C03使い方・お手入れ手順
猫の抜け毛を減らす日常の手順
ソファの右端で伏せている猫の背中に、ブラシを3周かけたところで目が詰まりました。たまった毛を指でつまんで外す3秒のあいだに、その子は前足を伸ばして体の向きを変え、そのまま床へ降りていきます。猫の抜け毛を減らす手順が途中で終わる理由は、ブラシの持ち方や力の強さより先に、この手を止めた3秒のほうにあります。換毛期は3周、それ以外の時期は8周でブラシの目が詰まります。だから数えるのは、1回のケアで手を止めた回数です。ブラシを2本そろえて、毛を外さずに持ち替えると、この回数が0に近づきます。
抜けた毛が残る3か所|猫の抜け毛を減らすやり方は、行き先を分けるところから
猫の抜け毛は、抜ける量のほうを家で動かすことができません。毛は生え変わる時期に抜け、その時期は日の長さで動きます。家で変えられるのは、抜けたあとにその毛がどこへ行くかだけです。行き先は3か所あります。その子が毛づくろいで口に運ぶぶん、床とソファの布に落ちるぶん、そしてこちらのブラシの目に入るぶんです。猫の抜け毛を減らすやり方は、3か所のうちブラシへ入る量を増やす話に絞れます。
| 行き先 | そこで起きていること | 家で動かせるか |
|---|---|---|
| その子の口 | 毛づくろいのときに舌が拾い、そのまま飲み込む | 減らせるのは、先にこちらが取ったぶんだけ |
| 床と布 | 落ちた毛が寝床とソファの繊維に入り込む | 掃除で取れるが、抜ける前には戻せない |
| ブラシの目 | 梳かした毛がブラシに集まり、そこで止まる | ここだけは、道具と順番で増やせる |
被毛の作りを見ておくと、周数の意味が変わります。上毛の下に細い下毛があり、換毛期に抜けるのは下毛のほうです。下毛は上毛に引っかかったまま体に残るので、抜けていても落ちてこない毛が背中の上に層としてたまります。ブラシが3周で詰まるのは、その層をまとめて受け取っているからです。換毛期を外れた時期に8周まで続くのは、受け取る量が少ないからで、手の速さや力の差ではありません。
手順を書き出す前に、場面の側を決めておきます。場所は、その子が毎晩伏せているソファの右端。時刻は、家の中が静かになったあとの夜。体勢はそのまま伏せた姿勢で、膝にはのせません。手は2本しか使えません。片手で毛の流れを押さえ、もう片手でブラシを持つので、途中で3本目の手が要る形にすると、そこで必ず止まります。だから道具は先に並べます。
- 周数:背中を1回なでるのを1周と数えます。詰まるまでの周数が、その日の毛の量です
- 手を止めた回数:ブラシから毛を外すために手を離した回数。ここが0の日は最後まで続きます
- 道具の数:ブラシ2本とコットン1枚。持ち替えられるように、同じ側に並べます
- 毛先と根元:毛先だけが動いた周と、根元まで櫛が入った周を、感触で分けて覚えます
含ませる・拭く・梳かす|猫の抜け毛を減らす手順を、毎日そのまま回せる形にする
手順は3段です。手かコットンに含ませ、毛の流れに沿ってやさしく拭き、必要に応じてブラッシングでなじませます。この3段はどれも長くありません。長くなるのは、その前に道具を並べる時間と、途中で手が止まったときに戻す時間です。毎日そのまま回せるかどうかは、3段の中身ではなく、前後のほうで決まります。
-
1|ブラシ2本とコットンを、伏せている側に並べる
その子が伏せているソファの右端に座り、自分の右手側にブラシを2本、その手前にコットンを1枚置きます。棚に戻してある状態から始めると、取りに立った時点でその子が場所を変えます。並べ終わるまで、まだ何も始めません。ここまでを準備として切り離しておくと、3段のほうが短く済みます。
-
2|手のひらかコットンに含ませる
猫用 mofuwa グルーミングウォーターを手のひらか、並べておいたコットンに含ませます。押し出すときに音が鳴らないので、伏せたままの姿勢を崩さずに始められます。背中に向けて吹きかける形をとらないぶん、その子の側で起きることは、においのついた手が近づいてきたことだけになります。
-
3|毛の流れに沿って、やさしく拭く
首のうしろから背中の真ん中まで、毛の向きに沿って手を滑らせます。逆立てません。拭く目的は汚れを取ることと、このあとブラシを通す面をならしておくことの2つです。乾いた毛のまま梳かすより、手のひらで一度なでた面のほうが、櫛が引っかかる場所が減ります。
