C05犬種・猫種別ケア
アラスカンマラミュートのケア|脇や内股の蒸れを減らす3つの習慣
アラスカンマラミュートの脇に手のひらを差し込むと、外気に触れていた背中の毛より、はっきり温かい。そのまま10秒ほど置いて抜くと、手のひらにうっすら湿りが残ります。背中の毛は同じ日にさらさらしているのに、脇と内股だけが違う。この差は、毛が濡れているから起きているのではありません。蒸れの出どころは、毛ではなく体の厚みのほうにあります。荷を引くためにそなわった深い胸と厚い筋肉が、内側で生まれた熱と湿気を、外までなかなか運び出せない。だから最初に手をつけるのは、表面を乾かすことではありません。この記事では、なぜそうなるのかを先に整理してから、厚みの中に空気の通り道をつくる手順を書きます。
体の厚みが、内側の湿気を外まで運びにくくする|アラスカンマラミュートの蒸れを考える順番
アラスカンマラミュートは、同じ寒い土地の犬でも、速く走るためにつくられた犬ではありません。重い荷を、長い距離、ゆっくり引くための体です。骨が太く、胸が深く、肩とももに厚い筋肉があります。体高のわりに体重があり、横から見たときの厚みが目立ちます。この厚みは、仕事のために必要だったものです。
ところが、厚みには別の意味もついてきます。熱と水蒸気が生まれる場所から、外気に触れる面までの距離が長くなることです。体の内側で生まれた熱は、体表へ向かって移動して、そこから外へ出ていきます。厚みが増えるほど、この道のりが長くなります。犬は人のように全身の皮膚から汗をかいて熱を逃がす作りではないので、外へ出ていく経路はもともと限られています。
その限られた経路の中で、脇と内股には共通の条件があります。どちらも、体の厚みがいちばん大きい部分の付け根で、面と面が向かい合っている場所です。脇は胸の側面と前脚の内側、内股は腹と後脚の内側。立っていても、伏せていても、この2つの面は近づいたままです。外気に触れる面積がほとんどありません。アラスカンマラミュートの蒸れが、まずここから始まるのはこのためです。
毛の話も、ここに重なります。脇と内股の被毛は背中ほど厚くありませんが、薄いぶん、寝た毛が地肌にぴたりと張りつきます。張りついた毛と地肌のあいだには、空気の層が残りません。背中の毛は立ち上がっているので毛の中に空気がありますが、脇と内股ではその空気がありません。内側から出てきた湿気は、外へ抜ける手前でここに留まります。
| 背中・脇腹 | 脇・内股 | |
|---|---|---|
| 外気に触れているか | 常に触れている | 面と面が向かい合って閉じている |
| 毛の状態 | 立ち上がって空気を含む | 寝て地肌に張りつく |
| 体の厚みとの距離 | 厚みの側面。抜ける道がある | 厚みの付け根。道の出口が狭い |
| 伏せているとき | 上を向いて開いている | 床と体でさらに閉じる |
| 湿りに気づくまで | 手で触れば分かる | 手を差し込まないと分からない |
被毛が厚いことは条件の一つですが、それだけなら背中がいちばん蒸れるはずです。実際に湿りが残るのは、毛の薄い脇と内股のほうです。効いているのは毛の厚みではなく、体の厚みと、面が向かい合っているかどうかです。ここを取り違えると、次にやることが「毛を減らす」方向へ寄ってしまいます。アラスカンマラミュートで動かせるのは、毛の量ではなく空気の通り道のほうです。
厚みの中に空気の通り道をつくる|アラスカンマラミュートの蒸れを減らす手順
やることの中身を、先に一言で決めておきます。湿った毛を乾かすのではなく、閉じている面を開いて、そこに空気が入る時間をつくること。アラスカンマラミュートの蒸れは、水分が外から乗っているのではなく、内側から出てきたものが抜けきらずに残っている状態です。だから、外から風を当てるより、閉じた面を物理的に開くほうが先になります。次の順で進めてください。
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手順1:横向きに寝かせて、上になった側の脇と内股を開く
立たせたままでは、脇も内股も閉じたままです。床に横向きに寝かせると、上側の面が自然に開きます。この姿勢をつくることが、手順そのものです。嫌がる子には、まず横向きで数十秒だけ、を何日か続けてください。姿勢ができないと、あとの手順はどれも表面の話で終わります。
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手順2:地肌がどこまで乾いているかを、指の腹で確かめる
毛の表面ではなく、毛を分けて地肌に指の腹を当てます。さらりとしているか、しっとりして指が止まるか。この2つを、脇・内股・後脚の付け根の3か所で見ます。しっとりしている場所だけが今日の相手です。全部が乾いているなら、その日は開いた時間をつくるだけで終わりです。
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手順3:寝ている毛を、地肌から起こす向きに指を通す
