C03使い方・お手入れ手順
長毛猫の背中と腰をケアする手順
朝7時すぎ、窓からの光が廊下に斜めに入る15分だけ、長毛猫の背中の毛が透けて地肌の色まで見えます。その15分に指で毛を分けると、背骨の左右に3列ずつ、合わせて6列が引けます。長毛猫の背中と腰のケアは、なでた回数で数えません。この6列のうち、何列の根元まで手が届いたかで数えます。上からなでるだけで終えた朝は、6列のうち0列です。毛の表面だけが整って、根元は前の日のまま残ります。
背骨の左右に3列ずつ|長毛猫の背中を毎日ケアするときのコツ
長毛猫の背中でいちばん起きやすいのは、毛の表面と根元で別の日が流れていることです。表面は毎日整えられているのに、根元は3日前のまま。毛の長さがあるぶん、手のひらは毛先の上を滑るだけで、地肌の手前まで降りていきません。だから長毛猫のケアは、なでる回数を増やすより、毛を分けて列をつくるほうが先になります。
列は、背骨を中心に引きます。指1本ぶんの幅で毛を左右に分けると、地肌が細い線になって見えます。この線を背骨から外側へ3本ずつ、左右で6列。6列という数字は、その朝どこまで届いたかを数えるための単位です。背中の面積を測っているのではなく、手が根元まで降りた回数を数えています。
| 列 | 位置 | 分けたときに見えるもの | 止まりやすさ |
|---|---|---|---|
| 1・2列目 | 背骨のすぐ左右 | 地肌の線がまっすぐ出る | いちばん開きやすい |
| 3・4列目 | 肩の高さから腰へ下る中ほど | 毛の流れが斜めに変わる境目 | 列が曲がりはじめる |
| 5・6列目 | 脇腹との境 | 毛の向きが横へ回る | 座ったままでは開かない |
| 腰の上 | 背中と腰のつなぎ目 | 皮膚が手と一緒に動く | 分けた線がすぐ閉じる |
| 尾のつけ根 | 背中の終わり | 毛が密に集まっている | 立たせないと見えない |
時間帯は、光の向きで決めます。真上から照明が当たる洗面所では、毛の表面が明るく光って、分けた線の中が影になります。窓から斜めに光が入る時間帯に、廊下や窓際の床で行うほうが、列の中が見えます。朝の15分でも夕方でもかまいません。同じ向きの光になる時刻を1つ決めて、毎日そこへ寄せてください。皮膚の色が見えるかどうかで、その朝の判断が変わります。
道具は2つで足ります。押しても霧の音が出ない猫用 mofuwa グルーミングウォーターと、目の粗いコーム1本です。猫用のこの1本は、犬猫向けのグルーミングスプレーと中身が同じ水で、猫向けに少しイオン調整をしたうえで、容器をチューチューボトルに替えたものです。スプレーの音を嫌がる猫がいるという声から形を変えた1本なので、列を引いている途中に音で立たれることがありません。
使えるのは片手だけだと考えてください。もう片方の手は毛を分けるために使います。片手がボトル、片手が指。この配分でいるあいだ、コームは床に置いたままです。コームを持つのは、6列を通し終えたあとになります。長毛猫の背中のケアで手が足りなくなるのは、3つの役を2本の手でやろうとしたときです。
光の向きから尾のつけ根まで|長毛猫の背中と腰をケアする手順
手順は5つです。光の向きを決めて座り、背骨の左右に6列を引き、分けた列の根元へ手のひらから乗せ、列ごとにコームを1度通し、最後に立たせてから腰と尾のつけ根へ移ります。1日で6列そろわなくてかまいません。届いた列の数だけを紙に書いて、翌朝はその続きから始めます。
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1|光が斜めに入る位置に、背中側から片膝をついて座る
その子の正面に回らず、背中側から入ります。正面に座ると顔を上げられて、背中の面が傾きます。窓を背にすると自分の影が背中に落ちるので、光は横から受ける向きに。片膝を床につけて、腰を落とした姿勢のまま終わりまで動きません。座り直す気配だけで、列を引いている手が止まります。
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2|背骨のすぐ横から、指1本ぶんの幅で毛を分ける