-
4|必要に応じて、ブラッシングでなじませる
拭いた面にブラシを入れます。1周めから根元まで当てず、毛先のほうから入れて、3周めで根元に近づけます。ブラッシングの力ではなく、入れる深さを周ごとに変えるほうが、抜けた下毛は集まります。詰まってきた感触が来たら、そこが記録する周数です。
-
5|詰まったら、毛を外さずに2本目へ持ち替える
1本目がいっぱいになったら、そのまま置いて2本目を取ります。毛を外す作業は、その子が降りたあとにまとめてやります。持ち替えにかかるのは1秒ほどで、手が体から離れません。手を止めた回数を0にできるのは、この持ち替えのぶんだけです。
この1本は、犬猫向けの mofuwa グルーミングスプレーと同じ中身に、猫向けの若干のイオン調整を加えたものです。猫のために処方を作り替えたのではなく、猫が嫌がっていた原因のほうを特定して、そこだけ直しています。嫌がっていたのはプシュッという音でした。飼い主さんからその声が多く集まったので、容器をチューチューボトルに替えました。中身は替えていません。
音が鳴らないことは、手順の側で1段ぶんの得になります。吹きかける音がある道具では、押した瞬間にその子が頭を上げるので、そこから伏せ直すまでを待つ時間が入ります。猫用 mofuwa グルーミングウォーターでは、押しても音が出ないので、伏せている姿勢のまま2段目に入れます。寝そうになっている子のそばでも、手順の入り口が同じ形で使えます。
拭いたときに毛から離れるのは、汚れの原因になる脂のほうです。電解水が脂となじんで乳化し、ベタついていた面が拭き取りやすい状態に変わります。落とす相手を脂に絞っているので、セラミドやスクワランは毛に残ります。うるおいを持っている側まで持っていかない、という引き算の作りです。猫は自分で毛づくろいをするので、拭いた面がそのあと口に入ります。中身が電解水で、薬剤を足していないことの意味は、そこにあります。
ブラッシングの前に一度なでておくことは、静電気の側にも効いてきます。乾いた毛にブラシを入れると静電気が起きて、毛先が浮き、浮いた毛がブラシの外へ逃げます。逃げた毛は床と布のほうへ回るので、ブラシに集まる量が減ります。手のひらでなでた面は静電気が起きにくい状態になるため、同じ周数でもブラシに残る量が変わります。猫の抜け毛を減らす手順で、拭く段を飛ばさないほうがいいのはこの理由です。
背中のほかに、拭ける場所は決まっています。食後の口まわり、散歩のあとの手足、肉球と足の裏、ベタつきが出た背中とおしりのまわり、ヒゲのまわりです。1回で全部を回らないでください。背中だけで3周から8周を使うので、口まわりと手足は別の回に置きます。場所を分けて日をずらすほうが、1か所あたりの周数を落とさずに済みます。
手を止めた3秒でその子が降りる|猫の抜け毛が家でできる形から外れる3つ
崩れ方は3つしかありません。ブラシが詰まって手を止めたとき、道具を取りに立ったとき、そして1回で全身を回ろうとしたときです。どれも手順そのものは合っているのに、その子の側の時間が先に終わっています。猫の抜け毛が家でできる形から外れるのは、たいていこの3つのどれかです。
| 崩れる場面 | その子の側で起きていること | 数えるもの | 戻し方 |
|---|---|---|---|
| ブラシが詰まる | 手が離れた3秒で向きを変え、床へ降りる | 手を止めた回数 | 毛を外さず2本目へ持ち替える |
| 道具を取りに立つ | こちらが立った時点で場所を移る | 立ち上がった回数 | 座る前に同じ側へ並べておく |
| 1回で全身を回る | 背中の途中で毛づくろいを始める | 1回で触った場所の数 | 背中だけで終える回をつくる |
表の右端に置いた戻し方のうち、いちばん早く効くのは2本目への持ち替えです。ブラシを買い足すだけで、手順も周数も変えずに手を止めた回数が下がります。2本目は同じ形のものでなくてかまいません。目の細かいほうを1本目、粗いほうを2本目にすると、詰まってから持ち替えたあとの4周めから6周めで、根元に入る感触が変わります。毛先だけを整える周と、根元まで届く周を分けて数えられるようになります。
数え終わった紙には、周数と手を止めた回数のほかに、その日の毛の量の見え方を1語だけ書いておきます。ブラシを開いたときに、下毛が固まりで出てきたか、上毛が数本混じっただけか。換毛期の入り口は、周数が8周から5周へ縮むほうに先に出ます。カレンダーの季節より、自分の家の周数のほうが早く動きます。
