C15組み合わせ提案

水が苦手な猫のためのケアセット

公開日 2024年6月5日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の白いクッションの上で、丸くなって休んでいる淡い灰色の猫
許してくれる段は、同じ1頭の中でも、背中とあごの下とで違っています。写真:Jovan Vasiljević/Pexels

夕食のあと、膝に来た猫は、湿った手のひらを背中に当てても目を閉じたままでしたが、同じ手をあごの下へ回した瞬間、前足でこちらの手首を押し返しました。水が嫌いな猫のためのセットを「濡らすか、濡らさないか」の二択で選んでいると、この差は見えてきません。水の量を5段に分けて、体の場所ごとにどの段まで許すかを見ていくと、その子が嫌いなのは水そのものより、段を一度に飛ばされることのほうだと分かってきます。乾いた手、手のひらの湿り、湿らせたコットン、スプレー、シャワー。この5段の「はしご」を、体の場所ごとに1段ずつ上がっていくのが、水が苦手な猫のケアの組み立て方です。

0から4まで水の量で5段に分ける|水が嫌いな猫に家でできることの物差し

水が苦手な猫のケアは、水の量を5段に分けた「はしご」で考えます。いちばん下の0段は、何もつけない乾いた手でなでること。いちばん上の4段は、シャワーで全身を濡らすことです。そのあいだに、手のひらに取った湿り、湿らせたコットン、スプレーで濡らす、の3段が入ります。

水の量で分けた5段のはしご
段やること毛に残る水終わったあと
0乾いた手でなでるなし何も残らない
1手のひらに取った湿りでなでる毛の表面が少ししっとりするすぐ乾き、毛づくろいで整う
2湿らせたコットンで押さえる・拭う当てた場所の毛の途中までその場所だけ少し湿る
3スプレーで濡らす霧が広がり、毛の根元まで入ることがある乾くまで時間がかかる
4シャワーで全身を濡らす地肌まで、全身乾かす工程が要る

この表で見てほしいのは、段と段のあいだの幅です。0から1、1から2は、どちらも小さな一歩です。ところが2から3で、水は当てた場所の外へ広がり、毛の根元にまで入ります。3から4では、体の一部だった水が全身になります。その子が嫌がるのは、水そのものより、段を一度に飛ばされることのほうです。0しか知らない場所にいきなり3が来ると、2段ぶんを一度に越えることになります。背中は乾いた手でなでさせてくれるのに、スプレーを向けた途端に逃げていく子の多くは、この飛び方で説明がつきます。

もう1つ、許してくれる段は体の場所ごとに違います。同じ1頭でも、背中は2段まで平気なのに、お腹は0段でも身をよじる、あごの下は1段で顔をそむける、ということがふつうに起きます。はしごは、体の場所の数だけあると考えてください。背中で上がれた段を、そのままお腹に持ちこむことはできません。

場所ごとのはしごを1枚にまとめる記録表(書き込み例)
体の場所いま許している段次に試す段
背中2ここで止めてよい
首のうしろ12
胸12
口のまわり12
あごの下01
足先01
お尻まわり12
お腹00のまま

この記録表の「いま許している段」の列が、その子の水の嫌いさを場所ごとに書き出したものになります。0が並んでいても、極端に水が嫌いな子だと決めつけなくて大丈夫です。家でできることは、どの場所に1段足せそうかが表の上で見えていれば、それで十分に組み立てられます。水が嫌いな猫のセットは、この表の「次に試す段」の列を埋めるためにそろえるものです。

乾いた手から場所ごとに1段ずつ上がる|水が嫌いな猫のケアの手順

手順は5つです。乾いた手で許す場所を知り、猫用 mofuwa グルーミングウォーターを手のひらに取って1段足し、1段を許した場所からコットンへ進み、あごの下はジェルに任せ、上の2段は残しておきます。1日に上げるのは、1か所につき1段までです。

  1. 0段|乾いた手で、許してくれる場所を知る

    何もつけない手で、背中・首のうしろ・胸・口のまわり・あごの下・足先・お尻まわり・お腹の順になでます。顔をそむける、しっぽを大きく振る、体をよじる。そうしたら、その場所は0段が上限です。記録表の「いま許している段」に書き込みます。

