C04悩み解決
肉球の乾燥が出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
散歩から帰った直後の肉球に手を当てると、アスファルトの熱がまだ残っていて、指のあいだには砂が入り込んでいます。肉球の乾燥に気づいた飼い主のほとんどが、このタイミングで何かを塗ったり当てたりしています。ただ、1日のうちで肉球がいちばん手当てに向かないのが、この帰宅直後の数分です。対処法の中身を増やす前に、それをやる時間を散歩の前へ移してみてください。この記事で扱うのは、その入れ替えだけです。
帰ってきたあとの肉球には、家でできることが残っていない
肉球の乾燥の対処法として広く紹介されているのは、散歩から帰ったあとに足を拭いて、何かを塗る、という流れです。順番としては自然に見えます。ただ、帰宅直後の肉球は、その日のうちでいちばん状態が動いている数分です。熱を持ち、砂やほこりが指のあいだに入り、地面の水気で表面だけが湿っています。この状態の肉球に何を当てても、届く先は表面に乗った砂のほうです。
- 熱を持っている:アスファルトや土から受けた熱が抜けきっていません。熱いうちは、当てたものの水分が先に飛びます
- 砂とほこりが挟まっている:指のあいだの毛をかき分けた地肌に、細かい粒が残っています。うるおいより先に、これが乗ります
- 表面だけが湿っている:地面の水気で外側が湿るので、その肉球が乾いているかどうかが分かりません
皮膚のケアと同じで、肉球も状態が落ち着いているときのほうが、当てたものが入ります。被毛のブラッシングを、走り回った直後ではなく息が整ってからやるのと同じ考え方です。乾燥の対処法として何を使うかより、どの時間に置くかを先に決めてください。使うものを変えても時間が同じなら、結果は変わりません。
帰宅直後は表面が湿っているため、乾燥そのものには気づきにくくなります。気づくのはたいてい夜、床に寝そべった足先を見たときです。だから夜に慌てて何かを塗ることになります。気づいた時間と、手当てに向いた時間は別のものだと考えてください。
出かける15分前から始める、4つの手順
この対処法の中身は4つで、それ以上は増えません。順番を入れ替えるだけの対処法なので、新しく買うものもありません。使うのはガーゼかコットンと、ぬるま湯だけです。始める時間の目安は、出かける15分前。リードを用意したり水を替えたりしている途中で構いません。
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湿らせたガーゼを、肉球に当てて待つ
ぬるま湯で濡らして軽く絞ったガーゼを、肉球の面に当てます。拭きません。当てたまま、30秒から1分ほど置きます。こすると、乾いて硬くなった表面が削れて、その日のうちにまた乾きます。当てて待つ、が1つ目です。時間がない日は前足2本だけでも構いません。
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乾かさずに、そのまま歩きに出る
当てたあと、拭き取らずに玄関を出ます。歩くと肉球は一歩ごとに曲がり、乾いてできた細い割れ目がわずかに開きます。そこへうるおいが入るので、置いたままにしておくより奥まで届きます。15分前としているのは、含ませた水分が表面から飛びきる前に歩き出すためです。
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帰ってきたら、汚れだけ落とす
帰宅後にやるのは、砂やほこりを落とすところまでです。ここで何かを足すと、s1で書いた状態の肉球に重ねることになります。指のあいだは、軽く開いて風を通してから床へ下ろしてください。
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その日の夜は、肉球に何もしない
夜に触らないのは手を抜くためではなく、朝に置いたものが残る時間をつくるためです。夜に洗ったり念入りに拭いたりすると、その日の1つ目が消えます。何もしない時間まで含めて、ひとつながりの手順です。
4つのうち、実際に手を動かすのは1つ目と3つ目だけです。2つ目は散歩そのもの、4つ目は何もしない時間。つまり、この対処法で新しく足しているのは出発前の1分だけです。手数を増やさずに置く時間だけを替えられるので、この順番を選んでいます。
熱いお湯を使うと、表面に残っている油分ごと持っていきます。洗いすぎたときと同じことが、1回で起きます。人が手首に当ててぬるいと感じる温度までにしてください。石けんや洗浄剤は要りません。この手順で足しているのは水分だけです。
毎日やらなくていい。朝の1回だけを前に倒す
つまずくのはここです。出発前は慌ただしく、リードを探し、うんち袋を確かめ、その合間に1分。やってみると、続かない理由は手順の中身ではなく、時間の取り合いのほうにあります。だから、毎日にしません。