親指と人差し指で毛をつまんで左右に開くと、地肌が細い線で出ます。開いたまま指を離さないでください。長毛猫の毛は、手を離すと1秒で線が閉じます。1列目は背骨のすぐ横、2列目はそこから指2本ぶん外側。左右を交互に引くと、その子の体が片側へ傾きません。
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3|分けた列の根元へ、手のひらから乗せる
猫用 mofuwa グルーミングウォーターを手のひらに出し、開いた線に沿って指先で置いていきます。ノズルを体へ向けないので、押した音でその子が動くことがありません。猫は使ったあと自分でそこを舐めます。舐めることを前提に設計された水なので、量を気にせず使えます。手のひらで一度受けると、液の温度もその子の体に近づきます。
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4|列ごとに、コームを1度だけ通す
6列ぶん置き終えたら、指を離してコームへ持ち替えます。1列につき1度。同じ列を何度も往復させると、毛が締まる向きに力が入ります。コームの歯が途中で止まったら、その列はそこで終わりにして次へ移ります。止まった位置は紙に書いておきます。翌朝、同じ位置で止まるかどうかが読めます。
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5|腰と尾のつけ根は、立たせてから
座った姿勢のままでは、腰の上と尾のつけ根は自分の体の下に隠れます。名前を呼ばずに、手を前へ差し出して1歩だけ歩かせます。立った瞬間に背中から腰までが一直線になり、隠れていた2か所が開きます。ここは列を引かず、毛の流れに沿って上から下へ。長毛猫のケアで最後に残るのはこの2か所です。
手順の順番は動かせます。動かせないのは、コームを持つのが最後だという点です。毛が乾いたままコームを入れると、歯が毛の途中で引っかかって、根元まで降りる前に止まります。手のひらから置いた列を通すと、歯が止まる回数が減って、1度で根元まで降ります。毎日の6列が同じ時間で終わるようになるのは、この持ち替えの順番がそろってからです。
幅を広く取ると、線の中が見えるぶん作業は早く進みます。ただし広い線は、根元へ置いたものが両側の毛に散って、地肌の手前まで届きません。指1本ぶんというのは、置いたものが線の底に残る幅です。長毛猫の背中で6列に区切るのも同じ理由で、1列が広すぎると、列の真ん中だけ届いて両端が残ります。列の数を減らして幅を広げるより、6列のまま日数を分けたほうが早く終わります。
6列のうち3列で止まる|長毛猫の背中のケアでやり方が崩れるところ
実際に数えると、最初の朝に届くのは6列のうち2列です。背骨のすぐ左右の1・2列目だけ。3列目から先は、線を引いた手が途中で止まります。崩れる場所は毎回同じ3か所に集まります。腰の上、脇腹との境、尾のつけ根です。長毛猫の背中のケアが「やっているのに変わらない」と感じるのは、この3か所がずっと0列のままだからです。
- 腰の上:皮膚が手と一緒に動くので、分けた線が指を離す前に閉じます。開いた線を保てないときは、もう片方の手で腰の毛を軽く押さえて、皮膚が動く向きを止めてから置きます
- 脇腹との境:毛の向きが横へ回る場所で、背骨と平行に引いた線がここで斜めになります。線を無理に伸ばさず、境の手前で1列終わりにして、境の先は別の列として引き直します
- 尾のつけ根:座った姿勢では体の下に隠れます。立たせないまま手を伸ばすと、尾を巻き込んで押さえることになり、翌日は背中に手を置くだけで振り返られます
- 片手がふさがる:ボトルと指で両手が埋まっているので、この3か所で「もう1本の手」が要ります。コームを床に置いておくのは、その1本を空けておくためです
3か所が開かない朝は、列の数を無理に伸ばさないでください。2列の朝を3日続けたほうが、6列を1日で通した朝より、次の週の数字が伸びます。長毛猫の背中は毎日汚れます。猫も脂を出すので、昨日届いた列も今日また同じ状態に戻ります。毎日2列でも、1週間で14列ぶんの根元に手が入ります。1日で6列を通して3日空けるより、そのほうが多くなります。
