C04悩み解決
季節の変わり目に静電気が増えるのは、なぜか
3月の朝、ブラッシングの一撫で目で毛がふわっと広がり、そのまま落ちてこない静電気があります。真冬にドアノブでパチッとくるものとは、起きている場所が違います。静電気が増える季節は1年に2回あって、空気が乾く冬と、毛が入れ替わる春秋の換毛期です。前者は鳴り、後者は鳴りません。同じ言葉で呼んでいるせいで、加湿器を足しても毛が落ち着かない、という取り違えが起きます。まず、この2つを並べて比べます。
静電気が増える季節は、1年に2回あります
静電気が増えるのは、乾いた冬だけではありません。カレンダーに並べると、増える時期は年に2回あります。ひとつは11月から2月にかけて、外も室内も乾く時期。もうひとつが、3月から5月と、9月から11月の換毛期です。この2つは季節として離れているだけでなく、毛に起きていることも別です。
冬に増えるのは、空気の中の水分が減るからです。乾いた空気は、毛と毛のあいだにたまった電気を逃がしません。逃げ場がないので、何かに触れた瞬間に一気に移ります。あのパチッという音は、そのときのものです。
換毛期に増えるのは、毛そのものが入れ替わるからです。抜けかけの毛は、根元から浮いたまま、まわりの毛に絡んで残っています。浮いた毛は、抜けきっていないぶん自由に動きます。ブラシを通すと、その浮いた毛だけが持ち上がって広がります。音は鳴りません。
- 冬の静電気は、人にも来ます:ドアノブ、車のドア、玄関の鍵。飼い主の側にも同じことが起きている季節です
- 換毛期の静電気は、人には来ません:その子の毛だけが広がって、飼い主の手には何も起きません
- 11月は重なります:空気も乾き、換毛期も終わりきらない。増える理由が2つ同時に動く、いちばんややこしい月です
どちらも家では「静電気が増えた」と言います。ただ、片方は空気の側、もう片方は毛の側で起きています。手の入れ方が反対になるので、季節の名前ではなく、いま何が動いているかで決めてください。
「パチパチ鳴る」と「毛がふわっと広がる」を比較する
2つを並べます。比較するのは、増える季節・音・毛の見え方・飼い主の手・ブラッシングの直後・抜け毛の量の6つです。どれか1つで決めるのではなく、上から順に見ていってください。
| 見るところ | 空気の側で起きている静電気 | 毛の側で起きている静電気 |
|---|---|---|
| 増える季節 | 11月〜2月。外も室内も乾く時期 | 3〜5月と9〜11月。換毛期 |
| 音 | 触れた瞬間にパチッと鳴る | 鳴らない |
| 毛の見え方 | 毛先がブラシや手に吸い付く | 根元からふわっと広がって、落ちてこない |
| 飼い主の手 | ドアノブや服でも同じことが起きる | 人には何も起きない |
| ブラッシングの直後 | 一時的に落ち着く | 通した直後がいちばん広がる |
| 抜け毛の量 | いつもと変わらない | 明らかに増えている |
いちばん早いのは、音で分けることです。触れた瞬間に鳴るなら空気の側、鳴らないのに毛が広がるなら毛の側。ここで分かれます。次に確かめたいのは、飼い主の手にも来ているかどうかです。人の手にも来ているなら、部屋全体が乾いています。その子の毛だけが広がっているなら、原因は毛の中にあります。
抜け毛の量も、比較の材料になります。いつもと同じ量しか抜けていないのに毛が広がるなら、換毛期ではありません。ブラシに絡む量が2倍3倍になっているなら、季節としては換毛期です。ここまで見れば、たいていはどちらかに寄ります。
夜に湿りを上げて、翌朝どっちが変わったかで見分ける
表で決めきれないときは、一晩で確かめられます。やることは、寝る部屋の湿りを一晩だけ上げて、翌朝の1回目のブラッシングで比べることです。空気の側なら翌朝で変わり、毛の側なら変わりません。湿りは、抜けかけの毛の量を変えないからです。
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夜、寝る部屋の湿りを上げる
洗濯物を室内に干す、濡らしたタオルを1枚かけておく、加湿器を使う。どれでも構いません。その子が寝ている部屋だけで十分です。家全体を変える必要はありません。
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その晩は、ブラッシングをしない
手を入れると、翌朝の比較ができなくなります。変えるのは湿りだけ。ほかは前の日とそろえてください。
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翌朝、同じ場所で同じブラシを通す
毛の状態は、場所と道具で変わります。座らせる場所も、通す向きも、前の日と同じにしてください。条件を1つだけ変えるのが、この見分け方の要です。
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音と広がり方を、前の日と比べる
