C08季節・行事
においが出るのは、行きより帰りのキャリー
実家から戻って玄関にキャリーを下ろし、その子を出したあと、扉を閉めたまま翌朝まで置いていました。行きは朝8時に入れて、10時には実家の玄関で扉を開けています。閉まっていたのは2時間です。帰りは夕方に入れて2時間走り、家に着いてからも、荷ほどきが終わるまで玄関に残ります。キャリーのにおいの差をつくるのは、扉が閉まっていた合計の時間です。行きの2時間に対して、帰りは14時間になることがあります。8月は、その14時間のあいだ玄関の温度も下がりません。この記事では、行きのキャリーと帰りのキャリーを、別々に並べて見ていきます。
朝8時に入れて、10時には扉が開く|行きと帰りのキャリーでにおいの条件が分かれるところ
行きのキャリーは、扉が閉まっている時間が短いまま終わります。前の晩に押し入れから出して、玄関に置いておく。朝8時に入れて、2時間走って、10時には実家の玄関で扉を開ける。着いた先で真っ先にすることが、その子をキャリーから出すことだからです。中に残るのは、2時間ぶんの毛と、わずかな皮脂だけになります。
体のほうも、行きは整っています。出かける前の日にブラシを通し、爪の先を見て、足の裏の毛を短くする。朝のうちは、まだ8月の暑さが体の上にのっていません。車に乗せる前に10分だけエアコンを回しておけば、キャリーの中の空気も、その子の体温で暖まる前に動きはじめます。
| 見るところ | 行きのキャリー |
|---|---|
| 扉が閉まっている時間 | 朝8時から10時までの2時間 |
| 入る前の体 | 前日にブラシを通したあと。まだ汗ばむ前 |
| 中に落ちるもの | 2時間ぶんの毛と、わずかな皮脂 |
| 着いてからの扱い | 真っ先に扉を開け、実家の玄関にそのまま置く |
| においの出方 | 2時間では、においの形にならない |
表のいちばん下が、行きのキャリーでいちばん効いている行です。扉を開けたまま実家の玄関に置かれるので、中の空気は3日のあいだ入れ替わり続けます。行きのキャリーは、着いた時点で換気が始まっています。においが出るための時間が、そもそも与えられていません。
だから、出発の前にキャリーを念入りに拭いても、においの話としては大きく動きません。行きで気をつけたいのは、においより先に温度のほうです。8月の朝は、日が当たる窓際にキャリーを10分置いただけで、中の温度が上がります。上がったままの箱にその子を入れると、走り出してからの30分、体のほうが下がりません。
玄関に置いたまま朝を迎える|帰りのキャリーで、閉まった時間が積み上がる時期
帰りは、扉を開ける順番がいちばん後ろに回ります。夕方6時に実家を出て、8時に自分の家に着く。ここまでは行きと同じ2時間です。違うのは着いてからで、冷蔵庫に入れるものを先に運び、荷物を下ろし、その子をキャリーから出したあと、空になった箱は玄関に置いたままになります。
気づくのは翌朝です。8時に玄関を通って、そこで初めて扉を開ける。閉まっていたのは、夕方6時から翌朝8時までの14時間です。行きの2時間に対して7倍になります。走った距離も、乗っていた時間も同じなのに、キャリーの中で時間だけが積み上がっていきます。
- 3泊ぶんの毛:実家では、家にいるときより抜ける量が増えます。移動と、知らない家と、人の出入りが同じ4日間に重なるからです
- 皮脂:8月は体から出る量が増える時期で、拭き取りの回数のほうは実家にいるあいだだけ減ります
- こぼれた水:帰りは飲ませてから乗せるので、走り出して30分のあいだに揺れて落ちます
- 畳や土のかけら:実家の庭と仏間の畳から、爪と肉球のあいだにはさまって運ばれます
- 食べこぼし:移動中にあげたものが、底のマットのふちに入り込みます
この5つが底にある状態で、8月の玄関で14時間が過ぎます。玄関は、日が落ちても温度が下がりにくい場所です。夜のあいだは窓を開けないので、換気もありません。温度が下がらない、湿りが抜けない、扉が閉まっている。この3つが同時にそろうのは、1年のうちお盆の帰りの夜くらいです。
雑菌という言葉で片づけると、やることが見えなくなります。見えているのは条件のほうです。底が湿っていて、空気が動かなくて、時間が長い。この3つのうち2つは、扉を開けるだけで外れます。帰りのキャリーでにおいを決めているのは、拭き方の丁寧さより、扉を開けるまでの時間です。