  2. 1段|グルーミングウォーターを手のひらに取り、0段を許した場所に足す

    手のひらに少し取り、両手を一度合わせてなじませてから、0段を許した場所をいつもと同じ手つきでなでます。はじめは背中など、0段で目を閉じていた場所からにします。

  3. 2段|1段を3日続けて許した場所から、コットンへ進む

    手のひらの湿りを3日続けて許してくれた場所だけ、グルーミングウォーターをコットンに取って押さえます。食事のあとの口のまわりや、トイレのあとのお尻まわりが、この段で手を入れやすい場所です。

  4. あごの下|垂れないジェルの猫あごクリーナーに任せる

    あごの下は液が首へ流れやすく、段の上がり方がほかの場所と違います。ここだけは、あごに留まるジェルを使います。

  5. 3段と4段|全身を洗う日は、獣医師に言われたときだけに残す

    スプレーで濡らす段とシャワーの段は、毎日のはしごには入れません。全身を洗うよう指示が出た日のために、上の2段を空けておきます。

1段目にグルーミングウォーターを置くのは、この1本の出し方が、はしごの1段目の形にそのまま合うからです。グルーミングスプレーの中身に猫向けのわずかなイオン調整を加え、容器は霧を吹かず噴射音も出ない形にした1本です。液を体に向けて吹きかけるのではなく、手のひらやコットンにじかに出してから使います。同じ液でも、吹きかければ水は3段目の量と広がりで体に届き、手のひらに出せば1段目の量で止まります。段を飛ばさない1本、というのはこういう意味です。

1段を足した場所は、そのあとその子が毛づくろいでかならずなめます。グルーミングウォーターが電解水100%で、薬剤を使わずにつくられているのは、なめることを前提にした設計だからです。毛についた皮脂は電解水となじんで乳化するので、毛の表面がしっとりする程度の湿りでも、べたつきが浮いてきます。水の量を増やさないまま、手を入れた場所が少しずつきれいになっていく。水が嫌いな子のセットの中心に、この1本を置く理由です。

時刻は、その子が膝や寝床で落ち着いている、毛づくろいのあとが向いています。背中で1段を許したら、その日はそこで終わりにします。同じ日にほかの場所へ広げたり、同じ場所に2段目を重ねたりはしません。翌日、その翌日と同じ場所で1段を許してくれたら、記録表の数字を1に書き換えます。

あごの下だけは、はしごの上がり方がほかの場所と違います。液体は、あごの下から首の毛へ垂れていきます。1段目の湿りのつもりでも、垂れた先で首がしっとりすると、その子にとっては2段か3段の広がりになります。あごの下に置くのは mofuwa 猫あごクリーナーです。グルーミングスプレーの落とす力をいかしたジェルで、塗った場所にとどまり、首の毛のほうへ垂れにくくできています。あごは皮脂が出やすく、器の縁に触れて食べかすも残る場所で、黒い点のような汚れがたまることがあります。公式の手順では、ぬるま湯であごを軽く濡らしてふやかし、ジェルを取ったコットンでなでるように小さく円を描いて拭き取ります。この「軽く濡らす」は、はしごでいえば1段から2段にあたるので、あごの下が1段を許すようになってから始めます。拭き取ったあとの二度拭きやすすぎは要らないので、あごのケアのあとに段が上がることはありません。猫専用のジェルです。拭ったコットンに赤いものがつく、あごが腫れているなど、炎症や出血がある場合は使用せず、獣医師にご相談ください。

スプレーとシャワーの上の2段は、使わないと決めた段というより、空けておく段です。全身に油や泥がついた日、獣医師から薬用のシャンプーで洗うよう指示が出た日。そうした日のために残しておきます。その日が来ても、下の段で許してくれている場所が多いほど、濡れた体に手を添えられる範囲は広く保てます。

段を飛ばした日に戻る場所|水が嫌いな猫のやり方でつまずく3つ

つまずきの多くは、段を飛ばしたか、場所をまたいで段を持ち越したときに起きます。セットの中身が合っていても、上がり方を1つ間違えると、その場所のはしごは下のほうからやり直しになります。そして、つまずいた日の戻り方で、次の1週間が決まります。

嫌がった日の戻り方にも決まりがあります。0まで戻さず、1段下で終えます。コットンの2段で体をよじったなら、その日は手のひらの1段で同じ場所をひとなでして終わります。0まで戻すと、その場所で上がってきた段を、また最初から上がり直すことになります。1段下で終わった日は、記録表の数字を変えずにおき、翌日も同じ段から始めます。

