C12Q&A・豆知識
災害時に必要なペット用品リストの数
防災のリストを印刷して、上から順に丸をつけていったら、袋に入りきりませんでした。ペットの持ち物は、品目数を数えても持ち出せるようにはなりません。数が決めているのは、そろえたかどうかだけです。実際に持ち出せるかどうかを決めているのは、置き場所と、その日に持てる重さのほうです。だから、この記事には「◯点そろえれば足ります」という数を書きません。数の代わりに使えるのが、入れる順番を3層に分ける考え方です。無いと命に関わるもの、無いと衛生が崩れるもの、無くても数日は保つもの。この3つで並べ直すと、袋の中身はその場で決まります。防災とペットの持ち物を、8つの問答に分けて書きます。
ペットの防災の持ち物は、何点そろえればいいですか
点数では決まりません。ペットの防災の持ち物は、いくつそろえたかではなく、その日に玄関から持ち出せるかどうかで決まります。10行のリストでも持ち出せないことがあり、30行のリストでも持ち出せることがあります。数と、持ち出せるかどうかは、別々に動いています。
この記事では、具体的な品目数を書きません。理由は2つあります。1つは、数えるものが家ごとに違うこと。もう1つは、数を決めた瞬間に、その数をそろえること自体が目的になってしまうことです。フードを1袋と数えるのか、1食ぶんずつ数えるのかで、同じ中身が別の数になります。数を先に置くと、この違いが見えなくなります。
| 数え方 | 同じ袋が何行になるか | 抜けやすくなるもの |
|---|---|---|
| 種類で数える | 行が少なくなります | 何日ぶんあるかという量 |
| 1食・1回ぶんで数える | 行が一気に増えます | 全体の重さ |
| 容器ごとに数える | 容器の数だけ並びます | 中身が足りているか |
| 置き場所ごとに数える | 場所の数だけ並びます | 持ち出す順番 |
| 持ち出す順に数える | 実際に持てる量に近づきます | ふだん使っているもの |
表のいちばん下だけが、持ち出すという場面につながっています。品目数を数えるなら、持ち出す順に数えたときの数しか使えません。ほかの数え方は、そろえたかどうかを確かめるためのもので、玄関に立ったときには役に立ちません。防災の持ち物を数えるという行為そのものが、目的によって別のものになります。
点数を書くと、その数を満たしたところで手が止まります。代わりに置くのは、どの順番で入れるかという並べ方です。並べ方は家ごとに違っても、順番の作り方は共通で使えます。ペットの防災について書かれたものを読むときも、数が出てきたら「何を1つと数えているか」を先に確かめると、自分の家に置き換えられるかどうかが分かります。
なぜ、品目数を数えても持ち出せないのですか
数えるという作業と、持ち出すという動作が、別の場所で起きているからです。数えるのは机の上で、持ち出すのは玄関です。机の上では、行が増えても手は疲れません。玄関では、行の数ではなく、袋の重さと、腕が何本あるかが効いてきます。この差が、リストの丸と現実のあいだにある距離です。
犬や猫と一緒に出るときは、この差がさらに広がります。片手はリードかキャリーでふさがっています。残っているのは片手と、背中です。人の持ち物もあります。つまり、ペットの防災の持ち物にあてられるのは、はじめから限られた分だけです。リストの行数は、この制限をまったく知りません。
- 手の数:リードやキャリーで、たいてい片手はふさがります
- 背中:背負えるぶんが、実際に持ち出せる量のほとんどになります
- 玄関までの距離:置き場所が遠いほど、取りに戻る回数が減ります
- 暗さと足元:探す時間が増えるほど、持ち出せるものは減ります
- その子の落ち着き:待たせている時間が長いほど、手は空きません
5つとも、リストには書かれていない条件です。そして5つとも、そろえた品目数を増やしても改善しません。むしろ、そろえるほど袋は重くなり、探す時間は長くなります。数を増やす方向は、この5つに対しては逆に働きます。防災の準備が進んでいるのに不安が減らない、という感覚は、ここから出てくることが多いです。
もう1つ、数の落とし穴があります。品目数を満たすと、確認が終わったことになってしまいます。袋に入れた時点で、そのものは「済んだもの」になります。ところが、フードにも水にも使用期限があり、その子の体も変わります。数は、そこを見張ってくれません。数えることと、持ち出せる状態を保つことは、別々の作業です。
数の代わりに決めるものは、何ですか|置き場所と、持てる重さ
決めるのは2つだけです。どこに置くかと、何キロまでにするか。この2つが決まると、袋に入るものは自動的に絞られます。逆に、この2つを決めないままリストを増やしていくと、中身は増え続けます。上限がないからです。
| 決めること | 決まると起きること | 決めないと起きること |
|---|---|---|
| 置き場所 | 取りに行く動線が1本になります | 何か所も回ることになります |