扉の時間・中の温度・出したあとの扱い|行きと帰りのキャリーのにおいを並べた比較
行きと帰りを「キャリーの掃除」という1つの言葉でまとめると、手を入れる場所まで同じになります。並べてみると、見るところは7つに分かれます。同じ箱に、同じ子を乗せて、同じ道を走っているのに、そろっているのは最初の2つだけです。
| 見るところ | 行きのキャリー | 帰りのキャリー |
|---|---|---|
| 扉が閉まっていた時間 | 2時間 | 14時間 |
| 入る前の体 | 前日に整えたあと | 3泊ぶんの毛と皮脂がのったまま |
| 中の湿り | 水をこぼす前 | 飲ませてから乗せるので、走り出しにこぼれる |
| 着いてからの置き場所 | 実家の玄関で、扉を開けたまま | 自分の家の玄関で、扉を閉めたまま |
| 外の温度 | 朝のうちは、まだ上がりきっていない | 夜になっても下がらない |
| 換気 | 3日のあいだ通り続ける | 翌朝まで一度もない |
| においの出方 | 2時間では形にならない | 翌朝、扉を開けた瞬間に立ちのぼる |
表の右の列だけを数えると、帰りのキャリーは、においが出る条件を5つ持っています。行きは0か1つです。条件の数が5倍違うものに、同じ手間を同じだけかけると、手間の半分は要らないところに落ちます。出発の前に30分かけて拭いた家ほど、戻った夜には力が残っていません。
表に出てこない差も1つあります。帰りは、次に扉を開ける時刻が決まっていないという点です。行きのキャリーは10時に開くことが分かっていて、開ける人もその場にいます。帰りのキャリーは、荷ほどきが長引けば深夜になり、疲れていればそのまま朝になります。時刻の決まっていないほうが、必ず長くなります。
この比較から出てくる手は1つです。行きの準備を減らして、そのぶんを帰りへ回します。出発の前に拭いていた30分を、戻った夜の10分に移す。10分でも、扉を開けたまま置けるかどうかで、翌朝に玄関を通ったときのにおいが変わります。行きで減らしたぶんは、着いてからの3日で取り返せます。実家の玄関に置いてあるキャリーは、放っておいても換気されているからです。
底のマットと扉の内側、どっちを先に拭くか|帰りのキャリーでにおいが残る2か所
帰りのキャリーで、においが最後まで残るのは2か所です。底のマットと、扉の内側の角。先に手をつけるのは底のマットのほうです。マットを外さないまま底を拭いても、においのもとはマットの裏側に残ったままになります。扉の内側の角は、走っているあいだに水と毛がたまる場所で、外からは見えません。
- 扉を開けて、底のマットを外に出す:ここまでで1分です。この1分で、14時間が2時間に変わります
- マットの毛を、乾いた手で一方向に払う:濡れた布で先にこすると、毛が繊維の奥へ入ります
- 箱の底と、扉の内側の角を拭く:角は、指を入れてみないと湿りに気づきません
- マットを戻さずに、扉を開けたまま風の通る場所へ置く:戻すのは翌朝でかまいません
拭く前にかけるものを、ここで1つ決めておきます。mofuwa瞬間消臭スプレーは、キャリーの底のように、その子の鼻先が数センチまで近づく面のためにつくられた1本です。扉が閉まっているあいだ、その子の鼻先は底のマットから数センチのところにあります。14時間、その距離のまま息をしています。次に乗せるときも同じ距離です。底にかけるものが、口に入る面にかけるものになるのは、そういう理由です。
中に入っているのは電解水で、香りの成分は足してありません。閉じた箱にかけても、においが1つ増えたまま扉が閉まる、ということになりません。消臭には、においを別の香りで覆っていく方向と、においのもとのほうに反応させる方向があります。覆う方向のものを14時間閉じた箱にかけると、その子の側では、自分のにおいと、実家のにおいと、かけた香りが同じ場所に積み上がります。
犬も猫も、自分のにおいで場所を覚えます。箱の中が知らない場所に変わると、次に出かける朝、扉の前で足が止まります。行きの2時間を何ごともなく過ごしてもらうための手入れが、行きの入り口でつまずく原因になる。この入れ替わりを起こさないために、香りを足していない1本を使います。
余計な成分が入っていないぶん、かける先を選びません。底のマットの布、箱のプラスチック、車の後部座席のうち、その子が座っていた面。帰りの夜に手を入れるのは、この3つで足ります。犬や猫を預かる施設でも、ケージや床の消臭に使われています。同じ10分でも、底のマットを外してからかけたかどうかで、翌朝の差が出ます。