もう1つ、つまずきを減らせるのは時刻です。はしごを上げるのは、毛づくろいを終えて落ち着いている時刻に限ります。遊んだ直後や、物音を気にしているときに段を上げようとすると、同じ段でも許してくれないことがあります。許さなかったのが段のせいか時刻のせいか分からなくなるので、段を上げる日は時刻をそろえます。

Caution記録表の段が、理由もなく下がっていくとき

2段まで許していた場所が、乾いた手の0段でも嫌がるようになった/特定の場所に触れた瞬間だけ、振り返って噛もうとする/段を上げていない場所の毛が薄くなり、地肌が赤く見える/あごの黒い汚れのまわりが腫れている、血がにじむ。こうした下がり方は、水が嫌いというだけでは説明がつかないことがあります。触られると痛い、かゆいという体の側の理由が隠れている場合があるので、段を上げ直すより先に、動物病院の予約を取ってください。場所ごとの記録表を持っていけば、どこが、いつから下がったのかを、紙1枚でそのまま見せられます。

段を上がる場所を1つずつ増やす|水が嫌いな猫と毎日回すセット

毎日のケアは、はしごの低い段で回します。上の段へ進むことより、1段上がった場所の数を増やしていくことが、水が苦手な猫のセットの使い方です。1か月たって、1段を許す場所が2か所から5か所になっていれば、毎日手を入れられる範囲は倍以上に広がっています。

1日のどこで、どの段を使うか(毎日の回し方の例)
いつどこに段使うもの
朝、ごはんを待っているあいだ背中から首のうしろ0乾いた手
食事のあと口のまわり2グルーミングウォーター(コットンで押さえる)
夜、毛づくろいのあと1段を許している場所を1か所1グルーミングウォーター(手のひらに少量)
あごに黒い汚れが見えた日あごの下ジェル猫あごクリーナー(ジェルをコットンにのせる)
3日に1回記録表の見直し—紙とペン

段を上げない日があっても構いません。0段で全身をなでるだけの日も、その子にとっては何も起きなかった1日として積み重なり、次に1段を足すときの足場になります。水が嫌いな猫のセットを毎日使ううえで守りたいのは、上がった段をそのまま保つことで、上の段へ急ぐことではありません。記録表の数字が1か月動かなくても、下がっていなければ、それは続けられている証拠です。

記録表は、キャットフードの袋のそばなど、毎日目に入る場所に貼っておいてください。今夜は、1段を許している場所に手のひらの湿りを1回。3日続いたら、その場所の数字を書き換えます。数字の書き換わった場所が増えるほど、水が苦手なその子の体に、毎日ふれられる範囲が広がっていきます。

Product

猫用 mofuwa グルーミングウォーター

猫用 mofuwa グルーミングウォーター

300ml / 2,970円(税込)

猫のために容器から見直したケアウォーター。拭き取りが要らず、噴射音が出にくいタイプです。

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よくある質問

水が嫌いな猫でも、いつかシャワーまで上がれるようになりますか。
上がれる子もいますが、目標にはしないほうが続きます。4段のシャワーは、全身に油や泥がついた日や、獣医師から洗うよう指示が出た日のために空けておく段です。毎日のケアは0段から2段で回り、ここで許してくれる場所が増えていれば、体の汚れに手を入れられる範囲も広がっていきます。上の段を試す日が来たら、2段までを許している場所から始めれば足ります。
1日に、いくつまで段を上げていいですか。
1か所につき1段、1日に1か所までを目安にします。背中で1段を許してくれた日に、同じ日のうちにお腹や足先へ広げると、その子にとっては「今日はどこを触られるか分からない日」になります。1段を3日続けて許してくれたら、記録表の数字を書き換え、4日目から次の段か、次の場所へ進みます。急がなくても、1か月あれば数か所の数字は書き換わっていきます。
手のひらの湿りの1段でも嫌がるときは、何を変えればいいですか。
まず量を減らします。手のひらに取ったあと、両手を一度こすり合わせて、指先がほんのりしっとりする程度まで広げてから触れます。それでも嫌がるなら、場所を背中や首のうしろなど、0段で目を閉じていた場所へ戻します。0段と1段のあいだに「湿った手を置くだけで、なでない」という半分の段をはさむのも一つの手です。時刻も見直してください。遊んだ直後より、毛づくろいを終えて落ち着いた時刻のほうが、同じ段でも許してくれることがあります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。