散歩が1日2回なら、朝の1回だけを前に倒します。夕方はこれまで通り、帰ってから汚れを落とすだけで構いません。乾燥の対処法は、回数を増やすほど届くものではありません。増やすと、こする回数と洗う回数まで一緒に増えていきます。
| これまで(帰宅後) | 前に倒したあと(出発前) | |
|---|---|---|
| そのときの肉球 | 熱を持ち、砂が入っている | 室温に戻り、砂も落ちている |
| 当てた水分の行き先 | 表面の砂と一緒に拭き取られる | 歩くあいだに割れ目の奥へ入る |
| 1日の回数 | 散歩のたび。2回以上になりやすい | 朝の1回だけ |
| 抜けたときの戻しやすさ | 汚れが気になるので、やめにくい | 1分なので、抜けても翌朝から戻せる |
部屋の湿度が下がる季節は、朝の1回でも足りないと感じることがあります。そのときに増やすのは、肉球に触る回数ではありません。増やすのは寝ている場所の湿度のほうです。加湿器を足すか、寝床を暖房の風が直接当たらない位置へ動かす。肉球の側で頻度を上げるより、こちらのほうが先に届きます。
出勤前でどうしても時間がない日は、その日は3つ目だけで終わりにしてください。帰宅後に足すほうへ戻さないことが大事です。抜けた日を埋めようとして夕方に手数を増やすと、置く時間を替えた意味がなくなります。週に4日できていれば十分です。
頻度を上げても戻らないときは、乾燥ではない変化
2週間、朝の1回を前に倒して続けても、肉球の表面が変わらない。あるいは、続けているあいだに別の変化が出た。このときは、対処法の外にあることが起きていると考えてください。乾燥として家で見ていられるのは、2週間までです。
- 肉球の一部だけ色が変わった、赤みが出た
- 割れ目から出血した、じくじくしている
- 触ると痛がる、その足だけ浮かせて歩く
- においが出た、腫れている、熱をもっている
- 4本のうち1本だけ、明らかに様子が違う
- 同じ場所をなめ続けて止まらない
これらに当てはまるときは、様子を見た期間に関係なく動物病院にご相談ください。行く前に、いつから/どの足か/家で使っているものをメモしておくと伝わりやすくなります。当日は肉球を洗わずに連れて行ってください。きれいにしてから行きたくなりますが、色やにおいが分からなくなることがあります。
肉球クリームが引き出しの奥で古くなるのは、たいてい塗る時間を夜に置いているからです。寝る前に塗れば、その子はそのあとも部屋を歩き、寝床へ上がります。ロウや油脂をベースにしたものはべたつきが残るので、床にも敷物にも跡がつきます。翌朝その足が触れるのは、自分でつけた跡のほうです。数日で気が進まなくなって、置き場所ごと忘れる。この記事でやった時間の入れ替えは、塗るものにもそのまま使えます。
mofuwa 肉球クリームは、ヒアルロン酸を4種類、分子の大小で組み合わせたクリームです。小さい側は角質層まで、大きい側は表面の膜として働きます。使っていない成分が11あります。べたつきを可能なかぎり抑えた処方なので、乾くのを待たずに玄関を出られます。
置く場所は、4つの手順の1つ目と2つ目のあいだです。ぬるま湯のガーゼを当てて待ち、その水気が引ききらないうちに面へ薄く伸ばして、そのまま玄関を出る。家の床を一度も歩かずに外へ出るので、跡が残るかどうかを気にせずに済みます。滑り止めのつもりで塗ったクリームで、フローリングのほうが滑るようになる、ということも起きません。指のあいだには入れず、面だけに置いてください。
週に4日でかまいません。2週間たったころに見てほしいのは、肉球そのものより、朝の1分が取り合いにならなくなっているかどうかです。リードを出す前に手が肉球のほうへ伸びるようになれば、季節が変わっても抜けません。乾燥に気づくのが夜ではなく朝になった時点で、この対処法の入れ替えは終わっています。
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よくある質問
- 猫にも、同じ順番でできますか?
- 猫は散歩に出ないので、歩くという2つ目の工程がそのままでは使えません。代わりに、遊びの前へ置いてください。おもちゃを出す1分前にガーゼを当てて、そのあと動いてもらう形になります。動く量が確保できないときは、当てている時間を1分から2分に延ばして補ってください。
- ガーゼの代わりに、犬用のウェットシートでもいいですか?
- 当てて待つ用途には向きません。ウェットシートは拭き取るための厚みと目の粗さで作られていて、当てたまま置くと表面をこすることになります。ぬるま湯で濡らしたガーゼかコットンを使ってください。手元になければ、清潔なハンカチを濡らして絞ったもので構いません。
- 出発前にやると、床が濡れませんか?
- 軽く絞れば、滴るほどにはなりません。気になるときは玄関マットの上でやってください。歩き出して数十メートルで表面の水気は落ち着きます。フローリングで滑るのが心配なら、玄関で30秒だけ待ってから出れば十分です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