毛を分けたときにしか見えないものがあります。地肌が赤い/さわると熱い/根元に白いものが張りついている/毛が根元で硬くかたまって指が入らない/同じ列だけ毛が薄く、地肌の見える幅が週ごとに広がっている。こうした見え方は、列の引き方や毎日のケアの話では説明がつきません。どの列で、いつから見えるようになったかを書いた紙を持って、動物病院で皮膚と被毛のほうを見てもらう日をつくってください。6列という数え方をしていると、場所の伝え方に迷いません。見てもらったあとも、届いた列の数は同じ形で数え続けてください。
6列そろったあとの広げる順番|長毛猫の背中と腰を毎日続ける線
6列そろった翌朝から、列の数は増やしません。増やすのは場所です。背中で6列が3日続いたら、腰の上、そこから尾のつけ根、内股の手前へ。1か所ずつ、3日ごとに足します。長毛猫のケアで一気に全身へ広げると、どの場所が何列まで進んだのか分からなくなり、紙の数字が読めなくなります。
| 順 | 場所 | 数える単位 | 移ってよい合図 |
|---|---|---|---|
| 1 | 背中(背骨の左右6列) | 根元まで届いた列の数 | 6列が3日そろう |
| 2 | 腰の上 | 線が閉じずに保てた回数 | 3回のうち2回保てる |
| 3 | 尾のつけ根 | 立たせてから終わるまでの秒数 | 10秒たっても座らない |
| 4 | 脇腹から内股の手前 | コームが止まらずに通った列 | 2列が2日続く |
表の右端が、その場所を終わりにしてよい合図です。日数ではありません。同じ合図が続かない場所は、そのままもう1週間置いてください。順番を守るのは、背中で通した6列ぶんの手の動きが、隣の場所でそのまま使えるからです。腰から始めた子は、背中に戻ったときにまた2列から数え直すことになります。
毎日の時間は10分もかかりません。6列を引いて置いて、コームを1度通す。慣れた朝は5分で終わります。長毛猫の背中と腰のケアが続かなくなるのは、時間の長さより、毎朝の光の向きが変わったときです。季節が動いて窓の光の角度が変わったら、時刻を30分ずらして、同じ向きの光になる時間へ寄せ直してください。
今朝は、背骨のすぐ左右の2列だけで終わりにしてかまいません。紙に「2」と書いて、光が入っていた時刻を横に添えます。その数字が来週3になっていれば、長毛猫の背中は前の週より1列ぶん深く手が入っています。
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よくある質問
- 毛を分けようとすると、そのつど体をひねって逃げます。列を引けません。
- 線を引く手を、毛を分ける動きから、毛の上に置く動きへ変えてください。つまんで開くのではなく、手のひらの側面を背骨に沿って当て、そのまま外側へ倒すと、毛が同じ幅で分かれます。つままれる感触だけを嫌う子は、この当て方で残ります。それでもひねるときは、列の数を2列に固定して、期間を4日から2週間へ伸ばします。長毛猫の背中は毎日戻るので、1日の列数が少ないほうが続きます。
- コームの歯が同じ列で毎朝止まります。切ってしまってよいでしょうか。
- 家で切る判断はしないでください。歯が止まる位置が3日続けて同じなら、その列は根元で毛が締まっている場所です。無理に引くと締まる向きに力が入ります。その列だけコームを使わず、手のひらから置いて指で分けるところまでにしてください。位置と日付を紙に書いて、サロンに行く日に伝えるか、皮膚の側の変化が一緒に出ているなら動物病院で見てもらう日に持っていきます。
- 朝に時間が取れません。夜でも同じやり方でいいですか。
- 夜でもかまいません。決めるのは、照明が真上から当たらない場所を選ぶことです。天井の照明の下では、分けた線の中が影になって、根元の色が読めません。窓際のスタンドや、廊下の低い位置の明かりでも、光が横から入れば列の中は見えます。時刻は毎日同じにしてください。朝と夜を日によって入れ替えると、6列そろうまでの日数が読めなくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