| 持てる重さ | 入れるものが上限で止まります | 中身が増え続けます |
順番としては、置き場所が先です。置き場所が決まらないと、重さを測る意味がありません。玄関の近くに置けるなら、多少重くても持ち出せます。奥の部屋の押し入れの上なら、軽くても取り出せません。重さの上限は、置き場所によって変わります。
重さの上限は、体力の話ではなく、動作の話です。持ち上げられる重さではなく、その子を連れたまま歩ける重さを上限にします。1回持ち上げられても、階段を下りて、外を歩いて、というところまで続かなければ、上限を超えています。測り方は次の項目で書きます。
この2つが決まると、リストの読み方も変わります。ペットの防災について書かれた持ち物の一覧を見たときに、上から順に丸をつけるのではなく、上限のほうから引いていく形になります。入れられるぶんだけ入れて、入らないものは外す。外すという判断ができるようになるのが、上限を決めることの一番の効果です。
持てる重さは、家でどうやって出すのですか
1回測れば、その家の数字になります。平均を探すより早く、当たります。家の間取りも、その子の大きさも、持つ人の条件も家ごとに違うので、外の数字はそのまま使えません。手順は4つです。
-
ふだんの持ち物を持って、体重計に乗る
キャリーやリードを含めて、実際に出るときの形にします。自分の体重との差が、いま持っているぶんの重さです。ここに何を足せるかを、これから決めます。
-
空の袋に、水と食べ物だけを入れて測る
重いものから先に入れます。水と食べ物で、袋の重さのほとんどが決まります。この時点で上限に近ければ、ほかのものは入りません。
-
その状態で、玄関から外まで歩いてみる
持ち上げるだけでは分かりません。階段を下りて、外を歩いて、戻ってくるところまでやります。途中で持ち替えたくなったら、そこが上限です。
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歩けた重さを書いて、袋に貼る
紙に書いて、袋の内側に貼っておきます。次に何かを足すときは、この数字を超えないという形で判断します。数字が見えていないと、少しずつ増えます。
この測り方は、年に1回でかまいません。持つ人の条件も、その子の体重も変わるので、同じ数字が何年も使えるわけではありません。季節の変わり目に1回、と決めておくと忘れにくくなります。数字が下がっていたら、袋の中身を減らす合図です。
測ってみると、たいていの家で同じことが起きます。思っていたより、入る量は少ないです。これは準備が足りないということではありません。持ち出せる量には、はじめから限りがあるという事実が見えただけです。ここから先は、限られた枠に何をどの順で入れるか、という話になります。
置き場所は、どこに決めればいいですか
条件は1つです。その子を連れたまま、片手で取れる場所。これを満たすなら、玄関でも、廊下でも、リビングの入り口でもかまいません。逆に、これを満たさない場所は、どれだけ整理されていても持ち出せません。両手が要る場所と、2階と、押し入れの奥は外れます。
| 置き場所 | 起きやすいこと | 向いているもの |
|---|---|---|
| 玄関のすぐ横 | そのまま持って出られます | 1層目のもの |
| リビングの入り口 | 室内から玄関まで1本で動けます | 1層目と2層目 |
| 寝室の枕元 | 夜に動くときは最短になります | 夜間ぶんの最小限 |
| 押し入れの奥・上段 | 取り出すのに両手が要ります | 入れ替え用の予備 |
| 別の階 | 取りに行くと、その子を待たせます | 持ち出しには向きません |
分けて置くのは、2か所までにします。3か所以上になると、順番を覚えていられません。玄関に1つ、寝室に1つ。この形なら、どちらから動いてもどちらかは持てます。中身を完全に同じにする必要はなく、寝室のほうは夜に動くぶんだけで足ります。
置き場所が決まったら、そこにキャリーも並べます。袋とキャリーが別々の部屋にあると、その時点で2往復が確定します。ふだん室内でキャリーを使っていない家でも、置き場所だけは袋の隣にしておきます。使う練習は別の話ですが、場所をそろえるのは今日できます。
そして、帰宅後に必ず通る場所を選ぶと、点検が習慣になります。毎日目に入る場所に置いてあるものは、期限切れに気づけます。散歩から帰って足を拭くその場所の隣、というのは、この条件をよく満たします。防災の袋を「見えない場所にしまう」と、点検の機会がまるごと消えます。
入れる順番の3層とは、どういう分け方ですか
3つに分けます。無いと命に関わるもの、無いと衛生が崩れるもの、無くても数日は保つもの。この順に入れて、上限に達したところで止めます。品目の名前で分けるのではなく、無かったときに何が起きるかで分けるのが、この並べ方の要点です。
1層目は、その子でなければ代わりが利かないものです。飲むもの、食べ慣れているもの、飲ませているものがあるならそれ。そして、その子だと分かる情報。ここは量で調整しません。減らすと、減らしたぶんがそのまま困りごとになります。重さの土台は、この層で決まります。
