C08季節・行事

春ほど一気には抜けないのに、ひと月たっても終わらない

公開日 2024年9月26日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床に、静かに座っているクリーム色の猫
秋に見るのは1日に抜けた量ではなく、同じ量の週が何週続いたかです。

4週目の夜、ブラシの面が毛で埋まって指で払った回数が、1週目と同じ2回でした。春なら、2週目に4回も5回も払っていたものが3週目には1回に落ちて、そこで終わりが見えます。秋の換毛期は、その落ち方をしません。低い山がひと月を過ぎても同じ高さのまま続きます。秋の換毛期が長引く年に起きているのは、1回あたりの量が春より少ないまま、期間のほうだけが伸びることです。だから量を見ていると、いつまでも終わりが来ないように感じます。数えるものを量から週に変えると、終わりの見え方が変わります。

4週目のブラシが、1週目と同じ回数で埋まる|秋の換毛期が長引くという経験

秋の換毛期が長引くと感じるとき、たいてい見ているのは1日に抜けた毛の量です。春にはゴミ袋が膨らむほど出たのに、秋はその半分も出ない。それなのに終わりません。同じ量が毎日出つづけると、人の側では「増えていない」としか記録されないので、進んでいるのか止まっているのかが分からなくなります。量を見ているかぎり、秋の換毛期は終わりの見えない平らな道に見えます。

そこで数えるものを1つ決めます。ブラシの面が毛で埋まって、指で払った回数です。1日1回、同じブラシで、同じ場所から同じ順に梳かす。梳かし終わるまでに何回払ったかを、その日の数字にします。量を袋の大きさで見るのをやめて、回数にすると、週ごとの形が出てきます。被毛の量も抜け方もその子ごとに違いますが、形のほうは秋と春で違いが出ます。

週ごとに数えるとこういう形になる、という並べ方の例(回数はその子とブラシで変わります)
週春の換毛期秋の換毛期その週に見えていること
1週目2回1回どちらもまだ増えている途中
2週目5回2回春はここが山。秋は前の週とほぼ同じ
3週目3回2回春は落ちはじめる。秋は変わらない
4週目1回2回春は終わりが見える。秋は同じ高さ
5週目0〜1回2回秋だけが続いている
6週目0回1回秋がようやく下がりはじめる

この並べ方をすると、秋の換毛期が長引くというのは、山が低いぶん、下がりはじめる週が後ろへずれることだと分かります。春は山があるので、山を越えたことが体感で分かります。秋には越えるべき山がありません。だから4週目に「まだ終わらない」と感じるのは、実際には何も悪くなっていないのに、終わったという合図だけが来ていない状態です。

秋の換毛期が長引くときの、6週の形 春は2週目に山が来て、4週目には終わりが見えます。秋は山らしい山が来ないまま同じ高さが続き、下がりはじめるのは6週目です。終わりは量の多さではなく、回数が半分に落ちた週で分かります。 週の数はその子の被毛の量で前後します 1〜2週目 低いまま増える 春の山の半分ほどで横ばいになる 3〜4週目 抜ける場所が移る 背中から首と尻尾の付け根へ 5週目 根元に浮いた毛が残る 抜けているのに落ちてこない毛が増える 6週目 回数が半分に落ちる ここが終わりはじめた週の合図
見るのは1日の量ではなく、同じ高さが何週続いたかです。

紙は1枚で足ります。日付と回数、それだけ。週の合計は出さなくてかまいません。見るのは、前の週と同じ数字が並んでいるか、半分に落ちた日が3日続いたかの2つだけです。秋の換毛期が長引く年ほど、この紙があるかどうかで、飼い主の側の疲れ方が変わります。数えていないと、6週目に下がっていることにも気づかないまま、12月まで同じ不安を持ち越すことになります。

一気に抜けない秋の抜け方|春と比べて、換毛期が長引く理由を毛の入れ替えで見る

春と秋では、被毛の入れ替えでやっていることが違うと説明されます。春は、冬のあいだ体を守っていた厚い下毛を手放す時期です。手放すだけなので、まとまって抜けます。秋はその逆で、夏をしのぐための薄い毛を抜きながら、冬へ向けた毛を同時に足していきます。脱ぐ作業と着る作業が重なるぶん、1回に抜ける量は少なく、かかる週の数は増える。これが、秋の換毛期が長引く理由としていちばん分かりやすい説明です。

きっかけになるのは気温より日照時間だと言われています。日の長さが短くなる方向へ動きはじめると、体のほうが先に切り替わり、そのあとに気温が下がってきます。だから秋は、まだ半袖で過ごせる時期に抜けはじめて、寒くなったころにはもう終わりかけている、という順番になります。気温を目印にしていると、抜けはじめの2週間を見落とします。季節の変わり目に「今年は急に抜けた」と感じるのは、多くの場合、始まりのほうを見ていなかったからです。

3つめは、秋の換毛期が長引く話といちばん関係します。人が快適に過ごせるように室温を保っている家ほど、体に届く季節の情報は日の長さだけになります。合図が弱いと、切り替えはゆっくり進みます。これは不調ではなく、暮らしの条件がそうさせている形です。窓のある部屋で日中を過ごす時間が長い子と、日の入らない部屋にいる時間が長い子とでは、同じ家の中でも終わる週がずれます。

もう1つ、秋だけに起きる変化があります。抜けた毛が、落ちてこないことです。春は下毛がごっそり緩むので、指で梳くだけで抜けた毛が手に集まります。秋は、生えはじめた新しい毛が、抜けた毛を根元で引っかけます。抜けているのに落ちてこない毛が、被毛の下にたまっていく。これが、量を数えていると「あまり抜けていない」ように見えるのに、ふとかき分けると毛が詰まっている、という食い違いの正体です。