道具ではなく、まず指で構いません。地肌に沿って寝ている毛を、指の腹で体から離す向きに起こします。ここでやっているのは毛をとかすことではなく、毛と地肌のあいだに空気の層を戻すことです。力はほとんど要りません。起こした毛が寝てしまう前に、次の場所へ移ります。
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手順4:湿りが残っていた場所を、乾いた布で押さえて水分を移す
こすらないでください。脇と内股の地肌は薄く、こすると赤くなります。布を当てて、5秒ほど押さえて離す。これを場所を少しずつ変えながらくり返します。拭き取るのではなく、布のほうへ水分を移すつもりで扱ってください。押さえた布に湿りが移らなくなったら、その場所は終わりです。
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手順5:開いた姿勢のまま、1〜2分そのままにする
ここを飛ばすと、手順3と4でつくった空気の層が、立ち上がった瞬間に消えます。開いた面に空気が触れている時間そのものが、この手順の目的です。撫でながらでも、声をかけながらでも構いません。反対側をやるときは、寝返らせてから同じ順でくり返します。
拭く回数が増える場所なので、地肌のうるおいのほうも見ておいてください。脇と内股は毛が薄く、押さえる回数が増えると地肌が乾いていきます。乾いた地肌は、面と面がこすれたときに赤くなりやすくなります。脇と内股は、その子が横になってはじめて開く面です。立っているあいだは本人の舌も人の指も入らないので、開いている数分のうちに何を置くかで、その日にできることが決まります。mofuwa スキンケアミストは、中身が高機能性電解酸化水そのものです。精製水と比べて35倍という水分浸透の数字を自社で検証していて、毛の表面ではなく地肌の側を相手にする水として作られています。置くのは手順4のあとです。手のひらに出してから、開いたままの面に押し当ててください。手順5の1〜2分が、そのまま空気とうるおいの両方に触れている時間になります。
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5つ並べると長く見えますが、実際に時間がかかるのは手順5の「そのままにする1〜2分」だけです。残りの4つは、合わせて1分ほどで終わります。アラスカンマラミュートは体格があるので、両側を一度にやろうとすると姿勢を保つほうが負担になります。今日は右側、明日は左側、という分け方で構いません。
表面を乾かすのをやめて、3つの習慣に置き換える|アラスカンマラミュートの蒸れで変わるやり方
つまずきは、たいてい同じところで起きます。湿っているのだから乾かせばいい、という方向へ寄ってしまうことです。脇にドライヤーの風を当てる、洗う回数を増やす、被毛を短くする。どれも表面の話で、体の厚みという条件には届きません。それどころか、洗いすぎは地肌のうるおいを下げ、こすれに弱い状態をつくります。ここでは、代わりに置く3つの習慣を挙げます。3つとも毎日やるものではありません。決める単位をずらしてあります。
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習慣1(毎日):帰宅後と就寝前に、脇へ手のひらを10秒差し込む
測るのは温度と湿りの2つだけです。背中に当てた手と比べて、はっきり温かいか、抜いた手に湿りが残るか。記録も道具も要りません。アラスカンマラミュートの蒸れは、閉じた面の内側で進むので、見ているだけでは気づけません。手を差し込む習慣が、いちばん早い気づき方になります。
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習慣2(週に一度):横向きに寝かせて、5つの手順を片側ずつ通す
毎日やる必要はありません。週に一度、片側3分ずつで足ります。回数を増やすより、開いた姿勢をきちんとつくれる日を確保するほうが効きます。習慣1で湿りに気づいた日は、その日に前倒ししてください。前倒しした週は、定例の日を飛ばして構いません。
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習慣3(季節ごと):寝床と、伏せている床の面を入れ替える
伏せているとき、内股は床と体にはさまれてさらに閉じます。夏場は、通気のある素材を体の下に一枚入れるだけで、閉じている時間が変わります。冬は逆に、床が冷たいと体を丸めて内股をより深く抱え込みます。年に2回、季節が変わるタイミングで、寝床と犬の下にあるものを見直してください。これは体に触らずにできる唯一の手です。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 脇に手を差し込んで、温度と湿りを見る | 1日の中。帰宅後と就寝前 |
