはハーネスも服も使っていません。どこにかければいいですか。
- 外へ持ち出すものがかける先になります。キャリーの外側の布地、通院用のバッグ、窓辺に敷いているマットの裏側です。猫は届かない場所というものがほとんどないので、体側へかける選び方は最初から外れます。内側に敷くタオルやマットの表面は顔が当たるので、かけるのは外を向いている面だけにしてください。精油を使っていない一本を選ぶ理由は、猫の場合、体に触れるかどうかより先に、部屋の空気のほうにあります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
