C04悩み解決
肉球のベタつきを繰り返さないために、毎日やっておきたいこと
玄関マットのいつも同じ場所だけ、肉球の幅と同じくらいの丸い形で色が濃くなっている。拭いても、しばらくするとまた同じところが濃くなります。犬が汗をかける場所は肉球と鼻先だけなので、汗そのものを止めることはできません。だから予防のためにできることは、肉球の側ではなく、その子が立っている面の側にあります。困っているのは汗が出ることではなく、湿ったまま同じ面に触れ続けている時間のほうです。
家でできるのは、汗を止めることではない
肉球の汗とは、体温と気持ちの動きに合わせて出る、犬に残された数少ない汗のことです。犬の汗腺は体のほとんどの場所では働かず、汗で熱を逃がせるのは肉球と鼻先くらいしかありません。走ったあと、暑い日、緊張したとき。そのたびに肉球は湿ります。これは体の仕組みなので、止まったら困るほうです。予防の考え方は、ここから始めます。
それでも困るのは、床がべたつく、においが出る、指のあいだが赤くなる、フローリングで滑る。並べてみると、どれも汗が出た瞬間の話ではありません。出たあと、湿ったまま同じ面に触れ続けている時間の話です。予防のためにできることは、この時間のほうにあります。
| 肉球の側で手を打つ | 立っている面の側で手を打つ | |
|---|---|---|
| やること | 拭き取りの回数を増やす | 触れている面を、乾いた側に替える |
| いつできるか | その子が足を出してくれたときだけ | その子が寝ているあいだでもできる |
| 起きること | 汗と一緒に、うるおいまで持っていく | 湿ったまま触れている時間だけが短くなる |
| 散歩の日の負担 | 帰宅後の手数が増える | 変わらない |
予防のためにできることを肉球の側だけで考えると、行き止まりになります。汗は止まらないので、拭き取りの回数だけが増えていきます。散歩から帰るたび、床にあとを見つけるたび、また拭く。これでは毎日の手数が減りません。面の側に移すと、その子を呼ばずに済むぶん、続く量が変わります。
毎日やるのは、面を裏返す3つ
毎日やることは3つです。合わせて1分ほどで、その子を呼ぶ必要があるのは3つ目だけ。買い足すものもありません。
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玄関マットを、乾いた面に替える
新しいマットに買い替える話ではありません。裏返すだけで構いません。玄関マットは、散歩から帰った肉球が最初に触れる面です。地面から持ち帰った水気と汗が一緒に入り、同じ場所だけが乾かないまま次の散歩を迎えます。朝でも夜でも、1日1回ひっくり返してください。両面とも湿ったら、そこで洗う日にします。
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よくいる場所の敷物を、1日1回めくる
ソファの前、テーブルの下、寝床のそば。その子が寝そべっている場所の敷物は、下側に湿りがたまります。端をめくって10分置くだけで、裏に回った湿りが抜けます。掃除機をかけるついでに折り返しておく、くらいで十分です。戻し忘れても困りません。
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指と指のすきまに、30秒だけ風を通す
拭き取りではありません。指を軽く開いて、風が通る形にして30秒待ちます。ドライヤーは要りません。うちわでも、窓からの風でも、扇風機の弱でも構いません。開いて乾かす、が3つ目です。拭くとそのときは乾いて見えますが、すきまの奥は閉じたままになります。
3つに共通しているのは、肉球に何かを足していないことです。予防のためにできることとしては、足すより先に乾く時間をつくるほうが確実で、失敗もしません。爪のまわりも同じで、爪が伸びているぶんだけ指が開きにくくなるので、爪の長さが整っていると3つ目がやりやすくなります。
帰宅直後は、汗のほかに地面から持ち帰った水気がついています。この日は、先に汚れを落として、そのあとに30秒の風。マットの裏返しは、その子が上がってしまってからで構いません。順番を守ることより、3つとも今日のうちに済ませることを優先してください。
続けるコツは、面を1つだけ選ぶこと
つまずくのは、家じゅうの床をどうにかしようとしたときです。玄関マット、廊下のラグ、ソファのカバー、寝床のタオル。全部を毎日替えると、3日でやめます。予防のためにできることは、続いたぶんだけしか残りません。だから、選ぶのは1つだけにします。
選び方は簡単です。その子が1日でいちばん長く立っている、または寝そべっている面を1つ。判断がつかないときは、色が濃くなっている場所を探してください。毛が寝ている、生地が薄くなっている、においが残っている。このどれかがある面が、いちばん長く触れている面です。