背中の左だけ3周で毎回止まる、毛をかき分けると地肌が赤い、さわると熱い、同じ場所の毛が抜けて地肌が見えている、毛づくろいがその一点に集まっている。こうした落ち方は、毛の生え変わりの側だけでは説明がつかないことがあります。周数と手を止めた回数を書いた紙を持って、動物病院で皮膚のほうを見てもらう日をつくってください。どの場所の周数が、いつから何周に落ちたのかが、紙1枚でそのまま伝わります。拭く手も、ブラシを入れる手も、その日はいったん止めておきます。
同じ場所に戻ってこられた日を数える|猫の抜け毛の頻度は、続いた日数から決める
猫の抜け毛の頻度は、週に何回と先に決めないほうが続きます。決めた回数のほうが先に来ると、できなかった日が欠けた日になります。数えるのは、同じ場所に戻ってこられた日です。背中の右側に4日のうち3日戻れていれば、その場所の周数は比べられる形になります。戻れなかった日は、飛んだ日ではなく、間の日として1行空けておきます。
| 場所 | 1回にかける周数 | 次に戻る日 | 見るもの |
|---|---|---|---|
| 背中の真ん中 | 3周から8周 | 毎日 | 詰まるまでの周数 |
| 背中の左右 | 3周ずつ | 1日おき | 左右で周数が違わないか |
| おしりのまわり | 2周 | 2日おき | 毛先がベタついていないか |
| 口まわり | 拭くだけ | 食後の日 | 毛の色が変わっていないか |
| 手足と肉球 | 拭くだけ | 3日おき | 指のあいだに毛が残らないか |
表の2列目を見ると、毎日やるのは背中の真ん中だけだと分かります。ほかの場所は1日おきから3日おきなので、1回のケアで回る場所は2か所までに収まります。場所の数を先に決めておくほうが、周数は落ちません。猫の抜け毛の手順が長く続く家は、1回を短くしています。1回に触る場所を増やした日は、その次の日に戻ってこられなくなります。
紙は1枚で足ります。日付、場所、詰まるまでの周数、手を止めた回数。この4列だけを書きます。1週間たつと、周数の列が縮んでいく時期と、横ばいのままの時期が見えてきます。縮んでいく時期が換毛期の入り口で、そこからひと月ほどは、1回の周数が半分になります。毎日の3段は変えず、戻る日の間隔だけを詰めます。
今夜できるのは、ブラシを2本そろえて、ソファの右端の手が届く側に置くところまでです。含ませて拭く段は明日でかまいません。手を止めた回数が0で終わった日が3日続いたら、その手順はもう家の形になっています。周数の列が先に動くので、毛の量が変わったことは、紙のほうが先に教えてくれます。
Product
よくある質問
- ブラシは何本まで増やすと手が止まらなくなりますか。
- 2本で足ります。3本目を並べると、どれを持っているかを確かめる一瞬が入るので、持ち替えの1秒が3秒に伸びます。増やすなら本数ではなく、目の細かさを変えるほうです。1本目に目の細かいもの、2本目に粗いものを置くと、詰まってからの持ち替えで入る深さが変わり、根元まで届いた周を分けて数えられます。どちらも同じ側に置いてください。反対の手の側に置くと、持ち替えるたびに体の上を手が横切ることになります。
- 拭く段を飛ばして、ブラッシングだけにしてもいいですか。
- 同じ周数でもブラシに集まる量が変わります。乾いた毛のまま櫛を入れると静電気で毛先が浮き、浮いた毛がブラシの外へ逃げて床と布のほうへ回ります。拭く段は、抜けた毛の行き先を3か所のうちブラシの側へ寄せるために置いています。時間がない日は、背中の真ん中だけを手のひらで一度なでて、そこに3周だけ入れて終わりにしてください。場所を減らすほうが、段を減らすより周数が落ちません。
- 換毛期に入ったかどうかは、どこで分かりますか。
- 詰まるまでの周数が縮むほうに先に出ます。それまで8周まで続いていた背中が5周で詰まりはじめたら、そのひと月は下毛が抜けている時期です。毛の量そのものは見て分かりにくく、床に落ちた毛の量は掃除の回数でも変わってしまいます。周数は1回のケアの中で数え終わるので、いちばん早く返ってくる数字になります。縮んだ週は、1回の周数を増やすより、戻る日の間隔を詰めてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