2層目は、無くてもその日は越せるけれど、日が続くと崩れていくものです。排せつの始末に使うもの、体をふくもの、汚れたものを入れておくもの。衛生が崩れると、においが出て、周囲との距離の問題になります。避難した先が人のいる場所なら、これは自分たちだけの話ではなくなります。
3層目は、無くても数日は保つものです。おもちゃ、ブラシ、爪切り、着せるもの、予備の食器。置いておけば役に立ちますが、上限を超えるなら外す側に回ります。この層があることが分かっていると、外す判断が早くなります。外すものを決めていないと、玄関で袋を開けることになります。
順番を守ることの意味は、外すときに出ます。上限に達したら、右の層から外します。1層目を削って3層目を入れる、ということはしません。当たり前に見えますが、リストの上から丸をつけていく形だと、この判断がどこにも入りません。3層に分けるのは、外す順番をあらかじめ決めておくための道具です。
ケア用品は、どの層に入りますか|1層目を圧迫しない量にする
2層目です。体をふくもの、汚れを落とすもの、においの出るものを扱うもの。これらは、無いとその日のうちに衛生が崩れていく側にあります。一方で、1層目のものと入れ替えてまで増やす種類のものでもありません。位置としては、真ん中で止まります。
量の決め方も、層の考え方から出てきます。1層目を入れたあとに残っている重さの中で、収まるぶんだけ。ケア用品を先に入れてから水を減らす、という順序にはしません。これだけ決めておけば、量で迷う場面はほとんどなくなります。
- 水を使わずに拭けるもの:避難した先で水が使える保証はありません。ここが起点になります
- 汚れたものを入れる袋:におい対策としては、これがいちばん軽くて効きます
- 排せつの始末に使うもの:数を減らすより、薄くて軽い形のものを選びます
- いつも使っているもの:慣れないにおいのものは、その子が受け付けないことがあります
- 人と共用できるもの:2つ持たずに済むものは、そのぶん重さが浮きます
4つめについて、少し書いておきます。避難した先は、音もにおいも室内とは違います。その中で、いつもと同じにおいのケア用品は、その子にとって数少ない見慣れたものになります。だから、防災用に新しいものを買ってしまい込むより、ふだん使っているものと同じものを袋に入れておくほうが向いています。毎日の延長にあるほうが、その子にとっても人にとっても扱いやすくなります。
mofuwa グルーミングスプレーは、特許電解水を使った洗い流さないタイプで、無香料・界面活性剤不使用です。散歩から帰ったあとや、水を使えない日のケアとして、布に取ってから足の裏や口のまわりを一往復させるという使い方をしています。ふだんこの形で使っていれば、そのまま2層目に入れるものになります。防災のために新しい習慣を足すのではなく、毎日やっていることをそのまま袋に入れる、という順序のほうが続きます。
持ち物を3層で並べ直す|点検を毎日の側へ戻すのと、動物病院に相談する目安
ここまでを畳みます。ペットの防災の持ち物で覚えておくのは、決める2つと、並べる3層だけです。
| 決めること | 中身 | 決まると |
|---|---|---|
| 置き場所 | その子を連れたまま片手で取れる場所 | 動線が1本になります |
| 持てる重さ | 連れたまま歩けた重さ | 入れるものが上限で止まります |
| 1層目 | 無いと命に関わるもの | ここは削りません |
| 2層目 | 無いと衛生が崩れるもの | 残った重さで量を決めます |
| 3層目 | 無くても数日は保つもの | 上限を超えたら外します |
点検は、袋を開ける日を決めるより、毎日の側に戻すほうが続きます。帰宅後に足を拭くその場所の隣に置いてあれば、期限の近づいたものは目に入ります。時間を取って点検する、という形にすると、忙しい時期に飛びます。習慣の中に置いておくほうが、結果として中身が新しく保たれます。
そして、袋に入れられないものが1つあります。その子の体の状態そのものです。ふだんの様子を知っている人が、いつもと違うと気づけること。これは持ち物では代われません。毎日3か所だけ見るという習慣は、防災の準備としても、いちばん軽くて効くものになります。
食べる量が落ちた、水を飲まない、下痢が続く、同じ場所をなめ続けている、皮膚の赤みが引かない、においが変わった、呼吸のしかたが違う。こうした変化が続くときは、持ち物をそろえるより先に、動物病院にご相談ください。慣れない場所で過ごしたあとは、体にも出ます。かかりつけの連絡先と、飲ませているものの名前、直近の体重を書いた紙を1枚だけ袋に入れておくと、離れた場所で受診するときに役立ちます。紙は軽いので、1層目に入れて重さを圧迫しません。
Product
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