- 替える面は1つだけにする:残りの面は週に1回で構いません。1つを毎日にするほうが、全部を週1回にするより残ります
- 裏返せるものを選ぶ:洗濯が要るものを選ぶと、そこで止まります。裏表のあるマットやタオルに替えておけば、毎日が10秒で済みます
- やる時間を、別の習慣にくっつける:ごはんの器を下げるとき、夜の戸締まりのとき。単独の作業にしないほうが続きます
頻度を上げるのは、面の側だけです。肉球を拭き取る回数は、いまのままで構いません。拭き取りを増やすと、汗と一緒に肉球のうるおいまで持っていくことになります。取りすぎて乾いた肉球は、こんどは硬くなって割れやすくなります。ベタつきを追いかけて、別の状態をつくらないでください。
裏返しは湿りを抜くための手で、においを消すための手ではありません。裏返せばにおいが消えますということではないので、においが残っているなら、そこが洗うタイミングです。週に1回、洗う曜日を決めておいてください。裏返しだけで通そうとすると、面の側が先に限界を迎えます。
拭き取りの頻度を増やしても、戻ってしまうとき
3つを2週間続けても、床のあとが同じように残る。裏返す面を替えているあいだに、別の変化が出てきた。このときは、家庭でできる予防の範囲の外にあります。ここから先は、面を替えても、拭く回数を増やしても届きません。
- 指のあいだが赤い、腫れている、じくじくしている
- においが出た(甘いにおい、すっぱいにおい)
- なめ続けて止まらない、その部分の毛が変色している
- 触られるのを嫌がる、その足だけ浮かせて立っている
- 4本のうち1本だけ、湿り方が明らかに違う
- 涼しい部屋で、じっとしているのに湿ったままになる
これらがあるときは、様子を見た期間に関係なく動物病院にご相談ください。行く前に、いつから/どの足か/部屋の室温と、その子がいちばん長くいる場所をメモしておくと伝わりやすくなります。当日は足先を洗わずに連れて行ってください。においや色そのものが、診察のときの手がかりになります。
拭き取りを増やさない代わりに、汗と一緒に持っていかれたぶんを戻す、という手はあります。ただしこの記事では、塗るものを選ぶ条件が1つ増えます。床の面を乾いた状態へ戻そうとしている記事だからです。ロウや油脂をベースにした肉球クリームはべたつきが残るので、塗った足がそのまま玄関マットへ乗れば、裏返して稼いだぶんが1回で戻ります。毎日替える面を1つ選んだのに、その面を自分で汚すことになります。
mofuwa 肉球クリームに入っているヒアルロン酸は4種で、大きい分子が表面に残り、小さい分子が角質層へ届きます。11成分は不使用です。べたつきが少ないので、裏返したばかりのマットの上へ下ろしても、面の側の条件が変わりません。
塗るのは、面を裏返した直後の夜の1回だけにしてください。裏返したばかりの乾いた面へ下ろすので、1日のうちでいちばん跡の残りにくい時間です。量は指の腹に取って4本ぶん。指のあいだには入れません。すきまは風を通す場所で、うるおいを置く場所ではないからです。汗のベタつきを追いかけて拭く回数を増やすかわりに、面を替える10秒と、下ろす前の少量。予防のためにできることを、この2つに絞ります。
玄関マットの丸い跡が薄くなってきても、裏返す10秒だけはそのまま夏を越してください。この10秒は湿りを抜く作業であると同時に、その子が今日どこに長くいたかを跡の位置から読む作業でもあります。ひと夏続けると、跡の出る場所が途中で動くことに気づきます。動いたら、毎日替える面もそちらへ移してください。選ぶ面は、そのときどきで1つです。
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よくある質問
- フローリングだけの部屋で、マットも敷物もありません。何を替えればいいですか?
- 替えられる面がないときは、面の側を拭くほうに回してください。その子がいつもいる1畳ぶんだけ、1日1回、乾いた布で拭いて乾かします。部屋の全面はやらなくて構いません。それも難しければ、その場所に薄いタオルを1枚敷いて、裏返せる面を1つつくるところから始めてください。
- 1日に何回、肉球を拭けばいいですか?
- 回数の正解は出しにくいところですが、散歩から帰ったあとの1回でおおむね足ります。この記事で増やしているのは面を替える回数で、拭く回数ではありません。拭く回数を増やすと、汗と一緒にうるおいまで取ることになり、乾いて硬くなった肉球のほうが後から困ります。
- 夏だけの話ですか。冬も同じことをやるのですか?
- 冬のほうが残りやすい季節です。暖房で室内が暖かく、敷物や寝床の上にいる時間が長くなるためで、空気が乾いていても触れている面の下は湿ったままになります。3つは通年で続けてください。冬は、めくって10分置く2つ目でとくに差が出ます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
