C04悩み解決

換毛期の抜け毛のケアで、実は逆効果になっている3つのこと

公開日 2024年4月15日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、柔らかいブラシを毛の流れに沿って通されている犬
換毛期に動かせるのは抜ける量ではなく、抜けた毛が体の上にとどまる時間です。

4月の第2週、床のモップに毛の玉が3つできた日から、換毛期のケアの手が増えます。抜ける量をどうにか減らしたくて、よかれと思ってやることが3つあります。そのどれもが、抜けるという出来事そのものを止める方向を向いています。体が生え替わりを決めている以上、抜ける総量は家庭の手では動きません。だから3つとも、抜け毛のケアとしては裏目に出ます。この記事では、やってはいけない3つを挙げてから、代わりの手順に組み替えます。

毎日の換毛期の抜け毛は、止められません

手順の前に、前提をひとつ置きます。換毛期に抜ける毛の総量は、その子の体が決めています。明るい時間が延びると、冬のあいだ体を包んでいた下毛が押し出されます。押し出す側のスイッチは体の中にあり、ブラシの回数でも、シャンプーでも、食事でも、総量そのものは動きません。ここを動かそうとするところから、逆効果が始まります。

家庭の手で動かせるのは、抜けた毛が体の上にとどまる時間だけです。抜けた下毛は、そのまま床へ落ちるわけではありません。上毛に引っかかって、体の上に残ります。残った毛は絡み、その下に湿りがこもります。換毛期の抜け毛のケアが向かうべき先は、量ではなくこの時間のほうです。

同じ換毛期に、2つの向きで手を入れたときの違い
手の向きやること毎日の結果
抜ける量を減らそうとするブラシを控える、一度にまとめて取る、短く切る総量は変わらず、体の上に残る量だけが増える
体から離そうとする短く分けて通す、流れに沿って外へ運び出す総量は変わらないが、体の上に残る時間が短くなる

この記事で挙げるやってはいけない3つは、どれも上の行に入ります。やっている本人は「減らそうとしている」つもりで、実際に減っているのは床に落ちる量だけ、ということが起こります。抜けた被毛は、体の上にあるより床にあるほうが安全です。

Note犬でも猫でも、前提は同じです

猫は自分の毛づくろいで抜けた毛を運び出しますが、運び出した先が口の中になります。体の上に残る時間を短くしたいという点では、犬と同じか、それ以上です。ここから挙げる3つは、猫にもそのまま当てはまります。

換毛期の抜け毛でやってはいけない3つは、どれも同じ方向を向いています

3つを並べます。共通しているのは、抜けるという出来事そのものを止めにかかっていることです。

やってしまう3つと、実際に起きること
やってしまうことそのつもり実際に起きること
ブラシの回数を減らす毛を抜かないようにする抜けた毛が体に残って絡み、下に湿りがこもる
同じ場所を何度も梳く取れるだけ取ってしまう下毛はもう出ていて、削っているのは上毛と皮膚
まとめて短くカットする抜ける毛を先に減らす下毛は短くならず、上毛だけが減る

1つ目です。ブラシを当てると毛がごっそり取れるので、抜かせないように回数を減らす。ブラシで抜いているのではなく、もう抜けた毛が集まってきているだけです。通さなければ、その毛は体の上に残ります。残った下毛は上毛に絡み、空気の通らない層を作ります。そこに散歩の湿りや体から出る水分が加わると、毛玉の芯ができます。換毛期に毛玉が増えるのは、抜ける量が多いからではなく、通す回数が減るからです。

2つ目です。どうせ抜けるならいま全部取ってしまおう、と同じ場所に何度もブラシを入れる。下毛が出てくる速さは、その日の体が決めています。その日ぶんが出きったあと、まだ毛が取れるとしたら、取れているのは抜ける予定のなかった上毛です。上毛は雨や日差しから体を守っていて、換毛期にも入れ替わりません。同じ場所を10往復すれば、毛先が皮膚の表面もこすります。取れるだけ取ったほうが早く終わるという考え方が、いちばん皮膚に近いところで裏目に出ます。

3つ目です。抜け毛の掃除がつらいので、換毛期に入る前にまとめて短くする。ここでいちばん誤解されているのは、下毛は刈っても短くならないということです。バリカンやハサミが届くのは表面の上毛で、下毛はその内側にあります。上毛だけが減ると、抜けた下毛を受け止めるものがなくなり、抜け毛は一気に床へ出ます。掃除は楽になるかもしれませんが、次の生え替わりで上毛が戻るまでに時間がかかり、毛の生えそろい方が崩れて見えます。毛先の長さがそろわない期間が、そのぶん長く続きます。

Caution3つに共通する見つけ方

手を入れたあとに確かめるのは、床に落ちた毛の量ではなく、体をなでたときに指に絡む毛の量です。床は減ったのに指に絡む量が増えているなら、その手は体の上に毛を残しています。3つとも、この確かめ方で見つかります。

換毛期の抜け毛の手順を、取るから離すへ組み替える

代わりにやることは、抜けた毛を体から離して外へ運び出すことです。取ろうとしないほうが、結果として取れます。毎日の手順は5つ。順番に意味があるので、上から順に行ってください。

