C04悩み解決
毛のパサつきが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
毛の中に指を入れて、根元まで下ろしてから、ゆっくり毛先まで滑らせてみてください。3秒で終わります。この一手で、パサつきの出方が2つに分かれます。毛のパサつきの犬種差として犬種名が挙がることは多いのですが、名前では決まりません。決めているのは、根元・中間・毛先の3点のうち、どこが最初に乾いているかです。同じ触り方は、猫にもできます。
犬種差で語られるパサつきは、名前では決まりません
毛のパサつきの犬種差を調べると、たいてい犬種名の一覧が出てきます。ただ、同じ犬種の中でも被毛の密度と長さには幅があります。親のどちらかの毛を強く受け継ぐこともありますし、混血の子なら一覧のどこにも当てはまりません。名前で決めようとすると、ここで止まります。
止まらない決め方があります。触って、どこが最初に乾くかを見ることです。パサつきは、毛の中のうるおいが抜けた状態を指しています。抜ける場所は、毛の作りによって決まっています。そして毛の作りは、犬種名ではなく、密度と長さという2つの条件で言い表せます。
- 密度:毛が密なほど、内側まで空気が入りません。乾くのも、うるおいが届くのも、外側からになります
- 長さ:毛が長いほど、根元から毛先までの距離があります。先端まで届くのに時間がかかります
- この2つは、犬でも猫でも同じ:犬種差という言葉で語られていることの中身は、結局この2条件です
一覧に名前がある子でも、その子の毛が密とは限りません。逆に、一覧にない子が密で長いこともあります。犬種差を名前で語ると、目の前の子が例外になったときに手が止まります。触って決めれば、どの子にも同じ手順が使えます。
根元・中間・毛先|3点を指で触る見分け方
触る場所は3点です。順番も決まっています。根元から始めて、中間を通り、毛先で終わる。逆から触ると、毛先の感触に引きずられて根元が分からなくなります。洗った日は避けて、前に洗ってから2日以上たった日に確かめてください。
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毛の中に、人差し指を1本入れる
毛の上を撫でるのではありません。毛をかき分けて、指先が皮膚に届くところまで入れます。背中の真ん中あたり、肩甲骨の少し後ろが分かりやすい場所です。
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根元で、3秒止める
指先を皮膚のすぐ上で止めて、まわりの毛の感触を確かめます。しっとりして指にまとわりつくか、それともふわふわして指から逃げるか。逃げるなら、根元が先に乾いています。
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中間まで、ゆっくり上げる
根元から毛の中ほどまで、指をゆっくり滑らせます。ここは、根元と毛先のどちらの状態に近いかを見る場所です。中間が根元寄りなら根元タイプ、毛先寄りなら毛先タイプに寄ります。
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毛先まで抜いて、指の腹で確かめる
毛先を指の腹で軽く挟み、そのまま抜きます。ざらつく、引っかかる、明るいところで白っぽく見える。このどれかがあれば、毛先が先に乾いています。
ブラシを通したあとは、毛先に手の脂が移り、根元の浮きも整ってしまいます。その日いちばん最初に、道具を持つ前に触ってください。猫は長く触らせてくれないので、3点を1回で見ようとせず、日をまたいで分けて構いません。
根元から乾く子と、毛先から乾く子を比較する
触った結果は、2つのタイプに分かれます。パサつきの犬種差として語られてきたことは、ほぼこの2つに整理できます。並べて比較します。
| 見るところ | 根元から乾くタイプ | 毛先から乾くタイプ |
|---|---|---|
| 毛の作り | 密度が高い。下の毛が厚い | 1本が長い。表面の毛が伸びる |
| 触った感触 | 根元がふわつき、指から逃げる | 根元はしっとり。毛先がざらつく |
| 見た目 | 全体が持ち上がって、ふくらんで見える | 毛先だけが白っぽく、透けて見える |
| 静電気の出方 | 毛全体が広がる。ブラシで持ち上がる | 毛先だけがブラシに吸い付く |
| 乾くきっかけ | 洗ったあと、内側が乾ききらない時間の長さ | 毛先が服・床・草にこすれる回数 |
| 手当ての向き | うるおいと、こすれの側 | 毛先の扱いと、すすぎの側 |
どちらか一方に、はっきり寄るのがふつうです。両方に当てはまるように感じたときは、3点のうち最初に乾いていたほうを採ってください。密度も高く毛も長い子は実際にいますが、手を2つ同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。