| 習慣2 | 横向きで5つの手順を通す日を置く | 1週間の中。片側3分ずつ |
| 習慣3 | 寝床と、体の下にある面を入れ替える | 1年の中。季節の変わり目に2回 |
洗う回数についても、はっきりさせておきます。蒸れを感じるからといって、洗う回数を増やす方向へは寄せないでください。アラスカンマラミュートは被毛が厚く、根元まで乾くのに時間がかかります。洗ったあとに根元が湿ったまま残れば、閉じた面の内側で湿った時間がむしろ長くなります。洗うなら、乾かしきる時間まで含めて予定を組める日に。その日を確保できないなら、洗うのは見送って、週に一度の手順と毎日の10秒のほうで回してください。
脇と内股の地肌は、背中よりずっと薄い場所です。湿りを取ろうとしてこすると、地肌が赤くなり、その子はそこを気にしはじめます。気にしてなめると、また湿ります。ドライヤーを近づけて強い風を当てるのも同じで、表面だけが先に乾いて、内側の湿りは残ります。押さえる、開く、待つ。この3つ以外の力は要りません。
通り道をつくっても引かないとき|アラスカンマラミュートの蒸れで押さえておきたいコツ
ここまでは、体の厚みと閉じた面という条件で説明のつく蒸れの話でした。その条件で手を打っても引かない湿りは、別の見方をしてください。週に一度の手順を2週間続けても、手のひらに残る湿りが同じなら、それは通り道の問題ではないかもしれません。次のような変化は、ケアの回数を増やす話として片づけないでください。
- 2週間続けても、脇の湿りと温かさが同じまま:開く時間をつくっても引かない、という変わり方です
- 左右で温度差がある:片側だけ条件が違う理由を、寝る向きや歩き方から探してください
- 地肌が赤い、においがある、じくじくしている:湿った状態が続いた結果として起こることがあります
- その場所をなめる、後ろ足でかく、床にこすりつける:蒸れより先に、皮膚のほうを見てください
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その場で手を止めてください
- 暑い時期でもないのに、脇だけ温かい日が続く:季節の条件と合っていません
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ケアの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。脇と内股は飼い主の目に入りにくい場所なので、気づいた時点ですでに数日たっていることがあります。迷ったら早いほうを選んでください。
相談に行く前には、湿りに気づいた日、左右のどちら側か、その週に手順を通した日、寝床の素材の4つをメモしてください。この4つがあると、体の厚みという条件で説明のつく蒸れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭くと、もとの状態が分からなくなるので、気になる場所はそのまま連れて行ってください。
最後にひとつ、覚えておくとよいコツがあります。アラスカンマラミュートの蒸れは、湿りが増えたから起きるのではなく、出ていく道が閉じているから残ります。だから、やることの中心はいつでも「開く」と「待つ」です。荷を引くための厚みは、この犬種から取り除けるものではありません。取り除けないぶん、開いた面に空気が触れている時間だけを、こちらで足していく。週に一度、片側3分。アラスカンマラミュートと暮らすうえで、脇と内股の蒸れに手が届くのは、その時間のつくり方です。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 脇の毛を短く刈れば、蒸れは減りますか?
- 毛を短くしても、面と面が向かい合っている条件は変わりません。脇と内股はもともと毛の薄い場所で、蒸れを決めているのは毛の量ではなく、体の厚みと閉じた姿勢のほうです。刈ると地肌が直接こすれるようになり、赤くなりやすくなります。動かすのは毛の長さではなく、開いた面に空気が触れる時間のほうです。
- 夏だけ気をつければよいですか?
- 湿りが分かりやすいのは夏ですが、冬にも起きます。床が冷たいと体を丸めて内股を深く抱え込むので、閉じている時間はむしろ長くなります。暖房の効いた部屋で厚い被毛のまま過ごすことも重なります。習慣1の「手のひらを10秒差し込む」は、季節を問わず続けてください。気づき方が変わります。
- ドライヤーの冷風を当てるのは、開くことになりませんか?
- 風は毛の表面に当たるだけで、閉じた面の内側までは入りません。先に横向きに寝かせて面を開き、寝ている毛を指で起こしたあとであれば、弱い冷風は補助として使えます。順番が逆だと、表面だけが乾いて内側の湿りは残ります。強い風を近づけるのは、地肌が薄い場所なので避けてください。
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