  1. 短時間を、1日2回に分ける

    1回10分を1日1回より、1回5分を朝と夜に2回のほうが、体の上に残る時間は短くなります。1回で終わらせようとすると、どうしても同じ場所を長く梳くことになり、2つ目の逆効果に入ります。

  2. 同じ場所は、1回につき3往復まで

    3往復で取れなくなったら、その日ぶんはもう出ています。そこで場所をずらしてください。背中、脇、腰、後ろ足のつけ根、しっぽの根元。全身を一巡するほうが、1か所を掘り下げるより早く終わります。

  3. 毛の流れに沿って、外へ抜くように通す

    根元に当てて、毛先の方向へ止めずに1回で抜きます。逆立てて掻き出すと、上毛が切れます。ブラシに毛がたまったらそのつど外してください。たまったままでは、毛先が毛を体のほうへ押し戻します。

  4. 仕上げに、mofuwa グルーミングスプレーを含ませた布で1方向になでる

    梳いたあとの被毛には、細かい毛と静電気が残っています。乾いた手でなでると、静電気で毛が体へ戻ります。布にひと吹きして首から腰へ一方向になでると、残った毛が布のほうへ移ります。舐めても問題のない基準でつくられている水なので、布が乾いたら量を気にせず足して構いません。梳いたあとに残った細かい毛が、体へ戻る前にここで止まります。

  5. 終わったら、体より先に床の毛を片づける

    床に残った毛は、その子が横になったときにまた体につきます。順番を逆にすると、せっかく離した毛が戻ります。寝床のまわりから先に片づけてください。

この手順の順番には理由があります。離す、運び出す、戻さない。この3段です。3段目を飛ばすと、翌朝には元に戻っています。とくにフローリングでは、抜けた下毛が空気の動きで壁ぎわに集まります。そこがその子の定位置なら、夜のあいだにまた体につきます。

道具は増やさなくて構いません。いま使っているブラシで、通し方と回数だけ変えてください。換毛期のために新しい道具を足すと、その子が慣れるまでの時間のぶん、毎日の回数が減ります。回数が減ることのほうが、道具の差より大きく効きます。

Point毛先ではなく、根元に当たっているか

ブラシが被毛の表面をなでているだけだと、抜けた下毛は動きません。歯先が根元まで届いている深さで、力は入れずに通す。当たっているかどうかは、通したあとのブラシに細かい毛が残るかで分かります。太い上毛ばかりが残るなら、深すぎるか、往復しすぎています。

やり方を変えた最初の3日と、順番を戻したくなるとき

手順を変えた最初の3日は、抜け毛が増えたように見えます。体の上に滞っていたぶんが、まとめて外へ出るからです。ここで「やり方を変えたせいで増えた」と読むと、元の3つに戻ってしまいます。最初の3日は数えないでください。

順番を戻したくなるのは、たいてい掃除が追いつかない日です。そのときは、手順ではなく掃除の側を変えてください。寝床の下に洗える布を1枚敷き、その1枚だけを毎日替える。壁ぎわを先に拭く。抜け毛の総量は変わらないので、集まる場所を決めてしまうほうが早く終わります。

換毛期は、犬でおよそ3〜6週間続きます。1回5分を1日2回、この期間だけと決めれば見通しが立ちます。終わりを決めずに始めると、途中でやってはいけない3つのほうへ戻ります。カレンダーに終わりの日を書いておいてください。

Caution換毛期の抜け方として様子を見ないほうがよいとき

地肌が見えるほど薄くなった場所がある、左右対称に薄い、抜けた場所の皮膚が赤い・黒ずんでいる、かさぶたやフケが増えた、においが出てきた、かゆがって舐め続ける、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、換毛期の抜け毛として待たず、動物病院にご相談ください。換毛期の抜け毛は全身から均等に抜けるもので、場所が偏る抜け方は別の話です。

換毛期のあいだは、1回5分の終わりにこの仕上げの1手を足すだけで、翌朝に体へ戻る毛が変わります。mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという手を、毎日やれる形にしたものです。犬でおよそ3〜6週間。朝と夜の5分と、最後のひと拭き。カレンダーに書いた終わりの日まで、この形だけを続けてください。

Product

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よくある質問

換毛期の抜け毛を、掃除機で体に吸わせてもいいですか?
犬猫用の吸引ブラシに慣れている子なら選択肢になりますが、音と振動を嫌がる子に無理に当てないでください。嫌がる状態で続けると、翌日からブラシそのものを避けるようになり、毎日の回数が減ります。回数が減ることのほうが、換毛期には大きく響きます。
換毛期にシャンプーの回数を増やすのは、やってはいけないことに入りますか?
回数そのものより、乾かし方の問題になりやすいところです。下毛が濡れたまま残ると、体の上にとどまる時間が延びます。洗う回数を増やすより、洗った日に根元まで乾かしきることを優先してください。乾かす前にブラシで抜けた毛を減らしておくと、乾く時間そのものが短くなります。
ラバーブラシとスリッカーブラシ、どちらを使えばいいですか?
どちらでも構いません。決め手は道具ではなく、根元まで届いているかと、同じ場所を往復していないかです。いま持っているほうで、3往復までと決めて通してみてください。皮膚が赤くなりやすい子では、歯先の丸いものに替えると当たりがやわらぎます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。