拭き取りは、マットを外した底にmofuwa瞬間消臭スプレーをかけてから、乾いた面で一方向に1回だけ動かします。往復させると、いったん浮いたものを同じ場所へ戻すことになります。マットは乾いてから箱に戻します。湿ったまま戻すと、14時間の条件を自分の手でつくり直すことになるからです。玄関で1分、翌朝に5分。帰りのキャリーにかける時間は、それで足ります。
底のマットを外して洗い、扉を開けたまま二晩おいた。それでも3日目に手を入れると、同じにおいが底から返ってくる。あるいは、キャリーではなくその子の体のほうから、行きの朝には無かったにおいが続いている。耳の内側、指のあいだ、しっぽのつけ根。こうした残り方は、扉が閉まっていた14時間だけでは説明がつきません。出発した日と戻った日、そして扉を閉めていた時間を書いた紙を持って、かかりつけの動物病院に時間をもらってください。いつから、どこのにおいなのかが、紙1枚でそのまま伝わります。
空にした箱を、次の帰りまでどこに置くか|二晩、キャリーの扉を開けておく
空にしたキャリーは、次の帰りまで扉を開けたままにしておきます。置くのは玄関ではなく、風が通るところです。廊下の突き当たり、使っていない部屋の隅、窓の内側。1年に2回か3回しか動かさない箱なら、置き場所は取り出しやすさで決めなくてかまいません。次に扉を閉めるまでの日数のほうが、ずっと長いからです。
| いつ | やること |
|---|---|
| 戻った夜 | 扉を開け、底のマットを外に出す |
| 翌朝 | 底と扉の内側の角を拭き、乾いたマットを戻す |
| 二晩おいたあと | 扉を開けたまま、風の通る場所へ移す |
| 次に出かける前の晩 | 玄関に出す。扉は開けたまま |
紙に残すのは3つだけです。出発した日、戻った日、そして扉を閉めていた時間。次の年の帰りに同じ紙を出せば、どこを短くできるかが分かります。14時間を8時間にするのは、拭き方の腕ではなく、玄関を通ったときに扉を開ける、という1動作のほうです。
今夜できるのは、玄関に置いたキャリーの扉を開けて、底のマットを外に出すところまでです。拭くのは翌朝でかまいません。行きと帰りで変わっていたのは道のりではなく、扉が閉まっていた時間のほうでした。においは、その時間の長さのぶんだけ残ります。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見るよくある質問
- 行きのキャリーも、出発の前に念入りに拭いておくべきですか。
- 行きは、拭き取りより置き方のほうで差が出ます。前の晩に押し入れから出して、扉を開けたまま玄関に置いておく。それだけで、朝に入れるときの中は乾いています。出発の直前に水拭きをすると、乾ききらないまま扉が閉まり、2時間のあいだ湿った箱になります。行きのキャリーで気をつけたいのは、においより温度です。日の当たる窓際に10分置くと、中の温度が上がったまま、その子が入ることになります。前の晩に出す、日の当たらない場所に置く。行きの準備は、この2つで足ります。
- 帰りの車の中で、キャリーの扉を開けておくのはどうですか。
- 走っているあいだは閉めておきます。扉を開けるのは、家に着いて、その子を出してからです。帰りのキャリーで短くしたいのは、走っている2時間ではなく、着いてからの12時間のほうだからです。信号待ちで窓を開けるより、玄関に下ろした瞬間に扉を開けるほうが、においの残り方は変わります。どうしても車内で手を打ちたいなら、休憩のたびにその子を出して、そのあいだ扉を開けたままにしておく。1回5分でも、2時間のうち10分が換気の時間に変わります。
- キャリーを2つ持っています。行きと帰りで替えるのは意味がありますか。
- 替えるより、帰りに使うほうを決めておくほうが回ります。帰りに入る箱は、底のマットが外しやすいもの、扉が大きく開くもの、玄関に置いても通り道をふさがないものを選びます。行きと帰りでは条件の数が違うので、同じ箱を2つ用意するより、帰りのための1つを決めておくほうが、においに手が届きます。2つを使い分けるなら、行きの箱は着いた先の実家に置かせてもらい、帰りの箱だけを積んで帰るという形もつくれます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