パチパチが減っていれば空気の側です。広がり方が前の日と変わらないなら、毛の側です。この季節にどちらが動いているかが、これで決まります。
季節の変わり目は、日ごとの湿度差が大きい時期です。一晩だけだと、外の天気が変わっただけということもあります。2晩続けて同じ結果になれば、それが答えです。判断がつかないうちは、どちらの手も足さないでおくほうが、あとで比べやすくなります。
空気の側と毛の側で、やることの選び方が違います
どっちが動いているかが決まれば、やることは絞れます。両方をいっぺんにやらないでください。何が効いたのか分からなくなり、来年の同じ季節にまた同じところから始めることになります。
| 場面 | 空気の側だったとき | 毛の側だったとき |
|---|---|---|
| 最初にやること | 部屋の湿りを上げる | 抜けかけの毛を、先に外す |
| ブラッシング | 毛先を軽く湿らせてから通す | 根元の浮いた毛を、粗い櫛で先に落とす |
| 道具 | 金属のブラシから、木や獣毛のものに替える | 道具より、通す回数を分ける |
| 身のまわりの素材 | 毛布・服・カーペットを1つずつ替える | 素材の影響は薄い。抜けた毛が落ちる先を替える |
| やめどき | 湿りが戻れば、春には要らなくなる | 換毛が終われば、4〜6週間で落ち着く |
空気の側なら、季節が変われば手を減らせます。3月に入って外の湿りが戻れば、冬にやっていたことはそのまま片づけて構いません。毛の側なら、換毛が終わるまでが期間です。どちらも、その季節のあいだだけの手です。1年中続けるものではありません。
毛の側だったときは、通す前に被毛のうるおいを足しておくと、浮いた毛が広がりにくくなります。mofuwa グルーミングスプレーは、グルーミングスプレーとブラッシングスプレーを兼ねているので、この季節は毛ではなくブラシのほうに軽く含ませてから通す使い方ができます。浮いた毛がブラシの目に移るぶん、1回目で舞う量が減り、表に書いた「通す回数を分ける」がやりやすくなります。舐めても差し支えのない基準でつくられているので、口が届く背中や脇の日でも、量を減らさずに使えます。換毛期の4〜6週間、毎日ブラシを持つのなら、その1回ごとの前に置くものとして考えてください。
季節が変わっても戻らない毛の立ち方について
湿りを上げても、換毛が終わっても、毛の立ち方が戻らないことがあります。そのときは、季節の話ではありません。静電気で説明がつくのは、次のどれにも当てはまらないときだけです。
- 広がる場所が一か所だけ:静電気は毛の全体に起きます。背中の一か所だけ、というのは別の理由です
- 広がるのではなく、まばらに抜けている:地肌が見える範囲があるなら、換毛期の抜け方ではありません
- 毛先が切れて短くなっている:静電気で毛は切れません。こすれか、その子自身が噛んでいる可能性があります
- 皮膚のほうを気にしている:かく、舐める、床にこすりつける。毛の立ち方より、そちらが先です
地肌が見える範囲がある、毛が左右対称に薄くなっている、皮膚が赤い、フケが急に増えた、同じ場所をかき続けている、元気や食欲が落ちている。この季節に当てはまるものが1つでもあるなら、次の換毛期まで置かずに動物病院にご相談ください。静電気は毎年同じ季節に増えて、同じように収まります。収まらない変化は、別の話として見てください。
季節ごとに、毛がどう広がったかを短くメモしておくと、翌年の同じ月に迷わなくなります。静電気は加湿器を置けばなくなりますという言い方をここでしないのは、毛の側で起きている季節には、湿りを足しても広がり方が変わらないからです。増えているのがどちらの季節なのかを、先に決めてください。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 加湿器は、湿度を何%にすればいいですか?
- 数字より、上げる前と後で毛がどう変わったかを見てください。室内が40%を下回るとパチパチは増えやすくなりますが、同じ40%でも部屋の広さや床の素材で毛の広がり方は変わります。一晩上げて、翌朝の1回目のブラッシングで比べるほうが確実です。
- 柔軟剤や人用のヘアスプレーを使ってもいいですか?
- 人用のものは使わないでください。犬も猫も、自分の毛を舐める体です。口に入る前提で選ぶと、使えるものはかなり限られます。素材を替える、部屋の湿りを足す、抜けかけの毛を先に外す。この3つで足りることがほとんどです。
- 猫にも、同じ2つの季節がありますか?
- あります。猫も春と秋に毛が入れ替わり、冬は室内が乾きます。ただ猫は自分で毛づくろいをするぶん、抜けかけの毛が口に入ります。換毛期に毛が広がって見えるときは、静電気より先に、飲み込む量が増えていないかを見てください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
