C04悩み解決
換毛期の抜け毛のケアで、実は逆効果になっている3つのこと
4月の第2週、床のモップに毛の玉が3つできた日から、換毛期のケアの手が増えます。抜ける量をどうにか減らしたくて、よかれと思ってやることが3つあります。そのどれもが、抜けるという出来事そのものを止める方向を向いています。体が生え替わりを決めている以上、抜ける総量は家庭の手では動きません。だから3つとも、抜け毛のケアとしては裏目に出ます。この記事では、やってはいけない3つを挙げてから、代わりの手順に組み替えます。
毎日の換毛期の抜け毛は、止められません
手順の前に、前提をひとつ置きます。換毛期に抜ける毛の総量は、その子の体が決めています。明るい時間が延びると、冬のあいだ体を包んでいた下毛が押し出されます。押し出す側のスイッチは体の中にあり、ブラシの回数でも、シャンプーでも、食事でも、総量そのものは動きません。ここを動かそうとするところから、逆効果が始まります。
家庭の手で動かせるのは、抜けた毛が体の上にとどまる時間だけです。抜けた下毛は、そのまま床へ落ちるわけではありません。上毛に引っかかって、体の上に残ります。残った毛は絡み、その下に湿りがこもります。換毛期の抜け毛のケアが向かうべき先は、量ではなくこの時間のほうです。
| 手の向き | やること | 毎日の結果 |
|---|---|---|
| 抜ける量を減らそうとする | ブラシを控える、一度にまとめて取る、短く切る | 総量は変わらず、体の上に残る量だけが増える |
| 体から離そうとする | 短く分けて通す、流れに沿って外へ運び出す | 総量は変わらないが、体の上に残る時間が短くなる |
この記事で挙げるやってはいけない3つは、どれも上の行に入ります。やっている本人は「減らそうとしている」つもりで、実際に減っているのは床に落ちる量だけ、ということが起こります。抜けた被毛は、体の上にあるより床にあるほうが安全です。
猫は自分の毛づくろいで抜けた毛を運び出しますが、運び出した先が口の中になります。体の上に残る時間を短くしたいという点では、犬と同じか、それ以上です。ここから挙げる3つは、猫にもそのまま当てはまります。
換毛期の抜け毛でやってはいけない3つは、どれも同じ方向を向いています
3つを並べます。共通しているのは、抜けるという出来事そのものを止めにかかっていることです。
| やってしまうこと | そのつもり | 実際に起きること |
|---|---|---|
| ブラシの回数を減らす | 毛を抜かないようにする | 抜けた毛が体に残って絡み、下に湿りがこもる |
| 同じ場所を何度も梳く | 取れるだけ取ってしまう | 下毛はもう出ていて、削っているのは上毛と皮膚 |
| まとめて短くカットする | 抜ける毛を先に減らす | 下毛は短くならず、上毛だけが減る |
1つ目です。ブラシを当てると毛がごっそり取れるので、抜かせないように回数を減らす。ブラシで抜いているのではなく、もう抜けた毛が集まってきているだけです。通さなければ、その毛は体の上に残ります。残った下毛は上毛に絡み、空気の通らない層を作ります。そこに散歩の湿りや体から出る水分が加わると、毛玉の芯ができます。換毛期に毛玉が増えるのは、抜ける量が多いからではなく、通す回数が減るからです。
2つ目です。どうせ抜けるならいま全部取ってしまおう、と同じ場所に何度もブラシを入れる。下毛が出てくる速さは、その日の体が決めています。その日ぶんが出きったあと、まだ毛が取れるとしたら、取れているのは抜ける予定のなかった上毛です。上毛は雨や日差しから体を守っていて、換毛期にも入れ替わりません。同じ場所を10往復すれば、毛先が皮膚の表面もこすります。取れるだけ取ったほうが早く終わるという考え方が、いちばん皮膚に近いところで裏目に出ます。
3つ目です。抜け毛の掃除がつらいので、換毛期に入る前にまとめて短くする。ここでいちばん誤解されているのは、下毛は刈っても短くならないということです。バリカンやハサミが届くのは表面の上毛で、下毛はその内側にあります。上毛だけが減ると、抜けた下毛を受け止めるものがなくなり、抜け毛は一気に床へ出ます。掃除は楽になるかもしれませんが、次の生え替わりで上毛が戻るまでに時間がかかり、毛の生えそろい方が崩れて見えます。毛先の長さがそろわない期間が、そのぶん長く続きます。
手を入れたあとに確かめるのは、床に落ちた毛の量ではなく、体をなでたときに指に絡む毛の量です。床は減ったのに指に絡む量が増えているなら、その手は体の上に毛を残しています。3つとも、この確かめ方で見つかります。
換毛期の抜け毛の手順を、取るから離すへ組み替える
代わりにやることは、抜けた毛を体から離して外へ運び出すことです。取ろうとしないほうが、結果として取れます。毎日の手順は5つ。順番に意味があるので、上から順に行ってください。
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短時間を、1日2回に分ける
1回10分を1日1回より、1回5分を朝と夜に2回のほうが、体の上に残る時間は短くなります。1回で終わらせようとすると、どうしても同じ場所を長く梳くことになり、2つ目の逆効果に入ります。
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同じ場所は、1回につき3往復まで
3往復で取れなくなったら、その日ぶんはもう出ています。そこで場所をずらしてください。背中、脇、腰、後ろ足のつけ根、しっぽの根元。全身を一巡するほうが、1か所を掘り下げるより早く終わります。
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毛の流れに沿って、外へ抜くように通す