換毛期は、この比較が崩れる時期です。抜けかけの毛が根元に残るので、毛先タイプの子でも根元がふわついて感じられます。タイプを決めるのは、換毛が落ち着いてからにしてください。春と秋の入れ替わりが終わったあと、2日以上洗っていない日に触るのがいちばん正確です。
どっちのタイプかで、毎日そろえる条件が変わる
タイプが決まれば、毎日そろえる条件は3つずつです。両方をやらないでください。反対のタイプの手は、そのまま逆効果になります。根元から乾く子に毛先だけの手を足しても届きませんし、毛先から乾く子の根元をいじると、乾いていない場所を余計に触ることになります。
根元から乾くタイプが、そろえる条件は次の3つです。
- 乾ききるまでの時間を短くする:洗ったあと、内側が湿ったままの時間が長いほど、乾くときに中のうるおいごと持っていかれます。タオルで根元の水を先に取ってから、ドライヤーを当ててください
- ブラッシングは、毛を分けてから:上から通しても、密な毛の内側には届きません。片手で毛を分け、地肌が見える状態にしてから通します
- こすれる場所を減らす:ハーネス、首輪、寝床の縁。密な毛は、こすれた場所から順に乾いていきます
毛先から乾くタイプが、そろえる条件はこちらです。
- すすぎを1.5倍にする:長い毛は、洗ったものが毛先に残ります。残ったものが、乾いたあとのざらつきになります
- ブラシは毛先から入れる:根元から通すと、長い毛は途中で引っかかって毛先が切れます。切れた先端は、白っぽく見えます
- 外に触れる時間を見る:長い毛は、飼い主が気づかないうちに毛先だけが床や草に触れています。散歩から帰ったら、毛先だけを湿らせた布で撫でてください
毎日そろえる条件の最後に、毛に触る回数そのものを置いてください。3点を触って記録したあと、グルーミングスプレーを布に含ませて、毛の流れに沿って毛先まで一度なでる。これが毎日の1回です。密な毛の子は毛を分けて根元側から、長い毛の子は毛先だけを通します。どちらの場合も、ブラシを持つ前に入れてください。
この1回が続くのは、手数が増えないからです。3点を触ったその手のまま続けられるので、ケアを1つ増やしたことになりません。触ってから布に含ませてかけ、そのまま梳かす。すすぎも乾かしも入らないので、順番が崩れません。グルーミングスプレーは舐めても差し支えない基準の水でつくられているため、毛先にどれだけ乗せたかを数える必要もありません。パサついて見える日を早く見つけられるのは、この触る回数のほうです。
3点のどこも乾いていないのに、パサついて見えるとき
根元も中間も毛先も、触った感じはいつも通り。それでも見た目がパサついている。このときは、毛の作りの話ではありません。犬種差でも説明がつきません。
- 左右で違う:毛の作りは左右で同じです。片側だけざらつくなら、こすれか、その子が舐めている場所です
- 1〜2週間で急に変わった:密度も長さも、そんなに速くは変わりません。急な変化は、構造では説明がつきません
- フケが一緒に増えている:手のひらに白い粉が残るなら、乾きの話とは別に見てください
- 抜け毛の量が変わっている:換毛期でもないのに増えているなら、パサつきより先にそちらを見ます
地肌が見える範囲がある、皮膚が赤い、フケが急に増えた、同じ場所を舐めたりかいたりし続けている、毛が左右対称に薄くなっている、元気や食欲が落ちている。1つでも見つかったら、触り方を変える前に動物病院で診てもらってください。毛の見た目は、体の中で起きていることが最後に出てくる場所でもあります。
3点を触る習慣がついていると、この見分けが早くなります。触った日と感触を一言だけ書き留めておいてください。この犬種はパサつきやすいので仕方ありませんという言い方をここでしないのは、犬種差で片づけた瞬間に、変化を見る目が止まってしまうからです。決めるのは名前ではなく、今日その子の毛のどこが乾いているかです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 猫でも、同じ3点の触り方でいいですか?
- 同じです。猫は背中の中ほどから腰にかけてが触りやすく、毛づくろいが届きにくい場所でもあります。ただ長くは触らせてくれないので、根元・中間・毛先を1回で全部見ようとせず、日をまたいで分けてください。
- 短毛の子でも、3点に分けられますか?
- 分けられます。毛が短いほど根元と毛先の距離が近いので、指の腹をゆっくり動かして、根元で止める時間を長めに取ってください。短毛の子はほとんどが根元から乾くタイプに寄ります。
- ブラシを替えれば、パサつきは変わりますか?
- 道具を替える前に、通す順番を見てください。根元から乾くタイプは毛を分けてから、毛先から乾くタイプは毛先から。同じブラシでも、順番が変われば毛への当たり方が変わります。道具の入れ替えは、そのあとで構いません。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