首のまわりと尻尾の付け根へ移る|秋の換毛期が長引く変化に、ブラッシングを合わせる

3週目あたりから、よく抜ける場所が背中を離れます。1週目と2週目は春と同じで背中と腰です。ところが3週目に入ると、ブラシの面が埋まるのは首のまわり、わきの下、尻尾の付け根の3か所に変わってきます。梳かす順番を1週目のままにしていると、いちばん抜けている場所を最後に通ることになり、その日の回数が減って、終わりかけたように見えます。

週が進むにつれて、ブラシの面が埋まる場所がどう移るか
週よく抜ける場所毛の状態梳かし方で変えるところ
1〜2週目背中・腰毛先まで抜けて落ちる春と同じ。上から下へ1方向
3〜4週目首のまわり・わきの下根元に浮いて止まる毛の流れを一度起こしてから通す
4〜5週目尻尾の付け根指で押すと毛が動く面を寝かせて、短く細かく
5〜6週目後ろ足の内側毛先どうしが絡みはじめるブラシの前に指で分ける

表の右端が、秋の換毛期が長引く時期のブラッシングで変えるところです。力を強くするのでも、時間を延ばすのでもありません。根元に浮いて止まっている毛は、上から強く押さえると新しい毛ごと引っぱることになります。やることは、毛の流れを一度起こしてから、寝かせた面で短く通すことです。1か所につき10往復も要りません。

ここで問題になるのが乾きです。気温が下がって湿度も落ちる時期の被毛は、乾いた状態でブラシを入れると静電気を持ちます。静電気の起きた毛はブラシから逃げて、根元に浮いたままの毛がさらに残ります。秋の3週目以降にブラシの回数が伸びないのは、抜けていないからではなく、抜けた毛がブラシの面まで届いていないことがあります。

だから梳かす前にひと吹きします。mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという願いのほうを、実際に毎日やれる形にした1本です。犬も猫も体から脂を出しますし、散歩にも出ます。昨日きれいにした体が今日また汚れるのに、シャンプーは毎日できませんし、サロンにも毎日は通えません。グルーミングスプレーは吹きかけてブラシを通すだけなので、秋の6週をそのまま毎日続けられる形になっています。

秋に効いてくるのは、静電気の起きにくい状態で梳かせることです。毛が落ち着いた状態なら、ブラシの面が根元まで届いて、浮いていた毛がそこで止まります。ブラシを払う回数が増えるのは、余計に抜けたからではなく、たまっていた毛がようやく面まで出てきたからです。数え方を変えずに使いはじめると、3週目に回数が一度増えます。そこで慌てないでください。その山は、下から出てきたぶんです。

中身は電解水で、香りを足していません。清涼飲料水に求められる規格の基準を満たした水でつくられているので、梳かしたあとにその子が自分の体をなめる秋でも、使った量を数えずに済みます。毛についた余分な脂は電解水となじんで乳化するため、首のまわりのように毛が厚い場所でも、指で分けながらかけていけば根元まで届きます。うるおいが残っているあいだに通すのがいちばん楽なので、かけてから梳かすまでは1分以内にします。

猫では、ノズルを押したときの音のほうが先に届きます。秋は毛づくろいの時間が増える時期でもあるので、音を嫌がる子と毎日続けるのはむずかしくなります。そういう子には、猫用 mofuwa グルーミングウォーターという、霧の出ない容器に替えた1本があります。押しても音が鳴らないので、6週のあいだ同じ時刻に同じことをくり返しやすくなります。

Caution同じ高さの週が、8週を越えても下がらないとき

ブラシを払う回数が8週を過ぎても半分に落ちない/根元に浮いた毛をほぐすときに、毛と一緒に皮がついてくる/抜けたあと新しい毛が出てこない場所が、左右対称に見える/首のまわりと尻尾の付け根のほかに、地肌が透けて見える場所が3日で増えた。こうした続き方は、秋の換毛期が長引くという説明ではたどりつけません。日付と回数だけを書いた紙は、週ごとの形をそのまま見せられる材料になります。その紙と、下がらなかった週の数を持って、動物病院で診察の枠をとる日を決めてください。何週目から同じ数字が並んでいるかが、口で説明するより早く伝わります。

山を待たずに、同じ高さの週を数える|秋の換毛期が長引く日の考え方

秋の換毛期が長引く日の考え方は、終わりの合図を量から週に移すことに尽きます。春の終わりは、袋が軽くなることで分かりました。秋の終わりは、ブラシを払う回数が半分に落ちた日が3日続いたところです。量ではなく、下がったという向きだけを見ます。この向きが出たら、残りは2週ほどで落ち着きます。

6週を越えたときに、手元に残しておくもの
残すもの中身次の秋での使い道
日付と回数の紙1日1行だけの数字同じ子の去年の形と重ねられる
場所が移った週首・尻尾の付け根へ動いた日梳かす順番を先に変えておける
下がりはじめた週回数が半分になった日次の秋の終わりを見当づけられる

この3つがあると、翌年の秋は数え直しから始めなくて済みます。去年の紙に「3週目から首へ移った」と書いてあれば、今年は3週目を待たずに順番を変えられます。秋の換毛期が長引くことそのものは、毎年くり返す条件のほうに理由があるので、なくすものではありません。変えられるのは、長引く6週のあいだに飼い主が余計に使う手数のほうです。

今夜は、ブラシを払った回数を紙の端に1つ書くだけでかまいません。明日も同じ数字なら、まだ途中です。半分になった日が3日並んだら、そこが今年の秋の終わりです。数えるものが1つ決まっていれば、ひと月たっても終わらないという感覚のほうは、6週目より前に消えます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。