根元に当てて、毛先の方向へ止めずに1回で抜きます。逆立てて掻き出すと、上毛が切れます。ブラシに毛がたまったらそのつど外してください。たまったままでは、毛先が毛を体のほうへ押し戻します。
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仕上げに、mofuwa グルーミングスプレーを含ませた布で1方向になでる
梳いたあとの被毛には、細かい毛と静電気が残っています。乾いた手でなでると、静電気で毛が体へ戻ります。布にひと吹きして首から腰へ一方向になでると、残った毛が布のほうへ移ります。舐めても問題のない基準でつくられている水なので、布が乾いたら量を気にせず足して構いません。梳いたあとに残った細かい毛が、体へ戻る前にここで止まります。
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終わったら、体より先に床の毛を片づける
床に残った毛は、その子が横になったときにまた体につきます。順番を逆にすると、せっかく離した毛が戻ります。寝床のまわりから先に片づけてください。
この手順の順番には理由があります。離す、運び出す、戻さない。この3段です。3段目を飛ばすと、翌朝には元に戻っています。とくにフローリングでは、抜けた下毛が空気の動きで壁ぎわに集まります。そこがその子の定位置なら、夜のあいだにまた体につきます。
道具は増やさなくて構いません。いま使っているブラシで、通し方と回数だけ変えてください。換毛期のために新しい道具を足すと、その子が慣れるまでの時間のぶん、毎日の回数が減ります。回数が減ることのほうが、道具の差より大きく効きます。
ブラシが被毛の表面をなでているだけだと、抜けた下毛は動きません。歯先が根元まで届いている深さで、力は入れずに通す。当たっているかどうかは、通したあとのブラシに細かい毛が残るかで分かります。太い上毛ばかりが残るなら、深すぎるか、往復しすぎています。
やり方を変えた最初の3日と、順番を戻したくなるとき
手順を変えた最初の3日は、抜け毛が増えたように見えます。体の上に滞っていたぶんが、まとめて外へ出るからです。ここで「やり方を変えたせいで増えた」と読むと、元の3つに戻ってしまいます。最初の3日は数えないでください。
- 3日目までに床の毛が増える:体の上にたまっていた毛が出ているところです。4日目から落ち着きます
- 途中で嫌がって逃げる:1回の時間が長すぎます。5分を2回に割り直してください
- 同じ場所ばかり毛が取れる:そこが下毛の多い場所です。取り切ろうとせず、翌日に回します
- ブラシが詰まって進まない:外す回数が足りません。ひと梳きごとに外して構いません
- 静電気でまとわりつく:部屋が乾いています。グルーミングスプレーを吹いた布を、梳きはじめる前に用意しておいてください
順番を戻したくなるのは、たいてい掃除が追いつかない日です。そのときは、手順ではなく掃除の側を変えてください。寝床の下に洗える布を1枚敷き、その1枚だけを毎日替える。壁ぎわを先に拭く。抜け毛の総量は変わらないので、集まる場所を決めてしまうほうが早く終わります。
換毛期は、犬でおよそ3〜6週間続きます。1回5分を1日2回、この期間だけと決めれば見通しが立ちます。終わりを決めずに始めると、途中でやってはいけない3つのほうへ戻ります。カレンダーに終わりの日を書いておいてください。
地肌が見えるほど薄くなった場所がある、左右対称に薄い、抜けた場所の皮膚が赤い・黒ずんでいる、かさぶたやフケが増えた、においが出てきた、かゆがって舐め続ける、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、換毛期の抜け毛として待たず、動物病院にご相談ください。換毛期の抜け毛は全身から均等に抜けるもので、場所が偏る抜け方は別の話です。
換毛期のあいだは、1回5分の終わりにこの仕上げの1手を足すだけで、翌朝に体へ戻る毛が変わります。mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという手を、毎日やれる形にしたものです。犬でおよそ3〜6週間。朝と夜の5分と、最後のひと拭き。カレンダーに書いた終わりの日まで、この形だけを続けてください。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 換毛期の抜け毛を、掃除機で体に吸わせてもいいですか?
- 犬猫用の吸引ブラシに慣れている子なら選択肢になりますが、音と振動を嫌がる子に無理に当てないでください。嫌がる状態で続けると、翌日からブラシそのものを避けるようになり、毎日の回数が減ります。回数が減ることのほうが、換毛期には大きく響きます。
- 換毛期にシャンプーの回数を増やすのは、やってはいけないことに入りますか?
- 回数そのものより、乾かし方の問題になりやすいところです。下毛が濡れたまま残ると、体の上にとどまる時間が延びます。洗う回数を増やすより、洗った日に根元まで乾かしきることを優先してください。乾かす前にブラシで抜けた毛を減らしておくと、乾く時間そのものが短くなります。
- ラバーブラシとスリッカーブラシ、どちらを使えばいいですか?
- どちらでも構いません。決め手は道具ではなく、根元まで届いているかと、同じ場所を往復していないかです。いま持っているほうで、3往復までと決めて通してみてください。皮膚が赤くなりやすい子では、歯先の丸いものに替えると当たりがやわらぎます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
